ブラック・ダリア The Black Dahlia (2006)



ブラック・ダリア
事実は小説より奇なりとは申しますが、ホラー映画にはあっても現実にはあり得ない事件のお話です。
1996年のMission: Impossible(ミッション:インポッシブル)で有名なモダンホラーの巨匠"Brian De Palma(ブライアン・デ・パルマ)"監督が事実に基づいて書かれたJames Ellroy(ジェームズ・エルロイ)の小説を映画化しました。 小説の50年代のパルプフィクションの特長であるエログロでもなく、セピア色のハードボイルドでもフィルム・ノワールでもなく、映画の内容としては一人の若い刑事の生き様を描いているようです。(チェインスモーク以外は) いづれにせよ実在の未解決の謎の事件下敷きにしているそうですから終盤に尻窄みなのは否めません。(映画的には猟奇殺人の謎解きはされています。)
作家のジェームズ・エルロイは皆さんご存知の1997年の映画「L.A. Confidential(L.A.コンフィデンシャル)」の原作者ですが実生活で"このブラック・ダリア事件にも似た体験をしている"とは本人の弁です。 少数のメキシコ系の若者を多勢の警官が暴行した1951年のBloody Christmas(血のクリスマス)事件も取り入れ、腐敗したロスアンジェルス警察を描いた映画「L.A.コンフィデンシャル」も緊迫感の連続でしかも意表を突くラストでした。 ジェイムズ・エルロイの「暗黒のロス4部作」について詳しく書かれたジェイムズ・エルロイ - Book James Ellroy
私が始めてブライアン・デ・パルマ監督の映画を観たのは1976年のホラー映画の「Carrie(キャリー)」でした。 この映画でメジャーデビューしたジョン・トラヴォルタはこの翌年に「サタデー・ナイト・フィーバー」で大ブレイクしたのでした。
「キャリー」のトレーラーはCarrie Trailer - Comme Au Cinéma
ブライアン・デ・パルマは1981年にも女友達が実際に殺された時の断末魔の声を映画に使用するホラー映画の音響係りにジョン・トラヴォルタを起用したサスペンス映画の「BLOW OUT(ミッドナイトクロス)」や、1987年にKevin Costner(ケヴィン・コスナー)がエリオット・ネスを演じたThe Untouchables(アンタッチャブル)などを監督しています。
「ミッドナイトクロス」のトレーラーはBLOW OUT Trailer - Comme Au Cinéma
そしてTroy Donahue(トロイ・ドナヒュー)が主演した1962年の「恋愛専科」や1960年の「オーシャンと十一人の仲間」などに出演したAngie Dickinson(アンジー・ディキンソン)が惨殺される人妻役で出演した1980年のサスペンス映画のDressed to Kill(殺しのドレス)は多重人格を扱っています。 怖いですね、怖いですね。
Dressed to Kill - YouTube

映画「ブラック・ダリア」は戦後のハリウッドに大スターを目指してやってきた若き女優のタマゴが惨殺されたという"ブラックダリア事件"の捜査を巡るストーリーです。 担当となったロサンジェルス市警の2人の刑事は被害者であるエリザベス・ショートの過去を夢中で探っていくと次第に映画界の闇の世界へと入り込んでいくのです。 人材と機材と道具立ての揃ったハリウッドでの闇の産業とはいったい何?

Los Angeles. 1943. The Zoot Suit Riot.
「ブラック・ダリア」は1930年代のモノクロのニュース映画でライトヘヴィー級ボクシングの試合の映像で始まり、つづいて1940年代初めのロスアンジェルスでの暴動事件が映し出される。 映画はまるで小説を読んでいるかのようなバッキー・ブライカートのナレーションで進行するので聞き逃すと置いてけぼりを食う。 野球のバットを振り回すGI(アメリカ兵)たちとズートスーツを着たメキシコ人たち。 ここで警官が駆けつけてこの乱闘を治めるなんてことはない、ここは1990年代にはロス暴動が勃発したロスアンジェルスなのだ。
場面はメキシコ系や黒人たちと海兵隊やGIたちの騒乱。 そこにはロスアンジェルス警察の特捜課の刑事である元ヘヴィーウエイトのボクサーだったSgt. Leland "Lee" Blanchard(リー・ブランチャード)とライトヘヴィー級のOfcr. Dwight "Bucky" Bleichert(バッキー・ブライカート)もいた。 二人は軍隊で顔を見たことはあったが、互いに話したことはなかったが警察のキャンペーンでボクシングの試合に出たことからこの騒動の中で捕らえた指名手配の犯人の功績を譲る仲となったのだ。

