パーシー・メイフィールド Percy Mayfield



A Man Who Fell In Love With Sadness
どんな歌でも魅せられてしまう美しい声のパーシー・メイフィールドは1950年代~1960年代のR & B(リズム・アンド・ブルース)の偉大なるソングライターで、レイ・チャールスのヒット曲を作曲したことで知られています。 それと同時に渋い落ち着いたルイジアナ・バリトンと呼ばれる低音を効かせたウエスト・コーストを代表するアーバン・ブルース歌手でもあります。

1947年のこと、自作の"Two Years of Torture"という曲を当時の人気ブルース・シンガーのJimmy Witherspoon( ジミー・ウィザースプーン)にいいかも知れないとレコード会社に売り込みに行ったところ、メイフィールドの詞を読む声に魅された会社側は彼自身がその曲を吹き込むようにと薦めたそうです。 これがパーシー・メイフィールドの初録音となりました。

Percy Mayfield: Please Send Me Someone To Love
パーシー・メイフィールドは桂冠の詩人といわれるだけあって詩の心を持ったソングライターで、失意と失恋の歌は天下一品です。 哀感をこめて傷ついた心の奥底を表現する天才です。 1950年にSpecialty Record(Art Rupeが創設)で録音したパーシー・メイフィールド自作の感動的なブルース「Please Send Me Someone To Love(プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ)」がNo1ヒットとなりました。 この歌は単にラヴ・バラードであるというだけでなく、世界平和への願いも込めているそうです。
その後はるんるん気分の大ブレイク時期を過ごします。 あの忌まわしい悪夢がメイフィールドを襲うまでは。

1952年のこと、あの悲劇的な交通事故に遭ったのです。 それは天が彼にニ物を与えた才能と美貌の一方を失うハメになりました。 彼の美しい顔は失われたのです。 しかし不幸中の幸い、魅力の低音は損なわれることはありませんでした。 ツアー(地方公演)を殆ど取りやめた他は何も変わったようには見えませんでした・・・パーシー・メイフィールドの心の傷以外は。
災いを克服していっそう凄みのあるブルースを歌い続けたパーシー・メイフィールドはりリースするレコードのジャケットを当然のように事故後の顔で飾るなど、並々ならぬ精神力の持ち主です。 その後も数々の歌を作曲しましたが、「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ」はスタンダード・ナンバーとして現在も数多くの歌手によって歌われています

「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ」に続く50年代のヒットとしてはStrange Things Happening、Lost Love、What a Fool I Was、Prayin' for Your Return、Cry Baby、そしてBig Questionなどがあり、メイフィールドはトップ・バラードシンガーとしての地位を確立しました。 メイフィールドのSpecialty時代の曲も含めて大部分は初録音当時のオールスター・バンドのメンバーであるMaxwell Davisのサックスをフィーチャーしています。

60年代は親友レイ・チャールズのお気に入りの作曲家として曲作りを精力的に行い、Hit the Road Jack(ヒット・ザ・ロード・ジャック)は1961年の全米1位に輝きました。 その他 、My Jug and I、Give Me Time to Explainなどなどを提供しています。 レイ・チャールは60年代半ば、に彼自身のレーベルTangelineからパーシー・メイフィールドのアルバムMemory Pain(メモリー・ペイン)をプロデユースしています。
☆オリジナルであるパーシー・メイフィールドの"ヒット・ザ・ロード・ジャック"はレイ・チャールズに贈ったこの曲のデモ・テープで珍しいアカペラです。 「ホイッ、ホイッ!、チャッ、チャッ♪」とノリの良い歌です。

その後ずっと続けて音楽活動をしていましたが、惜しくも1984年に64歳で亡くなりました。 心臓の発作だったようです。
Percy Mayfield & The Maytones - Baby, You're Rich (78prm) - YouTube
Percy Mayfield - Advice (For Men Only) - YouTube
Percy Mayfield - Life Is Suicide - YouTube
Percy Mayfield - Please Send Me Soomeone To Love - YouTube


「スペシャルティ・レコード」は1945年に設立された黒人音楽専門のインディ・レーベルで、パーシー・メイフィールドが録音したレーベルです。 その後はLloyd Price(ロイド・プライス)、Guitar Slim(ギター・スリム)、Little Richard(リトル・リチャード)を生み出したブルース界のレコード会社です。


Please Send Me Someone To Love
"Heaven please send to all mankind..."とパーシー・メイフィールドが歌うPlease Send Me Someone To Loveの歌詞はPlease Send Me Someone To Love Lyrics - ClearLight.com
意訳ですが、大体の歌の意味は『神様、お願い、みんなに分別と安らぎと意思を与えて下さい。でもこれが過度なお願いでなければ私に愛する人を与えて下さい。世界に仲良くやっていく方法と憎しみが去った後の平和を示して下さい。でも望み過ぎでないなら、どうぞ私に愛する人を与えて下さい。私が目覚めて世界の問題を考えると答えはいつも同じです。この忌々しい罪を終わらせよう。憎しみは世界をメラメラと燃やすだろう。何ともひどいことだ。私が惨めな境遇だというだけで同情は請わない。でも望み過ぎでないなら、どうぞ愛する人を与えて下さい。』

