March 2006 Archives



Gerry Mulligan (1927年-1996年)
テナーサックスやアルトサックスが花形のジャズ界ではバリトンサックス奏者は稀有な存在です。 1970年代までDuke Ellington's band(エリントン楽団)に在籍していた黒人のスウィング・バリトン奏者のHarry Carney(ハリー・カーネイ)やビバップ・バリトン奏者のSerge Chaloff(セルジュ・シャロフ又はサージ・チャロフ)やハードバッパーのPepper Adams(ペッパー・アダムス)などがいるとはいえ、広く一般にも知られているのは50年ものキャリアを誇るジェリー・マリガンです。 ニューヨーク生まれのジェリー・マリガンは若い頃から作曲及び編曲を手掛け、ピアノも弾きこなし、バリトンといえばマリガンという位に唯一有名なサキソフォニストでした。 なんといってもMiles Davis(マイルス・デイヴィス)九重奏団の歴史的名盤といわれる1947年の「Birth of the Cool(クールの誕生)」に参加しており、その後の1952年にアメリカ西海岸でChet Baker(チェット・ベイカー)とピアノ抜きのコンボ(四重奏団)を結成しています。 ウエスト・コースト(西海岸)で一世を風靡し、クール・ジャズ(ウエスト・コースト・ジャズ)のリーダーとして君臨しました。

特に甘い歌声で女性陣をメロメロにさせたトランペット奏者のチェット・ベイカーとのコンボでは名盤を数多く残しています。 ジェリー・マリガンは1993年の日本来日公演を最後に1996年に68歳で亡くなっています。

☆ジェリーマリガンについての素晴らしい情報がいっぱいのGerry Mulligan.info
そのサイトでジェリーマリガンのクリップが沢山聴けるページはGerry Mulligan Sound Clips

1950年代の3大スウィングサキソフォニストはBen Webster(ベン・ウェブスター/テナー)、Coleman Hawkins(コ−ルマン・ホーキンス/テナー)そしてLester Young(レスター・ヤング)もしくはJohnny Hodges(ジョニー・ホッジス/アルト)だそうですが、その一人のDuke Ellington(デューク・エリントン)楽団時代の演奏が若きジェリー・マリガンに多大なる影響を与えたジョニー・ホッジスとのセッション盤が「Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges」です。
名盤「Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges」についてのBBCラジオの英語レビューはGerry Mulligan Meets Johnny Hodges - BBC Jazz Review
ジョニー・ホッジスの他、「Gerry Mulligan Meets Ben Webster」や、ジェリー・マリガンとピアニストのセロニアス・モンクとの「Mulligan Meets Monk」など多くのミュージシャンとのセッション盤があります。
Ben Webster & Gerry Mulligan Who's got Rhythm on Dinah Shore show 1963 -YouTube

Listen近所に住む旧友だったセロニアス・モンクとの異例なセッションについて語るジェリーマリガンの肉声が聴けるThelonious Monk - JERU: IN THE WORDS of GERRY MULLIGAN(Audio Autobiography: RealAudio - MP3をクリック、1980年のアルバム「Lonesome Boulevard」からGood Neighbor Theloniousのクリップも聴けます)
マイルス・デイヴィスについて語っているMiles Davis - JERU: IN THE WORDS of GERRY MULLIGAN


オリジナル・ジェリー・マリガン(Gerry Mulligan Quartet)
トップの画像は1952年録音のピアノレスのマリガン・カルテットの代表作「パシフィック・ジャズ」の2001年に日本でCD化されたアルバムです。
♪ 全曲試聴はGerry Mulligan Quartet, Pacific Jazz (1953 10") --(Original pressing.) - HMV ONLINE Japan
"Pacific Jazz"のリストと試聴はGerry Mulligan infoのComplete Original Quartet- Pacific Jazz - GerryMulligan.info(アルバムリストの下が試聴)
国内盤のタイトルは「オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテット」

50年代のL.A.にタイムスリップ!  1952年にBLUE NOTEからリリースされたアルバムで、若きジェリー・マリガンとチェット・ベイカーとのピアノなしのコンボはベースがCarson Smith(カールソン・スミス)などで、ドラムはChico Hamilton(チコ・ハミルトン/1年後はLarry Bunker(ラリー・バンカー))などです。 Bernie's Tune、Walkin' Shoes、Nights At The Turntable、Makin' Whoopeeなどのスタンダードに定番のMy Funny Valentineが収録されている1999年盤
The Best of the Gerry Mulligan Quartet with Chet BakerThe Best of the Gerry Mulligan Quartet with Chet Baker
全曲試聴はThe Best of the Gerry Mulligan Quartet with Chet Baker -Amazon.com
Gerry Mulligan - Walking Shoes - 1956 - YouTube
Gerry Mulligan - Bernie's Tune - 1956 - YouTube

50年代のロスアンジェルスを舞台にした犯罪映画「L.A. Confidential(L.A.コンフィデンシャル)」のサウンドトラック「L. A. Confidential (1997 Film) 」にはThe Lady Is A TrampやMakin' Whoopeeの他、女性をシビレさせたチェット・ベイカー(初期)のヴォーカルでLook For The Silver Liningが収録されています。

1950年代の初めにジェリー・マリガンのコンボでオリジナルメンバーの一人だったドラムのチコ・ハミルトンといえばChamber Jazz(アドリブがメイン要素のアコースティック・ベースのコンボ)のパイオニアといわれます。 The Chico Hamilton Quintet(チコ・ハミルトン・クインテット)の演奏なら私が好きな曲は静かなイントロのドラムとフルートが秀逸な"Blue Sands(ブルー・サンズ)"です。 この曲ではJim Hall(ジム・ホール)のギターやTony Iommi(トニー・アイオミ)のフルートも聴けるのです。 チコ・ハミルトンの"Blue Sands"が収録されたアルバムはあっても試聴は滅多にありませんが、やっと見つけたウエストコースト派の素敵なアルバムThe West Coast Jazz Box, an Anthology of California Jazz(Blue SandsはDisc: 2の10番、ですが肝心なチコ・ハミルトンのドラム・ソロが聴けない!)
The Chico Hamilton Quintet - Blue Sands (Jazz on a Hot Summer's Day)- YouTube


Jazz Time: Olympia Nov 19 1960
Jazz Time: Olympia Nov 19 1960
Gerry Mulligan Plays Black Nightgown

若きジェリー・マリガンの写真が見られるGerry Mulligan Photo - Les Genies du jazz(画像クリックで拡大)
Gerry Mulligan Photos - Radio Montaje
クラリネットを吹く十代のマリガンの写真が見られるGerry Mulligan Photos(clarinetで検索)

ジェリー・マリガンの映画出演
ジェリー・マリガンは一時アレンジャーとしても在籍していたWoody Herman(ウッディ・ハーマン)楽団でトロンボーン奏者だったFrank Rehak(フランク・リハク)などと共にセンセーショナルな映画に登場しています。 ジェリー・マリガンが演奏するシーンが随所に現れる1958年の映画「I Want to Live!(私は死にたくない)」のテーマ音楽はGerry Mulligan Jazz Comboの演奏です。  コンボのメンバーはジェリーマリガンの他、Art Farmer(trumpet)、Bud Shank(alto sax and flute)、Red Mitchell (bass)、Shelly Manne(drums)などです。
アルバム「At the Village Vanguard」にも「私は死にたくない」のBlack Nightgownが収録されています。

上記の他に1959年に「Jazz On a Summer's Day(真夏の夜のジャズ)」、1960年には「The Rat Race(ねずみの競争)」や、日本未公開でしたがヒロインのブラインド・デートのお相手役で1960年にVincente Minnell(ヴィンセント・ミネリ)監督の「Ella's Blind Date(Bells Are Ringing)ベルズ・アー・リンギング」、「The Subterraneans(地下街の住人)」もあります。 又、2001年には写真家「ウィリアム(ビル)・クラクストン」の半生を綴るドキュメンタリー「Jazz Seen/カメラが聴いたジャズ」に大勢のジャズメンの一人として出演しています。 この他、出演ではありませんがジェリー・マリガンが唯一手がけた映画音楽で各種のホーンを演奏したといわれるサウンドトラックで、1977年にAlan Rickman(アラン・リックマン)監督のフランスのサスペンス映画「La menace(メナース)」があるそうです。(1976年の「Police Python 357(真夜中の刑事)」同様Yves Montand(イヴ・モンタン)が主演) ジャージーなTheme from "La Menace" は1982年リリースのLPレコードの「La Minaccia(La Menace)」及びCDでは「Gerry Mulligan / Watching & Waiting」に収録されているそうです。
ジェリー・マリガンのバリトンサックスが聴けない"La Menace"の試聴はWatching & Waiting - Amazon.com
Gerry Mulligan's music in "La Menace" - YouTube

