
Tony Curtis, Marilyn Monroe as Suger and Jack Lemmon
♪ Marilyn Monroe - I Wanna Be Loved By You - YouTube
お熱いのがお好き(1959年)
♥ジャズはホット!恋もホット♥
Billy Wilder(ビリー・ワイルダー)監督の白黒コメディ映画は、2004年のAFIの最も面白いコメディ(The American Film Institute's Funniest Comedies)では1位だったほど、アメリカの映画史上でもっとも可笑しい映画とされています。 そしてMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)が一番可愛い映画です。
※AFIについてはAudio-Visual Trivia内のホワイトクリスマス
St. Valentine's Day Massacre
映画「お熱いのがお好き」は実際に1929年に起きたマフィア同士の抗争にヒントを得たストーリで、実際の「聖バレンタインデーの大虐殺」とは禁酒法がしかれた1929年のバレンタインデーにパトカーで乗りつけたイタリア系マフィアのAlphonse Gabriel Capone(アル・カポネ)配下の偽警官が敵対するギャングどもをずらっと壁に並ばせて一斉射撃で血祭りにあげた事件だそうです。
Joe as Josephine and Jerry as Daphne met Sugar Kane
映画「お熱いのがお好き」では先ず葬儀屋が霊柩車で密造酒を運ぶシーンです。 1929年のシカゴで、葬儀屋を装った秘密クラブでは禁酒法の裏をかく密造酒が珈琲と偽って提供されていたのです。 George Raft(ジョージ・ラフト)が演じる白いスパッツを穿いたマフィアのスパッツ親分が経営するその葬儀屋酒場に密告による警察の手入れがあり、それをいち早く悟ったバンドマンの二人は裏口から逃げ出したのでした。 その二人とはTony Curtis(トニー・カーティス)が演じるテナーサックス吹きのジョーとJack Lemmon(ジャック・レモン)が演じるベース弾きのジェリーです。
葬儀屋クラブの仕事を失い文無しの二人が仕事を得るために女友達の車を借りに行ったガレージで、偶然スパッツ親分の「聖バレンタインデーの大虐殺」を目撃、辛うじて逃げたもののマフィアに追われる身となりました。 逃れるために二人は足の毛をジョリジョリと剃って胸にパットを入れて女装し、名前もジョーはジョセフィン、ジェリーはダフネと変えてガールズ・バンドに入団します。 汽車で目的地のフロリダまで旅をするのですが車中ではマリリン・モンローが演じるシュガーを中心にRunnin' Wild(ラニンワイルド、愉快にやろう)が演奏されます。 惚れやすいシュガーはテナーサックス男にコリゴリしたので女性だけの楽団に入ったのだそうですが、フロリダには百万長者がいるから結婚相手を見つけようという魂胆です。 撮影のために見事女装したトニー・カーティスとジャック・レモンの二人は完璧かどうか、撮影前に女性トイレに入って確かめてみたのだそうです。 パーペキ! この後、トニー・カーティスはCount Basie(カウント・ベイシー)が自信の役で出演した1964年のRichard Quine(リチャード・クワイン)監督のSex and The Single Girl(求婚専科)で今度は女装(女性のガウンを着用)して「ジャック・レモンみたい」と言いながらNatalie Wood(ナタリー・ウッド)が演じる女性精神コンサルタントを口説いて嘘のカウンセリングを受けています。
マリリン・モンローが演じるウクレレで歌うシュガーはベティちゃん・ガーターベルトから滑り落ちたバーボンの酒ビンがバンドリーダーに見つかってしまいますが、罪を被ってやったダフネはシュガーの信頼を得ます。 女性だけのバンドだから女装した男性たちは美味しいのなんのって、女の子たちは安心して押しかけます。 ダフネはマフィアに撃たれて穴だらけのベースでRunnin' Wild(ラニン・ワイルド)など演奏します。 さてホテルのショー公演があるフロリダでは、踊り子と8回も結婚したというJoe E. Brown(ジョー・ブラウン)が演じる大口爺さんのOsgood Fielding(オズグッド3世)が男勝りのダフネにぞっこんになります。 