Audio-Visual Trivia

Home »Movie »Music

太陽はひとりぼっち L'Eclisse


Monica Vitti et Alain Delon dans L'Eclisse
L'Eclisse - Alain Delon et Monica Vitti
わからない、何をしても虚しい、満たされない、いったいどうすれば・・・
木立を揺らして乾いた風が吹く
太陽はひとりぼっち(1962年)

Michelangelo Antonioni (1912 - 2007)(ミケランジェロ・アントニオーニ)が監督する1962年度カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作品です。 「太陽はひとりぼっち」は1960年のL'Avventura(情事)と、死刑台のエレベーターのJeanne Moreau(ジャンヌ.モロー)も出演した1961年のLa Notte(夜)に続く 「疎外感欲望そして愛の不毛」を描くといわれる三部作の完結編ですが、この後に制作されたIl Deserto Rosso(赤い砂漠)(1964年)を加えると4部作となります。 イタリア語タイトルのL'Eclisseはフランス語ではL'Eclipse、英語でEclipse(エクリプス)とは日蝕などの、(名声の)失墜などの意味があり、動詞では”食を起す、光をさえぎる、・・・の名声を失わせる、(他を)しのぐ、覆いかぶす”などの意味だそうです。
La Notte(夜)の写真が見られるLa Notte - FILM.TV.IT

灼熱のローマ、沈黙の部屋で別れ話の男女の頭上にぬるまったい風を送る扇風機が廻る、廻る、廻る・・・
この映画は公開当時は最も過激な映画とされ、万人向けではありませんが、前作二本と同様ストーリーの展開は無視されて、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の完全孤立の楽園に漂う荒涼とした映像を観ることができます。

アントニオーニの映画といえば、魅力的なハスキー・ヴォイスのイタリア女優のMonica Vitti(モニカ・ヴィッティ)! 「情事」、「夜」に続いて出演しヒロインのVittoria(ヴィットリア)役を演じます。 そしてPlein Soleil - Comme au Cinema.com(太陽がいっぱい)で既に大スターになっていたAlain Delon(アラン・ドロン)がヴィットリアのお相手で色男の株式相場ディーラー役を演じます。
何十年も前のことでうろ覚えですが、Trust me, Join me, You gotta a nest into my heart, Don't you see, Now you're a flame, Just like a slave wave in the air...とNico Fidenco(ニコ・フィデンコ)が歌った主題歌に魅せられて当時EP盤を購入しました。 そのテーマ曲の”Trust Me(トラスト・ミー )”が流れる「情事」のトレーラーはL'Avventura with theme music Trust Me - YouTube
☆Trust Meが流れるモニカ・ヴィッティ総集編的ブログMySpace - Monica Vitti
モニカ・ヴィッティがマルチェロ・マストロヤンニと共演したのは「夜」の他にEttore Scola(エットレ・スコーラ)が監督した1970年のコメディ映画「Dramma della gelosia - tutti i particolari in cronaca(ジェラシー)」があり、モニカ・ヴィッティは二人の男に愛されて悩む美女を演じます。 その解決策は自殺!・・・#3P!・・・Oh, no mai!・・・新しい男?・・・殺人!
エットレ・スコーラ監督はジャクリーヌ・ササールの「三月生れ」で脚本を担当したのが映画界デビューでした。
そして「赤い砂漠」と同じ1964年にTinto Brass (ティント・ブラス)監督の日本デビューの「Il Disco Volante(私は宇宙人を見た)」にEleonora Rossi Drago(エレオノラ・ロッシ・ドラゴ)と共に出演しています。 ティント・ブラス監督は1979年のCaligula(カリギュラ)が有名です。

私生活では長年連れ添った妻からの突然の別れを経験したミケランジェロ・アントニオーニ監督のナゼ?という疑問は「夜」に描かれていましたが、今作では一貫して何を尋ねても「わからない・・・」とヒロインに言わせています。 そのヒロインのモニカ・ビッティとは公私共にパートナーでした。 無感情、無表情、おまけに倦怠感溢れるヒロイン役の美女「モニカ・ビッティ」が時折見せる笑顔が素晴らしい。