ジェリー・マリガンが参加した歴史的なアルバム
トランペット奏者のマイルス・デイヴィスはビバップの創始者ともいえるCharlie Parker(チャーリー・パーカー)に師事、その後アドリブからアレンジ重視の音楽を実践した1946年の'Birth of the cool'(CP32-5181 EMI)の2001年盤で、ジェリー・マリガンはJeruやVenus de Milo、そしてアレンジャーGil Evans(ギル・エヴァンス)はBoplicityとMoon Dreamsの編曲に関わり、ピアノはAl Haig(アル・ヘイグ)やMJQのJohn Lewis(ジョン・ルイス)、アルトサックスのLee Konitz(リー・コニッツ)、ドラムのMax Roach(マックス・ローチ)やKenny Clarke(ケニークラーク)、トロンボーンがJ.J. Johnson(ジェイ・ジェイ・ジョンソン)やKai Winding(カイ・ウィンディング)、その他チューバやベースなどの9重奏団によるクールなジャズ!
Birth of the CoolBirth of the Cool
Miles Davis & Gerry Mulligan with Al Haig, et.al. - "Move" & "Jeru" from Birth of the Cool Recording Sesson (1949)

Night Lights(1963/1965)はジャケットもロマンティックな都会の夜を思わせるBGMにぴったりのクラシック調(Chopin's Prelude in E Minor)のアルバムです。
演奏はシクステットとクインテットですがビッグ・バンドを思わせるアレンジで、トランペットがArt Farmer(アート・ファーマー)、トロンボーンがBob Brookmeyer(ボブ・ブルックマイヤー)、ギターがJim Hall(ジム・ホール)、ベースはBill CrowでドラムはDave Baileyでオリジナルは1963年録音のNight Lights です。 アルバムタイトルの曲"Night Lights"はマリガンのピアノです。
Night Lights Night Lights
国内盤は「ナイト・ライツ」
試聴はNight Lights - Amazon.com

Pleyel Jazz Concert 1953 and Live In Amsterdam 1956
素晴らしい"My Funny Valentine"、"Love Me Or Leave Me"、"The Nearness Of You"などを収録したジェリー・マリガン「パリ・ライブ」アルバム
Pleyel Jazz Concert Pleyel Jazz Concert, Vol. 1
「Pleyel Jazz Concert, Vol. 2」もあります
1954年のGerry Mulligan Quartetのパリ・ ライヴ・アルバムPleyel Concert Vol. 1 のメンバーはGerry Mulligan(Tenor Saxophone)、Bob Brookmeyer (Valve Trombone)、Red Mitchell (Bass)、Frank Isola (Drums)
""が収録されているアルバムは試聴ができる国内盤の「セクステット・ライヴ・イン・アムステルダム1956」(ASIN: B004KODZMW)など他にもたくさんあります。

Gerry Mulligan 100 Ans De Jazz
Lullaby Of The Leaves(木の葉の子守唄)が収録されているGerry Mulliganのアルバム(2004)
Gerry Mulligan 100 Ans De Jazz100 Ans De Jazz - Gerry Milligan
試聴はフランスの100 ans de jazz - Amazon.fr(Lullaby Of The LeavesはDisque : 2の7番、Bernie's TuneやWalkin' Shoesなど)

Bernie's Tune: Gerry Mulligan in Paris
ジェリー・マリガンの代表曲には"Bernie's Tune"がありますが、ジェリー・マリガンのオリジナルが1954年のLPライブ盤のCDD化で「Gerry Mulligan in Paris」の"Vol. 1"と"Vol. 2"のうち、"Vol. 1"には"Bernie's Tune"が収録されています。(Walking Shoes、Makin' Whoopeeなど)
マリガン以外にもジャズメンが演奏した"Bernie's Tune"はなんとThe Coasters(コースターズ)やElvis Presley (エルビス・プレスリー)に曲を提供したヒットメイカーのソングライター・コンビであるJerry Leiber & Mike Stoller(リーバー&ストーラー)の作品でした。

Gerry Mulligan/Astor Piazzolla (1974)
ジェリー・マリガンとタンゴの巨匠Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)の共演盤が1974年にリリースされていますが入手困難ですが、同じアルバムタイトルで1995年にリリースされたCDは中古で見つけられます。
1974年の有名な二人のサミット盤としてはTwenty Years Ago (Hace 20 Años)や"Summit"などを収録した「Summit」の他にも2003年にリリースされたCDの「Reunion Cumbre (Summit)」もしくは"Cierra tus ojos y escucha (close your eyes and listen) "や"Hace 20 Años (Twenty Years Ago)"などを収録した1995年のCD「Summit - Reunion Cumbre」があります。
試聴はReunión Cumbre: Astor Piazzolla/Gerry Mulligan - Fnac.com
ジェリー・マリガンとアストル・ピアソラとの"Twenty Years Ago (Hace 20 Años)"を収録した2005年の「Rough Guide To Astor Piazzolla」の試聴はRough Guide To Astor Piazzolla - Amazon.com
Gerry Mulligan/Astor Piazzolla - Hace 20 Años - YouTube

Gerry Mulligan & His Orchestra
1963年にジェリー・マリガンのConcert Jazz Bandが解散して以来のビッグバンド(オーケストラ)との録音で1980年にDRGレコードからリリースしたLP「Walk on the Water」(ASIN: B000000PF5)ではマリガンがソプラノやアルトのサキソフォンを吹いています。 アルバムタイトル曲の"Walk on the Water"の他、参加しているピアニストのMitchell Forman(ミッシェル・フォアマン)が作曲した"Angelica"やスタンダード曲の"I'm Getting Sentimental over You"など全7曲をマリガンのアレンジで収録しています。
試聴はWalk on the Water - Amazon.com

Feelin' Good
1965年に録音(1966年にリリース)されたLPレコードに「Feelin' Good」があります。 サックス奏者のLester Young(レスターヤング)のように自作の"The Lonely Night(Night Lightsのこと)"や"Love Walked In"をクラリネット演奏するなど、フルート奏者のSir James Galway(サー・ジェームズ・ゴールウェイ)のアルバムでも編曲指揮を担当したJulian Leeのストリングスと共演したグッド・フィーリングなアルバムでピアノや歌もご披露しています。 収録曲はThe Lonely Night(Night Lights) 、Please Don't Talk About Me When I'm Gone、Second Time Around、Not Mine、PS, I Love You、The Song is Ended(But The Melody Lingers On)、Love Walked In、Feeling Good、Love Is The Sweetest Thing、I'll Walk Alone、The Shadow Of Your Smile(Sandpiper Love Theme / いそしぎ)
アルバム「Feelin' Good」から"The Second Time Around"と"PS, I Love You"と"The Song is Ended"と"Feelin' Good"が試聴できるGerry Mulligan - Feelin' Good - GerryMulligan.info
Gerry Mulligan - Feelin' Good - YouTube


Chelsea Bridge - Gerry Mulligan meets Ben Webster - Grooveshark.com
'Round Midnight - Mulligan Meets Monk - Grooveshark.com


Voodoo Jive: The Best of Screamin' Jay Hawkins
Voodoo Jive: The Best of Screamin' Jay Hawkins
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのI Put A Spell On You

Screamin' Jay Hawkins (1929 - 2000)
50年代初期のR & Bフリークのカリスマと呼ばれるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスはVoodoo(ブードゥー)にヒントを得て花火やマグネシウムを焚いた稲妻や雷鳴を演出し、棺桶で登場してドラキュラのように起き上がったり、蛇や頭骸骨(干し首)などでステージを飾り立て、そして煙草をプカリとやるとヘンリーと名付けたドクロのクチに突っ込んでそれを手に歌う奇をてらったショーを演じました。
Theatrical Rock(ロックショー)といえばAlice Cooper(アリス・クーパー)といわれますが、元祖はスクリーミン・ジェイ・ホーキンスなのです。 ホーキンスは現在でもかなり奇異ですが、当時お上品なパット・ブーン好きなママ達からは当然物議をかもし出しました。
☆この怪奇なパーフォマンスで有名になった代表曲「I Put A Spell On You(アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー)」は1956年にOkehレコードからリリースされました。
※スクリーミン・ジェイ・ホーキンスがピアノを弾きながら歌うことが多いBooDoo Swamp Boogie(スワンプ・ブギ)の"I Put a Spell on You"とは「私は貴方に魔法をかける」という意味です。 元々は単にスクリーミン・ジェイ・ホーキンスが去っていったガールフレンドに「帰ってきて!」という願いを込めた歌だったらしいですが、即刻放送禁止となったそうです。 恨みが積み重なってだんだん怪奇になっていったのかも。 この曲を1950年代にスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの故郷であるクリーブランドでDJをしていた反骨の士と云われたAllan Freed(アラン・フリード)が取り上げたところ、これがなんと大当たり! アラン・フリードはROCK'N' ROLL(ロックン・ロール)の名付け親といわれる有名なDJです。 よってクリーブランドがロックンロールの故郷であり、Rock and Roll Hall of Fame(ロックンロール殿堂)があるというわけです。
☆"I Put A Spell On You Because You're mine"と歌われる歌詞はI Put A Spell On You - International Lyrics Playground (注!サイト内で選択及びクリックするとゲームのサイトに飛ばされます。)
以前はもしゃもしゃの長い髪を振り乱し(ていたような)マントを羽織って骸骨の付いた杖を手に厳かに(?)スモークの中で"I Put A Spell On You"を歌う本当に気味の悪い雰囲気のスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのビデオがあったのでリンクしたのですが削除されてしまい現在はこんなところ。(もしゃもしゃ頭ならドキュメンタリー内のこれ
Screamin' Jay Hawkins LIVE 1960s- YouTube
Screamin' Jay Hawkins - I Put A Spell On You (LIVE) 1960s - YouTube

