ケティ・レスター Ketty Lester sings Love Letters



Ketty Lester sings Love Letters
現在ではご当地のアメリカでさえ、『ケティ・レスターって誰?』と言われるほど、歌手としてのKetty Lester(ケティ・レスター)は忘れ去られた存在なのです。 どんな曲を歌ったかって? それがこのラブレターという名曲なのです。 幻の名曲「ラブレター」、そして伝説の"一発屋のソウル歌手のケティ・レスター"なんかで終わらせてしまえないその魅力をお伝えしましょう。

ケティ・レスターの1962年のヒット曲「Love Letters(ラブレター)」のオリジナルは、1945年にVictor Popular Young(ヴィクター・ヤング)作曲によりEdward Heyman(エドワード・へイマン)が作詞した映画のテーマ曲です。 ヴィクター・ヤングは1935年から1957年まで多くの映画音楽を手掛けていますがStella by Starlight(星影のステラ)やMy Foolish Heart(愚かなり我が心)などの名曲で知られます。 エドワード・へイマンはDoris Day(ドリス・デイ)のWhen I Fall in Love(恋に落ちた時)などのようにこのコンビによる名曲はいくつもあります

1945年にDick Haymes(ディック・ヘイムズ)が歌ったオリジナルのLove Letters(ラヴレター)は「Little White Lies」(ASIN: B00005ABNY)や「The Very Best of Dick Haymes, Vol. 1」(ASIN: B000003H7J)などに収録されています。
ディック・ヘイムズはHarry James(ハリー・ジェームス)楽団のケースと同じように1942年にFrank Sinatra(フランク・シナトラ)の後釜としてトミー・ドーシー楽団の専属歌手となりました。

アメリカではディープ・ソウルのジャンルに入っているケティ・レスターのEPシングルレコードは1962年に2枚リリースされています。
1963年にA面がI'm a Fool for YouでB面がLove Letters
Love Letters / Tell It Like It Is(すごいことにB面がオリジナルは1967年とされているR&BのAaron Neville's A&M(エアロン・ネヴィル、ネヴィル・ブラザーズの大ヒット曲)
Love Letters/ I'm A Fool To Want You(Eraレコード)
鳥肌の立つほど素晴らしいLove LettersとBillie Holiday(ビリー・ホリデイ)でお馴染みの"I'm A Fool To Want You(恋は愚かというけれど)"が聴けるCOLOR RADIO AND R+B, DOO WOP, ROCK+ROLL(1962年リリース版) (著作権の問題でしょうか現在は聴けるリンクが削除されてしまいました。)
Ketty Lester - I'm A Fool To Want You (1956) - YouTube

ページトップの画像はKetty Lesterのアルバム「Love Letters」ですがこの30曲収録の「love letters---30 tracks [SACD]」にはLove Lettersと共にI'm A Fool To Want Youが収録されています。(SACDディスクは普通のCDプレーヤーでは再生不可) 画像の下のリンクで11曲が聴けます。
スーパーオーディオCDとは

☆Ketty LesterのLove Lettersの歌詞はlLove Letters Lyrics - ynchnet.com

ListenKetty LesterのLove Lettersが試聴出来るOldies Museum(Kettyで検索)
当時私が購入したシングルEP盤のケティ・レスターのラブレターはピアノの間奏がとても印象的で素晴しいバージョンです。 私が当時購入したケティ・レスターの大きな目の顔写真をジャケットに使用した濃いピンクと黒の二色刷りのジャケットのドーナツ盤レコードが見つからないので最近になってデジタルのラヴレターをiTunesで購入しました。 アルバムはNipper's Greatest Hits: The 60's, Vol. 1です。

All About Ketty Lester
アーカンソー州生まれのケティ・レスターは奨学金を受けてSan Francisco City Collegeに通い、その頃から学校や教会で歌うようになります。 その後は歌の道に進み、Cab Calloway(キャブ・キャロウェイ)楽団に同行したヨーロッパツアーで成功を収めました。 クラブ歌手としての評判はEra Records会社との契約にむすびつきました。 後に1998年にGee Baby Geeを発表したDel-Fiの曲を書いた当時のプロデューサーのEd Cobb(エド・コッブ)と名ピアニストのLincoln Mayorga(リンカーン・マヨルガ)との出会いがあり「ラヴレター」がプロデュースされました。 リンカーン・マヨルガはL.A.のクラシック畑のピアニストですが、アーヴィング・バーリンやガーシュインを特集するなどジャズやポップスの分野でも評価されています。
最初のシングル・レコードはI'm A Fool To Want YouとLove Letters(ラブレター)です。 2曲とも人気のあるスタンダード曲ですが、ケティ・レスターのクールでジャージーなバージョンのラブレターは1962年にR & Bチャートでは2位、アメリカとイギリスのポップスのヒットチャートでは5位にランクされ、ミリオンセラーとなりました。 続けて2枚目のシングルは George Gershwin(ガーシュイン)のミュージカルGirl CrazyからのBut Not for Meでしたが、これは同年のポップチャートで41位でした。 その後も何枚かのシングルとLPも出しています。 エド・コッブはレコードのプロデュ-スだけでなく曲も作りました。 ケティ・レスターにも1曲書いたのですがお気に召さなかったんだそうです。 経歴やアルバムなどケティ・レスターについて書かれたThis Old Soul Of Mine(英語) ☆This Old Soul Of Mine詳細

