March 2005 Archives


元水兵ホーマーの叔父の店「Butch」での再会
The Best Years of Our Lives
左からホーマー、軍曹の娘、フレッド大尉、軍曹の妻、ブッチ、アル軍曹
我等の生涯の最良の年(1946年)

「The Best Years of Our Lives(我等の生涯の最良の年)」は第二次大戦直後の米・タイム誌に掲載された「元海軍兵達の実社会復帰への問題」の記事にヒントを得たプロデューサーのSamuel Goldwyn(サミュエル・ゴールドウィン)が企画立案し、William Wyler(ウィリアム・ワイラー)が監督した復員兵の社会復帰プロパガンダ映画だそうです。
第二次大戦が終わり軍用輸送機に乗り合わせた陸・空・海の三人の復員兵が同じ故郷に帰還し、それぞれが復員兵としての現実の社会復帰に苦悩する人生ドラマを描いています。
「我等の生涯の最良の年」は1946年のアカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞、音楽賞、編集賞を受賞し、ゴールデングローブや英国アカデミー賞作品賞を受賞した作品です。

出演はアル軍曹にFredric March(フレドリック・マーチ)、アル軍曹の妻にMyrna Loy(マーナ・ロイ)、 アル夫妻の娘のペギーにTeresa Wright(テレサ・ライト)、フレッド空軍大尉にDana Andrews(ダナ・アンドリュース)や、フレッド空軍大尉の妻のマリーにVirginia Mayo(ヴァージニア・メイヨ)、その恋人のCliff Scull(クリフ)にMichelangelo Antonioni(ミケランジェロ・アントニオーニ)のIl grido(さすらい)に出演したSteve Cochran(スティーヴ・コクラン)などで、元水兵で義手のホーマー役のHarold Russell(ハロルド・ラッセル)は本職の俳優ではなく、実際に軍隊の事故で両手を失った負傷兵です。 復員兵が家族とともに再会するのはホーマーの伯父のブッチのバーですが、そのブッチを演じているのがピアニストでいくつもの名曲を作曲したHoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)なのです。 ブッチの店でホーマーがブッチに演奏を頼んだのはでホーギー・カーマイケルが1930年に作曲したジャズのスタンダードとして有名な"Lazy River"でした。
Hoagy Carmichael - Lazy River - YouTube
Danny Kaye(ダニー・ケイ)の映画でコーラスガール役が有名なヴァージニア・メイヨの脚線美が見られるSkylighters - Virginia Mayo
ダンサーからサイレント映画に出演するようになり異国情緒たっぷりで妖艶なヴァンプ役などでMGM映画のスターとなった美しいマーナ・ロイの写真が見られるThe Queen Of Hollywood - Myrna Loy - Members.aol.com(Picture Galleryをクリック)
Danny Kaye and Virginia Mayo in A song is born - YouTube

Dana Andrews
ミシシッピの牧師の子として生まれたダナ・アンドリュースでしたが俳優となり1940年から西部劇や戦争映画に出演していました。 1944年にOtto Preminger(オットー・プレミンジャー)が監督した有名なフィルム・ノワールの「Laura(ローラ殺人事件)」はテーマ曲が大ヒットしたと共に殺人課のマーク刑事を演じたダナ・アンドリュースが注目されたのです。 そして「我等の生涯の最良の年」でスターの座を揺るぎないものにしました。 とはいえこの後にはFritz Lang(フリッツ・ラング)が監督した1956年のフィルム・ノワール映画「While the City Sleeps(口紅殺人事件)」くらいで他には特筆すべき作品はなく、Jane Russell(ジェーン・ラッセル)と西部劇「Johnny Reno(必殺のジョニー)」で共演しましたが1960年代後期には引退してしまいました。 ダナ・アンドリュースは1940年代と1950年代に活躍した俳優としてばかりでなく映画俳優組合(Screen Actors Guild)の委員長として女優のヌードシーン反対声明を出したり、不振時代に自身も陥ったアルコール依存症の評議会の広報を担当するなど社会派の行動で知られています。

映画の製作にあたって、ウィリアム・ワイラー監督はリアル感を与えるため、俳優達には自前の衣裳を着せ、メーキャップも最小限にさせたほどだったので、サミュエル・ゴールドウィンが映画未経験のハロルド・ラッセルを演技指導へ行かせたことを知り、自然の演技が欲しかった監督は激怒したとか。

videoホーギー・カーマイケルも見られる「我等の生涯の最良の年」のトレーラーはThe Best Years of Our Lives Trailer - Reel Classics
The Best Years of Our Lives Trailer - YouTube
Al Stephenson's Speech in The Best Years of Our Lives - YouTube
Dana Andrews at Aircraft Graveyard in The Best Years of Our Lives - YouTube

ListenThe Best Years of Our Lives(我等の生涯の最良の年)の音声が聴けるBijou FolliesのBest Years of Our Lives Sound Clips - PostWar Features

恋人を抱きしめることができないEdward Scissorhands(シザーハンズ)のようなホーマーと恋人との再会をはじめ、各人の再会シーンなど感動的な場面はいくつも有りますが、婚約者がホーマーのパジャマのボタンをかけるシーンは、普段はハードボイルドな私が「鬼の目にも涙」でした。

第二次大戦で日本軍と戦った戦争記念品を息子に見せながらのやりとりのなかで、「日本人は家族との絆を大切にするんだ」「あぁ、我々とは違って。。。」というクダリがあります。 それが50年代から60年代のTVホームドラマにみるようなアメリカの憧れの家庭像となっているのかもしれません。 しかし、戦後の我が国ではどうなったでしょう?


日本語字幕版「我等の生涯の最良の年」のDVD(白黒)です。
The Best Years of Our Lives DVD我等の生涯の最良の年 DVD
画像は2006年に発売された500円DVDですが、この他に2007年には吹き替え版(ASIN: B000RL1F6U)も出ました。

「我等の生涯の最良の年」の2000年英語版VHSビデオもまだあるようです。
Best Years of Our LivesBest Years of Our Lives (1946)
英語版のVHSには「Best Years of Our Lives (1946)」もあります。

Best Years of Our Lives Soundtrack
Best Years of Our Lives Soundtrackオリジナルのリリースは1988年のヒューゴ・フリードホーファー音楽のサウンドトラックで、"Main Title"から"End Title"まで全11曲を収録しています。 「我等の生涯の最良の年」で音楽を担当したのは1951年に「Ace In The Hole(地獄の英雄)」の音楽も手掛けたハリウッド映画音楽の巨匠ともいうべきHugo W. Friedhofer(ヒューゴ・フリードホーファー)です。



Big Bill Broonzy (1893-1958)
ビッグ・ビル・ブルーンジーは1930年代~1940年代に活躍し、シカゴ・ブルースの礎を築いたシンガー&ギタリストです。 早くから電気ギターを取り入れたりして、ラグタイム・ブルースをカントリー・ブルースに、そしてシティ・ブルースにと進化させたブルースマンでシカゴ・ブルースの父として重要なアーティストであるといわれています。

ビッグ・ビル・ブルーンジーの初録音は1927年ですが、1950年代にはHush A ByePetite Fleurの名演奏でお馴染みのイギリスのデキシーランドジャズのトロンボーン奏者でバンドリーダーのChris Barber(クリス・バーバー)がアレンジを担当してMuddy Waters(マディ・ウオーターズ)などと共にイギリスを始め、ヨーロッパ各地にブルースを広めました。 1955年にはブルース・マンが書いた自伝としては初の「Big Bill's Blues」をロンドンで出版したそうです。(読み書きが出来なかったため作曲家のYannick Bruynogheが手助けしたとか・・・ブルーンジーの歌そのものが自伝ですがね)
後の1960年にエレキ・ブルースの創始者とも言われるマディ・ウオーターズがビッグ・ビル・ブルーンジーのデルタブルースを演奏したLP盤の「Muddy Waters Sings Big Bill Broonzy」をChessからリリースしていますが、2枚のチェス時代のLP盤をCD化したのが1986年の"Sings Big Bill Broonzy / Folk Singer"です。(ブルースハープはLittle Walter、ギターがBuddy Guy)


Big Bill Broonzy sings Backwater Blues

ビッグ・ビル・ブルーンジーの代表曲の一つに「Back Water Blues(又はBackwater Blues)」がありますが、これは元々James P. Johnson(ジェームス・ピー・ジョンソン)のピアノでBessie Smith(ベッシー・スミス)が歌ったものです。 2003年にリリースされたMartin Scorseseがプロデュースした5枚組アルバム「Martin Scorsese Presents the Blues: A Musical Journey」の"Bessie Smith"にベッシー・スミスが歌ったBackwater BluesやMuddy Water(A Mississippi Moan)が収録されているそうです。
Backwater Blues - Bessie Smith - YouTube
☆ジェームス・ピー・ジョンソンについて書かれたThe Red Hot Archive(サイト内のBackwater Bluesが聴けるベッシー・スミスのページはBackwater Blues - Bessie Smith - The Red Hot Archive
1927年に多数の死者を出したミシシッピ大洪水を歌にするブルース・コンテストをレコード会社が催しました。 優勝して懸賞金500ドルを得たのはベッシー・スミスでしたが、大勢のブルース・マン同様、ビッグ・ビル・ブルーンジーも1951年に独自のバージョンを演奏しました。 Backwater(バックウォーター)とは氾濫して澱んだ溜まり水のことを意味するそうです。
☆Big Bill BroonzyのBackwater Bluesや他の歌詞はBig Bill Broonzy Lyrics - BluesRock.webz.cz
Back Water Bluesのみの歌詞Version 1とVersion 2はBig Bill Broonzy Lyrics - BluesLyrics.tripod.com(音声クリップはリンク切れ)、同じくビッグ・ビル・ブルーンジーの曲の歌詞はBig Bill Broonzy Lyrics - HarpTab.com

Listen上記のジェームス・ピー・ジョンソンのサイトでは何曲かの40年代録音のラグタイム・ピアノがリンク付き黄色文字をクリックすると聴けます。(Back Water Bluesは不可)
☆私が好きな"When Things Go Wrong"はありませんが、ビッグ・ビル・ブルーンジーの歌が聴けるBig Bill Broonzy - Jazz On Line.com(Big Bill Broonzyで検索、Worryin You Off My Mind #1、Bull Cow Blues、Long Tall Mamaなど曲名をクリック)
☆オリジナルは1947年のアルバム「Blues In The Mississippi Night」からビッグ・ビル・ブルーンジーとMemphis Slim(メンフィス・スリム)やサニー・ボーイ・ウィリアムソン2との会話が聴けるWFMUラジオのBob Brainen's playlist(Listen to this show! (RealAudio) をクリック、クリップ・ポジション(再生バー)をPart4の1:14:38に移動、Part4とPart6あり)
アルバム「Big Bill's Blues」からJust A Dream(ジャスト・ア・ドリーム)が聴けるPlaylist for This Is the Modern World with Trouble - January 20, 2005(Listen to this show (RealAudio)をクリック、Dreamで検索、右端の時間1:13:25をクリックするとちょっと前曲とかぶりますがリロードして頭から出ます。)
ビッグ・ビル・ブルーンジーの1936年から1941年の録音を集めた人気アルバム「Big Bill's Blues」は国内盤の「ビッグ・ビルズ・ブルース」が1993年にリリースされています。
※1927年のミシシッピ大洪水のビデオが観られるMississippi River Flood of 1927 (1936) - Archive.org

以前は私のお気に入りの写真・・・ビッグ・ビル・ブルーンジーがくわえタバコ(大麻?)でギターを弾いているのを若気の至りで貼ってあったのですが、なんせ人のモンだったので泣き泣き取り下げました。 その縮小版写真を使用しているブログThe Smudge of Ashen Fluff(どうです、カッコいいでしょ!)