R & BのFats Domino、Illinois Jacquet(イリノイ・ジャッケイ)、Wynonie Harris(ワイノニー・ハリス)やCount Basie(カウント・ベイシー)とも共演したこともあるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスは歌だけでなくピアノを弾いたりテナーサックスも演奏しました。 そんなスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの最終目的はオペラだったといいます。 悲劇的な生い立ちの話しも色々ありますが、スクリーミン・ジェイ・ホーキンス曰く、「私はこの世に真っ裸で黒人で醜く産まれて来てそのまま死んでいく。 私は美男じゃないから人々は顔を背けるけど、そんなことはどうでもいい。 私が気にかけるのは人々の幸せなんだ。 だから、もし皆を笑わせることが出来れば私の役目は果たせたということ。」 謙虚であり、なんという博愛精神の持ち主なんでしょう! それで世界中を公演して回り、70歳にしてパリで2000年に亡くなるまでに6度結婚したスクリーミン・ジェイ・ホーキンス自身が知っているだけでも婚外の子供たちも合わせるとなんと57人の子供が世界中にいるそうです。(6人の妻の内ひとりは日本人だそうです。) 精力絶倫男のスクリーミン・ジェイ・ホーキンスが生前語っていたという「自分の全ての子供たちと連絡を取りたい」を成就するために、ホーキンスの死後暫くの間、オフィシャルサイトで"ご落胤探し"をしていたそうです。
♪ Screamin' Jay Hawkins - Heart Attack and Vine

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの"アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー"は最近では2005年のリース・ウィザースプーン主演のJust Like Heaven(夢でなければ)で使用されましたが、1984年のJim Jarmusch(ジム・ジャームッシュ)監督のStranger Than Paradise(ストレンジャー・ザン・パラダイス)のオープニングでも使用されています。
Stranger Than Paradies - Screamin' Jay Hawkins - YouTube
1989年に同監督のMystery Train(ミステリー・トレイン)では本人が出演し、さらに2001年にはジム・ジャームッシュ監督のScreamin' Jay Hawkins: I Put A Spell On Me(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス伝説)にも出演しています。
2004年の映画「A Dirty Shame(ダーティ・シェイム)」では自作自演の"Moanin'"が使用されたそうです。
A Dirty Shame

I Put A Spell On Me DVD
2005年発売のスクリーミン・ジェイ・ホーキンスのドキュメンタリーDVD
screamingCd.jpgスクリーミン・ジェイ・ホーキンス伝説~I Put A Spell On Me~

一連のジム・ジャームッシュ監督の映画で奇跡のリバイバルを果たしたスクリーミン・ジェイ・ホーキンスは1990年に九段会館で棺桶ライブをしています。
アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー~東京棺桶ライヴ1990
☆スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの写真が沢山見られるScreamin' Jay Hawkins (Ugu-Ugu!)
Screamin' Jay Hawkins - Hong Kong - YouTube
Screamin' Jay Hawkins(写真付き英語の訃報記事)
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスに詳しい日本のBlues After Dark-VOODOO CAFEのDays of Screamin'Jay Hawkins

Listenスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの"I Don't Know"が聴けるLivinBlues(サイトの一番下にあるMP3タイトルをクリック、ファイルは大きいのでダウンロードに時間がかかり、ブラウザがFirefoxでは聴けるがGoogle Chromeでは聴けない。)
"I Put A Spell On You"とは全く違うスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの"Even Though"が聴けるwfmuラジオのプレイリスト Give the Drummer Some(Hear this showをクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を1:39:50に移動)

Bing Crosby(ビング・クロスビー)が1933年に映画Going Hollywood(虹の都へ)で歌った甘い歌声で有名な"Temptation(誘惑)"もスクリーミン・ジェイ・ホーキンスが歌うとこんな。。。
アルバムCow Fingers &Mosquito Pie(Amazon)に収録されているTemptationの試聴 ♪ Temptation USA iTunes Music Store
注! iTunesは開くのにもストアを変更する手間にも時間を要するので今使用していない場合はお勧めしません。


L'Eau Vive (1957)
♪ デュランス川の流れのように、ごらんよごらん、可愛いオルタンスよ、小鳥のように、いつも自由に ♪
忘れられませんね。 一世を風靡した映画「L'Eau Vive(河は呼んでる)」の主題歌で「河は呼んでいる」です。

河は呼んでる」はFrançois Villiers(フランソワ・ヴィリエ)監督が、美しい南仏プロヴァンス地方のDurance(デュランス)河流域での大きなダムの建設をめぐって一人の少女が成長していく様を描いたフランスのヒューマンドラマです。
原作はプロヴァンスの作家「Jean Giono(ジャン・ジオノ)」で脚本も書いています。 ジャン・ジオノについて詳しく書かれたジャン・ジオノ Jean Giono :木を植えた男 に関して
実際にダム工事が行われた「セール・ポンソン湖」を題材に3年ものロケを行ったそうです。 上記のサイトにDurance et Lac de Serre Poncon(ポンソン湖の写真と映画の説明もあり。

のんびりとした田園風景が広がる美しいプロヴァンスの一方では、貧しい農民たちの醜い争いが起こります。 ダムの建設に伴い湖底に沈むこととなった山村の地主は補償金を手にしますが、亡くなってしまいます。 ヒロインである地主の遺児のHortense(オルタンス)は相続財産をめぐって未成年のオルタンスの後見人となった貧しい親戚たちの騒動に巻き込まれます。 その後オルタンスが偶然父の隠した遺産を発見したことを知られて親戚に監禁されてしまいます。
ヒロインのオルタンスを演じたのは可憐なPascale Audret(パスカル・オードレ)ですが、パスカル・オードレは「河は呼んでる」の後にも何本かの映画に出演しましたが、不幸にも2000年に交通事故で亡くなりました。
映画「河は呼んでる」での写真が見られる素晴らしいMemoable Scenes of Pascale Audret Photos - L'Eau Vive
「河は呼んでる」の映画ポスターが見られるL'Eau Vive Posters - Le Cinéma Français


英語のタイトルは"Girl and The River "という「河は呼んでる」は日本では主題歌と共に大ヒットしましたし、アメリカではゴールデン・グローブの外国語映画賞を受賞した作品ですが、不思議なことにネット上での情報は殆ど日本だけで、アメリカではIMDb意外は見つかりません。 フランスのAmazon.frにもDVDはおろかVHSさえ無いのです。

L'Eau Vive DVD
ページトップの画像は2003年発売の日本語字幕版「河は呼んでる」ワイドスクリーンDVDですが残念なから現在は入手不可。 今までのところ、「河は呼んでる」のDVDは世界中でも日本でしか見つからないのでますます幻の名画になりました。
こちらの「河は呼んでる」の1998年版日本語字幕版DVDも入手不可となりオークションを探すしかありません。 DVDでもブルーレイでも再リリースされないでしょうか。
L'Eau Vive河は呼んでる
ほぼヴィンテージ価格ですが「河は呼んでる」の1998年発売の字幕版VHSはあるようです。(ASIN: B00005G146)