アントニオーニ監督が2時間もかけてリアリスティックに描く現代社会への啓蒙・・・「現代病」
高度成長下の堕落しきった社会の物的生産至上主義・・・物質の豊かさのなかで心の豊かさを失い、 狂騒的な株式相場の暴落だっていつかは訪れるハズの危険に目を瞑ってきたツケがまわってきただけ・・・なんて、考えていると頭痛がしてくる。 どこかで重大なコトが起きているのにそれを知らず、機械の歯車のように、日々の行動を繰り返し続けていく。 備え有れば憂いなし? 備え万全なんてムリムリ! なんたって、ノホホン♪と享楽の日々を送っている私ですから。 60年代でそうなら、はてミレニアム以降はどうなるのか?

現代社会のディスコミニケーション
又ある意味、最後にはこの世は人のつまらぬ感情を覆いかぶし(L'Eclisse)、残るは無感動な重々しい物質的現実だけが残るともとれる。 インターネットという実態のない世界にドップリはまり込んでしまい、現実の社会との絆が断ち切られようとしている今現在、この先、生身の人間同士の意思の疎通は図っていけるのだろうか。 夜通しドンチャン遊んで帰る朝のシラっとした虚しさにも似て自己嫌悪に陥る気分って分かります?あの盛り上がったのはなんだったのか(これは関係無い?)


倦怠感を紛らわせられるのか? 原始に戻ってのアフリカごっこで!
Monica Vitti背景の一つ一つが意味を持つこの作品では、美男スターのアラン・ドロンさへ風景化しています。 バスから吐き出される乗客、工事中のビル等の一見平凡とも見える情景ががタイトルのL'Eclisse(蝕)へと繋げていき、突如街灯に閃光が走ったかとおもうと真っ暗になる・・・実質なき核開発「狂争」を伝える新聞の見出しが核による大量殺人でも目撃しているのでは?と暗示させます。 自分たちが自ら作り出した環境により破壊されるのかも。 この映画から40年以上経った今現在、なおその脅威は続いている。 そして、ラストはSFにも似た核爆発のような太陽の光で終わります。
黒人に扮したモニカ・ビッティが槍を持ってアフリカの踊りを踊るシーンのクリップが聴けるwfmuラジオのプレイリスト Playlist for Mark Allen - February 25, 2006(You can Listen to this show (RealAudio)をクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を41:43に移動、約2分)

Mina - L'elisseTwist - YouTube(only Mina's song)
Monica Vitti and Alain Delon in L'Eclisse - YouTube
The Last Scene in Michelangelo Antonioni's 'Eclipse 1962 - YouTube

1985年には脳梗塞で一時麻痺になったとはいえ、今年92歳でなおも映画を撮り続けるPictorialist( ピクトリアリスト)のミケランジェロ・アントニオーニ監督です。(追記:残念ながらミケランジェロ・アントニオーニ監督は2007年7月に亡くなりました。)
ミケランジェロ・アントニオーニとは、人間の疎外感、意思の疎通の可・不可能性を実存主義的に抽象的に撮る映像作家です。人の心のネオリアリズムを映す監督なのです。 作品中の背景がその心情を表す手段となっています。
※Pictorialist( ピクトリアリスト)とは欧米で19世紀終わり頃に始まった絵画的現実主義を遂行する芸術家なんだそうですがよく分かりませんので、凝った映像の美的感覚を観客にアッピールするピクトリアリストにふれているSpiritual Exercisetを読んでみます。


☆日本公開時の「太陽はひとりぼっち」のレトロなポスターはkuradashieigakan.comの方がお持ちです。(なんと!本物のポスターをデジカメで処理された作品だそうです)
シナリオが載っている雑誌「映画評論」などのページもあります。 大変貴重なコレクションですね。

日蝕などの「食」とは、太陽と地球の間に太陽と地球の間に太陽と地球の間に月が入ったため、太陽が隠されて見える現象だそうです。 太陽の一部が隠される場合を部分食、全部隠される場合を皆既食、月の周りに太陽の縁が輪のように見える場合を金環食というそうですが、蝕(食)そのものは「ある天体が他の天体の一部または全部をおおい隠す現象」を指すのだそうですよ。


