
その昔、珈琲のアロマ(香り)は媚薬だったのでしょうか
初めてアロマなる言葉を聞いたのが「コーヒールンバ」でした。
♪ Moliendo Café -Paco De Lucia - YouTube
上記のリンク先で聴ける曲はフラメンコ・ギタリストのPaco De Lucia(パコ・デ・ルシア )が演奏する"Moliendo Cafe(コーヒー・ルンバ)"です。 パコ・デ・ルシアはAntonio Gades(アントニオ・ガデス)が主演した1983年のスペインのフラメンコ・ミュージカル映画「Carmen(カルメン)」に出演し、音楽も手がけて英国アカデミー賞で作曲賞を受賞しました。
"コーヒールンバ"は美人歌手の西田佐知子(現関口宏夫人)さんの昭和36年(1961年)のヒット曲ですが、オリジナルはベネズエラのJosé Manzo(Josse M.Perroni /ホセ・マンソ・ペローニ)の作詞・作曲のMoliendo cafe(モリエンド・カフェ又はモリエンダ・カフェ)というラテンの名曲で"珈琲豆を挽きながら"を意味し世界中でヒットしました。
私は当時コーヒーの種類も知らなかったので「コーヒー、モカ、マタリ」という歌詞を珈琲のモカマタリではなく「コーヒーも釜足」だと思い込んでしまいました。 人気少女漫画の1954年の映画化で「あんみつ姫」のパパを演じたフジワラ・カマタリ(藤原釜足)さんを思い出したのです。
Rumba
(スペイン→キューバ←アフリカ)
Rhumbaと綴られることもある"ルンバ"はキューバ音楽のリズムの基礎となるClave(クラーベ)はアフリカから連れてこられたキューバの奴隷たちの祖国である西アフリカが起源です。 その名の由来はパーカッションのClaves(クラベス)からです。 アメリカでいうルンバとは1920年代に誕生したキューバのSon(ソン)という音楽スタイルを指すそうで、コンガがメインのルンバの一種でGuaguanco(ワワンコ)というスタイルが最もポピュラーなんだとか。 つまりはアメリカナイズされたソンのことでしょうか。 いわゆるCuban Rumba(キューバン・ルンバ)というのは奴隷の宗教音楽がもとになってキューバで娯楽化した非宗教的な打楽器音楽が変化したのだそうで、2拍子及びシンコペーションのダンス音楽でちょっとエロティックです。 ただし1940年代にはスペインのカタルーニャ・ジプシーがルンバを広めたという説もあります。 長さ20センチほどの円筒形の拍子木でリズムを打ち出す楽器のクラベス(クラーベ)がソンとルンバではどう違うかと言うと、ルンバの場合はより鋭いシンコペーションになっているそうです。 四分の四拍子の二小節で一つのパターンとなっていますが、一小節の三つ目の四分音符が付点四分で四つ目の四分音符が八分音符となるそうです。(私は音符は読めませんが)
※社交ダンスのルンバでは2拍目から踊るキューバン・ルンバがダンス種目のルンバに採用されているとか。(詳しくは分りません。)
コーヒールンバはルンバではありません!えっ?えっ?
そんなこと言ったのはどこのどいつだっ! あたいだよ!
Moliendo Cafe(コーヒールンバ)は厳密にいうとルンバではなく、ベネズェラのHugo Blanco(ウーゴ・ブランコ)が新たに生み出したOrquidea(オルキデア)というリズムだそうですが、この"Moliendo Cafe"はキューバ音楽に多いClaves(クラベスという丸い拍子木)のCinquillo(シンキージョ)という五つ打ちがこの曲には入っているそうです。 じゃルンバか?
1961年に、"Moliendo Cafe"の作曲者マンソ・ペローニの甥であるアルパ奏者のウーゴ・ブランコがOrquidea(オルキデア スペイン語で欄の意味)という新しいリズムで演奏したのが大流行しました。 ベネズェラのウーゴ・ブランコが作詞した"Moliendo Cafe"もあるそうです。
ベネズェラのウーゴ・ブランコが生み出したオルキデアは大流行とはいきませんでしたが、キューバ出身のPerez Prado(ペレス・プラード)は世界中にマンボのリズムを広めてマンボの王様と呼ばれました。 そのペレス・プラードも「Lo Mejor de lo Mejor」というアルバムにコーヒールンバを収録しています。
Pérez Prado y Su Orquesta - Moliendo Café - iLike.com
Moliendo Café by Julio Iglesias
"世界の恋人"の異名を取るスペイン出身のJulio Iglesias(フリオ・イグレシアス)が歌うコーヒールムバ!