L'Eau Vive Soundtrack映画「河は呼んでる」の音楽はフランスのシンガーソングライターGuy Béart(ギイ・ベアール)作詞作曲のシャンソン「L'Eau Vive(河は呼んでいる)」です。 ギイ・ベアールは"Qu'on est bien(なんていい気分)"や"Il N' Y A Plus D'apres(あとには何もない)"など「悲しみよこんにちは」で歌ったジュリエット・グレコにも曲を提供したそうです。
ちなみに2003年の「Les Egares(かげろう)」で主演した演技派女優のEmmanuelle Béart(エマニュエル・ベアール、Emanuelではない)はギイ・ベアールの娘だそうです。
Guy Béart - l eau vive - YouTube

世界のGuy Béart(ギイ・ベアール)のアルバム集ですがAutour du Monde(ギイ・ベアールのアルバム殆どに"L'Eau Vive(河は呼んでいる)"が収録されています) Au Japonで検索すると、現在は中古レコードで4500円の価格が付けられている日本発売の「河は呼んでいる」公開当時のEPサントラ・レコードの画像が見られます。
他にGuy BéartのL'Eau Viveは「Paroles et Score pour L'Eau Vive - Comptines et chansons pour enfants」にあったのですが現在はそのL'eau vive Valse - Guy Béart 楽譜(pdf)だけが表示されます。(拡大可)
※ギー・ペアールが歌うフランス語のL'EAU VIVE(河は呼んでる)が聴ける河は呼んでる 懐かしのヨーロッパ映画(フランス語の歌詞付き)
☆"Ma petite est comme l'eau, elle est comme l'eau vive..."と歌われるフランス語の歌詞はL'Eau Vive - LyricsMania.com

ギイ・ベアールが歌った映画主題歌の"河は呼んでいる"は、日本でヒットした洋楽ポップスを収録した「僕たちの洋楽ヒット Vol.1 1965~66」に収録されています。
続・僕たちの洋楽ヒットVol.1続・僕たちの洋楽ヒットVol.1
「河は呼んでる」公開当時、日本では倉金章介原作のテレビ・ドラマの"あんみつ姫"役を演じたシャンソン歌手の中原美紗緒が歌ってヒットしました。
☆中原美紗緒の日本語の「河は呼んでいる」は「SP盤再録による花のスターアルバム Vol.1」に収録されています。
※この美しい"河は呼んでる"のテーマ曲は、"河は呼んでる"として"Summer Time(夏の日の恋)"で有名なThe Percy Faith Orchestra(パーシー・フェイス・オーケストラ)が演奏したアルバムの「TAR BOX パーシー・フェイス」や「CBS.SONYのCDのFDPA 15」に収録され、"Eau Vive"としては「Bon Voyage! / Carefree」などに収録されているそうです。


Pascale Audret

Pascale Audret Filmography
パスカル・オードレは1957年の「河は呼んでる」の後に「Oeil Pour Oeil(眼には眼を)」と、1969年のLes Chemins de Katmandou(カトマンズの恋人)というAndré Cayatte(アンドレ・カイヤット)監督の2作品に出演していますが、1958年には「Les Jeux Dangereux(危険な遊び)」でSami Frey(サミー・フレイ)と共演し、1961年には歴史映画の「La Fayette(ラファイエット侯爵)」で主役のラ・ファイエット夫人を演じました。
☆パスカル・オードレの出演映画について詳しくはAudio-Visual Trivia内のPascale Audret


Failure to Launch (Special Collector's Edition) DVD
Failure to Launch
Sarah Jessica Parker as Paula, and Matthew McConaughey as Tripp

Failure to Launch (2006)
マシュー・マコノヒーとサラ・ジェシカ・パーカーの最新ラブコメ「恋するレシピ ~理想のオトコの作り方」は今や世界共通の現象ともなっている親元にいる独身男をテーマにしたTom Dey(トム・デイ)監督のロマンチック・コメディです。 ラブコメといえば、30年代から存在するIt Happened One Night (或る夜の出来事)などのスクリューボール・コメディ以来変わることなき恋のおとり作戦がここでも展開されます。
当初"Failure to Launch"の邦題は「男を変える恋愛講座」だったのですがDVDの発売によりどなたが命名したか「恋するレシピ ~理想のオトコの作り方」となったようです。

この年に及んでもしぶとく居座る独身貴族は魅惑の女性に陥落するか?
Matthew McConaughey(マシュー・マコノヒー又はマシュー・マコナヘイ)が両親と住んで いる独身男のTripp(トリップ)を演じ、両親が息子を追い出すために雇った魅力的な女性のPaula(ポーラ)にはSarah Jessica Parker(サラ・ジェシカ・パーカー)で、トリップ君のママはこの後2007年の「Fred Claus(ブラザーサンタ)」でサンタのママを演じるKathy Bates(キャシー・ベイツ)です。 トリップの遊び仲間のデモ君には1999年にサラ・ジェシカ・パーカーのTVシリーズ「SEX AND THE CITY」に顔を出したプレイボーイのBradley Cooper(ブラッドリー・クーパー)です。 トリップ君がせっかくお持ち帰りに成功しても両親と暮らしているパラサイト生活が女性にバレて逃げられてしまいます。 さあ、パパとママの計画で、35歳だってのに快適な両親との同居を満喫しているキザっぽくて態度のでかいトリップ君は計画通りに出て行くでしょうかね。 まずはトリップ君の自堕落な生活習慣を変えてことごとく彼の反抗を粉砕するのです。 そしてもっと知りたいと思わせましょう。 誰を? わたし(と、自信たっぷりなポーラ)。 え?、あ、もちろんお仕事です。 さすればトリップ君は家を出て行くこと、間違いない!
私はマシュー・マコノヒーの顔より声が好きですが、ともかく笑顔が可愛いマッチョマンとセクシーな熟女のサラ ジェシカ パーカーの皮肉たっぷりの恋の鞘当てゲームが繰り広げられます。

今作「恋するレシピ」でもサラ・ジェシカ・パーカーの髪型が話題になっているように、1998年~2004年の米・TVシリーズ「Sex And The City(セックス・アンド・ザ・シティ)」でファッションも注目を浴びたサラ・ジェシカ・パーカーです。(シリーズ3で消防士のリッキーを演じるMichael Lombardiがマッチョ。) HBOとのサラなる契約によりサラなる飛躍を目指して活躍中のサラです。 13年も前のブルース・ウィリスと共演したStriking Distance(スリー・リバーズ)では20代後半ですが、それから変わらないどころか益々綺麗になっていくサラジェシカパーカーです。 10年前にはまさかまさかこれほどセクシーで華やかになるとは想像だにしませんでした。
「セックス・アンド・ザ・シティ」のオフィシャルサイトはSex And The City Official Site
☆ストレートなショートからカーリーヘアー、そして夜会用の編みこみの凝ったアップまでバラエティにとんだサラ・ジェシカ・パーカーの髪型が見られるSarah Jessica Parker Hair Stylers - Latest-hairstyles.com
☆2005年のサラジェシカパーカー主演のコメディ「The Family Stone(幸せのポートレート)」は2006年夏に公開です。
☆「幸せのポートレート」の予告編が観られる日本のThe Family Stone - オフィシャルサイト(サントラにはDean MartinのLet It Snow! Let It Snow! Let It Snow!の他、クラシックの"くるみ割り人形"などクリスマス関連の曲を使用)
TVシリーズの「セックス・アンド・ザ・シティ」で大ブレイクしたサラ・ジェシカ・パーカーは2008年にTV同様にMichael Patrick King(マイケル・パトリック・キング)が監督した映画「セックス・アンド・ザ・シティ」にも出演する他、同年にNoam Murro(ノーム・ムーロ)が監督する「Smart People(賢く生きる恋のレシピ)」でDennis Quaid(デニス・クエイド)と共演します。