ボクサー上がりという設定で、ロス市警の刑事のバッキー・ブライカート(ファイヤー)役にJosh Hartnett(ジョシュ・ハートネット)が、リー・ブランチャード(アイス)にはAaron Eckhart(アーロン・エッカート)が扮しています。 そして今話題の美女"Scarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)が刑事ブランチャードと同棲中のKay Lake(ケイ・レイク)を演じ、この3人が事件の解決のために被害者の裏の顔を探査します。 「ブラックダリア」はますます綺麗になってきたスカーレット・ヨハンソンを愛でる映画です。 それにしてもリー・ブランチャード刑事はなぜそれほどまでにこの事件解明に夢中になったのか。
実際の事件の被害者は女優志望のElizabeth Short(エリザベス・ショート)という若い女性ですが、この役をエキゾティックなMia Kirshner(ミア・カーシュナー)が演じています。 とんでもない思い込みなのか、Hilary Swank(ヒラリー・スワンク)が殺されたエリザベス・ショートに似ている令嬢のMadeleine Linscott(マデリン・リンスコット)役で出演し、事件の鍵を握る好奇心の強い女を熱演しています。
※Ofcr.はOfficer(警察官または巡査)のことで、Sgt.はSergeant(巡査部長)のことですが、他にも警察の階級にはLieutenant(警部補)、Captain(警部)、Inspector(警視)などがあるそうです。 つまり映画ではバッキーは若い刑事でリーがその上司ということになります。

「ブラック・ダリア」相関図
以下はネタバレも含むのでご用心!
映画ディレクターなどと関係を持っても女優にはなれないエリザベス・ショートにEmmett Linscott(リンスコット氏)が紹介したパトロンというのが、「殺しのドレス」で性転換した女のボビーの電話の声を担当したWilliam Finley(ウィリアム・フィンレイ)が演じるリンスコット氏の仲間のGeorge Tilden(ジョージ)。
ジョージとは仕事仲間で古い付き合いがあり、サイレント時代のコメディ王と呼ばれたMack Sennett(マック・セネット)監督が廃棄した撮影所をビジネスにしているロスアンジェルスの大立者がリンスコット氏。
「Harry Potter(ハリー・ポッター)」シリーズの叔母さん役だったFiona Shaw(フィオナ・ショウ)が熱演するリンスコット氏の妻のRamona Linscott(ラモナ)は彼が自分の財産目当てに結婚したと思い込んでいる。
リンスコットとラモナ夫妻の長女はMadeleine Linscott(マデリン)。
マデリンの妹のMartha(マーサ)は実はジョージとの不倫により儲けた子供。
そのラモナとジョージの関係を知ったリンスコット氏はジョージの顔に火傷を負わす。
ラモナはジョージと被害者のエリザベスの関係を知り嫉妬に狂うと同時にマデリンにも嫉妬。 なぜかはアッと驚く終盤のシーンで。(まさか、とりかえばやじゃ?)
マデリンはレスビアンバーの自分そっくりなエリザベスと好奇心から関係を持つ。(これが不思議なことに全く似てなんかいないのだが。)
マデリンと刑事のバッキーがなぜか関係を持つ。 これらに銀行強盗の大金の奪い合いが絡む、などなど。

マデリンの豪邸を訪問したバッキーが最初に見たのは犬の剥製です。 マデリンがこともなげに説明するには、この犬はマデリンのパパであるリンスコット氏の偉業の記念として、リンスコット氏の記事が掲載された新聞を咥えているのだそうです。 ところがなんと驚くことには、このオブジェを製作するために飼い犬を撃ち殺し、仕事仲間のジョージが剥製に仕立てたのだとか。
「ブラック・ダリア」では剥製が惨殺事件の鍵を臭わせますが、1800年代後期のロンドンの下町でやはり実際に起こった猟奇連続殺人事件の「Jack the Ripper(切り裂きジャック)」では被害者の売春婦たちから内臓を切り取った手口から犯人疑惑が医師に向けられたとか。