☆ビッグ・ビル・ブルーンジーについては参考に英語のサイトですがBig Bill Broonzy - 100 Megs Web Hosting(注!すぐブルーンジーの歌)

Big Bill Broonzy - I Can't Be Satisfied (1928?) - YouTube
Big Bill Broonzy - Worried Man Blues (1930?) - YouTube
Big Bill Broonzy with Graeme Bell Jazz Band in Germany - Feel So Good (1951) - YouTube
Big Bill in Belgium - Low Light & Blue Smoke (1956) - YouTube

On Tour In Britain, 1952 - Live In England & Scotland [Live]
ページトップの画像はライブアルバムの「On Tour in Britain」です。 収録曲目は"Back Water Blues"を含む下記の全26曲です。
1. Introduction
2. Nobody Knows The Trouble I've Seen
3. Back Water Blues
4. Trouble In Mind
5. Keep Your Hands Off Her
6. Louise Louise
7. House Rent Stomp
8. Plough Hand Blues
9. In The Evening When The Sun Goes Down
10. John Henry
11. Just A Dream
12. Blue Tail Fly
13. Black Brown & White
14. John Henry
15. Midnight Special
16. Back Water Blues
17. Going Down The Road Feeling Bad
18. Make My Getaway
19. Keep Your Hands Off Her
20. Careless Love
21. I'm Looking Over A Four Leaf Clover
22. Down By The Riverside
23. In The Evening When The Sun Goes Down
24. House Rent Stomp
25. Kansas City Blues
26. Willie Mae

An Introduction to Big Bill Broonzy
An Introduction to Big Bill BroonzyAn Introduction to Big Bill Broonzy
Backwater Bluesをはじめ、Baby Please Don't Go、See See Rider、In The Evening、Black, Brown and Whiteなど16曲を集めたビッグ・ビル・ブルーンジーのベスト盤の1枚です。
全曲試聴はAn Introduction To Big Bill Broonzy - Amazon.com

ビッグ・ビル・ブルーンジーはトークもお上手!
St. Louis Blues、See See Rider(C C Rider)、Sixteen Tonsなどが収録されているビッグ・ビル・ブルーンジーのアルバムです。
Big Bill Broonzy Treat Me RightTreat Me Right
ビッグ・ビル・ブルーンジーの一番人気の曲"Key To The Highway"を収録したアルバムの「Trouble in Mind」の"This Train"などもトーク入りです。

"Who's Sorry Now"のカバーや私の好きな"Alberta"が収録されている1952年のベルギー・ライブと1955年のスタジオ録音の1995年盤 の「Black, Brown and White」というアルバムもあります。


The Young Big Bill Broonzy (1928-1935)
Young Big Bill Broonzy
Mississippi River Blues in Young Big Bill Broonzy 1928-1935

☆アルバムThe Young Big Bill Broonzy 1928-1935の"Missippi River Blues"は今現在はUSAのiTunes Storeにもありませんが、"Mississippi River Blues"を収録した「Missippi River Blue」と「See See Rider」の2枚のCDを集めた「Big Bill Broonzy - Blues Chapter 4 - 2 CD's - Nieuw in cellofaan」(Big Bill Broonzy Blues Archive 4)があります 。
☆1935年のBig Joe WilliamsのオリジナルでLightnin' HopkinsやJohn Lee HookerそしてMuddy Watersも歌ったBaby, Please Don't Goはアルバムの「Baby Please Don't Go」ではなくて「An Introduction to Big Bill Broonzy」に収録されています。 ☆In the Evening (When the Sun Goes Down) は「Legendary Blues Recordings: Big Bill Broonzy」や「Best of Big Bill Broonzy」に収録されていまます。

2003年にMartin Scorsese(マーティン・スコセッシ)が監督した映画「Red, White & Blues(レッド、ホワイト&ブルース)」のサントラにはVan Morrison、Eric Clapton、Jeff BeckやTom Jonesなどと共にビッグ・ビル・ブルーンジーの"Black, Brown And White Blues"が収録されています。
Martin Scorsese Presents the Blues: Red, White & Blues

ビッグ・ビル・ブルーンジーが既にブルースを歌っていた頃の1911年に生まれたRobert Johnson(ロバートジョンソン)というブルース歌手がいます。 音楽家のJohn H. Hammond(ジョン・ハモンド)が1938年にプロデュースした黒人アーティストを出演させるカーネギーホール初のコンサートにロバートジョンソンも出演を予定されていたのでしたが痴情のもつれから毒殺されてしまったので急遽、ビッグ・ビル・ブルーンジーが代役したという逸話があるそうです。


Bessie Smith sings Backwater Blues
バックウォーター・ブルースならベッシー・スミスを忘れるわけにはいきません!
「Bessie Smith: The Complete Recordings, Vol. 3」に収録されています。


私を信じてくれる人が現れるまで生きていられるかしら・・・
Sean Penn and Nicole Kidman
Sean Penn and Nicole Kidman in The Interpreter
ザ・インタープリター(2005年)

The Interpreter
「ザ・インタープリター」は実際に起きた国連ビル内での未解決事件をヒントに、1985年にOut of Africaでオスカーを受賞したSydney Pollack(シドニー・ポラック)が監督したサスペンス・スリラーです。 なんとも奇遇なことに暗殺計画がヒロインの国連通訳だけが分かる言語で話されていたのです。 警察に通報するも容易には信じて貰えず苦悩します。

要人暗殺計画を知ってしまい命を狙われる国連通訳には、The Hours(めぐりあう時間たち)やMoulin Rouge!(ムーラン・ルージュ)で2001年のオスカー(アカデミー主演女優賞)を受賞したNicole Kidman(ニコール・キッドマン)、彼女を信じるようになり協力するFBI捜査官にこれ又「ミスティック・リバー」でオスカー受賞俳優のSean Penn(ショーン・ペン)が扮して、職業柄、言葉の威力を信じる者と行動によってのみ人を信じる者と観点の違う二人が協力して暗殺を食い止めるストーリーです。 トッド・ウッズ捜査官としてCatherine Keener(キャサリン・キーナー)が出演しています。

キャサリン・キーナーは1999年の「マルコビッチの穴」で特異な女優として注目をあつめましたが、2005年には「カポーティ」やThe 40-Year-Old Virginなどに出演しています。

video「ザ・インタープリター」のオフィシャル・サイトはTheInterpreterMovie.comで下のView the TRAILERをクリックしてフォーマットを選ぶと予告編が観られます。
ヨーロッパでは2005年1月に公開され、アメリカでは4月、日本では5月公開だそうです。

「ザ・インタープリター」の監督はシドニー・ポラックですが、製作総指揮にはG. Mac Brown(G・マック・ブラウン)に加えAnthony Minghella(アンソニー・ミンゲラ)も名を連ねています。 次作の2006年の映画「Breaking and Entering(こわれゆく世界の中で)」では逆にアンソニー・ミンゲラが脚本を担当し監督もしていますが、シドニー・ポラックが制作側になっています。 アンソニー・ミンゲラは今作の前年には話題のCold Mountain(コールド マウンテン)を監督していますが、1996年The English Patient(イングリッシュ・ペイシェント)や1996年のThe Talented Mr. Ripley(リプリー)の監督としても知られています。
シドニー・ポラック監督の映画としてはNatalie Wood(ナタリー・ウッド)が主演した1965年のThis Property Is Condemned(雨のニューオリンズ)が私が観た最初の作品でした。
※日本で2007年に公開される「Breaking and Entering(こわれゆく世界の中で)」はミンゲラ監督のお気に入り俳優であるJude Law(ジュード・ロウ)とJuliette Binoche(ジュリエット・ビノシュ)が出演する愛の破壊と真実の愛を追究するドラマです。
予告編が観られる「こわれゆく世界の中で」のオフィシャルサイトはこわれゆく世界の中で

※「ザ・インタープリター」以外で、国連が舞台の映画にはAlfred Hitchcock(ヒッチコック)の1959年の「北北西に進路を取れ」がありましたが、その時は許可されず、今回始めてニューヨーク・マンハッタンの国連本部ビル内で撮影が許されました。
1997年のニコール・キッドマンがジョージ・クルーニーと共演したThe Peacemaker(ピースメーカー)では国連前の通りで撮影しただけだったそうです。
「ザ・インタープリター」の撮影は、国連本部ビル内での4ヶ月に渡る撮影は国連業務に支障をきたさぬよう週末に行われたそうで、国連総会や安保理事会のエキストラは本物の国連職員も出演したとか。

映画のスチールはdarkhorizons.com(画像クリックで拡大)


2005年発売の国内版DVD
The Interpreter DVDザ・インタープリター
2006年発売の「ザ・インタープリター」DVDもあります。


エスニックな曲も入ったames Newton Howard(ジェームズ・ニュートン・ハワード)作曲の「ザ・インタープリター」のサウンドトラック
The Interpreter SoundtrackThe Interpreter [Original Motion Picture Soundtrack]
試聴はThe Interpreter Soundtrack - Amazon.com
Assassinがアップテンポで他はシンフォニー調ですがエンディングで"Atolago"が使用されています。
☆Atolagoはノルウエーの音楽家Kirsten Braten-Berg(シャーステン又はカーステン・ブラテン・バーグ)などによるアルバム「From Senegal to Setesdal」に収録されています。 このアルバムはノルウェイと西アフリカの4人のミュージシャンによる伝統楽器を使用したワールド・ミュージック(民族音楽)の名作です

Atolagoが収録されている民族音楽のアルバム
From Senegal to SetesdalFrom Senegal to Setesdal
試聴はFrom Senegal to Setesdal - Amazon.com


映画と殆ど同じ、2005年発売の日本語版「ザ・インタープリター」文庫本はDavid Jacobsデイヴィッド・ジェイコブズ(著)、富永 和子(訳)
The Interpreter Bookザ・インタープリター (徳間文庫)


The Silence Of The Lambs(羊たちの沈黙)でアカデミー監督賞受賞したJonathan Demme(ジョナサン・デミ)による「Manchurian Candidate(クライシス・オブ・アメリカ)」(2004年)というDenzel Washington(デンゼル・ワシントン)とMeryl Streep(メリル・ストリープ)が出演したサスペンス映画がありましたが、国家的陰謀に孤軍奮闘するというテーマがインタープリターにちょっと似通っているようです。 「クライシス・オブ・アメリカ」は1959年に書かれたRichard Condonの小説「Manchurian Candidate」を元にした1962年のJohn Frankenheimer監督の「影なき狙撃者」のリメイクです。 ロバート・ケネディの暗殺の時も話題になったのがこの洗脳された「満州の候補者」風暗殺者だそうです。


New Orleans Traditional Jazz Legends, Vol. 5:
Albert Burbank & Raymond Burk

Albert Burbank & Raymond Burk
アルバート・バーバンク(1902年~1976年)

Clarinetist: Albert Burbank plays Burgundy Street Blues
クレオール・クラリネット奏者のAlbert Burbank(アルバート・バーバンク)は当時の白人プレーヤー達とは一味違った伝統的なニューオリンズ・ジャズのブルースを受け継いでいます。 クレオール・ジャズ・バンドのトロンボーン奏者であるKid Ory(キッド・オリー)などとも演奏し、両者とも1940年代のNew Orleans Jazz(ニューオリンズ・ジャズ)のリバイバルに乗って復活しました。 George Lewisの一番有名な1950年代のオリジナルであった「バーガンディ・ストリート・ブルース」はジョージ・ルイスの存命中は誰も演奏することのなかったそうです。 彼の死後に友人ルイスへのトリビュートとしてアルバート・バーバンクが演奏しましたが、ルイスの演奏に近づけようとした他の誰とも違ってアルバート独自の演奏です。
ちなみに曲のタイトルのBurgundy Street(バーガンディ・ストリート)は"buh-GUN-dee"と発音され、Louisiana(ルイジアナ州)のNew Orleans(ニューオリンズ)にある通りの名前のようです。 Burgundyはフランス東部の赤ワインの名産地の州名のBourgogne(ブルゴーニュ)から名付けられたそうです。
Burgundy Street Blues - Lewis George 1962 - YouTube
New Orleans Travelog - Albert Burbank early 1950's- YouTube

ニューオリンズ・リバイバルについてはHot'n Cool内のボブ・スコビー Bob Scobey

JCCD-3076: Albert Burbank-Burgundy Street Blues
バーガンディ・ストリート・ブルース一曲のためにこのアルバート・バーバンクのCDを買うので残りの曲はおまけのようなもんだそうですが(シツレイ)、このCDは1969年にアメリカ・コネティカット州のThe Materese Restaurantでのコンサートの録音です。 レーベルはJAZZ CRUSADE(プロデューサーBig Bill Bissonnette)です。
現在日本やUSAのAmazonでは発売されていないので、JAZZ CRUSADEか、Louisiana Music Factoryのオンライン・サイトで取得するしかないかも($14.99)

Listenルイジアナはニューオリンズのフレンチ・クオーターにあるニューオリンズ・ジャズの宝庫Louisiana Music Factoryのオンラインショップのサイトで聴けます。 Louisiana Music Factoryで1番を試聴(音源は1969年) 今はここでしか試聴できませんし、購入も出来ないようです。 Louisiana Music Factoryは 必聴! 接続が悪い場合が有りますが他の試聴サイトより長いサンプル・クリップです。
ライヴ盤ゆえの演奏者と客の雑音については批判があるようですが、アルバート・バーバンクのクラリネットは文句無し!