パーシー・メイフィールドの1950年録音の"プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ"と"ロストラヴ"が聴けるPercy Mayfield - Jazz On Line.com(Percy Mayfieldで検索、曲名をクリック)
※最近は「Please Send Me Someone To Love」というと女性パーシー・メイフィールドと呼ばれるFiona Apple(フィオナ・アップル)のバージョンが知られているそうです。


ページトップの画像はPlease Send Me Someone to Loveは収録されていませんが、パーシー・メイフィールドのRCA時代の曲を集めた2006年リリースの「Blues Laureate: The RCA Years」です。
試聴はBlues Laureate: The RCA Years - Amazon.com

パーシー・メイフィールドのアルバム
パーシー・メイフィールド作詞作曲のプリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴはアルバムにのほとんどに入っています。
歌詞が見つからないですが、しんみりと歌うLonesome Highwayの他、Nightless Lover、My Heart、Hit the Road Jackも収録されているアルバム
Memory PainMemory Pain
試聴はMemory Pain, Vol. 2 - Amazon.com(Please Send Me Someone To Loveは1番、Hit the Road Jackは25番)

Poet of the BluesPoet of the Blues(ブルースの桂冠詩人)
試聴はPoet of the Blues - Amazon.com(Life Is Suicideは4番、The River's Invitationは14番)
☆桂冠詩人とはその時代の詩人として第一人者という意味を含むそうです。

Please Send Me Someone to LoveやNightless Loverはモチロン、Monroe Tucker楽団をバックにパーシー・メイフィールドが歌うJack, You Ain't Nowhere、1995年のミステリ映画「Devil In A Blue Dress(青いドレスの女)」のサントラにも収録されているHow Wrong Can a Good Man BeやHalf Awake (Baby You're Still a Square)などレアな曲も収録されているアルバム
1947-1951 - Percy Mayfield1947-1951
試聴は1947-1951 - Amazon.com

メイフィールドが所属していたSpecialty Recordsの伝説のR & Bシンガー「ギター・スリム」などを集めた"Creole Kings Of New Orleans (Series)"の1枚です。
Creole Kings of New Orleans - Percy MayfieldCreole Kings of New Orleans
アルバムの試聴はCreole Kings of New Orleans - Amazon.com(パーシー・メイフィールドのLouisianaは2番)


1970年RCAリリースのアルバム「Percy Mayfield Sings Percy Mayfield」は試聴もなく情報も少ないですが、"Please Send Me Someone to Love"はもちろんのこと、Walking On A Tightropeが収録されている2002年発売のアルバムは「Walking on a Tightrope」です。

Specialty Profiles
"Please Send Me Someone To Love"をはじめ、"Louisiana"や"Memory Pain"にアカペラの"Hit The Road Jack"に加え今まで私が聴いたことがない曲も収録されている2006年発売の素晴らしいCD"Specialty Profiles"は1950年から1954年のSpecialty Records時代のヒット曲を収録しています。
Specialty Profiles:Percy MayfieldSpecialty Profiles
試聴はSpecialty Profiles - Amazon.com
Disc: 1はWhat A Fool I Wasなどメイフィールドお馴染みのバラードで、Disc: 2にはLloyd Price(ロイド・プライス)やLittle Richard(リトル・リチャード)、Guitar Slim(ギター・スリム)やSam Cooke(サム・クック)などSpecialtyレコードのお仲間が収録されて、10番のDizzy Miss Lizzyは後にJohnny Guitar Watson(ジョニー・ギター・ワトソン)と組んで歌ったバック・ピアニストのLarry Williams(ラリー・ウィリアムス)でしょうか。)

Mark Naftalin's Blue Monday Party
パーシー・メイフィールドの映画ビデオ関連では、30分ドキュメンタリービデオとしてJ. Elizabeth Randazzo監督のMark Naftalin's Blue Monday Party, Vol. 1: Percy Mayfield and Lowell Fulson(1981年)とPercy Mayfield -- Poet Laureate Of The Blues(1989年)ですが、Roger Donaldson監督のクライム・コメディ映画Cadillac Man(1990年)ではパーシー・メイフィールドが作曲したHit the Road Jackが使用されました。
パーシー・メイフィールドがStrange Things Happening、Please Send Me Someone To Love、Life Is Suicideを歌っている1981年のブルース・コンサートの映画「Mark Naftalin's Blue Monday Party, Vol. 1: Percy Mayfield and Lowell Fulson」についての情報はMark Naftalin's Blue Monday Party, Volume 1 - VIDEO INFO
Lowell Fulson The Blue Mirror Club on Fillmore Street 1963 - YouTube
B.B King(BBキング)の初ヒット曲として知られている"Three O'Clock Blues"はLowell Fulson(ロウエル・フルスン)が1948年に録音したそうです。 Ray Charles(レイ・チャールズ)をサポートしたブルースマンとして伝記映画のRAY(レイ)にも描かれています。
※Mark Naftalin(マーク・ナフタリン)はブルースのオルガン奏者で、John Lee Hooker、Otis RushBig Mama Thorntonなどとも録音したそうです。 1979年にラジオ番組の"Mark Naftalin's Blue Monday Party"をプロデュースしたそうです。

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