MojoのMust-Haveシングル・トップ100
ケティ・レスターの歌で有名なのはラブレター1曲なのですが、アメリカの音楽マガジンMojoの調査によるMust-Haveシングルレコード・トップ100ではこの曲が65位です。
Mojo's Ultimate Jukebox - あなたが所有しなければならない100枚のシングル
この必須レコード100のリストで、私が持っているのは65位のKetty LesterのLove Letters(1962)以外では、9位のBooker T and the MG'sのGreen Onions(1962)、19位のSam the Sham and the PharaohsのWooly Bully(1965)、31位のGene Vincent(ジーン・ヴィンセント)のBe Bop a Lula(1956)、35位のRay CharlesのWhat'd I Say(Part 1)(1959)、66位のFlamingosのI Only Have Eyes for You(1959)、69位のErnie 'Tennessee' FordのSixteen Tons(1956) 、78位のSonny Boy WilliamsonのHelp Me(1963)、90位のBo DiddleyのWho Do You Love?(1957)、以上たった9曲でした。 貴方は?
Mojo Radio(Download Player 11 for Windows XP)

RCA Victor時代のケティ・レスター
ケティ・レスターは1964年にはRCA Victorと契約し「The Soul of Me」、1965年に2枚目「Where Is Love?」などをリリースしましたが、会社の思惑は外れヒットメーカーにはなりませんでした。 その後、ケティ・レスターは1960年代と1970年代にテレビなどのゲストとしてLittle House On The Prairie(大草原の小さな家)、Days Of Our Lives、Hill Street Bluesなどに出演しました。 NBCテレビの「大草原の小さな家」は日本でも人気でした。 Little House On The Prairie - YouTube

その後ケティ・レスターは1980年代までゴスペルをレコーディングしたりしていたそうです。
Where Is Love?
ケティ・レスターのRCA Victor時代の2枚目のアルバム「Where Is Love?」(1965年)が1999年に日本で再リリースされていたそうで、Lover Manやラブレターと同じくヴィクター・ヤングが作曲したMy Foolish Heartなどのスタンダード曲のカバー12曲を収録したこの盤は現在はヴィンテージ価格になっています。 このCDの試聴はみつかりません。 アルバムカバー画像がちょっとEartha Kitt(アーサー・キット)の1960年にイギリスのKappからリリースしたレコード"Revisited"に似ています。("Revisited"の収録曲はThe Ultimate Collectionと類似)
Where Is Love?

☆アナログは最近ではなかなか見つからないと言われますが、本当に「When A Woman Loves A Man」はありません。
※アルバムのタイトルとなっている"When A Woman Loves A Man"という曲はThe Andrews Sisters(ザ・アンドリュース・シスターズ)の"I Can Dream, Can't I"も書いたGordon Jenkins(ゴードン・ジェンキンズ)とBernard D. "Bernie" Hanighen(バーナード・ハニガン)が共同作曲し、Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)が作詞した曲です。 "I'm A Fool To Want You"同様に1938年にBillie Holiday(ビリー・ホリデイ)が歌ったのですが、Percy Sledge(パーシー・スレッジ)の1966年の大ヒット曲の"When a Man Loves a Woman"へのアンサーソングだったそうです。
Ketty Lester - When A Woman Loves A Man - YouTube

Ketty Lester's Love Letters in "Blue Velvet"
1986年のデニス・ホッパーが悪党役を怪演したDavid Lynch(デイヴィッド・リンチ)監督の狂気のサスペンス映画「Blue Velvet(ブルー・ベルベット)」ではなんと!ケティ・レスターのラヴレターが流れるのです。 それどころか、悪党デニス・ホッパーがヒロインのイザベラ・ロッセリーニを脅すセリフというのがケティ・レスターの「ラブレター」の一節「Love letters straight from your heart!」なのです。