ぜひ「ルイジアナ・ミュージック・ファクトリー」のサイトに行ってみて下さいね。 ジャズやスイング(ビッグバンド)などは勿論、特筆すべきはそのルイジアナという地方色豊かなNew Orleans(ニューオリンズ・ジャズ)、Cajun(ケイジャン又はケジャン)、Zydeco(ザディコ又はザイダコゥ)、Swamp Pop(スワンプ・ポップ)、Mardi Gras Music(マルディグラ音楽)など他では滅多にお目にかかれないジャンルのCDやLPが色々とあり、試聴だけでもワクワクします。

Listenアルバート・バーバンクが演奏する「Burgundy Street Blues(バーガンディ・ストリート・ブルース)」の作曲者であるジョージ・ルイスは1944年に初めてこの曲をレコーディングしました。 ジョージ・ルイスのオリジナルが聴けるGeorge Lewis - Jazz On Line.com(George Lewisで検索、曲名をクリック)
♪ "Darktown Strutters Ball"を歌うアルバート・バーバンク!
Albert Burbank with Duke Ellington Big Band (1971) - YouTube
さぁ、ニューオリンズのホットなFM放送The WWOZ Live Broadcastを聴こう!
※WWOZラジオの詳細


ページトップの画像はアルバート・バーバンクと同時代のニューオリンズ・クラリネット奏者のRaymond Burke(レイモンド・バーク)とのアルバムです。
「バーガンディ・ストリート・ブルース」は収録されていませんがバーバンクの曲の試聴があります
Albert Burbank & Raymond Burk
☆レイモンド・バークは自己流とはいえ1920年代からクラリネットを演奏していたニューオリンズのミュージシャンです。 ニューオリンズジャズ復興時期の1960年に建てられたPreservation Hallの専属バンドとなり、1980年代まで現役で活躍していました。

☆CD画像も情報もなしでBurgundy Street Bluesも収録されてはいませんがAmazon.co.jpで見つけたオリジナルが1954年のアルバート・バーバンクのアルバムは「Sounds of New Orleans, Vol. 3」です。

☆The so-called The New Orleans Revival was not really a revival of the music itself, it was a revival of interest in New Orleans jazz by outsiders, who finally took notice of what had been going on in New Orleans all along.

アルバート・バーバンクの紹介はアルバム「Sounds of New Orleans, Vol. 3」のCD画像も見られるanswers.comSounds of New Orleans, Vol. 3


The Shop Around the Corner (1940)
The Shop Around the Corner
Margaret Sullavan and James Stewart
街角-桃色の店(1940年)

Ernst Lubitsch(エルンスト・ルビッチ)監督のクリスマスにちなんだ純愛物語である「街角 桃色の店」は1940年に制作されて、戦後の1947年に公開されました。 主演はJames Stewart(ジェームズ・スチュワート)で、ジミーのお相手はMargaret Sullavan(マーガレット・サラバン)です。 「街角 桃色の店」は、ハンガリーの首都ブダペストの雑貨店を舞台にユーモアと毒舌の応酬が広げられる物語で、チェコの劇作家Nikolaus Laszlo(Miklos Laszlo ニコラウス・ラズロ)の戯曲が原作だそうで、脚本は1952年のThe Jazz Singerの原案を書いたSamson Rafaelson(サムソン・ラファエルソン)が手掛けています。

「街角」の別題が「桃色(ピンク)の店」、"桃色の店"は"ピンクの店"と読むそうですがワケがわかりません。 映画自体がモノクロで、映画の中でピンクらしいものは、主人公の店員が受け取るピンク・スリップ(解雇通知)位しかありませんが、心温まるお店ってことでしょうか。 ブダペストの「街角」を舞台にしたストーリーです。 雑貨店の店員であるジミーとオサリバンは、職場でいつも目の前にいて口喧嘩する相手とはゼンゼン違う性格の、まだ見ぬ文通相手に思いを寄せていたがとうとう実際に逢うことになります。 ところが、どうしたことか、社長の妻の浮気相手と間違えられて怒りをかっていたジミーは、この初デートのためにと早引けを申し出たために即刻クビになってしまったのでした。 デート場所には行ったものの失業のことを思うと打ち明けられなかったジミーでした。

さてクリスマス・イブのこと、店主の妻の浮気の相手がやっと判明し、誤解が解けてマネージャーに昇格・復職した店員スチュワートと従業員達は浮気のショックで寝込んでいた店主へのプレゼントにクリスマス・セールを開催し、28年以来の高売上を記録します。

そのイブの晩、例の二人はどうなったでしょう。
ジミーが事実を話してハッピーエンド! ジミーはO脚でない証拠にズボンを上げて足を見せてオサリバンに結婚を承諾させました。 この映画でも言及していたように、やはりあちらでも「ビール腹、禿げ、オー脚」はもてない男の代名詞なんでしょうかね。(これらの言葉は差別用語?)
※ちなみに映画のタイトルになっている「Shop Around The Corner」とはイギリスでは「高望みしないで適当なところで手を打つ」なんていう意味があるとか。 近くは見え難い灯台元暗し。 ちなみにハンガリーの街角が舞台ですがオリジナルがハンガリーの芝居だったので脚本を書いたサムソン・ラファエルソンがそのままにしたらしいです。

videoトレーラーはThe Shop Around The Corner Trailer - VideoDetective
Frank Morgan(フランク・モーガン)演ずる街角の雑貨屋店主"マチェック氏"による自己紹介及び登場人物の紹介ですが、なんと!葉巻をくわえたルビッチ監督も登場します。
Audio「街角 桃色の店」音声クリップが聴けるThe Shop Around The Corner - gotwavs.com

The Shop Around The Corner Soundtrack
映画の音楽はWerner R. Heymannだそうですがサントラは見当たりません。 映画の中ではオープニングや店主が薦める掘り出し物のオルゴールや喫茶店などで邦題が"黒い瞳"という17世紀のロシアの民謡、もしくはジプシー音楽といわれる"Ochi Chyornye (Dark Eyes)"が流れます。
下記のリンクは映画の中では使用されていませんが、ジプシーギタリストのDjango Reinhardt(ジャンゴ)が演奏する"Ochi Chyornye"です。
Django Reinhardt - Les yeux noirs - YouTube


ページトップの画像はアメリカのAmazon.comにある"The Shop Around The Corner"の手書きカバー画像のDVDですが、こちらは国内で発売された「街角 桃色の店」のDVDです。
The Shop Around The Corner VHS世界名作映画全集131 街角桃色の店
上の画像は日本でリリースされたVHSビデオです。


1998年のTom Hanks(トム・ハンクス)とMeg Ryan(メグ・ライアン)共演のYou've Got Mail(ユー・ガット・メール)は手紙にようる文通を現代的にEメールに置き換えたリメイクです。
ユー・ガット・メールの2008年DVD(日本語字幕版)
You've Got Mail DVDユー・ガット・メール 特別版
videoユー・ガット・メールのトレーラーはYou've Got Mail Trailer - VideoDetective


Hungarian pengő
☆ところで、「街角 桃色の店」のなかでも出てくるHungary(ハンガリー)の通貨単位はPENGO(ペンゴ)だそうですね。
第二次世界大戦直後のハイパーインフレで歴史上最高額面の紙幣が発行されたそうです。 1,000,000,000,000,000,000,000ペンゴ紙幣(便宜上10億兆、1000兆ペンゴとか)で国内でも日本銀行貨幣博物館に所蔵されているそうです。

Ernst Lubitsch
喜劇俳優から監督になったドイツ系ユダヤ人のエルンスト・ルビッチはコメディタッチの映画を1910年代からたくさん監督していて、「街角 桃色の店」の前には1933年にGary Cooper(ゲイリー・クーパー)が笑わせる「Design for Living(生活の設計)」や1939年にGreta Garbo(グレタ・ガルボ)が笑った「Ninotchka(ニノチカ)」など30本以上もの有名な映画があります。


Audio-Visual Trivia内のジミーの出演映画
1946年の素晴らしき哉、人生!
1952年の地上最大のショウ
1958年のめまい
1958年の媚薬


「Audio-Visual Trivia」内のクリスマス関連映画
ディケンズのクリスマス・キャロルはA Christmas Carol
1940年の街角 桃色の店はThe Shop Around The Corner
1947年の三十四丁目の奇蹟はMiracle on 34th Street
1954年のホワイト・クリスマスはWhite Christmas
1964年のサンタ対火星人の宇宙大戦争はSanta Claus Conquers the Martians
1968年のクリスマス・ツリーはL'arbre de Noel
2004年の恋のクリスマス大作戦はSurviving Christmas
2004年のポーラー・エクスプレスはThe Polar Express
2006年のクリスマス大決戦!はSanta Clause 3: The Escape Clause
2007年のブラザーサンタはFred Claus
2008年のヴィンス・ヴォーンのXmas映画はFour Christmases


或る夜の出来事(1943年)
アカデミー監督賞3度獲得の名匠Frank Capra(フランク・キャプラ)の傑作ラブコメで、Claudette Colbert(クローデット・コルベール)演じる大富豪のお嬢様と、Clark Gable(クラーク・ゲイブル又はクラーク・ゲーブル)が演じるしがない新聞記者の逆玉の輿風ロマンス喜劇です。

スクリューボール・コメディの原型を作ったといわれる作品ですが、1934年の大恐慌の真っ只中に公開されて、その年最大のスリーパー・ヒット(サプライズ!思いもかけず映画などがヒットする)といったを記録しました。 ちなみにスクリューボール・コメディとはハリウッド黄金期のちょっと変わったハッピーエンドの娯楽映画のことだそうです。

I'm the whippoorwill that cries in the night.
I'm the soft morning breeze that caresses your lovely face.

親に結婚を反対されたお嬢様が家出してニューヨーク行きの夜行バスに乗り込み、フィアンセの元へと逃避行します。 そのバスでニューヨークの新聞記者と出会い 、最初は気の合わない二人が反発しあいながらも次第に惹かれあっていくストーリーです。
同じ大恐慌の時期に親に結婚を反対されてハンストするのは1933年創刊のChic Young作のコミック「BLONDIE(ブロンディ)」の始めに描かれていましたネ。 Dagwood(ダグウッド)お坊ちゃまが、もてもてブロンディとの結婚を親に認めさせるため、28日と7時間と22秒のハンガー・ストライキを決行しました。

お行儀の良いベッド・シーン 「ジェリコの壁」
Walls of Jericoニューヨークへの道中、天候が悪く夜行バスが足止めを食らい、やむなくモーテルに夫婦として宿泊するはめになった二人ですが、当時の未婚の男女はベッドを共に出来ないというヘイズ・オフィスのプロダクション・コードに策を労し、二つのベッドの間にロープに吊るした毛布でジェリコの壁なるものを作り、お行儀の良いコミカルなベッド・シーンを演出しました。 これは女優コルベールがスタッフの前での着替えを嫌がったので苦肉の策から生じたアイデアを発展させたものでした。 この「ジェリコの壁」のアイディアは2001年のBandits(バンディッツ)に取り入れられています。
聖書ではエリコの壁と呼ばれて堅固なものの喩えとなっているジェリコの壁についてはWalls of Jerico - mikio.wada.catholic.ne.jpを参照して下さい。
また、バスの最初の休憩停車のシーンで、ホットドッグ売りに乗客の男が耳打ちしたのは・・・トイレの場所を尋ねたのです。 当時の検閲コードではあからさまなトイレの映像やセリフは出せなかったそうです。 が、日本では考えられませんが良家のお嬢様が煙草を吸うことはOKみたいです。

クラーク・ゲイブルがモーテルで着替えをするシーンでは、ユーモラスに「紳士というものはいかに脱ぐか。」のウンチクを傾けながらだと時間がかかリ過ぎたので下着は無しになったそうです。 つまり、ワイシャツを脱ぐとすぐ裸! これが当時の紳士の間では、「おっされ~♪」ってことでブームになり、A Streetcar Named Desire(欲望という名の電車)のMarlon Brando(マーロン・ブランド)では大儲けした下着業界ですが、その後2年間に渡り下着シャツの売上が落ちた原因とされて、下着業界がコロンビア映画を訴えようかということもあったとか。 このことから後に商品の宣伝を映画でするようになったのだそうです。

Ehh, what's up, doc?
Bugs Bunnyみたいに、ゲイブルが飢えをしのぐため、採り立てのフレッシュ・ニンジンをかじりがら、「ヒッチハイクではこれこれ。」とウンチクを傾け実演してみせるが車は止まりません。 あきらめたところ、なんと!お嬢様が親指よりも脚が効果的であることを証明して見せました。 ところがこれがヒッチ・ハイカーを狙った雲助ドライバーだった!とか、富豪の父親が雇った探偵どもを煙に巻く際の夫婦気取りの二人の掛け合い演技とか、お嬢様の記事を読んだバスの乗客の一人のゆすりに対して殺し屋を気取りで追っ払うシーンなど抱腹絶倒!