監督のトム・デイはCMディレクターから2000年のJackie Chan(ジャッキー・チェン)主演のShanghai Noon (シャンハイ・ヌーン)で映画監督デビューし、2002年にRobert De Niro(ロバート・デ・ニーロ)とEddie Murphy(エディ・マーフィ)の「Showtime(ショウタイム)を撮った期待の監督です。
1996年のTime To Kill(評決のとき)では原作者のJohn Grisham(ジョン・グリシャム)の要望で主役に抜擢されて華々しい映画デビューだったマシュー・マコノヒーは翌年のCarl Sagan(カール・セーガン)の原作を映画化した1997年にRobert Zemeckis(ロバート・ゼメキス)監督のSF、いや天文学的ファンタジー映画「Contact(コンタクト)」では滅多にない役柄の作家で神学者としてJodie Foster(ジョディ・フォスター)と共演しました。 2000年からは軽いロマコメにも出演し、2004年のPaparazzi(パパラッチ)で製作者のMel Gibson(メル・ギブソン)と共に主人公の俳優仲間としてカメオ出演までしていたマコノヒーですが最近2005年にはAl Pacino(アル・パチーノ)と共演したTwo for the Money(トゥー・フォー・ザ・マネー)やSahara(死の砂漠を脱出せよ)で好演しています。
Sahara Official
※ラブコメとしてはケイト・ハドソンと共演した2003年の「How to Lose a Guy in 10 Days(10日間で男を上手にフル方法)」が大ヒットしています。 なぜか「10日間で男を上手に フル方法」と「男を変える恋愛講座」のマコノヒーの画像が同じ斜めによりかかったポーズですね。 2008年にはFool's Gold(フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石)でケイト・ハドソンと再びコンビを組んでいます。
サラ・ジェシカ・パーカーは実際にもマコノヒーの憧れの人であるらしく、TVシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」にゲスト出演もしています。 「評決のとき」ではサンドラ・ブロックの他、後の交渉人のコンビであるサミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシーとも共演しています。
「最もセクシーな男性」に選ばれ、いつも裸になるマシュー・マコノヒーが出演した映画での写真が沢山見られるMatthew McConaughey Photos - FILM.TV.IT

video「恋するレシピ ~理想のオトコの作り方」のFailure to Launch - Official Site
(オフィシャルサイトでEnterをクリック、下のメニューのtrailerで予告編が観られます。)
「恋するレシピ」の写真が見られるFailure to Launch Photos - IMDb
「恋するレシピ」はアメリカで2006年3月の公開時にはBoxOffice第一位でした。 日本では2006年秋に公開です。
タイトルの「Failure to Launch」の意味は「トリップを独立させるのが失敗」なのか「ポーラの契約の着手不履行」なのか、どっちかと思いましたが、「USAのんびり亭」さんの「フェイリアー・トゥ・ランチ」の記事には"巣立ち失敗"と書かれています。


Failure to Launch DVD
ページトップの画像は輸入DVD(英語)ですが、こちらは2008年に国内で発売の日本語字幕版DVDです。
Failure to Launch恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~ スペシャル・コレクターズ・エディション


Failure to Launch Soundtrack
2006年に発売された人気の「男を変える恋愛講座」のサントラにはAlly McBeal(アリーmyラブ)」のテーマ"You're the First, the Last, My Everyting"でお馴染みのBarry White(バリー・ホワイト)が歌うNever Gonna Give You Up、懐かしきボサノヴァのAstrud Gilberto(アストラット・ジルベルト)が歌うOba, Obaの他、ノスタルジーを感じさせるジャズ歌手のMadeleine Peyroux(マデリン・ペルー)、イビザで人気のクラブ"Cafe del mar(カフェ・デル・マール)"のDJであるCantoma(カントマ)、元Redd Kross(レッド・クロス)のSteve McDonald(スティーヴン・マクドナルド)、UKバンドのリードシンガーであるSimon Steadman(サイモン・ステッドマン)、ニュージーランドのレゲエバンドであるFat Freddy's Dropなどの曲が収録されています。
Failure to LaunchFailure to Launch Soundtrack

サウンドトラックには収録されていませんがPercy Mayfield(パーシー・メイフィールド)がRay Charles(レイ・チャールズ)のために作曲した"Hit The Road Jack"が挿入歌として使用されているそうです。
そう!「旅立てジャック!」・・・じゃない「旅立てトリップ!」
Hit the road Tripp and don't you come back no more, no more, no more, no more...



Mike Hammer
「私立探偵マイク・ハマー」
Mickey Spillane(ミッキー・スピレーン)原作のミステリ小説「Mike Hammer」シリーズは1953年にBiff Elliot(ビフ・エリオット)がマイク・ハマーを演じたフィルム・ノワールの「I, the Jury(裁くのは俺だ)」として映画化されました。 1956年からDarren McGavin(ダレン・マクギャビン)がマイク・ハマーを演じたテレビシリーズの「マイク・ハマー」でも探偵マイク・ハマーを主人公としたパルプ・フィクション特有のバイオレンスとセックスがふんだんに描かれています。 1955年にRalph Meeker(ラルフ・ミーカー)がマイク・ハマーで主演した 1955年にロバート・アルドリッチ(ロバート・アルドリッチ)が監督した「Kiss Me Deadly(キッスで殺せ!)」では探偵に付き物の美人秘書はセクシーな"Million-Dollar Legs(百万ドルの脚線美)"を持つVelda(ベルダ)です。
Maxine Cooper(マキシン・クーパー)が演じたベルダ嬢の脚線美が見られるWeb Noir - Velda(Veldaで検索)
※書籍ではミッキー・スピレインの原作の「裁くのは俺だ」などがハヤカワ・ミステリ文庫から出版されています。

これらのミッキー・スピレーンの探偵シリーズは1958年にCBSテレビ・シリーズのハードボイルド・アクションの「私立探偵マイク・ハマー」となりました。 1950年代〜1960年代のテレビではお洒落な私立探偵シリーズが大流行していて、ピーター・ガンサンセット77を始め、The Untouchables(ザ・アンタッチャブル)やPerry Mason(弁護士ペリー・メイスン)、そしてSurfside 6(サーフサイド6)やHawaiian Eye(ハワイアンアイ)など毎日のように放映されていました。
☆ニューヨーク出身の推理小説作家であるミッキー・スピレーンの作品についてはMike Hammer シリーズ
原作者のミッキー・スピレーンについて書かれた翻訳作品集成のMickey Spillane

Darren McGavinStacy Keach1958年の初代(左)Mike HammerはDarren McGavin(ダレン・マクギャビン)は1と2シリーズで、その後24年経って1983年の3シリーズからはStacy Keach(ステイシー・キーチ)主演によりpork pie hats(ポークパイハット)とトレンチコートがトレードマークの私立探偵マイク・ハマーが復活しました。 ちなみに豚の絵がマークとなったポークパイというドラムのメーカーがアメリカにあります。
ステイシー・キーチは私生活でもハードボイルドで麻薬所持で1984年にロンドン空港で逮捕されたのでシリーズは途中で数年中断していますが、「マイク・ハマー」シリーズの前にJim Thompson(ジム・トンプスン)が書いた衝撃の1952年の暗黒小説「The Killer Inside Me(内なる殺人者)」の映画化で精神異常の保安官を演じています。(2010年にはケイシー・アフレックでリメイク)
テーマ曲が聴けるステイシー・キーチの「マイク・ハマー」はStacy Keach.com(注!すぐ音)
「新TV マイク・ハマー」シリーズ・エピソードについてはStacy Keach - Mike Hammer The SeriesMike Hammer 1984(Earle Hagen composed the theme "Harlem Nocturne"をクリックしてテーマ曲が聴けます。)
初代マイクハマーのダレン・マクギャビンの写真が見られるMike Hammer - DarrenMcgavin.net

Harlem Nocturne by Earle Hagen for Mike Hammer
「私立探偵マイク・ハマー」のテーマ曲「ハーレム・ノクターン」はアール・ヘイゲンが作曲しました。
☆「私立探偵マイク・ハマー」のテーマ曲についてはAudio-Visual Trivia内のハーレム・ノクターン
目をつぶってこのハーレム・ノクターンを聴けば、きっと真夜中に煙が充満した探偵事務所にいるマイク・ハマーが見えてきますよ。
ハーレム・ノクターン以外にも前衛的アルトサックス奏者のJohn Zorn(ジョン・ゾーン)が小説やテレビ番組の"Mickey Spillane(私立探偵マイク・ハマー)"を検証して作曲したアルバム「Spillane」の音声クリップが聴けます。(Clip 1からClip 5)
TV マイク・ハマーのサイトepguides.comでも"ハーレム・ノクターン"が聴けます。
ジョン・ゾーンが自身のレーベルからリリースしたなかでもベストといわれるjジャズ・ノワールのアルバムです。 全部がジョン・ゾーンの世界ですがタイトル曲"Spillane"での冒頭の悲鳴がすごいです。 これは親日家で90年代には日本に住んでいたこともあるジョン・ゾーンとコラボをした"木綿のハンカチーフ"の太田裕美だそうです。(2004年にはニューヨークで日本のアングラ・ガールズバンドの"10円あなきのこ"とのコラボが好評だとか。)
John Zorn's Spillane Spillane
試聴はSpillane - Amazon.com
※ジョン・ゾーンはイギリスの前衛ギタリストのFred Frith(フレッド・ファース)をフィーチャーした1990年のアルバム「Naked City」が代表作品として有名です。 Naked City(裸の町)はニューヨークの事件レポーターのWeegee(ウィージー)が1945年に出版した写真集からヒントを得たジュールス・ダッシンが1948年に監督したドキュメンタリー・タッチの犯罪ドラマとなりました。 ジョン・ゾーンのアルバム「Naked City」のカバー画像はウィージーの写真集のなかの1枚です。 Shot in the Dark(暗闇でドッキリ)、 I Want to Live(私は死にたくない)、Chinatown(チャイナタウン)、James Bond Theme(ジェームス・ボンド007)やBatman(バットマン)まで犯罪に関連する映画のテーマ曲集となっています。