「太陽はひとりぼっち」の日本語字幕版モノクロDVD
L'Eclisse太陽はひとりぼっち


品質が悪かった以前のプリントを復元して発売!
2005年発売のCriterion Collectionから二枚組みDVD (原語版)はアメリカ・カナダ限定ですが、The Eye That Changed Cinemaという滅多にないミケランジェロ・アントニオーニ監督の1時間ドキュメンタリー付きだそうです。
L'Eclisse - Criterion CollectionL'Eclisse - Criterion Collection (1962)


超辛口の映画監督であるIngmar Bergman(イングマール・ベルイマン)が認めたアントニオーニの作品は「欲望」とこの「夜」です。 ジャンヌ.モローが気に入っているのかも。
モニカ・ヴィッティがマルチェロ・マストロヤンニやジャンヌ.モローと共演した「夜」の日本語字幕版DVD
La Notte
La Notte Opening Title - YouTube
La Notte Last Scene - YouTube
☆映画「夜」で私がずっと気になっていたものがやっと分かりました! モニカ・ヴィッティが自作の詩をマルチェロ・マストロヤンニに聞かせた後で弄んでいた自在変形オモチャはFlexi-Sphere


「情事」のVHS (イタリア語版)
L'avventuraL'Avventura (Sub)
中古ビデオさえもうどこにも見つからないかも。
Criterion Trailer 98: L'Avventura - YouTube


ミケランジェロ・アントニオーニの初のカラー作品である「赤い砂漠」の日本語字幕版 DVD
Il Deserto Rosso赤い砂漠 日本語字幕版 DVD


太陽はひとりぼっちのサウンドトラック
koukinobaaba所有のVictorのサントラ SS-1304 ではこの音楽について岡俊雄氏、映画については荻昌弘氏が批評を書いています。
Leclisse Twist 太陽はひとりぼっち「太陽はひとりぼっち」のサウンドトラックですが、主題曲「L'Eclisse(太陽はひとりぼっち)」の作曲は「情事」と同じくGiovanni Fusco(ジョヴァンニ・フスコ)です。 原曲のL'elisseTwisは当時は流行だったTwist(ツイスト)のリズムで斬新なものですが、コレット・テンピア楽団(Colletto Tempia and his Orchestra)がサックス(テナー?アルト?)の独特な音色でブルース風ツイストを聴かせます。
☆この楽団についてはコメント欄を参照!まさか、都市伝説じゃないでしょうが。
Listen「太陽はひとりぼっち」のサントラバージョンが試聴出来る珈琲と音楽クレシェンド - オールディズのお部屋(♪をクリック)

当時、Tintarella Di Luna(月影のナポリ)で人気だったイタリアのカンツォーネ歌手のMina(ミーナ)の歌「Il twist」又は「L'elisseTwist(太陽はひとりぼっち)」はイタリアでは映画のオープニング・シーンで流れます。
ついでに私が持っている「月影のナポリ」などミーナの原語歌詞がたくさん載っているMINA -Lyrics


ジョヴァンニ・フスコ作曲の1959年の「情事」の主題歌の編曲・指揮はEnnio Morricone(エンニオ・モリコーネ)でNico Fidenco( ニコ・フィデンコ)が歌って大ヒットした「Trust Me(トラスト・ミー )」です。 他に映画”赤い砂漠”の音楽も手がけていますが、後年はJoe D'Amato(ジョー・ダマト)のポルノ映画のサウンドトラックを担当しています。

ミケランジェロ・アントニオーニ映画のために作曲したジョヴァンニ・フスコのオリジナル音楽で、「情事」、「赤い砂漠」、「太陽はひとりぼっち」、1957年の「IL GRIDO(さすらい)」のサウンドトラック・コンピレーションですが最後の曲はAldo Piga(アルド・ピガ)の音楽です。
I FILM DI ANTONIONI, LE MUSICHE DI FUSCOI Film Di Antonioni & Le Musiche Di Fusco
試聴はCam Originalsoundtracks.com(Cam以外では”I Film Di Antonioni”というタイトルのアルバムでは、24番がECLISSE TWIST ツイスト)
ご本家のCamの試聴がリンク切れの場合はアメリカのAmazon.comのI Film Di Antonioni & Le Musiche Di Fusco