果たしてジェリコの壁は崩れるのでしょうか!ローマンスやいかに!

video「或る夜の出来事」のトレーラーはIt Happened One Night Trailer - VideoDetective
ゲイブルがニンジンを片手にヒッチのウンチクを語るシーンとコルベールお嬢様の脚ヒッチ!の笑える映像です。


この映画の原作はSamuel Hopkins Adams(サミュエル・H・ホプキンス 1871-1958)の短編「Night Bus(夜行バス)」というセックス劇です。 1906年のノンフィクションの暴露本「The Great American Fraud(加工食品や医薬品の乱用を暴露)」で知られるニューヨーク生れのジャーナリストで、ミステリの分野ではEllery Queenのクイーンズ・クォーラムにも入りました

この映画は映画史上初めてのアカデミー賞の主要五部門(作品、監督、主演男優、主演女優、脚本)受賞作品です。 このような作品は他には、1975年の Flew Over The Cuckoo's Nest(カッコーの巣の上で)」と1990年の「The Silence of the Lambs(羊たちの沈黙)」しかないそうです。

当時、M-G-Mの看板スターだったクラーク・ゲイブルがちょっと天狗になったとかで懲らしめの意味で当時二流スタジオであったコロムビア映画にへ貸し出されたのでこの「或る夜の出来事」に出演しました。 この映画でキャプラの言うところの「ゲイブル自身の性格を反映したキャラクター」を好演して大成功し、名実共に大スターとなりました。
1939年にVivien Leigh(ヴィヴィアン・リー)と「Gone With the Wind(風と共に去りぬ)」、1955年にSusan Hayward(スーザン・ヘイワード)と「Soldier of Fortune(一攫千金を夢見る男)」、1958年にはDoris Day(ドリス・デイ)と「Teacher's Pet(先生のお気に入り)」、そして1961年にはMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)と「The Misfits(荒馬と女)」というように有名女優たちと共演しましたが「荒馬と女」に出演したモンローが急逝した後にクラーク・ゲイブルも急逝しました。 「一攫千金を夢見る男」には1960年代に放映されてテレビシリーズのBurke's Law(バークにまかせろ)で人気だったGene Barry(ジーン・バリー)が中国で行方不明になったジャーナリストのLouis Hoyt(ルイ)役で出演していました。

実生活ではDouglas Fairbanks(ダグラス・フェアバンクス)の最後の妻だったCarole Lombard(キャロル・ロンバート)にぞっこんとなり1939年に3度目の結婚したのですがキャロル・ロンバートは1942年の飛行機事故で33歳にして亡くなってしまいました。
Clark Gable and Carole Lombard - YouTube
※この有名なストーリーは1973年の映画「Gable and Lombard(面影)」で語られています。 「面影」の美しいテーマ曲であるGable & Lombard Love Themeはフランス映画の音楽を手掛けるフランスのピアニストであるMichel Legrand(ミシェル・ルグラン)ですがMCA盤のサントラは今はもう販売されていないようです。 ミシェル・ルグランの映画音楽集のアルバム「Le Cinema de Michel Legrand」のdisc3の16番に収録されています。 国内盤だと"面影 (1976年)::愛のテーマ"として「シネマ・ルグラン~ミシェル・ルグラン 映画音楽集成」(試聴ありですがヴィンテージ価格。)

アカデミー賞発表の当日、「女優」コルベールはこの映画に関心が無く旅行の予定を取っていました。 なので、受賞を聴いてから急いで会場に駆けつけ、旅行着のままスピーチしたそうです。 コルベールはこの映画に関しては衣裳に縁がなかったみたいで、薄い部屋着、旅行着、借りたクラーク・ゲイブルのパジャマ、ウエディング・ドレスのたった4着しかお色直ししていません。
※クローデット・コルベールの出演映画の写真と記事はヴィヴィアンありき - クローデット・コルベール

ところで、この映画で、お嬢さまの婚約相手の名うての女たらし飛行家って、当時カサノバっていうあだ名で話題だった「あのお方」をパロディッてるのかも?


クラーク・ゲイブルについてはmeisakucinema.comを参考に
レトロな手書きのポスターはAlyon.orgとかErnst Galeria
レトロなスチール写真はIt Happened One Night Photos - Homevideos.com
コルベールのウエディングドレス姿はClaudette Colbert Photos - MovieDiva.com
コルベールの1934年のクレオパトラ他の写真が見られるClaudette Colbert Photos - Dr. Macro's High Quality Movie Scans


ページトップの画像は「或る夜の出来事」の輸入版DVD(英語)です。
こちらの画像は2004年に発売された日本語字幕版DVDですが入手困難になっているのでリンクは2006年に発売になった500円DVDになっています。
It Happened One Night DVD或る夜の出来事


Audio-Visual Trivia内の記事でフランク・キャプラ監督の心温まるドラマは素晴らしき哉、人生!


Be Cool
Be Cool with John Travolta (2005)

(Pulp Fiction + Get Shorty)÷2=Be Cool!
Never (Pulp Fiction + Get Shorty)×2=Be Cool
「ビー・クール」は映画産業に飽きた元シャーク・ローンのチリ・パーマーは今度は音楽に業界替え、ヒットを狙い撃ち!

Elmore Leonard(エルモア・レナード)原作のGet Shortyの映画化であるGet Shorty(ゲット・ショーティー)(1995年)の続篇です。
監督は1998年に交渉人を手掛けたF. Gary Gray(F・ゲイリー・グレイ)です。 出演者はHarvey Keitel(ハーベイ・カイテル)、Uma Thurman(ユマ・サーマン)の旦那役がJames Woods(ジェームス・ウッズ)、サモア・ダンサーズのゲイのボディガードのElliot Wilhelm(エリオット・ウィルヘルム)役には2002年のThe Scorpion King(スコーピオン・キング)が大評判だった元フットボールとプロレス選手で身長が191cmという"The Rock"ことDwayne Johnson(ドゥエイン・ジョンソン)です。 そして2004年来日したChristina Milian(クリスティーナ・ミリアン)という豪華キャスト。 そしてそして1996年のSwingers(スウィンガーズ)で注目されたVince Vaughn(ヴィンス・ヴォーン)がコミカルな黒人かぶれのRaji(ラジ)役で笑いを取っています。 ジョン・トラボルタも大きくて身長が188cmありますがヴィンス・ヴォーンはそれ以上の196cmなんですから見栄えがします。 2007年の"Fred Claus(フレッド・クロース)"ではサンタクロースの弟を演じ、2008年のFour ChristmasesではReese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)と恋人同士を演じます。
個性派俳優の誉れ高きジェームス・ウッズのバイオや写真など盛り沢山のLust James WoodsJames Woods(共に日本語)
Christina Milian & Steven Tyler - Cryin' in movie "Be Cool" - Youtube
Be Cool - Vince Vaughn - Youtube

モチロン主役のチリ・パーマーはJohn Travolta(ジョン・トラボルタ又はジョン・トラヴォルタ)!
ジョン・トラボルタとユマ・サーマンが1994年の「Pulp Fiction(パルプ・フィクション)」を再現しますよ♪
「パルプ・フィクション」のトレーラーはPulp Fiction Trailer - Comme Au Cinéma
※エルモア・レナードについては翻訳作品集成 - Elmore Leonard

video予告編が観られる「ビー・クール」のオフィシャル・サイトはBe Cool Official Site (Trailer) - MGM(右のメニューからWATCH TRAILER をクリック)。
ビークールのサイトでオリジナルビデオを作って楽しめます。(作り方はこのページの最後に)
☆「ビー・クール」のトレーラはIMDb.com
「ビークール」のプレミアでのビデオ・クリップはBe Cool - AccessHollywood.com
アメリカでは2005年3月に公開ですが、日本は2005年9月です。

Liv Tyler(リヴ・タイラー)の父親でThe Aerosmith(エアロスミス)のヴォーカルSteven Tyler(スティーブン又はスティーヴン・タイラー)が本人の役で出演しますが、実際に2004年、マサチューセッツでコンサートがありました。
videoスティーヴン・タイラーが"Jaded"を歌うミュージック・ビデオはMTV.com
「ビー・クール」では、エアロスミスとクリスティーナミリアンが歌うCryin'は勿論、Steve Lucky & The Rhumba Bums(スティーヴ・ラッキー・バンド)のChattanooga Choo Choo、果てはBeethoven's 9th(第九)まで幅広いジャンルの音楽を聴かせてくれるようです。

Uma Thurman and John Travolta in Be Cool
ジョン・トラボルタとユマ・サーマンのゴールデン・コンビ再来!
TRavolta and Uma Dance to Black Eyed Peas' "Sexy" - YouTube

2006年発売の「ビー・クール」DVD
Be Cool DVDビー・クール
「ビー・クール (UMD Video)」や2006年発売の期間限定コレクターズ・エディション「ビー・クール」もあります。
UMDとはポストDVDともいえる、主にソニーのPSP(Sony Playstation Portable)携帯型プレイヤー向けの新しい光ディスクのことでmp4が再生できます。(ビデオポッドキャスティング向き)


懐かしいSonny & CherJames Brown(ジェームス・ブラウン)入りJohn Powell(ジョン・パウエル)音楽のサウンドトラックCD
Be CoolBe Cool Soundtrack
クリスティナの"Believer"は試聴の9番
The Rock - You Ain't Woman Enough - YouTube


ビー・クールを観る前にパルプ・フィクションのDVDを観よう!
Pulp Fiction DVD パルプ・フィクション
(日本語字幕版)

ビー・クールを観る前にゲットショーティのDVDを観よう!
Get Shorty DVDゲット・ショーティ
(日本語字幕版)


飛行機好きで息子に"Jett(ジェット)"と命名したジョン・トラボルタは自家用ジェッ行機を操縦して日本に映画宣伝に来るようなゴージャスぶりですが、人柄が良くて努力家でクリスティナちゃんも絶賛したそうです。(2009年1月に最愛のジェット君が急死。) 自家用ジェットの写真はLockon Aviation Photography(Travolta's private jetで検索)
非公式日本のジョン・トラボルタファン・サイトはocn.ne.jp/~ellableu

貴方の作る「BE COOL」予告編はBeCoolvideo.com(注 入力は英文字のみ可)
STEP1 クレジット(名前)を入れたらCONTINUEをクリック→
STEP2 オープニングの音楽を選んだらCONTINUEをクリック→とクロージングの音楽を選んだらCONTINUEをクリック→
STEP3 上の4枚の画像をクリックするとそれぞれフェイド・ズーム・パーンの画像が下に出るから一つをクリックして一番下の黒いフィルムの一コマにドラッグするとキャプションを入れる画面が現れるからその画像にふさわしい言葉や文章をタイプしたらすぐ下のDONEをクリックする→黒いフィルムに全部画像をドラックしてキャプションも入れたらCONTINUEをクリック→
STEP4 貴方の作った予告編画面になるのでCLICK HERE TO VIEWをクリックして観る
やり直しSTART OVERや編集EDIT、友だちに貴方の作った「BE COOL」の予告編を送ることも出来るSEND TO A FRIEND
さあ、やってみましょう!