ジョーはシュガーをゲットしようとくすねたガールズ楽団のマネージャーのトランクからお洒落な服を失敬して金持ちに成り済ましたジョセフィンことジョーはダフネことジェリーとシュガーのいる浜辺に向かいます。 おっと、シュガーの好きな眼鏡をかけることも忘れてません。 ダフネと金持ち爺さんの代わりにジョセフィンとシュガーが豪華ヨットでロマンティックなデートをすることになりますが、ジョーはいくらキスしても感じないフリをして図々しくミルク募金で鍛えたシュガーのキス特訓を受けます。 一方、陸に追いやられたダフネとオズグッド爺さんはラテンクラブで花をくわえてのLa Cumparsita(クンパルシータ)! ダイナマイトと爆竹カップルはタンゴでお熱い夜を過ごした挙句に婚約してしまいます。
シュガーと二人のバンドマンが出演するホテルに会合でやって来たのが例の敵対するギャングども。 それを見つけた二人は身の危険を感じてアタフタと逃げ出そうとしますが、逃げ込んだパーティ会場のテーブルの下でバースディ・ケーキから手下が機関銃でスパッツ一家を皆殺しにする現場を又もや目撃してしまいます。 Big Joke!(笑わせるゼ)と言ってスパッツ親分は息絶えます。 そこに警察が踏み込んできて二人はようよう逃げることが出来ましたが、道路も空港も張られているので金持ち爺さんのヨットを利用することにします。 ホテルを脱出する前に、ジョーにふられたと思い込んだ失意のシュガーが歌う涙ぐんでのI'm Through With Love(もう恋はしないわ)を聴いて心を打たれたジョセフィンが思わず駆け寄ってキスをしてしまうと、シュガーがジョセフィンがジョーであることを見抜きます。
Nobody's perfect...
さて、最後のシーンがダフネと爺さんの結婚話
絶対に「NO!」と言わない爺さんに結婚できない理由としてダフネが言う、「本物の金髪じゃないワ!」 爺さんの返事は「構わんよ。」
又ダフネが言う、「あんたのママが嫌いな煙草を吸うワ!」、爺さんは「構わんよ」
ダフネが言う「サックスマンと3年も一緒なのよ!」、爺さんは「許すよ。」
なんとか説得したいダフネが言う、「子供が産めないノ!」、爺さんは言う「貰うさ。」
もう言うことがなくなったダフネは「うんもう、俺死にたいよ!」とばかりにカツラを剥ぎ取り「But you don't understand. I -- I'm a man!(分かってねえな、オレは男だ!)」・・・爺さんの名セリフ、「Well, nobody's perfect.(完全な人はいない。)」 ダッハー! これでザ・エンド!
「お熱いのがお好き」はマリリン・モンローが一番可愛い映画と冒頭で述べましたが、実は一番セクシーな映画かもしれません。 浜辺でビーチボールをして戯れるシュガーの水着は借り物のローリング20風なダサイものですが胸の部分が開いていないにも関わらずセクシーなのは乳首が立っているからです。 マリリン・モンローが1953年のNiagara(ナイアガラ)ではあのセクシーなモンロー・ウォークを編み出したことを考慮すると案外マリリン・モンロー自身の演出だったのかも知れません。 マリリン・モンローは夜汽車の中でも惜しげなく谷間を覗かせていますが、"I'M Thru With Love"を歌う時などに着ていたドレスは胸の部分が透けているようで、特に横向きだとマリリン・モンロー自慢のバストラインがくっきりと出ています。
Not Tonight Josephine
「お熱いのがお好き」の製作中の仮タイトルは"Not Tonight Josephine(ジュセフィーヌ、今夜はよそうよ)"でした。 この名セリフはジャック・レモンが演じるダフネがオズグッド爺さんからのお誘い電話の後にトニー・カーティスが演じるジョセフィンに言ったのです。
ダフネはいつも有利にさせてあげているけど、「今夜は駄目!」と。
※これはフランス語ではPas Ce Soir Josephineといい、Napoléon Bonaparte(ナポレオン)が妻のJosephine de Beauharnais(ジョセフィーヌ)に言ったとされる有名な言葉です。(チーズでも食べている夢を見てたらしく寝ぼけて言ったとか)
「お熱いのがお好き」ではトニー・カーティスが演じるジョーが女装した時の呼び名が"ジョセフィーヌ"だからでしょう。