1962年の「情事」と「太陽はひとりぼっち」、そして1964年の「赤い砂漠」のアントニオーニ3部作から全28曲を収録した輸入盤サントラアルバムはScoreです。
アメリカのAmazon.comで入手できるアルバム
3 Italian Film Scores: L'Avventura/Deserto Rosso/L'Eclisse3 Italian Film Scores: L'Avventura/Deserto Rosso/L'Eclisse

試聴はありませんがコレット・テンピア楽団の「太陽はひとりぼっち」が収録されているCDは「S盤アワーVol.3」と「ベスト・オブ・S盤アワー60s」です。
※COLLETTO TEMPIA楽団のL'eclisseを始めNICO FIDENCOのI delfini、GIANNI MORANDIのSunlight Twist、JIMMY FONTANAのTWIST NO.9なども収録された「Best of S Ban Hour 60s」の試聴なしですが曲目リストなどはBest of S Ban Hour 60s - cd Japan
※S盤アワーについて書かれた懐かしのラジオ番組 S盤アワー


ミーナが歌うL'elisseTwist(太陽はひとりぼっち)が収録されているCD
Best Of Mina太陽はひとりぼっち ベスト・オブ・ミーナ
(試聴無し)

Giorgio GasliniLa Notte(夜)の音楽は、多くの映画音楽を手がけているイタリアのジャズ界の大御所のサックス奏者でピアノも弾くGiorgio Gaslini(ジョルジョ・ガスリーニ)ですが、廃盤のようです。(イタリアのレーベルCinevox側では再発売する予定とか)

La Notte Soundtrack私の所有する「夜」のサウンドトラックは赤いドーナッツ盤 ANGEL records 45rpm HM-1149(中古レコード価格は6500円)
サントラはジョルジオ・ガスリーニ作曲でジョルジオ・ガスリーニ楽団(コンボ)の演奏、ラスト・シーンのパーティの終盤に明け方流れる曲のBlues All'Alba(暁のブルース)と、ナイトクラブのショーの伴奏として使われたNotturno Blues(夜のブルース)です。
☆マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モローが出かけたクラブでのストリップショーの伴奏として演奏されたジャズはGerry Mulligan(ジェリー・マリガン)の1958年のI Want to Live!(私は死にたくない!)のテーマ曲に似ていました。
La Notte Strip Scene - YouTube

☆ジョヴァンニ・フスコはGérard Blain(ジェラール・ブラン)が主演した1960年の「I Delfini(太陽の誘惑)」でのFausto Papetti(ファウスト・パペッティ楽団)のアルト・サックスやNico Fidenco(ニッコ・フィデンコ)の歌でヒットした主題歌What A Sky(Su nel cielo)も作曲しています。
AudioNico Fidenco - What a sky (1960) - YouTube
イタリアのサイトですが日本語ページもあるファウスト・パペッティ Fausto Papettiが素晴らしい! 30秒ほどの試聴ですが、日本で流行ったBroken Promises(黒い傷あとのブルース)からEstate Violenta、What a SkyなどAからZまで色々聴けるFAUSTO PAPETTI SONGS(初めてアクセスすると小ウインドが表示され、イタリア語か英語で「リストに不足があれば運営者に知らせて」と「ページ最後の[ReadMe] を読んで」と言っています。)
iTunes Storeにずっとなかったのですが2006年になって日本のストアにもニッコ・フィデンコのWhat A Skyが収録されたアルバムが2枚入荷したようです。 I Grandi SuccessiとLegata A Un Granello Di Sabbiaですが、他にはJ. Fontana - N. Fidenco Cantaitaliaのアルバムがあります。私はEPシングル盤は持っていますが”I Grandi Successi”の方を購入してみましたが全くのハズレ(昔懐かしいバージョンではない)。 ファウスト・パペッティの演奏盤にするべきだった。

試聴も情報もありませんが「太陽の誘惑」のサウンドトラックCDは「I Delfini」です。
上記の60年代に日本で流行ったポップスのコンピレーション・アルバムの「ベスト・オブ・S盤アワー60s」にはコレット・テンピア楽団の「太陽はひとりぼっち」と共にニコ・フィデンコの「太陽の誘惑」が収録されています。
コレット・テンピアの太陽はひとりぼっち、ニコ・ フィデンコの太陽の誘惑と情事が収録された「ベスト・オブ・スクリーン・ヒッツ」も試聴なし。
「情事」のテーマ曲「TRUST ME」が収録されている日本盤サントラ画像が見られるA Fistful Of Soundtracks - L'Avventura