Christina Milian | Music Videos - MTV(usa only)
Christina Milian | Music Videos - Yahoo! Music(usa only)

2007年の秋はジョン・トラボルタ!
「ビー・クール」の後は2007年10月日本公開のミュージカルコメディのHairspray(ヘアスプレー)に出演します。 「ヘアスプレー」は2002年にブロードウェイのミュージカルでもヒットしたJohn Waters(ジョン・ウォーターズ)監督の1988年の映画のリメイクで差別意識とコンプレックスの再認識を促す内容で、1960年代の人種差別があった頃のアメリカが舞台です。 ジョン・トラボルタはTVヒーローのイケ面歌手のCorny Collins(コーニー)役と思いきや、それは27 Dresses(幸せになるための27のドレス)に出演するJames Marsden(ジェームス・マースデン)が演じ、ジョン・トラボルタは舞台での伝統にのっとり女装して、TVショーに夢中なポッチャリ娘に劣らずビッグな母親役に挑戦します。 なので、「ヘアスプレイ」ではジョン・トラボルタはあきらめて、ジェームス・マースデンを観ます。
人気の「ヘアスプレー」サウンドトラックは"Hairspray [Soundtrack to the Motion Picture]"にはジョン・トラボルタとMichelle Pfeiffer(ミシェル・ファイファー)が歌う"Big, Blonde And Beautiful "や同じくデュエットですが"Welcome To The 60's"と"(You're) Timeless To Me"が収録されています。
「ヘアスプレー」のすぐ後にはジョン・トラボルタがElmer Robinson(エルマー・ロビンソン)役でSalma Hayek(サルマ・ハエック)と共演する2006年のサスペンス映画「Lonely Hearts(ロンリーハート)」が日本で2007年の11月に公開されます。 ロンリーハート・キラーが恋をすると。。。


Audio-Visual Trivia内のトラボルタの出演映画
サタデー・ナイト・フィーバー(1977年)
ゲット・ショーティ(1995年)
ソードフィッシュ(2001年)
炎のメモリアル(2004年)
ママの遺したラヴソング(2004年)


A Streetcar Named Desire (DVD)
streetcarBog.jpg
Theatrical poster by Bill Gold
I don't want realism. I want magic!

A Streetcar Named Desire (1951年)
「欲望という名の電車」の原作及び脚本は私の好きな作家の一人であるTennessee Williams(テネシー・ウイリアムズ)で、トルコ出身のElia Kazan(エリア・カザン)監督が映画化しました。
真実よりも魔法の世界に生き、虚栄心の強いヒロインのBlanche(ブランチ)は原作では「処女性と娼婦性を持ち合わせた白い蛾」と表現されています。 これは男性から見た理想の女性像でしょうか、白い蛾であって蝶ではないのです。
この映画化より先に、1948年のブロードウェーの舞台ではAnthony Quinn(アンソニー・クイン)がスタンリー役を演じPulitzer Prize for Drama(ピューリッツァー賞)を受賞したそうです。
エリア・カザン監督はテネシー・ウイリアムズ戯曲としては1956年にCarroll Baker(キャロル・ベイカー)を抜擢して「Baby Doll(ベビイドール)」を映画化していますが、「欲望という名の電車」でブランチに求婚するミッチを演じてアカデミー助演男優賞を受賞したKarl Malden(カール・マルデン)が主演しています。

ピューリッツアー賞受賞戯曲である1947年のA Streetcar Named Desireの原作者であるテネシー・ウイリアムズはメソッド演技法を導入して、ハリウッドの演技スタイルを根底から変えたそうです。 原作で描かれた自殺したブランチの夫がホモセクシャルである事、彼女の過去の売春まがいの行為、教え子の少年との性行為など、当時は映画で表現することを禁じられていた描写なのでハリウッド映画用に書き直したそうです。
この映画の後、プロダクション・コードは少しづつ変更され、1956年に大改革、そして1966年にThe Hays Code(ヘイズ規制、又はプロダクション・コードといわれるアメリカの映倫)が撤廃されたそうです。 その後はレイト制になりました。(PGとかR指定など)
ヘイズ規制について書かれたCode Hays
プロダクション・コードとは

Marlon Brando(マーロン・ブランド)やKim Hunter(キム・ハンター)が出演し、「Gone With the Wind(風と共に去りぬ)」や「Waterloo Bridge(哀愁)」で不動の地位を手にした美貌の英国女優「Vivien Leigh(ヴィヴィアン・リー)」が演技者として挑戦した映画で、ヴィヴィアン・リーの前夫Laurence Olivier(ローレンス・オリビエ)仕込みの英国流伝統的演技スタイルと、マーロン・ブランド等のアクターズ・スタジオ流メソッド演技スタイルの闘いともいえる映画です。
1951年度のアカデミー賞では、作品賞を含む11部門でのノミネートされ、主演女優賞他、4部門で受賞しました。

人はあらゆる欲望を求めて生きる、欲望を失えば・・・それは死を意味する。
身を持ち崩して故郷にはいられなくなったブランチが欲望という電車に乗って着いた先はニューオリンズ(オーリアンズ)の下町フレンチ・クォーター・・・ブランチは結婚した若い夫がホモセクシュアルであり、自殺してしまったことから精神を病み、アルコール中毒でもある。 教師時代に生徒の少年に手を出して職を失い、贅沢三昧から遺産の大農園を失い売春婦まがいの生活をしていたが、故郷にも居られなくなったので妹を頼って来た。 初めから情緒不安定気味だったが、スタンレーにより過去が暴かれ、それにより結婚相手のミッチ(カール・マルデン)を失い、マッチョなスタンリーにレイプされて完全に発狂してしまう。 レイプ・シーンはカットされましたが、それはセリフから窺い知ることができます。 しかし美貌の老嬢(姥桜)ブランチはミッチーに迫られた時には拒絶するもなぜにスタンリーの予測しうる行動を避けようとしなかったのか、ある意味期待を抱いていたのかも。 発狂したのはブランチがスタンリーに正体を暴かれたことにおおいなる衝撃を受け、動揺しそして絶望したからで、ブランチのようなもともと神経が不安定で、繊細な精神の持ち主が陥る精神分裂状態で一種の現実逃避の行動とも取れます。つまり完全に発狂とは現実とは無関係な完全に幻想の世界に入ったことです。

video貴重なビンテージのオリジナル・トレーラーが観られるA Streetcar Named Desire - Reel Classics
ラストは舞台とは違うそうですが、マーロン・ブランド演じるスタンリーが、ステラを求めて「ステラ! ステラ!」と叫んで傷ついた表情で涙を流す名場面のビデオもReel Classics
ListenA Streetcar Named Desireのその場面の音声が聴けるBijou Follies
「欲望という名の電車」の写真がたくさん見られる欲望という名の電車 - 映画ありき


哀しいヒロイン、Blanche(ブランチ)のセリフ集
にわか雨の午後、集金にやって来た新聞配達の少年(多分チェリーボーイ)に、「雨宿りに入った店で何を飲んだの?」と尋ね、「チェリーです」という答えに「チェリー・・・(う~ん、おいしそう)」と今にも頂いちゃいそうでしたが、その時のセリフ
Young man. Young, young, young. Did anyone ever tell you you look like a young prince out of the Arabian Nights? You do, honey lamb. Come here. (She seductively offers herself for a maternal kiss - he walks to her.) Come on over here, like I told you. I want to kiss you just once, softly and sweetly・・・

また、スタンレーの友人ミッチとのデートでの、「フランス語おわかりになる?」と聞いて「わからない」と答えた後の笑えるブランチのフレンチのセリフ
Voulez - vous couchez avec moi ce soir?(今夜ワタクシと寝ませんこと?)
Vous ne comprenez pas? (分かんないの?)
Ah, quel dommage!(うんもぅ、このバカ!)

そしてラスト・シーンでは、「Whoever you are, I have always depended on the kindness of strangers.」(貴男がどなたであろうと、わたくしはずっと知らない方々におすがりして生きてきましたのよ)と言って医師の腕にエスコートされ病院へと去っていくのです。


舞台のほうは1947年にエリア・カザンの演出初演、マーロン・ブランド、Jessica Tandy(ジェシカ・タンディ)等が出演し、メソッド演技が高い評価を得て、ピューリッツアー賞とニューヨーク演劇批評家賞を受賞した近代演劇史上不朽の名作となりました。
映画出演の前にヴィヴィアン・リーも夫のローレンス・オリビエが演出を務めたロンドン公演版でブランチを演じて絶賛を浴びています。

映画化にあたっては、スタンリーに適役だと言われたJohn Garfield(ジョン・ガーフィルド)、が拒否(監督がエリア・カザンだからか・・・赤狩りつながり)したので、舞台と同じマーロン・ブランドになりました。

この映画での山場でもある姉妹による長い掛合い演技は、アメリカン・グラフィティに出演したRichard Dreyfuss( リチャード・ドレイファス)がアカデミー主演男優賞を受賞した1977年の映画「The Goodbye Girl(グッバイガール)!のNeil Simon(ニール・サイモン)の会話にも引用されてるそうです。
ニール・サイモンの作品の映画化についてはニール・サイモン

ニューオリンズのビジネス街と郊外の住宅地を結んでいるアメリカ南部で最も古い路面電車St. Charles(セントチャールズ)ストリートカーには本当にDesireと表示したプレートがついているそうです。 ☆電車の写真はNew Orleans 'Streetcar Named Desire' No. 952

☆ヴィヴィアン・リーのオフィシャル・サイトはvivien-leigh.com
☆マーロン・ブランドの6大ヒット映画についてはfilm.guardian.co.uk(画像有り)


ページトップの画像は2006年発売の「欲望という名の電車」DVDですが、「欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション」もあります。

Alex North: A Streetcar Named Desire [Soundtrack]
A Streetcar Named Desire Soundtrack CD
1951年リリースの「欲望という名の電車」のサウンドトラックが2004年に再リリースされています。
この作品が映画音楽デビューで多くの名作のサウンドトラックを手掛けた作曲家のAlex North(アレックス・ノース)と音楽監督のRay Heindorf(レイ・ハインドーフ)指揮のオーケストラです。
A Streetcar Named Desire Soundtrack
収録曲目はMain Title: New Orleans Street、Blanche、Four Deuces、Mania、Belle Reveです。
「欲望という名の電車」のサントラはA Streetcar Named Desire Soundtrackもありますがいづれも試聴が見つかりません。
1940年代後期から映画音楽にジャズを取り入れることが流行りましたが、アレックス・ノースもその先駆者の一人といわれているそうです。 Audio-Visual Trivia内のアレックス・ノースに関連した記事には「欲望という名の電車」の他にも、マーロン・ブランドとアンソニー・クインが共演した1952年のViva Zapata!(革命児サパタ)、1956年のMervyn LeRoy(マーヴィン・ルロイ)が監督したThe Bad Seed(悪い種子(たね))、Town Without Pity(非情の町)のKirk Douglas(カーク・ダグラス)が主演した1960年のSpartacus(スパルタカス)などありますが、 1955年のテネシー・ウィリアムズ原作のThe Rose Tattoo(バラの刺青)やDaddy Long Legs(足ながおじさん)、William Faulkner(ウィリアム・フォークナー)原作で、Paris Blues(パリの旅愁)を監督したMartin Ritt(マーティン・リット)の1958年の南部映画でThe Long, Hot Summer(長く熱い夜)と1959年のThe Sound and the Fury(悶え)や、ヒロイン役のSusan Strasberg(スーザン・ストラスバーグ)が新鮮だった1958年のStage Struck(女優志願)など素敵な映画音楽をたくさん書いています。
※ちなみにThe Bad Seed(悪い種子(たね))ですが、Danielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)主演の1934年の「悪い種子」の方は英語のタイトルが"Bad Blood"となっています。