♪ Julio Iglesias - Moliendo Café (America) - Rádio UOL
Julio Iglesias & Jeane Manson - Moliendo Café (1977) - Dailymotion
(なにゆえ珈琲挽きの歌がこんなにセクシーになるのだろう。。。共演者とのお熱いシーンが多いJeane Manson(ジェーン・マンソン)との1977年の超セクシーなデュエット映像は削除されることあり! オーララ)
1990年代にデビューして"Besame"のヒットで知られるベネズエラのラテン・ポップ歌手のRicardo Montaner(リカルド・モンタネール)もアルバム"Sueño Repetido"のなかでモリエンドカフェを歌っています。
リカルド・モンタネールのコーヒールンバの試聴はSueno Repetido(10番がコーヒールンバ)
これは珍しい!イタリアのポップ歌手"Mina Mazzini(ミーナ)"が1960年に歌ったコーヒールンバが収録されているアルバム・カバー画像が見られるイタリア国営放送の Moliendo cafe (Macinando Caffè) (Mina) - Radio.Rai.it
Mina Mazzini - Moliendo cafe - Mina50 - YouTube
コーヒールンバは世界中で歌われています。 1990年代にはインドネシアの民族音楽Dangdutを取り入れたマレーシアのダンドゥット歌手のFahmy Shahab(ファミー・シャハブ)が歌ったKopi Dangdut(コピ・ダンドゥット/コーヒールンバ)が流行ったそうです。
モリエンド・カフェの演奏は色々ありますがその中で、チリで活躍しているボリヴィア出身のオルガン奏者のPepe Bustamante(ペペ・ブスタマンテ)が演奏するモリエンド・カフェをTROPICAL HAMMOND SOLOSで聴いてみましょう。(右側がストリーム)
アルバム「Up and At 'Em」からコーヒールンバが聴けるキューバのハープ(ブルース・ハーモニカ)奏者"Carlos del Junco"のオフィシャルサイトはMoliendo Caf - Carlos del Junco Official Site - CarlosdelJunco.com(※私の場合はQuickTimeの設定には"いいえ"を選択して下のクリップ・ポジション(再生バー)をクリック、ブラウザによってはすぐ音)
2005年にMaple Leaf Bluesで2005年度ハモニカ奏者賞を受賞した他、ブルースハープの製造でも有名なドイツのハーモニカ・メーカーHohner(ホーナー)社主催のコンテストで2度も金賞を受賞したそうです。
Moliendo Cafe by José Manzo Perroni
「日が暮れていく頃 闇が再び姿を現す
静けさの中 珈琲農園はその珈琲を挽く音に
悲しい愛の歌を再び感じ始める
それはまるで無気力な夜の中 嘆き悲しんでいるかのよう
一つの愛の苦しみ 一つの悲しみ
それは給仕のマヌエルが持ってくる珈琲の苦みの中にある
珈琲を挽きながら 終わることのない夜が過ぎていく」と歌われる原曲の歌詞はMoliendo Cafe Lyrics - Asociación Venezolana Suiza (José Manzo PerroniのMoliendo Cafeはスピーカーアイコンをクリック)
ウーゴブランコのコーヒールンバ
オリジナルは1993年というウーゴブランコのコーヒールンバを収録した「Grandes Exitos」は現在入手困難ですが、試聴はHugo Blanco - Grandes Exitos - Amazon.com
※ウーゴブランコのコーヒールンバだけの試聴はHugo Blanco - Moliendo Cafe - Barnes & Noble.com
上記のアルバム以外にはコンピレーション・アルバムのThe Rough Guide to the Music of Venezuela(10番目)や、日本でヒットした"太陽がいっぱい"や"第三の男"など22曲を集めた国内盤コンピ・アルバムの「魅惑のイージーリスニング・ヒッツ・コレクション」(15番目)などにも収録されています。
Hugo Blanco - Moliendo Cafe - YouTube
演歌でも艶歌でも恨歌でもない西田佐知子さんのレパートリーの中で洋楽を取り入れた和製ポップスのコーヒールンバが飛びぬけて明るい曲です。
コーヒー・ルンバ
西田佐知子 - コーヒールンバ - YouTube
☆西田佐知子さんが歌う中沢 清二氏訳詞のコーヒールンバの歌詞はコーヒールンバ 西田佐知子 歌詞情報
Moliendo Cafe - Ignacio Alderete
ページトップのCD画像はIgnacio Alderete(イグナシオ・アルデレーテ)が演奏するMoliendo Cafeを収録したCDです。 オルガンはGilberto Bellagamba(ギルベルト・ベラガンバ)、ギターはLucio A. Ramirez(ルイ・ラミレス)、Ensemlbe Cochabamba(ボリビアのコチャバンバ・アンサンブル)です。 アルパ(インディア・ハープ)の父と呼ばれるFelix Pérez Cardozo(フェリックス・ペレス・カルドーソ)の影響を受た「イグナシオ・アルデレーテ」はアルパ奏者「イグナシオ・アルデレーテ」は祖国パラグァイを出てアルゼンチンで活動した後にフランスに渡りました。 1976年にLes Guaranis(レ・グアラニー又はLos Geranios)に参加して世界中で演奏及びレコーディングをしています。 ギターやベースと調和してトラディショナルよりもっとリズミカルな演奏です。アルパも色々ありますがイグナシオ・アルデレーテはやはりパラグァイの楽器を使用しているそうです。 パラグァイのアルパは16世紀にイエズス会の宣教師がもたらしたといわれ、Guaranis(グアラニー)というのもパラグァイの先住民を指しています。 パラグアイのパラナ川北岸のイエズス会伝道所も南米のユネスコ世界遺産の一つとなっている歴史的な地の名前です。


rhythm sideさん、昨年の11月から記事を書いていない状態なのでコメントのチェックが遅れて申し訳ありません。
こんにちは。
コーヒー・ルンバに関しての記事を書くのに、
情報を探していてたどり着きました。
参考になりました。ありがとうございます。
書いた記事はこちらです。
http://doraoku.blog27.fc2.com/blog-entry-551.html
koukinobaaba様
遅くなりましたが このページのリンクと記事(部分)
を 転載させて頂きました。
順番が逆で 申し訳ありませんでした。。。
しかも 文章の書き換えまで させてしまい。。。
恐縮いたします。
とても参考になりました。 有り難うございました!