シビレル!ニコ・フィデンコの情事のテーマ曲「トラスト・ミー」が収録されている2枚組モリコーネの映画音楽集
ennio morricone chroniclesザ・ヴェリー・ベスト・オブ・エンニオ・モリコーネ
1枚目にはトラスト・ミーの他口紅のテーマとゴーカート・ツイストなどで、2枚目はさすらいの口笛などマカロニ・ウエスタン集
Nico Fidenco - imusic.libero.itで試聴できます。(trust Meは11番、What A Skyは8番)

Movie Classics - Hugo Montenegro/Ennio Morricone - Rádio UOL


☆Pictorialism(ピクトリアリズム)についてはrleggat.com(英文)


余談ですが、Colletto Tempia and his Orchestra(コレット・テンピア楽団)の「L'Eclisse」のテーマは海外でも素晴らしいと評判でもっと聴きたいと探している方もいるようです。 私には確認のしようがありませんが、いくつかの情報によりますと、コレット・テンピア楽団というのは50年代〜60年代に海外の曲を沢山アレンジしていた日本の編曲者である寺岡真三氏率いる楽団だとする説があり、サントラのリリースにあたりフスコのECLISSE TWIST をそのままツイストのリズムにして、かき集めたミュージシャンで演奏したそうです。 一説によるとコレット・テンピアの名前の由来はテンプルつまり「寺」岡真三氏なのだとか。(本当?) 私の手持ちの1962年リリースのEPレコードはビクターですから、恐らくビクター専属バンドかもしれません。 しかしあのサックスは誰が吹いているのかは不明です。 寺岡真三氏の情報は皆無に近いですが、軍歌や運動会用のマーチも手掛けていた「和製洋楽」の始祖ということです。 海外リリースのサウンドトラックでは当然フスコの曲だけでしょう。
当時はサントラはイタリアの例に倣ってか、日本バージョンのサントラがリリースされていました。 「L'Isola Di Arturo(禁じられた恋の島)」はカルロ・ルスティケッリの音楽ですが、Elio Bruno e la sua Orchestra (エリオ・ブルーノ楽団)がヒットパレードに登場しましたが、日本では編曲者の武富武馬氏でTAKEMARNE ONEMAN Symphony Orchestra (タケマーネ・ワンマン交響楽団)らしいです。 他にもUn Témoin dans la ville(彼奴を殺せ/きやつをけせ)とJ'Irai Cracher Sur Vos Tombes(墓にツバをかけろ)のテーマ曲が渡辺貞夫や猪俣猛などの一流ミュージシャンを三保敬太郎が率いるModern Jazz Playboys(モダン・ジャズ・プレイボーイズ)でリリースされました。 個人では覆面プレーヤーがかなり存在していたようです。(バンドマンのアルバイトなのか?)