※「わが辞書に不可能はない」と同じ位に「今夜は駄目だ、ジョセフィーヌ」が有名な言葉のナポレオン1世(ボナパルト)について、砒素か胃癌かと謎の死因に迫る真面目な内容のたむ・たむ・ページの人名辞典
Rudy Vallée
オズグッド3世爺さんがダフネをヨットに招待する時の言ったセリフに、"Rudy Vallee(ルディ・ヴァリー)"の新しいレコードがあるよ。」というのがありましたが、ルディ・ヴァリーとは1930年代に活躍した楽器も演奏するハンサムなポップス歌手で、ボビーソクサー(アイドル)の先駆けといわれ当時のフラッパーたちに大変人気があったそうです。 1943年にカバーしたAs Time Goes Byが大ヒットしたルディ・ヴァリーの生出演(ライヴ)は人目でも見たいという女性たちのおかげで全て満員御礼というほどの人気で、後のクルーナーのBing Crosby(ビング・クロスビー)やFrank Sinatra(フランク・シナトラ)などが影響を受けたといいます。 ルディ・ヴァリーの最初の映画出演は1929年のThe Vagabond Loverで、映画の他にラジオ番組を持ったり、1934年に制作された赤毛のベティちゃんのカラー漫画(Betty Boop - Poor Cinderella)の舞踏会での楽器の音真似をするメガホン・クルーナー役で出演したことがあるとか。 1942年の映画「Casablanca(カサブランカ)」でDooley Wilson(ドゥーリイ・ウィルソン)が歌った"As Time Goes By"は1930年代にルディ・ヴァリーが録音した曲だといわれています。
♪ ルディ・ヴァリーの"I'm Just a Vagabond Lover(バガボンド・ラバー)"が聴けるRudy Vallee - I'm Just a Vagabond Lover (1929 Glorifying The American Girl) - Don Edrington's Big Band
「お熱いのがお好き」の予告編が観られるオフィシャル・サイトはSome Like It Hot Trailer - MGM.com
Some Like It Hot Trailer - movie-list.com
「お熱いのがお好き」の写真とマリリンモンローの歌"Some Like It Hot"、"I Wanna Be Loved By You"、"I'M Thru With Love"、"Runnin' Wild"の4曲が聴けるイタリアのラジオ局" radio Scrigno"のアーカイブMarilyn: un mito intramontabile with Photos - radio Scrigno(ASCOLTA:オレンジ色のアイコンをクリック)
「お熱いのがお好き」の映画タイトルデザインはマリリン・モンローが出演した「The Seven Year Itch(7年目の浮気)」と同じくお洒落なSaul Bass(ソウル・バス)のデザインです。
「お熱いのがお好き」の映画ポスターはSome Like It Hot Movie Poster - MovieGoods.com
「お熱いのがお好き」の音声が聴けるBijou Follies(バンドの一行が汽車に乗り込む前に女装したトニー・カーティスとジャック・レモンとマリリン・モンローが出会う最初の方のシーンやマリリン・モンローの歌2曲、ジャック・レモンが爺さんに「実は男よ」と告白するシーン)
マリリン・モンローとカーティスの会話が聴けるwavsource.com
I just went GAY, All of a Sudden!
トニー・カーティスが演じるジョセフィンことテナーマンのジョーはお金持ちに扮して、マリリン・モンローが扮するクラブ歌手のSugar(シュガー)を誘惑しますが、トニー・カーティスは当時人気のハンサム俳優のCary Grant(ケイリー・グラント又はケーリー・グラント)を真似たそうです。 恐らくHoward Hawks(ハワード・ホークス)監督の1938年の映画「Bringing Up Baby(赤ちゃん教育)」の中で女性用ナイトガウン姿の言い訳にアドリブでゲイ宣言をしたケーリー・グラントをイメージしたのでしょう。(実際私生活では西部劇スターのRandolph Scott(ランドルフ・スコット)との親密な交友関係が疑惑となった事実もあったとか。)
ただし、グラントは「ワタシはあんなじゃない!」と言ったとか・・・そう、ゼンゼン似てない!