Mike Hammer DVD ans VHS
Mike Hammer DVDMickey Spillane's Mike Hammer (2pc) (Full Sub) [DVD] [Import]
上記は輸入原語版のDVDです。
※全シリーズ入荷待ちのVHSビデオ「私立探偵マイク・ハマー MURDER ME,MURDER YOU」などもありますが、Amazon.comには「Dont Answer the Phone」などのVHSもあり。(1982年に Armand Assante(アーマンド・アサンテ)がハマーを演じた「探偵マイク・ハマー俺が掟だ」のVHSもあり)

Original Soundtrack - Mike Hammer / O.S.T.
☆試聴はどこにもありませんがオリジナルが1959年リリースの「マイク・ハマー」輸入盤サウンドトラック
Mickey Spillane's Mike Hammer"MIKE HAMMER"---THE MUSIC FROM MICKEY SPILLANE'S--(SOUNDTRACK)


1957年から1960年にかけて放映されたテレビの警察シリーズの「M Squad(シカゴ特捜隊M)」はLt. Frank Ballinger(フランク・バリンジャー警部)役でLee Marvin(リー・マービン)が主演した硬派の犯罪ドラマでした。私立探偵物語に登場するような美女も恋も抜きですが、音楽もハードボイルドで50年代のジャズスタイルを取り入れています。
「M Squad(シカゴ特捜隊M)」(1957年)と「Mike Hammer」のサウンドトラック
「シカゴ特捜隊M」のテーマ曲はCount Basieの作曲をBenny Carter(ベニー・カーター)等がアレンジしています。 一方「マイク・ハマー」のサントラは作曲家Dave Kahn(デイヴ・カーン)とMelvyn Leonardの作曲でBud Shank(バド・シャンク)などが参加しています。
M Squad; Mickey Spillane's MikeM Squad; Mickey Spillane's Mike
試聴はThe Music from M Squad/The Music from Mickey Spillane's Hammer - Amazon.com

I, the Jury
1992年にRichard T. Heffron(リチャード・T・ヘフロン)監督がミッキー・スピレーンの小説を映画化した暴力と裸がいっぱいの過激な「I, the Jury(探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!)」ではイタリア系のArmand Assante(アーマンド・アサンテ)がマイク・ハマー私立探偵を演じBarbara Carrera(バーバラ・カレラ)と共演しました。 アーマンド・アサンテといえば忘れられないのが同年にカスティーヨ兄役で主演したThe Mambo Kings(マンボ・キングス/わが心のマリア)、そして1996年にStriptease(素顔のままで)にガルシア警部の役で出演しています。 シェフが殺し屋の中華風"和食"ステーキレストランが登場します。


It's a strange world!
Blue Velvet VHS
Blue Velvet VHS
Blue Velvet (1986)

She wore blue velvet, Bluer than velvet was the night...
今から40年ほど前に、甘くやるせなく歌われた"Blue Velvet(ブルー・ベルベッ)"という曲が流行ました。 それは Bernie Wayne & Lee Morris(バーニー・ウェインとリー・モリス)が作曲及び作詞して1963年のBobby Vinton(ボビー・ヴィントン)の大ヒットとなった曲です。
このボビー・ヴィントンのブルー・ベルベットがタイトルとなった映画がDavid Lynch(デイヴィッド・リンチ)監督の狂気のサスペンス映画として20年後の今も心惑わされる「Blue Velvet(ブルー・ベルベット)」です。
以下の内容は驚くべきラストも書かれていますのでこれからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。

映画「ブルー・ベルベット」の冒頭では妖しげにゆらめくブルーのベルベットカーテンをバックにしたクレジットが流れた後、甘いゆったりとしたこの曲"Blue Velvet"が流れ、白い木製のフェンスに赤いバラをはじめにノースカロライン州にある物静かなLumberton(ランバートン)の町の風景が広がります。 居間でテレビを観る夫人に庭で水遣りをする初老の夫、なんとものどかな場面です。 が、ホースが絡まって水の勢いで抜けたことから不吉なことが始まる予感がします。 カメラは直撃されて倒れた男性がから地面をずっと辿っていき異様な光景が映し出されます。

野原を通って心臓発作で入院した父を見舞った真面目な大学生のJeffrey(ジェフリー)がその帰り道に不気味なモノを見たのです。 父とはあの水やりをしていた男性でした。 「うわっ、何だこりゃ。」とばかりに警察に届けます。 これをきっかけにジェフリーは切り取られ蝕まれた耳のなかに吸い込まれます。 いや、異様な事件に素人探偵よろしく首を突っ込っこみ、ごく平穏に見える町の裏側を覗き見たのです。 その結果、平常な生活からはうかがい知れない闇の世界を知ってしまうという怖い犯罪ミステリーです。 ハサミで切り落とされた耳のシーンにはじまり、夜に家族に気付かれないようにこっそりとジェフリーが家を出るシーンや、事件のことを聞きに地元のウィリアムス刑事の家を訪ねた後に娘のサンディが現れたシーンなど、アンジェロ・バダラメンティの音楽も効果的でいったい何事が始まるのかと期待を持たせます。 ただしミステリーといっても犯人探しがテーマではありません。 白昼夢ですがある意味ではラヴストーリーです。 奇怪で、美しく、しかもショッキングで野蛮なフィルム・ノワール「ブルー・ベルベット」は又かなり官能的かつ倒錯的な映画でもあります。
※ちなみにウィリアムス刑事の妻役で金髪美人だったHope Lange(ホープ・ラング)が出演しています。 ホープ・ラングはMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)が主演したので金髪を茶髪に染められた1956年の「Bus Stop(バス停留所)」がメジャーデビューでした。 その後もMay Britt(メイ・ブリット)も出演した1958年の「The Young Lions(若き獅子たち)」ではMontgomery Clift(モンゴメリー・クリフト)の恋人役、1959年にはJoan Crawford(ジョーン・クロフォード)も出演した「The Best of Everything(大都会の女たち)」、「The Fastest Gun Alive(必殺の一弾)」の渋いGlenn Ford(グレン・フォード)と共演した1963年の「Love Is a Ball(プレイガール陥落す)」などに出演しました。
※Film noir(フィルム・ノワール)とはフランス語で"黒い映画"という意味ですが、1940年代後期から1950年代のハリウッド映画の中でも犯罪ものを指したそうです。 1930年代のアメリカの恐慌時代に始まった道徳的に曖昧(不道徳)でセクシーな刺激を強調したハードボイルド映画に端を発しているのだとか。

青と赤
映画史上でも最も悪党の一人として知られる信じられないほど凶暴な売春や麻薬を扱う闇の帝王ことFrank(フランク)をDennis Hopper(デニス・ホッパー)が怪演してアブノーマルな性心理を表現しました。 敵対する売人たちを殺し、拷問やレイプなどサディスティックな役を演じたことで低迷気味だったデニス・ホッパーが返り咲いたともいわれます。 青いビロードのような真っ青なシャドーと対比した真っ赤な口紅の妖気漂うDorothy(ドロシー)をイタリア女優のIsabella Rossellini(イザベラ・ロッセリーニ)が演じています。 真面目で好奇心旺盛な青年のジェフリーは1984年にデヴィッド・リンチが監督した「Dune(砂の惑星)」に続いて野々村真似のKyle MacLachlan(カイル・マクラクラン)が演じています。 ウィリアムス刑事の家に事件のことを聞きに行き深入りしないように忠告されたジェフリーは娘のサンディと会って事件のことをもっと知ろうとします。 歌手のドロシーが事件に関係あるらしいとサンディから聞いたジェフリーは作業員に変装してドロシーの住む古ぼけたDeep River Apartments(アパート)に忍び込んで鍵を手に入れたのです。 その晩にサンディからドロシーが出演していると聞いたジェフリーはThe Slow Club(スロー・クラブ)に行きます。 ステージでは"Miss Blue Lady"と紹介されたドロシーが登場し青いライトの下で"ブルー・ベルベット"をセクシーに歌いますが、この時のイザベラ・ロッセリーニの顔が母親のバーグマンそっくりなので驚きます。 歌の途中でジェフリーとサンディは席を立ちドロシーのアパートへ向かいジェフリーは盗んだ鍵を使ってドロシーの部屋"710号室"に入ります。 路肩に止めた車で待っていたサンディはドロシーが帰って来た合図のクラクション4回を鳴らしますがジェフリーが使った水洗トイレの音にかき消されて気付かれません。 よって突然入って来た物音に飛び上がったジェフリーは咄嗟に戸棚に隠れます。 潜んでいるジェフリーは真っ青なアイシャドーに真っ赤な口紅のまま黒い下着姿になったドロシーが電話でドン(Don Vallens)とかフランク(Frank Booth)の名前を口にしているのを聞きます。