Un Château En Suède
モニカ・ヴィッティが出演した映画には1963年にRoger Vadim(ロジェ・ヴァディム)が監督した「スエーデンの城」があります。 イタリア語のタイトルは”Il Castello in Svezia”というこのフランス映画はBonjour Tristesse(悲しみよこんにちは)の原作者として知られるFrançoise Sagan(フランソワーズ・サガン)が発表した1960年の戯曲”Château en Suède”をClaude Choublier(クロード・シュブリエ)とロジェ・ヴァディムが共同で脚色し映画化したものです。 魅惑のヒロインのEleonora(エレオノール)をモニカ・ヴィッティが演じる他、主な登場人物はエレオノールの最愛の兄のSebastiano(セバスチャン)にJean-Claude Brialy(ジャン・クロード・ブリアリ)、城主のUgo(ユーゴー)にCurd Jürgens(クルト・ユルゲンス)、ないがしろにされるユーゴーの若い妻のOphélie(オフェリー)にシャンソン歌手のFrançoise Hardy(フランソワーズ・アルディ)、城主ユーゴーの従弟のEric(エリック)にJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)と名優ぞろいです。 モニカ・ヴィッティが演じる魔性の女”エレオノール”が引き起こす悲劇はスエーデンのストックホルムからほど遠い田舎の湖に浮かんだ島に聳え立つファルセン家の古城を舞台に繰り広げられます。 この城に住むユーゴーは若妻のオフェリーがいるにも関わらずモニカ・ヴィッティが演じるエレオノールに夢中になり、それを悲観したオフェリーは投身自殺を試みた。ユーゴーはこれ幸いと妻を死んだことにして幽閉しエレオノールと結婚をしてしまいます。 しかしエレオノールが愛するのは兄のセバスチャン、エレオノールがユーゴーと結婚したのも兄の財産を救うため。 その兄が妹のエレオノールを案じて城に到着します。 ジャン・ルイ・トランティニャンが演じるユーゴーの従弟のエリックも城にやって来ますが、たちまちエレオノールの魅力の虜になります。 そうこうするうちにエリックは死んだはずのオフェーリーに出会い、事実を知ったエリックはこのことをだしにしてモニカに結婚を迫ったのです。 それを知ったユーゴーは恋敵となったエリックに殺意を抱いたのです。 それに気付いたエリックは城を出ざるを得なくなりました。 さて、命びろいのために城を後にしたものの深々とした雪に閉ざされた孤島の冬の戸外でエリックがどうなったか想像に易い。 このように城内の男女が哲学的な恋愛遊戯に耽るなか、ある日到着したFrederick(フレデリック)という男もこのゲームに参加することに、つまりエレオノールのお気に入りとなるのです。
「スエーデンの城」の写真が見られるIl castello in Svezia - FILM.TV.IT
「スエーデンの城」のDVDなどリリースされていないのか世界中探してもまず見つからず、日本では¥5,800のVHSがあるだけですが、オークションで出品されるかもしれません。
※フランスのテレビ映画でJeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)がヒロインのAgathe Falsen(アガタ)を演じたJosée Dayan(ジョゼ・ダヤン)監督の「スエーデンの城」が放映されたそうです。
「スエーデンの城」の音楽はレイモン・ル・セネシャルですが、城主の前妻役で出演したフランソワーズ・アルディがテーマ曲を歌っています。
Françoise Hardy - Je Suis D'Accord

投稿者 koukinobaaba : May 9, 2005 03:33 PM

Trackback

すぐに反映されないこともあります。

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.audio-visual-trivia.com/mt/mt-tb.cgi/86

このリストは、次のエントリーを参照しています: 太陽はひとりぼっち L'Eclisse:

» RHYTHM OF SUNLIGHT from earth@journal
□今日の一枚□ 父が若い頃に買った物をいくつか譲り受けている。いや、勝手にくすねて来たものをいくつか持っている。これもそれらアイテムの中の一つ。曲自体... [続きを読む]

トラックバック時刻: May 19, 2005 06:35 PM

» 【愛憎】「太陽がいっぱい」/ルネ・クレン from Augustrait
燦然たる光の下で §全てはうまくいくはずだった  主人公は陽光の降り注ぐ中で、「太陽がいっぱいだ」と誇らしげに呟く。次の瞬間に彼の運命は決していた。  ... [続きを読む]

トラックバック時刻: August 23, 2005 04:14 PM

» アントニオーニ『さすらい』をみて from 言語学研究室日誌
少し前に黒澤『赤ひげ』を見たせいか、モノクロ映画がまた見たくなり、前に買ったまま眠っていたのを引っ張り出して見ました。映画の冒頭部分で、製糖工場... [続きを読む]

トラックバック時刻: March 12, 2006 08:56 PM

» 『太陽はひとりぼっち』~「愛の不毛」と「ネオ・リアリズモ」~ from 時代の情景
 旧ソ連の革命映画の作家エイゼンシュテインは、カール・マルクスの『資本論』の映像化を目指していたといわれています。そのための創作ノートは、すでに発見されて... [続きを読む]

トラックバック時刻: September 8, 2006 11:57 AM

» 太陽はひとりぼっち from にじばぶの映画
『太陽はひとりぼっち』(1962年) 上映時間:124 分 製作国:イタリア/フランス ジャンル:ドラマ/ロマンス 監督: ミケランジェロ... [続きを読む]