2005年版の「欲望という名の電車」DVD
A Streetcar Named Desire欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット
「欲望という名の電車 STREETCAR NAMED DESIRE, A:オリジナル・ディレクターズカット」もありあます。
☆DVDのカバー画像にあるようなマッチョなスタンレー役のマーロン・ブランドが着ていた海兵隊の下着がTシャツとして、その後大流行したそうです。

Jessica Lange and Alec Baldwin in A Streetcar Named Desire1995年に「欲望という名の電車」をGlenn Jordan(グレン・ジョーダン)監督がテレビ用にリメイクしました。 ブランチはJessica Lange(ジェシカ・ラング)でスタンリーはAlec Baldwin(アレック・ボールドウィン)です。
1988年にはKirk Browning(カーク・ブラウニング)監督により、音楽がアンドレ・プレビンのオペラで、ブランチがオペラ歌手のRenée Fleming(ルネ・フレミング)でテレビ映画版が製作されました。
アンドレ・プレビンのオペラについてはAndré Previn : A Streetcar Named Desire(英語のサイト)

テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」英語版書籍
A Streetcar Named Desire BookA Streetcar Named Desire (New Directions Paperbook, 501)
英語版の他にも「欲望という名の電車」(新潮文庫) (文庫) があります。


Vivien Leigh
「欲望という名の電車」の後、ヴィヴィアン・リーは、これまた私の大好きなテネシー・ウィリアムズ原作の1956年の「The Roman Spring of Mrs. Stone(ストーン夫人のローマの春)」の映画化で邦題が「ローマの哀愁」という1961年の映画に出演しました。 お相手のイタリアン・ジゴロ(ひも)を演じたのはShirley MacLaine(シャリー・マクレーン)の弟のWarren Beatty(ウォーレン・ベイティ又はビューティ)でした。
"The Roman Spring of Mrs. Stone"の音楽はRichard Addinsell(リチャード・アディンセル)で、翌年の1957年にローレンス・オリヴィエが監督したMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)主演のThe Prince and the Showgirl(王子と踊子又は王子と踊り子)の音楽も作曲しています。
Theme From 'Roman Spring Of Mrs Stone'のサントラは見みつかりませんが、"007"でお馴染みのJohn Barry(ジョン・バリー)の映画音楽集のうち1999年リリース盤に収録されているJohn Barry - Best of the Emi Years
試聴はフランスのThe Best Of The EMI Years - Amazon.fr
テネシー・ウィリアムズ原作の映画化リストは映画化された小説たち - テネシー・ウィリアムズ
テネシー・ウィリアムズ原作の映画化はどれもこれも素晴らしいですが、1958年のCat on a Hot Tin Roof(やけたトタン屋根の上の猫)が大好きです。


2006年発売のヴィヴィアン・リーとウォーレン・ベイティの「ローマの哀愁」DVD
The Roman Spring of Mrs. Stone DVDローマの哀愁 特別版
最新版「欲望という名の電車 」、「イグアナの夜 特別版」、「ローマの哀愁 特別版」、「渇いた太陽 特別版」のBOXセットの「テネシー・ウィリアムズ フィルム・コレクション (初回限定生産)が2006年リリースされました。

「ストーン婦人のローマの春」は演劇界の花形だった未亡人のローマでの華麗なる恋愛遊戯を描いた英語版の小説です。
The Roman Spring of Mrs. Stone The Roman Spring of Mrs. Stone (New Directions Bibelot)
日本語版の「ストーン夫人のローマの春」 (1981年)もあります。 実は私が読もうとした時には和訳が見つからなかったので仕方なく原書を買ったのです。 Hemingway(ヘミング・ウエイ)ほどではありませんが文体は簡潔ですからなんとかなりましたが細部は不明のままです。 露出狂じゃないですが象徴的な役割を持つ男、素肌にコートを羽織った色男が壁に向かって立ちションをするシーンは良く理解できませんでした。(想像が逞しくなります) 「ストーン婦人のローマの春」はDriftingがキーワードです。 人生、押し流されちゃいけません。

☆OST オリジナルサウンドトラックではありませんが、オリジナルが1972年、ジャズ・ギタリストのKenny Burrell(ケニー・バレル)のアルバム「Round Midnight」はロマンチックな夜にピッタリ! Joe Sample(ジョー・サンプル)のピアノをフィチャーしたにトリオの演奏で"The theme from "A Streetcar Named Desire"(欲望という名の電車のテーマ)が収録されています。 他の曲はピアノがRichard Wyands(リチャード・ワイアンズ)、ベースがReggie Johnson(レジー・ジョンソン)、ドラムがPaul Humphrey(ポール・ハンフリー)です。

☆Michelangelo Capua (Author) 著のヴィヴィアン・リー伝記です。(英語版ペーパーバック)
Vivien Leigh: A Biography
Vivien Leigh: A Biographyヴィヴィアン・リー自身による自伝ではありませんが、ニューヨークの書籍出版業でMontgomery Clift(モンゴメリー・クリフト)の伝記も執筆したMichelangelo Capua(ミケランジェロ・カープア)の手による200ページをこす伝記物語です。 稀有な美貌の持ち主であったイギリス女優のヴィヴィアン・リーの幼少時代からその早過ぎた死までを書き記しているそうです。 インドのことから3度の結婚や舞台のこと、そして映画の項目では「欲望という名の電車」や「風と共に去りぬ」だけではなく主な出演映画についても詳細な記述があるようです。


Lana Turne as Cora and John Garfield as Frank
Lana Turner & John Garfield
郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年)

I'd like to see him get plastered like that some night and drive off a cliff.
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」はアメリカ人の作家であるJames Mallahan Cain(ジェームズ・M・ケイン又はジェイムズ・ケイン)の過激なハードボイルド小説「The Postman Always Rings Twice」を性と暴力の表現を抑えたハリウッド映画用に手直しするのに12年かかったというTay Garnett(ティ・ガーネット)監督のフィルム・ノワールですが日本では観公開でした。
※Film noir(フィルム・ノワール)とはフランス語で"黒い映画"という意味ですが、1940年代後期から1950年代のハリウッド映画の中でも犯罪ものを指します。 1930年代のアメリカの恐慌時代に始まった道徳的には如何わしくてセクシーな刺激を強調したハードボイルド映画に端を発しているそうです。 詳しくはノワールの定義
1934年に実話に基づく処女小説「The Postman Always Rings Twice(郵便配達は二度ベルを鳴らす)」を発表しベストセラーとなったJames M.Cain(ジェームズ・M・ケイン)はErnest Hemingway(ヘミングウェイ)などと並ぶハードボイルド(暗黒)小説の大家だそうで、禁じられた情欲、三角関係、残忍、下品な性的魅力、不倫から生じる殺人などをテーマにした小説を書くことで知られています。 

1946年には、原作者ケイン自らこの作品を戯曲化してブロードウェイで上演しました。 映画化はフランスでの1949年、Pierre Chenal(ピエール・シュナル)監督の「Le Dernier tournant(The Last Turn)」が始めてです。 若妻役はCorinne Luchaire(コリンヌ・リュシェール)でした。
ハードボイルドとは

この映画以前にもジェイムズ・ケイン作品が二本映画化されてヒットしています。 1944年の「Double Indemnity(深夜の告白)」と1945年のMildred Pierce(ミルドレッド・ピアース)でテレビで放映された時の邦題が「深夜の銃声/偽りの結婚)」だったそうです。 「ミルドレッド・ピアース」は往年のハリウッド女優のJoan Crawford(ジョーン・クロフォード)が主演したMichael Curtiz(マイケル・カーティス)監督のフィルムノワール映画です。

こんな場末の安食堂に、光輝く月の女神か「ラナ・ターナー」!
カルフォルニアの街道筋にある安食堂の中年店主と結婚してしまった若妻コーラをLana Turner(ラナ・ターナー)が演じます。 逞しい放浪者のフランクにJohn Garfield(ジョン・ガーフィルド)でしたが、後にラナ・ターナーは「この役が一番好き」だと言ったそうです。 モノクロフィルムにラナターナーの白一色に統一した衣裳がひときわ目立ちます。
☆その美しいラナ・ターナーの写真が見られるLana Turner Illustrations

「あの人があの晩のように飲んだくれて崖から落っこちれば・・・」
若妻が安住のために選んでしまった歳上の男との結婚、そろそろ嫌気がさしている頃にふらりと舞込んだ流れ者と恋に落ち、共謀して亭主を亡き者にする計画を立てる。 上手くいきそうでいかないことが次々と起こり、どんでん返しも何度かあるストーリーを流れ者「フランク」のナレーションでつなぐエロティック・スリラーです。

ラストの刑務所でのシーンにおけるフランクと神父のセリフ
Frank: She must know it. But that's the awful part when you monkey with murder. Somehow, maybe, it flashed to her head when the car hit that maybe I did do it. Father, do you think she knows the truth?
Father: We can hope.
Frank: We got off to a wrong start. Somehow or other, we never got back on the right track. But I-I didn't kill her. I loved her so much. I tell ya, I would have died for her.

この映画に郵便配達夫は出てきません! アメリカでは郵便配達夫はいつも玄関の「ベルを二度鳴らして客ではないと知らせる」慣習があるようですが、深い意味が有るのかどうか、郵便配達夫は流れ者のフランクを意味しているのか?二度ベルは鳴らしていないが運命的な何かを受け取らざるをえない状況になるのか?
「二度」という点では、小説では事が必ず二度起こり(殺人、自動車事故など)二度目が決定打となるのです。
BBキングの歌の一つで「I've Got Some Outside Help I Don't Need」の文句にも出てきます。 ただし、ドアを二度ノックすると「入ってます。」なんていう返事が来るので3回、もしくは礼儀正しく4回にしましょう。

videoジョン・ガーフィールドとラナ・ターナーの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のトレーラーはThe Postman Always Rings Twice Trailer - Turner Classic Movies

John Garfield
ジョン・ガーフィルドは1951年の「He Ran All the Way(その男を逃すな)を最後に赤狩り(レッド・パージ McCarthyism)でハリウッドを追われ翌年に亡くなったそうです。
ジョン・ガーフィルドは「郵便配達は二度ベルを鳴らす」で演じた野性的な流れ者とは全く違うユダヤ人の軍人を翌年の「Gentleman's Agreement(紳士協定)」で演じました。 1947年にGregory Peck(グレゴリー・ペック)が主演した「紳士協定」はAnti-Semitism(反ユダヤ主義)を描いて数々の受賞を得た社会派ドラマです。 赤狩りで重要な役割を果たしたElia Kazan(エリア・カザン)が監督しているのは皮肉です。
ジョン・ガーフィルドの出演映画のスチール写真集はJohn Garfield Photos - themave.com
John Garfield Photos - janeek.com


The Postman Always Rings Twice DVD
「The Postman Always Rings Twice」のオリジナルである"ラナ・ターナー"出演の2004年に発売された「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の日本語字幕版DVDですが現在は入手困難になっています。
The Postman Always Rings Twice DVD郵便配達は二度ベルを鳴らす 特別版 (1946年版)
2006年に500円の廉価版DVD「郵便配達は二度ベルを鳴らす」が発売されました。


その後、1942年、イタリアのLuchino Visconti(ルキノ・ヴィスコンティ)監督が、映画権無しで「Ossessione(妄想) 郵便配達は二度ベルを鳴らす)」を制作しデビューしました。 舞台をカルフォルニアからイタリアの侘しいPo Valley(ポー河)流域の街道にあるレストランに移します。(ポー河というとMichelangelo Antonioni(ミケランジェロ・アントニオーニ)が監督したIl grido(さすらい)を思い浮かべます。) 若妻役はClara Calamai(クララ・カラマイ)です。

1981年にはBob Rafelson(ボブ・ラファエルソン)監督がケインの原作に忠実な4度目の映画化「The Postman Always Rings Twice(郵便配達は二度ベルを鳴らす)」をChinatown(チャイナタウン)のJack Nicholson(ジャック・ニコルソン)主演で制作し、過激な性描写(ぼかし)が話題となりました。 若妻役はJessica Lange(ジェシカ・ラング)