映画「ブラック・ダリア」のオフィシャルサイトThe Black Dahlia movie.netでTRAILERをクリックすると予告編が観られますが、画面サイズを選んで下さい。
メインページのENTER THE SITEをクリックすれば登場人物の右後ろにある地図の各ロケーション8箇所をクリックして関連ビデオが観られます。
アメリカでは9月に公開され、日本では2006年10月14日に公開です。
☆日本語の「ブラック・ダリア」のオフィシャルサイトはBlack Dahlia Official Site - Black-Dahlia.jp

Hilary Swank(ヒラリー・スワンク)は1999年のBoys Don't Cry (ボーイズ・ドント・クライ)に続き2度目のアカデミー主演女優賞を受賞した2004年のMillion Dollar Baby(ミリオンダラー・ベイビー)以来の映画出演です。 「ブラック・ダリア」の後は、アメリカで2007年1月公開の実話小説"The Freedom Writers Diary: How a Teacher and 150 Teens Used Writing to Change Themselves and the World Around Them"をRichard LaGravenese(リチャード・ラグラヴェネーズ)監督が映画化したFreedom Writers(フリーダム・ライターズ)で製作にも関わり、3年B組ちびっこギャングを担当して"女金八先生を演じます。 同じく教師にVera Drake(ヴェラ・ドレイク)のImelda Staunton(イメルダ・スタウントン)が出演していてなにやら受賞のニオイがします。(エリンとフリーダムライターズ (著), 田中 奈津子 (翻訳) のフリーダム・ライターズ (単行本) が出版された。) もう一作は一転してホラー映画ですが、めずらしく早々と日本で2007年4月公開のThe Reaping(リーピング)があります。 ヒラリー・スワンクが牧師転じて宗教上の奇跡的な謎を追求する科学的悪魔祓いを演じる怖い要素をいっぱい詰め込んだミステリーで、ヒッチコックの「鳥」ならぬイナゴの大群に襲われます。 Blood! Yuck!
「ブラック・ダリア」でリー・ブランチャードを演じたAaron Eckhart(アーロン・エッカート)は2007年に「No Reservations(幸せのレシピ)」でCatherine Zeta Jones(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)と共演します。

被害者を演じたミア・カーシュナーは1995年にMurder in the First(告発)でKevin Bacon(ケヴィン・ベーコン)が演じた囚人の娘"Rosetta"を演じたり、日本未公開でしたが"Ally McBeal 4(アリー・myラブ4シーズン)に出演したマッチョな弁護士のジャクソンを演じたTaye Diggs(テイ・ディグス)と共演した2002年のNew Best Friend(ベスト・フレンド)で主演しましたが、Jennifer Beals(ジェニファー・ビールス)主演で2004年から放映されている人気レズビアンTVシリーズのTHE L WORD(Lの世界)にも出演しています。 北欧系のスカーレット・ヨハンソンは日本人には分かり易い美しさですが、ミア・カーシュナーはあちらでは大変エキゾティックな魅力だそうです。 ミア・カーシュナーの父がドイツで母はブルガリアのイスラエル人であり、ホロコーストの生存者の孫にあたるそうです。 黒髪で妖艶?怪奇ムード漂う少々変わった女優で、今までの役どころもそんな感じでした。 ともかく映画「ブラック・ダリア」がイメージする"黒"と"レズ"にはピッタリです。
☆ミア・カーシュナーのオフィシャル・サイトはMia Kirshner.com(左のメニューでphotosをクリックすると写真)
Scarlett Johansson Josh Hartnett The Black Dahlia Interview - YouTube