トラックバック時刻: July 25, 2007 08:13 AM

コメント

トム(Tom5k) さん、そうでしたね。コレット・テンピアの件で驚かれてそのままでしたが、まさかトラックバックの「おねだり」もできずにいましたよ。あはは

アントニオーニの作品はそうは多くないですが、ちょっとミステリな「欲望」は未見です。 ヴァネッサ・レッドグレーヴやジェーン・バーキンなんて好きな女優が出演しているから見たいです。

それに、多分私好みであろう反ファシズムが絡んだ「悪魔が夜来る」も観てみたいのです。あー、もう観たい映画はいっぱいで100歳まで生きても終ることはなさそう!

アントニオーニは一度映画館で観るだけでは
駄目ですね。もっとも何度観ても理解不能かも。

教えて頂いた「欲望」のリンク先に行ってみました。トム(Tom5k)さんがコメントで食いついていましたね。

投稿者 koukinobaaba : September 8, 2006 04:34 PM

koukinobaabaさん
こちらにTB貼っていたつもりだったのに、貼っていなかったので、今さらながら送信しました。
ところで、アントニオーニは、他に御覧になっていますか?
彼の『欲望』について、こんなページがあります。

http://magic-ocean.at.webry.info/200609/article_2.html

では、また。

投稿者 トム(Tom5k) : September 8, 2006 12:02 PM

「にじばぶ」さん、すぐ来て下さって本当に有難うございます。 どんな映画でもそうですがTVの名画座でみるとチョチョ切られてチンプンカンブンになります。 アントニオーニ監督のような心の内部を探るような映像はなおさらです。 ビデオも国内版はカットが多いそうですよ。 という私も劇場では観たもののポイントを掴めませんでした。 ブルジョワ世界が異質なのかと思いました。

投稿者 koukinobaaba : December 5, 2005 08:55 PM

書き込みありがとうございます。
早速、伺わせて頂きました。

アントニオーニに完全にはまるきっかけとなったのが本作でした。
他のアントニオーニ作品としては、『さすらい』『欲望』『夜』『赤い砂漠』辺りが好きです。
何故だか『情事』だけはそれほど好きになれませんでした・・・

投稿者 にじばぶ : December 5, 2005 08:36 PM

わたくしもビクター72年版コレット・テンピア楽団の「太陽はひとりぼっち」のシングルレコードを持っていますが、こちらにお邪魔して日本の演奏であることをはじめて知りました。非常に驚き、大きなカルチャー・ショックを受けております。では、また。

投稿者 トム(Tom5k) : December 4, 2005 11:58 PM

トム(Tom5k)さん、コメント有難う御座います。 アントニオーニ監督は難しいと言われますが私はゴダールよりは分かる気がします。 イタリア的な情感が共有出来る部分を持っているのかも知れません。 コレット・テンピアについてのコメントも面白いでしょう?

投稿者 koukinobaaba : December 4, 2005 11:13 PM

はじめまして
わたしはアラン・ドロンのファンでして「太陽はひとりぼっち」はむかしから大好きでした。アントニオーニの他の作品は「さすらい」「情事」「赤い砂漠」「砂丘」などみていますが、この「太陽はひとりぼっち」に最も惹かれています。
アントニオーニの「愛の不毛」なるものの書評は非常に数は多いのですが、納得できるものには中々、巡り会えませんでした。こちらにお邪魔させていただいて非常に刺激を受けました。ありがとうございました。

投稿者 トム(Tom5k) : December 4, 2005 11:04 PM

お速いレスで恐れいります。 禁じられた恋の島は私も「くちべに」の記事を書いているダミアノ・ダミアニ監督の作品で、音楽はこれも記事を書いた「刑事」のカルロ・ルスティケッリです。 日本での音楽は武富武馬氏でTAKEMARNE ONEMAN Symphony Orchestra (タケマーネ・ワンマン交響楽団)の演奏というのもあります。 hahaha