トニー・カーティスといえば、公開当時、あまりに素晴らしい映画で感激した私はファンレターを出すことにしました。 さて、誰にしようかなと思ったのですが当時ティーンエイジャーだった私はやはり男性、ハンサムなトニー・カーティスを選んだのでした。 映画雑誌に公開されていた撮影所気付けで届いたようです。 そして来ました!トニー・カーティスからの返事が。 サイン入りの写真だけでしたが。
当時の大物コメディアンだったJerry Lewis(ジェリー・ルイス)は女装はイヤ!と出演を断り、ジャック・レモンが演じてオスカーにノミネートされました。 当初は女装役を引き受けてくれたジャック・レモンにチョコレートなど贈って感謝してましたが、今じゃ役を引き受けなかったことを後悔してるそうです。 ジャック・レモンの映画では「お熱いのがお好き」の前の1958年のBell, Book and Candle(媚薬)でのビートニクもいいですが、「お熱いのがお好き」の後に主演した1960年の「The Apartment(アパートの鍵貸します)」が最高です。
Hey, It's -- Suger, not 'bonbon, it's the bourbon!

Boop-boop-a-doops!
I Wanna Be Loved By You by Marilyn Monroe
貴方にだけに愛されたい
貴方にだけ、他の誰でもない
貴方一人に愛されたいのよ~ん・・・pooh pooh bee doo!とマリリン・モンローが歌うI Wanna Be Loved By You(あなたに愛されたいのに)の歌詞はI Wanna Be Loved By You - Minibites.ccom(すぐ歌!)
I Wanna Be Loved By You(アイ・ウォナ・ビー・ラヴド・バイ・ユー)は、1920年代の元祖"Boop-boop-be-doop!"のHelen Kane(ヘレン・ケイン)が1950年の映画「Three Little Words(土曜は貴方に)」で、ヘレン・ケイン役を演じたDebbie Reynolds(デビー・レイノルズ)のために吹き替えで歌ってヒットしたものだそうです。
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元祖プップッビドゥ~!のヘレン・ケイン
Marilyn Monroe sings I Wanna Be Loved By You - YouTube
ページトップの画像はAmazon.comにあるDVDですが、こちらは日本語字幕の「お熱いのがお好き」のDVDです。。
お熱いのがお好き〈特別編〉
「お熱いのがお好き〈特別編〉 [スタジオ・クラシック・シリーズ]」もあります。
Some Like It Hot: Original MGM Motion Picture Soundtrack[Enhanced CD]
「お熱いのがお好き」のサウンドトラックCDです。
Some Like It Hot: Original MGM Motion Picture Soundtrack [Enhanced CD]
映画「お熱いのがお好き」の音楽はジャック・レモンが主演したビリー・ワイルダー監督の1960年の「The Apartment(アパートの鍵貸します)」と同じAdolph Deutsch(アドルフ・ドイッチ)が担当して"Runnin' Wild"、"I Wanna Be Loved By You"、"I'm Through With Love"などのマリリン・モンローの歌に加えて"Randolph Street Rag"を作曲しています。


「まいじょ」さん、「街角」の記事ではお世話になり有難うございました。
女装の件ですが、ジェリー・ルイス説は確かIMDbで読んだと思います。シナトラ説もあったのですね。いづれにせよジャック・レモンで大成功でそれ以来女装映画もたくさん出現したようですね。
聴く!観る!のリンクは私自身がおおいに楽しんでいるのです。
す、すごいトリビアの数々ですね。リンクされている映像や音楽も楽しませていただいています。
ジャック・レモンの役をジェリー・ルイスにやらせる話もあったんですね。フランク・ジナトラという話も聞きましたが...