かなり過激な「ジャック・ニコルソン」のリメイク版DVD
The Postman Always Rings Twice DVD郵便配達は二度ベルを鳴らす
ジャック・ニコルソンの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のトレーラーはThe Postman Always Rings Twice (1946) Trailer - VideoDetective

Luchino Visconti's "Ossessione" DVD
2006年発売のルキーノ・ヴィスコンティ監督のイタリア版「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の日本語字幕版のDVD(白黒)です。
Ossessione郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル・リマスター 完全版


ジェームズ・M・ケイン著作ハードボイルド小説英語版「The Postman Always Rings Twice」
The Postman Always Rings TwiceThe Postman Always Rings Twice (Vintage Crime/Black Lizard)


She's Funny That Way
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の音楽はGeorge Bassman(ジョージ・バスマン)が担当したそうですが サウンドトラックはリリースされていないようです。 映画の中では、悪くもないのにとんだ災難な店主ニックがギターを弾きながらおはこ(十八番)の"She's Funny That Way"を歌います。 これはこの映画のクレジットには出ませんが、別名が"Charles N. Daniels"といいラグタイム作曲家として知られるNeil Moretの作曲、Richard A. Whiting作詞で1928年に作られた歌です。 1943年にFrank Sinatra(シナトラ)が歌ってヒットしました。
I'm not much to look at, I'm nothing to see...と歌われるShe's funny that wayの歌詞はShe's Funny That Way Lyrics - The Guitarguy's Golden Classics
Sam Wooding & His Orchestra - She's Funny That Way 1929

☆赤狩りについての参考はRed purge - plala.or.jp

「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の監督であるマイケル・カーティスはこの作品の前の1945年にMildred Pierce(ミルドレッド・ピアース)、その後の1954年にはWhite Christmas(ホワイト・クリスマス)など数え切れないほどの名作を監督しています。


Janice Rule as Roxanne dances to Mulligan's Bariton Sax
Gerry Mulligan and Janice Rule in The Subterraneans
Jack Kerouac reading The Subterraneans - iLike.com
地下街の住人 (1960年)

The Subterraneans 1960年
「地下街の住人」は代表的なビート詩人の一人である作家のJack Kerouac(ジャック・ケルアック/ケラワック/ケロアック )が1958年に発表した小説l「The Subterraneans(地下街の人々)」をRanald MacDougall(ロナルド・マクドゥガル)監督が映画化しました。 1959年のサンフランシスコ(ニューヨークではない)を舞台にビート族とジャズをテーマに描いて映画界に新風を吹き込んだハリウッド的ビートニク作品で、Catacombs(地下墓地)にたむろする無限にパーティ好きで瞑想好きで快楽主義のビート族と出遭った悩める作家、というか人生の意義を模索して欲求不満の塊のような30代の若者のLeo Percepied(レオ)の愛のドラマです。 ビートとはこんなものなのかと勘違いしそうにビートが足りない映画ですがともかく世の人々にビートを知らしめたことには変わりありません。 なにしろ訳が分らなくてクール(かっこ良さそう)だったのでこのあと暫くは映画やテレビではこぞって似非ビートが登場しました。
The Subterraneans映画の主人公であるGeorge Peppard(ジョージ・ペパード)が演じた作家はケルアック自身のことですがレオとは実の父親の名前だそうです。 レオが出会った若い娘のMardou Fox(マードゥ)は原作では実在の人物をモデルにしてチェロキー・インディアンと黒人の混血としたそうですが、映画ではハリウッド流にお洒落れにフランス人という設定に変更されたそうです。 映画と原作とは往々にして異なることが多いのです。 この他の出演者には1949年の「All The King's Men(オール・ザ・キングスメン)」に出演したAnne Seymour(アン・セイモア)や、1960年の「Where The Boys Are(ボーイハント)」に出演したJim Hutton(ジム・ハットン)がAdam Moorad(アダム)役だったそうですが「ボーイハント」でのノッポ役とは違って全く覚えていません。 「地下街の住人」は日本で1960年(昭和35年)に丸の内松竹で公開されたそうですが私はその数年後に場末の二流館で観ました。


Janice Rule and George Peppard
ジェリー・マリガンのサックスでロクサーヌとレオが踊るビート族のパーティ
Janice Rule and George Peppard in Subterraneans

ビートニク映画の「地下街の住人」は活劇にぴったりで作家のナイーヴィさはあまり感じられないジョージ・ペパードと巴里のアメリカ人ほどキュートでないLeslie Caron(レスリー・キャロン)、そしてJanice Rule(ジャニス・ルール)がアイラインばっちりの素敵な女ビート族のダンサーであるRoxanne(ロクサーヌ)役で出演していますがストーリーはたいしてドラマチックではありませんでした。 全く共感はできませんが、母親が相手をとっかえひっかえしたせいか「他の女たちが金を浪費するように、私は男を浪費するの。」とよくフロイト的な言葉を吐いていた背伸びした可愛いハスッパ娘のマードゥが自分の子供を身篭ったことを知って作家のレオはビートな放浪生活から足を洗い、一時は嫌悪していたまともな生活に戻っていくようでした。 人生のなんたるかを彷徨い求めた若者が女を探しビートニクの界隈を彷徨った後、ビートの深淵(いや、アルコール中毒のかも)から這い上がったということで、つまりちょっとビートニクを体験してみただけにみえます。

Janice Rule in SubterraneansJanice Rule as Roxanne in The Subterraneans
魅惑的なジャニス・ルールが演じたロクサーヌは"魔除け"と称して自分の苦悩を隠すために目の回りに異常なほど濃くマスカラを塗っていましたがこの太いアイラインというのがロクサーヌ程ではありませんが60年代当時のファッションでもありました。 日本でもモデルさんだけでなくお嬢様がたも「たぬき目」になりましたが、今なら差し詰め「パンダ目」というのでしょう。 陶酔したようにモダンダンスを踊るロクサーヌを見た主人公のレオが吸い込まれるようにロクサーヌと踊りましたが、私も「地下街の住人」で初めて見たジャニス・ルールの存在感が大きくて可愛いレスリー・キャロンが霞んでしまいました。 そう、レオもフランス人の恋人がいるのにロクサーヌと一夜を過ごしてしまったのです。 ロクサーヌはレオに出会ってから男漁りは止めてビートニクの世界を去っていったのですからきっと真っ黒なアイラインも止めてしまったでしょう。 素敵なジャニス・ルールはアイラインを取るとごく普通の女性です。 悩みが多いからなのか、マザコンのようなもしくは原作者のケルアックのようにエディプスコンプレックスとして性格付けてあるのか、レオは女と長続きせずに家に戻ってきてはよく母親と言い争いをするのです。 口癖のように「ちゃんとした女性を見つけなさい。」と叱咤激励しつつもレオの癇癪に耐え続けてきたお堅い母親が「セックスのことは知りませんよ。 自分でなんとかしなさい。」というようなことを言ったので、アメリカでは親子でそんな立ち入った会話をするのかとビート族よりもさらなるカルチャーショックを受けました。
Jack Kerouac and Memère
"Memère(メメール)"とはフランス語で"婆ちゃん"とか"デブ小母ちゃん"という意味ですが、ケルアックがお洒落にフランス語で母親をそう呼んだのです。 実際に作者のケルアックがあまりに母親に頼っているので情緒の発達が遅れているのかと1959年に「Howl And Other Poems」を発表した友人のAllen Ginsberg(アレン・ギンズバーグ)などはあきれ返ったそうですし、ケルアックが何度も結婚を繰り返したのにはババ付きでほぼ虐状態だったからとも云われています。 よって女性との結婚よりは干渉過多の母親との生活を取ったということになります。 映画のためにMGM(映画会社)は原作者のケルアックに1千万円を支払ったのでケルアックは永遠にママと住む家を購入したそうです。
George Peppard
「地下街の住人」で初めてジョージ・ペパードを見た時はテレビのドラマで観たTroy Donahue(トロイ・ドナヒュー)の大人版のようですごく大きく感じましたが実際の身長は183cmだそうです。 ジョージ・ペパードは「地下街の住人」の後、1961年にAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)と共演したBreakfast at Tiffany's(ティファニーで朝食を)で広く一般に知られるようになりました。 これでジョージ・ペパードはロマンティック路線をまっしぐらかと思ったのですがやはり活劇が多かったようです。
George Peppard Photos - YouTube

Jazz in The Subterraneans
「地下街の住人」でジャニス・ルールのアイライン以外に素晴らしいのは当時人気のジャズメンが出演していることです。 なかでも特にバリトン・サックスのGerry Mulligan(ジェリー・マリガン)が私のお気に入りで映画ではミュージシャンとしてだけでなく、レオに裏切られたと思い込んだ傷心のマードゥに優しく接した牧師の役でも出演しています。 私が始めてジェリー・マリガンのレコードを買ったのは1958年の映画「I Want to Live(私は死にたくない)」のサウンドトラックでした。 女囚を扱ったセンセーショナル映画「私は死にたくない」の冒頭にマリガンがバリトンサックスで"I Want to Live"のを演奏する映像がありますが実に衝撃的でした。
マリガン以外のジャズ・ミュージシャンとしては、本人の役でドラマーのShelly Manne(シェリー・マン)、ベース奏者のRed Mitchell(レッド・ミッチェル)、アルトサックス奏者のArt Pepper(アート・ペッパー)、ピアニストで作曲家のAndré Previn(アンドレ・プレヴィン)、トランペッターのArt Farmer(アート・ファーマー)、女性ジャズヴォーカリストのCarmen McRae(カーメン・マクレエ)などそうそうたる顔ぶれです。
Carmen McRae & The Andre Previn Trio
レオやマードゥなどビート族がたむろするクラブでカーメン・マックレエが歌った"Coffee Time"は「地下街の住人」の映画音楽の制作(プロデュース)を担当したArthur Freed(アーサー・フリード)が作詞Harry Warren(ハリー・ウォーレン)作曲したそうですが大変素晴らしい曲で「The Subterraneans」のサウンドトラックに収録されています。
Carmen McRae - "Coffee Time" - The Subterraneans (1960) - YouTube
André Previn - The Subterraneans (1960) - YouTube

「地下街の住人」はこれほど素晴らしいミュージシャンが出演していてもミュージカル映画ではありません。 この映画では音楽としてのジャズは単にビートニクと対のもの、あるいは一部分としての演出です。 なぜなら、"地下街の住人"の原作者でビート詩人のジャック・ケルアックはビバップのCharlie Parker(チャーリー・パーカー)に傾倒しジャズの演奏法に習って即興的手法(アドリブ)で小説を書いたんだそうです。 ケルアックの詩の朗読もしかり。 タイプライターのキーでリズミカルに奏でた小説という形の演奏です。 だから一般人にはビート文学は分りづらいのでしょう。(私はお手上げ状態) よってビート族とジャズは切っても切れない仲なんです。
Charlie Parker with Jack Kerouac Dialog - YouTube
Jack Kerouac - Charlie Parker - YouTube
ジャニス・ルールも出演した1958年の魔女映画の「Bell, Book and Candle(媚薬)」でもニューヨークのグリニッジビレッジの地下街の住人達が現れます。 魔女の弟が地下クラブのゾディアックでボンゴを演奏しているのです。 ボンゴといえば初めてお茶の間にビート族が登場したのは1959年代から始まった青春ドラマの「The Many Loves of Dobie Gillis(ドビーの青春)」がありドビーの親友がビート族でボンゴをたたくのです。