投稿者 koukinobaaba : November 6, 2005 03:57 PM

寺岡真三氏・・・50年代60年代は、ほんとにいろんな仕事をされているようですね。
コレット・テンピアは確かにこの寺岡さんです。
当時の青山のビクター・スタジオで、スタジオ・ミュージシャンを集めて急きょ録音されたらしいです。
ほかにも、エリオ・ブルーノ楽団(禁じられた恋の島)これも日本人らしいのですが、名前はまだ判明していません。
それから、コール・ケリーノ楽団・・・北村コレアキさん。(旅情・・だったかな)
ユージン・コスマン楽団・・・小関祐司・・・漢字が思い出せません(^^;)
こういうのを調べるのも、面白いですねえ。

投稿者 woopie : November 6, 2005 02:04 PM

woopieさん、貴重なご指摘を有難うございます。 実は私も演奏者を探しても見つからなかったのです。 作曲は確かにフスコですが、http://www.paper-plastic.com/record_cd_catalogue.htm にあるように多くのレコードが日本でリリースされています。 こちら http://www.xmission.com/pub/lists/exotica/archive/v02.n036 の4番に記述があるように演奏者コレット・テンピアをもっと聴きたいと探している方もいます。 実は50年代~60年代に海外の曲を沢山アレンジしていた日本の編曲者である寺岡真三氏による作品のようです。 つまり、コレット・テンピアの名前の由来はテンプルつまり「寺」岡真三氏というわけで、フスコのECLISSE TWIST をそのままツイストのリズムでかき集めたミュージシャンで演奏したそうです。 私の手持ちの1962年リリースのレコードはビクターですから、恐らくビクター専属バンドかもしれません。 しかしあのサックスは誰が吹いているのかは不明です。 軍歌や運動会用のマーチも手掛けていた「和製洋楽」の始祖です。 但し寺岡真三氏の情報は皆無に近いですから、私も裏は取れていません。 ご本人に直接伺いたいですね。 海外リリースのサウンドトラックではフスコの曲だけでしょう。

投稿者 koukinobaaba : November 6, 2005 01:29 PM

はじめまして
あっちこっち検索してたどり着きました。
太陽はひとりぼっちの主題歌ですが、あの演奏、アメリカカナダ版DVDにも入っているのでしょうか?
 じつは、この曲日本で独自に付けられたと聞いているのですが・・・。
 コレット・テンピアというのも、じつは日本人だとか・・・。
 資料はあるのですが、まだウラが取れていなくて、確認中です。
 いきなり質問で申し訳ありません。
 

投稿者 woopie : November 6, 2005 12:42 PM

kkdgcさん、”唇によだれ”といい、”太陽はひとりぼっち”といい、実にマイナーな映画を書いていらっしゃる方がおられるとは嬉しい限りです。

投稿者 koukinobaaba : May 19, 2005 06:45 PM

先日は「唇によだれ」にトラバありがとうございました。

今日は、私の記憶違いから自分の持ち物について小さな発見がありましたものを載せてみました。こちらにも「太陽はひとりぼっち」の記事があったなあと思い出し、 トラバさせてもらいました。

モニカ・ヴィッティのクールな顔立ちがとっても好きです。この映画での演技もすごく好きです。野生の動物をみているようでした。

投稿者 kkdgc : May 19, 2005 06:38 PM

anupamさん、モニカとアントニオーニが結婚出来なかったのはイタリアのカトリックは離婚を禁じているからです。 が、この公私ともパートナーである二人が築いたイタリア映画界での歴史は素晴らしいですね。 モニカは鼻の件は別として、ハリウッド女優陣とは対象的に大変美しい人です。

投稿者 koukinobaaba : May 9, 2005 08:39 PM

昔雑誌にモニカのインタビュー記事がでていて「結婚なんてまった~~~く興味ありません」と断言していました。そのころはアントニオーニとは別れていたと記憶しています。

写真の撮られ方も徹底した要求があり、鼻が若干曲がっている側からは「NG」なんだそうです。まあ多くの女優さんがそうなのかもしれませんが・・

アントニオーニは「さすらいの二人」を見たけど大学生のころで理解不足・・かな。今見たらまた違う感覚をもつでしょうね・・

投稿者 anupam : May 9, 2005 08:29 PM

すぐに反映されないこともあります。




保存しますか?