注!以下は驚くべき結末も書かれています。これからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。

遠目ではありますが着替えているドロシーのオールヌードも拝見した戸棚のなかのジェフリーは微かな物音に気付いたドロシーに見つかってしまいます。 この時点でドロシーは素肌にブルーベルベットのガウンを着ています。 この青いガウンが映画のオープニングで揺れていたブルー・ベルベットであり、ラストでドロシーの夫が猿ぐつわ代わりに咥えさせられていたガウンの紐とフランクが手にしていた青いガウンです。

ドロシーはナイフでジェフリーを脅し衣服を脱がせてあわやという時、ドアを叩く音がしたので再び戸棚に押し込めます。 やって来たのは横暴な振る舞いをするフランクでした。 この後ジェフリーは凶暴なフランクに暴力をふるわれるドロシーを戸棚の中から覗き見て仰天しますが、なんとこれが二人のサドマゾ趣味だったわけです。(ドロシーがそう飼いならされた。) 最初はバーボンを飲んでいたフランクがポケットからマスクを取りだしガスを吸って「Mommy. Mommy. Mommy. Mommy.(マミー・・・)」と上ずった赤ちゃん声を発したのです。 凶暴で下劣な"ダディ"と子供のようにすすり泣きながらドロシーをレイプする"ベビー"の二重人格が現れます。 台本ではそのためのヘリウム(笑気ガス)となっていたのを実生活で麻薬体験者のデニス・ホッパーがそれは変だとクレームを付けたとか。 実際にダイバーや人工呼吸などに圧縮空気を使用するらしいですが、これを吸うとハイになりブラックアウトまでしてしまうそうです。
ジェフリーは帰り際に戸棚の中から覗き見た時に大事そうにドロシーがソファの下から引き出して見ていた物が気になって取り出してみると、それはフランクに監禁されているドロシーの夫と息子の写真でした。 夫はフランクに切り取られた耳の持ち主です。 息子を殺すと脅されてドロシーはフランクに強要されて喜んだふりをした挙句とうとう錯乱し自虐的な愛の喜びをみいだし、とうとうフランクの性の奴隷と化したのか。 その晩、ジェフリーは再びサンディを誘って見聞きした奇妙な出来事を話して、「なんでフランクのような人間がいるのか、何でこの世はこんなに異常なんだ!」と苦悩します。 それに対して純真なサンディは愛を説くのです。

この後、一人でドロシーの部屋を訪ねたジェフリーは欲情を感じたのかなんと愛を告白するのです。(但し、I like you, too) サンディがいるのに何で?これが哀しき男の性(さが)、男性の下半身は別人格といわれるゆえんです。 そして再びスロー・クラブでのドロシーの"ブルー・ベルベット"を一人で聞くジェフリーでしたが、向こうの席に感極まって聞いているフランクの姿を見つけてびびります。 とりつかれたようにフランクを調べあげようとするジェフリーは笑い興じてスロー・クラブから出てきたフランク一行の後をつけ、とあるビルの中で"Frank Booth"のネームプレートを見つけたのです。 別の日にジェフリーは再びドロシーを訪ねドロシーの「わたしをぶって!」という要求通りに暴力をふるって目くるめく官能の炎に身を焦がします。 このシーンでボビー・ヴィントンの"ブルー・ベルベット"が流れます。
ところが世の中そうは甘くない。 ジェフリーがドロシーの部屋を出ようとする時にフランクの一行が現れジェフリーとドロシーを車に乗せます。 ジェフリーも耳を切られるのか? いや、フランク一行が着いたところは麻薬つながりなのかフランクが言うところの"いかした"ベンのゲイバーでした。 照明用のライトをマイクがわりに下から顔にライトアップしたオカマのベンがRoy Orbison(ロイ・オービソン)の"In Dreams"を口パク歌いますが、感情的になるフランクの様子に途中で止め、一行は再び夜道を暴走します。 いきなり車を止めたフランクは例のマスクを取り出したのです。 案の定、ドロシーに暴行しようとしたフランクに堪らずジェフリーは無謀にもパンチを食らわが、当然ジェフリーは車の外に連れ出され手ひどい暴行を加えられるのですが、そこで口を血だらけにしたフランクは"In Dreams"の歌詞をなぞってラブレターについてのウンチクをたれます。 ジェフリーは生きていた、耳も無事だったが、テネシーのMeadow Lane(メドーレーン)に捨てられていた。 翌日警察署へ行くとデスクにはなんとフランクが話していた"T.R. Gordon"のネームプレートを見てジェフリーは愕然とする。 トム・ゴードンは麻薬取引でフランクに買収されている殺人課の刑事だ。 麻薬取引の現場で売人から麻薬を奪うと秘密裏にフランクに横流ししているのだ。 傷だらけの顔でジェフリーはウィリアムス刑事を訪ねるとフランクとGordon the Yellow Man(黄色ジャケットの男/ゴードン)のツーショット写真を見せると、ウィリアムス刑事は自分の娘のサンディが関与していないことを確かめた。 しかし、パーティに行くためにサンディを迎えに行った晩、ウィリアムス刑事の家にゴードンが現れたのだ。 なにやら二人が親しそうな様子を見たジェフリーに戦慄が走る。

友人宅でのパーティがお開きとなり帰途に着く二人が乗った車を追うサンディのボーイフレンドの仲間の車に激突された。 家に戻るとなんと暴行を受けたらしい全裸のドロシーがいた。 サンディの家に連れていくも錯乱してジェフリーにしがみつくドロシーの様子を見てサンディは悲しみと驚きと激怒を隠し切れない。 そこに家人が読んだ救急車が到着。 ジェフリーがタクシーでドロシーの部屋へ行くと黄色い上着の男と耳のない男が両手首を縛られ椅子座っているのが見えた。 良くみると二人とも頭から血を流して死んでいるようだ。 このシーンでKetty Lester(ケティ・レスター)の"Love Letters"が流れます。
Ketty Lester - Love Letters - YouTube
あまりのことに呆然としたジェフリーが立ち去ろうとした時外に人影を見る。 前にも見たことがある麻薬関係者のヒゲの男が黒革の手袋をはめて銃を手に上がってきます。 急いで部屋に戻ったジェフリーはゴードン(黄色男)のポケットから警察無線を取り出し連絡すると例の戸棚に隠れます。 なんとその男がヒゲとカツラを取り外したらフランクだったのです。 ドロシーのブルーベルベットのガウンを手にしたフランクはまたもやポケットからマスクを取り出すとガスを吸引して気分を高揚させます。 隙を見て今度はゴードンの内ポケットから銃を取り出したジェフリーは戸棚を開けたフランクの額めがけて発砲します。 その時、サンディと父のウィリアムス刑事が部屋に飛び込んできました。 こうして凶暴な闇の帝王は消え去ったのです。 やっと"耳"から出たジェフリーは元の平穏な日常に戻りました。 ラストシーンは白い柵には美しい赤いバラの花。 息子を抱きしめるドロシー。 ゆらめくブルーベルベットの上にエンディング・ロールが流れます。

Laura Dern
ローラ・ダーンはジェフリーに事件のことを話すウィリアムス刑事の娘のSandy(サンディ)の役でドロシーとは正反対の純真な乙女を好演しています。 これが裏と表を意味する映画「ブルー・ベルベット」のポイントの一つとなっています。 私が始めてローラ・ダーンを見たのは1980年のFoxies(フォクシー・レディ)でしたがその時よりもずっと大人っぽくなりました。 そのローラ・ダーンはPeter Bogdanovich(ピーター・ボグダノヴィッチ)が監督した1984年の「Mask(マスク)」にも出演しています。

☆ニューヨークのマンハッタンで2006年3月に開催されるFilm Forumでは「ブルー・ベルベット」の20周年を記念して2週間上映するそうですが、映画「ブルー・ベルベット」の写真が見られるBlue Velvet Photos - MGM
(今ならMGMのサイトの下に音声ファイルもあり、デニス・ホッパーやイザベラ・ロッセリーニのセリフが聴けます。)
David Lynch's BLUE VELVET Review - at Film Forum.org

video
トレーラーはBlue Velvet Trailer - VideoDetective
Blue Velvet Trailer - New York Times(要ログイン registration req'd)
☆Van Gogh(ゴッホ)の耳じゃないですが、ルイス・ブニュエル監督の目玉を切る怖い映画「Un chien andalou(アンダルシアの犬)」に出てくる手首みたいに気味悪く、切り取られて虫のたかった耳の写真など「ブルー・ベルベット」のスチールが沢山見られるBlue Velvet Pictures - LynchNet.com(4ページあり)
デイヴィッド・リンチ監督の「ブルー・ベルベット」について詳しくわかるThe City of Absurdity - David Lynch内のBlue Velvet - The City of Absurdity.com