Beatniks or Bohemians
San Francisco's New Bohemians(San Francisco's North Beachers)とはビートが流行ったその当時、1950年代後期から1960年代初期にかけてサンフランシスコのノース・ビーチ地区にビート族のグループが住みついて、あえて地下室や薄暗いアパートを根城にしたところから「地下の住人」たちと言われたそうです。 今でいうならロフト生活でしょうか。 ジプシーのことを指すBohemian(ボヘミアン)とBeat(ビート)が同義語なのかどうかは知りませんが、ボヘミアン・アーティストといえば自由な発想を持った芸術家や作家たちや定職を持たずに哲学的で自由奔放な生活をしている人々も含まれるのでしょう。 「地下街の住人」ではボヘミアンという言葉を冒頭で説明しています。 ニューヨークのグリニッジビレッジやサン・フランシスコ、ロンドンはソーホー、パリならサガン、じゃなくて左岸にそんな文化人がたむろっていたそうです。 生活が豊かになった戦後アメリカのフィフティーズではJames Dean(ジェームス・ディーン)の「Rebel Without A Cause(理由なき反抗)」じゃないですが、やたらと反抗するのが格好良かったのでしょうか。 "Beat"はビート詩人に代表されるように社会の体制に否定的かつ悲観的な思考や文学などの文化を指して、"Beatnik"とはそのブームに乗じてマスコミが商業用に作り上げた既成概念又はファッションで、風変わりだとか面白いとかかっこいいとか果ては暴力的だとかいうイメージだそうです。 昔は教養の必要な文学は大衆文化とはなり得ませんでしたが、私のような感覚で生きている人種に向けてポップカルチャーは作られたものです。 ビート時代には朝鮮戦争がありましたがベトナム戦争時のヒッピーのように反戦といったメッセージはなかったようです。

Beat Generation
豊かになった社会に反抗するかのようにケルアックのような詩人が1948年に始めた反物質主義的な文学運動をビートと呼んだそうですが、ビートニク時代は大変短くて1950年代から1960年代初期まででした。 この時期には日本でもビート流行で、ビートやビートニック、ケラワックやギンズバーク、実存主義や不条理、サルトルボーボワールなどと訳の分らない言葉を口にするだけでイケてる気分がしたものです。 現在では映画監督までこなすコメディ界出身の北野武の芸名もかっては「ビートたけし」でした。
1959年にジャック・ケルアックが脚本を書きナレーターをつとめたロバート・フランク監督等による短編「Pull My Daisy」ではアレン・ギンズバーグ自身がAlan Ginsbergとして主演しています。 ビートジェネレーションの創始期の雰囲気(ジャズ演奏と詩の朗読会)が伝わる16mmフィルムです。 冒頭の和服の奥さんは何でしょうかね。 パリのSatori(悟り)なども書いていますから禅などの東洋志向なのでしょう。
ジャック・ケルアックが1957年にやっと出版された小説「On the Road(路上)」をステシーヴ・アレン・ショーで朗読するケルアック
PULL MY DAISY (1959)(Kerouac interview and reading 1957's "On The Road" to Steve Allen's piano) - YouTube
※ビートニクについて書かれたロック世代の映画劇場 - ビートニク

第一次大戦後に活躍したHemingway(ヘミング・ウエイ)などのLost Generation(ロスト・ジェネレーション/失われた世代)に続く第二次大戦後のビート・ジェネレーション(打ち負かされた世代)は、単なる享楽主義ではなく、物質文明を嫌悪し、規制の概念や社会の因習に囚わ れない自由な人間性の解放を目指した世代で、特に文学(詩人、作家)、そして画家や音楽家達ビートニクを指すそうです。
※ヘミング・ウエイについてはHemingway Gallery(日本語)
ここから時代変わってベトナム戦争の頃、平和を意味するピースサイン(peace sign)も流行った反戦気風のカルフォルニア・ヒッピーへと発展したわけです。 このVサインをする時はくれぐれも手の甲を相手に見せてはいけません。 クタバレ!
ヒッピーについて書かれたヒッピー・ムーブメント
Audio-Visual Trivia内でヒッピーに関連したママス&パパス


The Subterraneans Soundtrack
♪ 「地下街の住人」のサウンドトラックの試聴はThe Subterraneans - Amazon.com
「地下街の住人」の音楽は映画音楽からクラシックまでこなす作曲家でピアニストのアンドレ・プレビンで、この映画の製作(プロデューサー)が最後となったArthur Freed(アーサー・フリード)と共にジャズとクラシックの融合を試みました。 当時のホットなジャズメンが演奏するサウンドトラックは3000枚限定版のため日本では入手不可でしたがサントラの曲目リストとジャケット画像が見られて数曲が試聴できるThe Subterraneans - GerryMulligan.info(サイトで左のジャケ)
アーサー・フリードは1951年にAn American In Paris(巴里のアメリカ人)とShow Boat(ショウ・ボート)、1952年にSingin' in the Rain((雨に唄えば)などたくさんの素敵なハリウッド映画を制作しています。 「ショウ・ボート」で使用された1917年に英国の風刺作家のPelham Grenville Wodehouse(ペルハム・グレンヴィル・ウッドハウス)がJerome Kern(ジェローム・カーン)に書いた曲"Bill"以外はOscar Hammerstein II.(オスカー・ハマーシュタイン2世)とのコラボです。
The Subterraneans Soundtrackこの3000枚限定の完全盤LP「The Subterraneans」サントラアルバムは国内での入手は不可能でしたが、CD化されたアンドレ・プレビン作曲のMain Themeなど何曲かがフルで聴けるThe Subterraneans Soundtrack - ScreenArchives.com
(右のtrack listのアンドレ・プレヴィンの曲名をクリックするとフルで聴けますが、マリガンのBread and WineやマクレエのCoffee Timeでは時間をクリックすると試聴できます。)
☆ScreenArchives.comで販売されているCD価格は$19.95だそうです。
※サントラではありませんがトランペットのTerence Blanchard(テレンス・ブランチャード)やテナーサックスのJoe Henderson(ジョー・ヘンダーソン)などが演奏する国内盤の「ジャズ・イン・フィルム」に「地下街の住人」が収録されているそうです。(他にAlex Northの欲望という名の電車、Duke Ellingtonの或る殺人、Elmer Bernsteinの黄金の腕など。)
全曲試聴はJazz In Film (Film Score Anthology) - Amazon.com

Gerry Mulligan - Subterraneans/I Want To Live
ジェリー・マリガンが俳優としても出演した「地下街の住人」とテーマ曲の演奏映像だけだった「私は死にたくない」を抱き合わせたレアなサウンドトラックが2006年に再リリースされています。
Jazz Soundtracks
Subterraneans and I Want To Live by Gerry MulliganThe Subterraneans(地下街の住人)からWhy Are We Afraid?、Two by Two、Bread and Wine、Rose and the End、Look Ma, No Clothes、Things Are Looking Downなどに加えてカーメン・マックレエのCoffee Timeを収録、同じくジェリー・マリガンのバリトンサックスでテーマ曲の映像が観られるI Want to Live!(私は死にたくない)からBlack Nightgown、Theme from "I Want to Live! "、Barbara's Themeなどを収録しているお勧めのアルバムで全曲試聴出来ます。

映画「地下街の住人」の元となったケルアックの小説
The Subterraneans Book地下街の人びと (新潮文庫)


The Subterraneans Video
現在ではAmazon.comにも無い「地下街の住人」のビデオはVHS、DVDともに入手不可です。

「地下街の住人」の映画ポスターがみられるThe Subterraneans - AllPosters.com

Bob Dylan - Subterranean Homesick Blues (1965 Bringing It All Back Home)
Dylan's album, inspired by Kerouac's Beat Novel "The Subterraneans" (1958)


Beatnik: The Source
ビートニクを知るにはこれ!Chuck Workman(チャック・ワークマン)監督のThe Source
ビートゼネレーション・ブームの発端となった三人の詩人達のドキュメントのDVDは「The Source(ビートニク)」で、英語版の「The Source」もあります。
挿入ビデオシーンではWilliam S. Burroughs、Jack Kerouac、Allen Ginsberg本人の映像他、Steve Allen、Lenny Bruce、Bob Hope、Bob Dylan、Dizzy Gillespie(ガレスピー)、Billie Holidayなどの姿も見られます。

☆Johnny Depp(ジョニー・デップ)が詩人「ケルアック」を、デニス・ホッパーがウィリアム・バロウズを演じ、ジャズメンとビート詩人達が出演する1999年の記録映画「The Source(ビートニク)」についてはウイスキーと映画の世界
アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックと並ぶ50年代アメリカの作家であるWilliam S. Burroughs(ウィリアム・S・バロウズ)を演じたDennis Hopper(デニス・ホッパー)の写真も見られるBeatnik Chic
Johnny Depp Kerouac - YouTube


Kevin Spacey as Bobby Darin
Kevin Spacey as Bobby Darin
Kevin Spacey sings Beyond the Sea - iLike.com
ビヨンドtheシー ~夢見るように歌えば~

2004年制作の「ボビー・ダーリン」伝記映画はアカデミー俳優のKevin Spacey(ケビン・スペイシー)が、30代で亡くなった伝説のエンター・テイナーBobby Darin(ボビー・ダーリン)に捧げるミュージカルです。
企画から2003年の制作開始、そして完成まで約17年が費やされました。
※ボビー・ダーリンを愛してやまないケビン・スペイシーは1999年のアメリカン・ビューティでアカデミー主演男優賞を受賞しています。

この映画「ビヨンド the シー」でケビン・スペイシーは監督及び主演しており、ボビー・ダーリンのレパートリーからの10数曲すべてを自身で歌い踊ります。
つまり、ケビン・スペイシーのワンマンショー!

ケビン・スペイシーは歌が上手で、ロンドンのOld Vic Theatreの劇場維持のためのチャリティーなどでElton John(エルトン・ジョン)とデュエットしていますし、TVショーでも歌っています。(リンク先の写真は2002年エルトン主催エイズ基金のチャリティーのもの)

Things 初恋の並木道ケビン・スペイシー出演の映画には、1995年のSe7en(セブン)、1997年のL.A. Confidential(L.A.コンフィデンシャル)などが印象的でしたが、1999年のAmerican Beauty(アメリカン・ビューティー)にはボビー・ダーリン作曲・演奏のAs Long As I Singingが使われているようです。(覚えていませんが) ケビン・スペイシーがクリント・イーストウッド監督の1997年の映画「真夜中のサバナ」で愛する"ボビー・ダーリン"に捧げる歌としてThat Old Black Magicを歌っていたのはこの映画の前ぶれだったようです。


ジェイミー・フォックスがRay Charles(レイ・チャールズ)そっくりなように、演技でなく生来の雰囲気が似ているケビン・スペイシーがピッタリ! しかも吹き替えではなく自分で歌っちゃってる。 当時のボビー・ダーリンのファンとして文句無し!(ちょっとばかりガッチリしたボビーですが)
とはいうものの、"Splish Splash"はかなりキツかったでしょうね。 お疲れさま! ボビーを知る私の年代の人じゃなくても、ケビンのパーフォマンスに拍手喝采することでしょう。

Greta Scacchi(グレタ・スカッチ)が実生活でボビーの幼な妻だったSandra Dee(サンドラ・ディー)のステージ・ママ役で出演しています。
※2004年12月米国で公開され、日本では2005年2月公開です。

video「ビヨンド the シー 夢見るように歌えば」のトレーラー
Beyond the sea Trailer - VideoDetective
Kevin Spacey sings 'Beyond The Sea'


2005年発売の字幕版DVD
Beyond the sea DVDビヨンドtheシー ~ 夢見るように歌えば ~

「ビヨンド the シー 夢見るように歌えば」のサウンドトラック
Beyond the seaBeyond the sea Soundtrack


ケビン・スペイシーの次の出演予定に2006年のSuperman Returnsがありますがスーパーマンの強敵である悪役のLex Luthor(レックス・ルーサー)の声を担当します。この役についてケビン・スペイシーが述べたところによるとKen Lay(ケン・レイ氏)をイメージしたとかで本当にクリクリ坊主になっています。 クリストファー・リーヴのスーパーマンの続編という「スーパーマン・リターンズ」のアメリカでは2006年10月公開。Superman Returns
クラーク・ケントが留守にしていた我が家に5年ぶりに帰宅して見たものは。
※2001年の経営破綻で大騒ぎだったEnron(エンロン)元会長のKen Lay(Kenneth Lee/ケン・レイ氏)が2006年7月5日に心臓発作(自殺説有り)で急死。


☆ボビー・ダーリンが歌うMack The Knifeを始め映画のテーマ曲やジャズのスタンダードのカバー、そしてモチロン"ビヨンド・ザ・シー"が収録された人気のアルバムはビヨンド・ザ・シー~伝説のボビー・ダーリン(CCCD)
(CCCD(Copy Control CD)とは、コンピュータに搭載されているCD-ROMドライブ等での読み込みに制限をかけた音楽CD)


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