ケティ・レスターの"ラブレター"が収録されている「ブルー・ベルベット」のサウンドトラック
Blue VelvetBlue Velvet: Original Motion Picture Soundtrack
試聴の13番
☆ケティ・レスターのラブレター他にもサントラの歌詞が載っているThe City Of AbsurdityのBlue Velvet(Soundtrackをクリック)
☆映画「ブルー・ベルベット」についてはAudio-Visual Trivia内のBlue Velvet

Ketty Lester in Little House On The Prairie
ケティ・レスターのラブレターを知らない方でも、この1974年に始まったTV シリーズの「大草原の小さな家」はご存知でしょう? 「大草原の小さな家」では1978年から1983年までケティ・レスターがHester-Sue Terhune(へスタースー・タヒューヌ )の役で出演しました。 日本では1975年からNHKで放映されました。 ☆NHKの参考
日本でも人気だった1959年~1973年のTVシリーズ「ボナンザ」に出演していたMichael Landon(マイケル・ランドン)が「父さん」役でしたが、ケティ・レスターはジョーの別れた妻と盲学校の先生「ヘスター・スー」を演じました。 ☆ケティ・レスターのヘスター・スーが観られるLittle House On The Prairie Picture Gallery(下から3番目)
☆「大草原の小さな家」のファンサイにはエピソードと写真がいっぱいの小さな家のページがあります。

エルヴィス・プレスリーのラブレター
ケティ・レスターのラヴレターの後、1966年にエルヴィス・プレスリーのラブレターがリリースされました。 当時ナッシュビル(カントリー)のスタジオ・ピアニストだったFloyd Cramer(フロイド・クレイマー)が収録に遅刻したことにより急遽穴埋めとして同じくスタジオ・プレーヤーの若手David Briggs(デヴィッド・ブリッグス)がピアノを務めました。(フロイド・クレイマーが到着しても遅れが気に障ったエルヴィスがそのまま続けてデヴィッド・ブリッグスに弾かせたようです。) これは大ヒットしてケティ・レスターを凌ぐと言われます。 私はエルヴィスのファンですが、やはりラブレターに関して言えばエルヴィスではなくこれはもうケティ・レスターが一番!だと思います。
ラブレターはエルヴィス以前にも、女性歌手ではPeggy Lee(ペギー・リー)、Julie London(ジュリー・ロンドン)、Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)、Etta James(エタ・ジェームス)など、男性歌手では1945年にDick Haymes(ディック・ヘイムズ)、1955年にTony Bennett(トニー・ベネット)、1957年にNat King Cole(ナット・キング・コール)、1958年にPerry Como(ペリー・コモ)、そしてイギリスのシンガーソングライターのElton John(エルトン・ジョン)とカントリーのスライド・ギタリストでブルース歌手のBonnie Raitt(ボニー・レイット)のデュエットなどもあり、その後も歌い継がれて総勢16人以上もの歌手がカバーした名曲なのです。


Ketty Lester sung "Love Letters" on TV show「More Red White & Rock」という番組に1999年、65歳のケティ・レスターが出演して37歳の時の大ヒット曲である"Love Letters"を歌ったそうです。
※参考までに、WFMUラジオのプレイリストのPlaylist for Downtown Soulville with Mr. Fine Wine - June 11, 2004でタワーレコード時代の1965年の"West Coast"が聴けます。(Listen to this show (RealAudio)をクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)が移動出来れば21:00(3分の1の辺り)が9番目のケティ・レスターです。)

4 Comments

青山要介さん、嬉しいですね。 ケティ・レスターを聴いて現在でもゾクゾクする方がいらっしゃるなんて! 私もリリース当時は感動してシングルを購入した一人です。 当時の復刻盤がリリースされることを夢みています。

漸く辿り着いた。 Loveletters を始めて聞いたのは松尾和子のカバーでした。その後エルベスも知りました。様々な歌手も聞きましたが先日NHKでKetty Lesterが最初の吹き込みと知りました。おもわず車を止めて聞き入りました。背筋がゾクゾクしました。素晴らしいの一言です!

sittininthebalkonyさん、コメントをありがとうございます。 同感です! 実はこの記事を書いた私もケテイのEPレコードを買った時にはダイナミックさを感じたのですよ。 当時としてはケティのラヴレターは新鮮でしたね。 でもいづれにせよ同じように懐かしく思う方に遭遇することは大変嬉しいです。

ケティ・レスターのラブレター! ずっと探してました!

歌手名が分からず、あてずっぽうに「ジャズ スタンダード ラブレター」と入れたらヒットしました。

40数年前にラジオで聞いて、プレスリーやナッキンコールとの違いに愕然としました。

"I Memorize ・・・"で始まる2節目がたまりませんでした。

あらためて聞いてみると、自分の記憶よりずっとおとなしい歌い方なのですね。
私の記憶の中では、もっとずっと黒っぽい歌い方で、耳の中に響いていました。

ありがとうございました。

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