「ブルー・ベルベット」ではヒロインを演じたイザベラ・ロッセリーニはメジャーデビューの翌年に「ブルー・ベルベット」に出演してヌードシーンが話題になりました。 マーティン・スコセッシとの結婚経歴もあるイザベラは「ブルー・ベルベット」撮影当時はデイヴィッド・リンチ監督のパートナーだったそうです。 その後デイヴィッド・リンチ監督は1990年〜1991年の「Twin Peaks(ツイン・ピークス・シリーズ)」でセクシーなオードリーや1992年の「Of Mice And Men(二十日鼠と人間)」で多情な農夫の妻を演じたSherilyn Fenn(シェリリン・フェン)と交際があったそうです。(ハリウッド恋愛相関図!)
イザベラ・ロッセリーニはその後、メリル・ストリープとゴールディ・ホーンが闘う1992年の「Death Becomes Her(永遠(とわ)に美しく)」でBruce Willis(ブルース・ウィルス)とも共演しました。 イザベラの暫く振りの映画は、2006年10月に公開のInfamous(日本未公開)で、サンドラ・ブロックグウィネス・パルトロウと競演します。

videoイザベラ・ロッセリーニがパリの化粧品メーカー「Lancome(ランコム)」のモデルだったことは有名です。
ちなみに1942年の「カサブランカ」で有名な母親のイングリッド・バーグマンはスウェーデン出身ですが、父親のロベルト・ロッセリーニがイタリア人なので、イザベラ・ロッセリーニはイタリア国籍です。

Dean Stockwell
「ブルー・ベルベット」の奇異な登場人物は憎悪を抱かせるほど変態なフランクと淫靡な美しさのドロシーに加えてもう一人、Dean Stockwell(ディーン・ストックウェル)が演じるBen(ベン)がいます。 悪漢フランクが惹きつけられる位ですからその奇人ぶりは普通じゃありません。 ディーン・ストックウェルはリンチ監督の「ブルー・ベルベット」は全て気に入っていたそうです・・・監督が割り振った自分の役意外は。 Ben・・・この役作りは大変だったらしいです。 ディーン・ストックウェルがゲイバーで歌うシーンはトレーラーでも観られます。
1945年のシナトラのAnchors Aweigh(錨を上げて)では本当に"可愛い"子役だったディーン・ストックウェルですが、その後1948年のJoseph Losey(ジョセフ・ロージー)監督「The Boy with Green Hair(緑色の髪の少年)」などなんと100本以上もの映画に出演しています。 可愛いかったディーンの写真はDean Stockwell Photos - ClasicMovieKids.com
ストックウェルは「ブルー・ベルベット」の前には1984年にNastassja Kinski(ナスターシャ・キンスキー)も出演したWim Wenders(ヴィム・ヴェンダース)監督の「Paris,Texas(パリ、テキサス)」に主人公の兄であるWalt Henderson(ヘンダーソン)役で出演しています。  「ブルー・ベルベット」の後は音楽も評判が高かった1989年-1993年のTVの人気SFシリーズ「Quantum Leap(タイムマシーンにお願い)」で、ディーン・ストックウェルはAl Calavicci(アルバート・カラヴィッチ)を演じて1990年ゴールデングローブ賞で助演男優賞を獲得して異次元に行ったままとなりました。
Dean Stockwell In Dreams (Blue Velvet) - YouTube
In dreams, I walk with you.
In dreams, I talk to you.
In dreams, you're mine... all the time.
We're together.


Blue Velvet DVD
ページトップの画像は2000年にリリースされた輸入版「Blue Velvet」のDVDです。(英語) 下記の画像は2006年版ですが、リンクは2007年発売のDVDです。 デイヴィッド・リンチ監督の主義もあり何の修正も加えていない昔のままの「ブルー・ベルベット」 夢(悪夢)は夢のまま。 たくさんリリースされていてどのDVDが一番良いのか不明ですがなるべくカットされていない方が。
Blue Velvet DVDブルーベルベット (特別編) オリジナル無修正版
この他に2007年廉価版の「ブルーベルベット 特別編 オリジナル無修正版」や「ブルーベルベット オリジナル無修正版 コレクターズ・エディション」などが見つかります。(無修正ってガスマスク・シーンのヘヤなんでしょうか。)


Blue Velvet Soundtrack
貴方をあのランバートンの闇の世界に誘う「ブルー・ベルベット」のサウンドトラック!
Blue VelvetBlue Velvet: Original Motion Picture Soundtrack
試聴の8番のBlue Velvet/Blue Star/Montageはイザベラ・ロッセリーニのスモーキーな歌で映画の冒頭とエンディングに流れます。 13番がケティ・レスターのラブレターです。 サントラには三つのMysteries Of Loveが収録されており、最後のはこれまたデイヴィッド・リンチ監督の「ツイン・ピークス」でお馴染みのJulee Cruise(ジュリー・クルーズ)のヴォーカルです。 その他には1990年の映画「Pretty Woman(プリティ・ウーマン)」のタイトル曲「Oh, Pretty Woman」で有名な泣き節のRoy Orbison(ロイ・オービソン)のIn Dreamsなど。
☆Bobby VintonのBlue Velvet、Roy OrbinsonのIn Dreams、Ketty LesterのLove LettersとJulee CruiseのMysteries of Loveの歌詞が載っているThe City Of AbsurdityのAbout the Music - The City of Absurdity.com
Bobby Vinton - Blue Velvet Lyrics - DavidLynch.de

デイヴィッド・リンチの映画といえば音楽はAngelo Badalamenti(アンジェロ・バダラメンティ )ですが、バダラメンティはこの「ブルーベルベット」がデビュー作品で、映画の中ではジャズ・バー"Slow Club"のピアニストとして出演しています。 バダラメンティ はブルーベルベットの後、1999年の「Arlington Road(隣人は静かに笑う)」や2001年の「Mulholland Drive(マルホランド・ドライブ)」など数々の映画音楽を担当しています。

映画のタイトル曲ともなった「ブルー・ベルベット」を歌ったボビー・ヴィントンの経歴についてはBobby Vinton's Fans Web Site!!!
可愛いボビー・ヴィントンのCD、LPやEPのジャケット画像が見られるボビー・ヴィントンファンのホームペイジのミスターロンリー!!!

Baby wants to fuck. Get ready to fuck. You fucker's fucker. You fucker. Don't you fuckin' look at me!...Baby wants blue velvet...Don't fuckin' look at me. Don't fuckin' look at me. Don't you look at me. Daddy's coming. Daddy's coming home. Don't you fuckin' look at me. Daddy's coming home...Don't you fuckin' look at me. [blows out the candle] Now it's dark. Stay alive baby. Do it for Van Gogh.
なにやら狂気のフランクがドロシーに「ファッキン、ファッキン」と言っていますが歌の文句も入っているようです。
Love Letter
Do you know what a "Love Letter" is? Fucker! It's a bullet from my fucking gun! 'you receive a love letter from me, you'll be fucked forever!!!
Frank and Dorothy gas mask scene - YouTube
ところで、プラスティック・マスク(麻薬か?)でSM世界に入る悪党デニス・ホッパーがヒロインのイザベラ・ロッセリーニを脅すセリフというのが「Love letters straight from your heart!」ですが、これがなんとKetty Lester(ケティ・レスター)のヒット曲であるラヴレターの一節なのです。 音楽担当の作曲家「バダラメンティ」の意向なのか、はたまた「Catchfire/Backtrack(ハートに火をつけて/バックトラック)」でテナーサックスを吹く殺し屋を演じたジャズ好きのデニス・ホッパーか、もしくはリンチ監督なのかは不明ですが、ケティ・レスターの「ラブレター」が好きなのかも。 いや、それ以前に映画のタイトルにもなったボビー・ヴィントンのブルー・ベルベットが気に入っているのでしょう。
訃報
素晴らしい性格俳優だったデニス・ホッパーは2009年にガン宣告を受け現在は余命幾許もないと伝えられていましたが2010年5月29日に74歳で亡くなりました。 大変残念です。
2010年4月に発売された写真集の「Dennis Hopper and New Hollywood: Actor, Director, Artist(デニス・ホッパー・アンド・ニュー・ハリウッド)」は遺作になります。

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