Lucky Number Seven? or Lucky Number Eleven?
バッキー役のジョシュ・ハートネットは目下有望株の俳優です。 2005年のSin City(シン・シティ)ではザ・マンとして出演し、最新作はBruce Willis(ブルース・ウィリス)とMorgan Freeman(モーガン・フリーマン)が出演する2006年の11月に日本公開のモダン・フィルムノワールの「Lucky Number Slevin(ラッキーナンバー7)」で主演します。 タイトルはペテンに関連した新造語だそうで、ブルース・ウィリスが演じる殺し屋のMr. Goodkat(グッドキャット)がそのKansas City Shuffle(カンザスシティ・シャッフル)の鍵を握っています。
Lucky # Slevinのオフィシャルサイトは映像がいけてるフランス版をお勧め!slevin-lefilm.com(Slevin役のジョシュ・ハートネットのギャランドゥーもチラリ)
The Rumor Mill & Joshua Ralph
「ラッキーナンバー7」の予告編は左のVOIR LA BANDE AONNONCEをクリック、流れている曲は映画の終盤で使用されたJoshua Ralph(J. Ralph名義のジョシュア・ラルフ)作曲のファンキーな"Kansas City Shuffle(カンザス・シティ・シャッフル)"で歌っているのはブリティッシュ・ロックバンドのThe Rumor Mill(ルーマー・ミル)とかですが今のところ情報が見つからないと思ったらどうやら偽名でしょうか。(ペンネーム?) ともかく、Its a blindfold kick back type of a game...と歌われるこのKansas City Shuffleが鍵となっている映画だそうです。
Joshua Ralph(ジョシュア・ラルフ)のオフィシャルサイトでmusicをクリック、一番上のLucky Number Slevinのサントラ画像をクリック、19番目のKansas City Shuffleをクリックすると試聴出来ます。
※私はずっとKansasをカンサスと発音してきましたが、カンザスだったのですか。 ちなみに"Kansas City Shuffle(カンザスシティシャッフル CD)"はジャズ・ピアニストの"Bennie Moten(ベニー・モーテン)"が1926年に吹き込んだ曲がありますが、その2006年バージョン(?)をJ ラルフが書いたものだとかで映画のラストで流れ"グッドキャット"の手の内を暴露しています。 Kansas City Shuffle(カンザスシティシャッフル)とは何かというと、人の信頼につけ込む詐欺の高度な手口で、違う方向や口実を報復する相手に与えるフェイントのようなものだそうです。 どうりで大石内蔵助のようなスレヴンでした。 あっち向いてホイ!
ベニー・モーテンについてはCount Basieの記事でふれていますがベニー・モーテンの"Kansas City Shuffle"が聴けるRed Hot Jazz(似てます?)
ジョシュア・ラルフ音楽の「ラッキーナンバー7」サントラの試聴はLucky Number Slevin [Barnes & Noble Exclusive] - Barnes & Noble.com(19番を試聴、)
Lucky Number Slevin - Kansas City Shuffle - YouTube
Kansas City Shuffle with Lyrics - YouTube


Sexiest Woman Alive: Scarlett Johansson
The Black Dahlia -Scarlett JohanssonJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)に代わって今日では世界一セクシーな女ともいわれたことがあるScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)は2006年で25歳を迎えてさらに美しくセクシーになり、「ブラック・ダリア」で共演したジョシュ・ハートネットと目下交際中だとか。
2003年にLost In Translation(ロスト・イン・トランスレーション)で最優秀女優賞を受賞しているスカーレット・ヨハンソンは、2006年9月に開催されたヴェネチア国際映画祭でも人気の的だったそうです。
2007年にはEmma McLaughlin(エマ・マクローリン)とNicola Kraus( ニコラ・クラウス)原作の「The Nanny Diaries(ティファニーで子育てを)」(2002年)を映画化したスカーレット・ヨハンソン主演の軽いコメディThe Nanny Diariesが公開されます。 庶民のヨハンソンが子守に行った家はニューヨークの上流階級で支配欲のカタマリみたいな夫人をLaura Linney(ローラ・リニー)が演じていますがその夫がSideways(サイドウェイ)でNY批評家協会賞の男優賞を獲得したPaul Giamatti(ポール・ジアマッティ)です。
☆スカーレット・ヨハンソンのスライドショーが見られるYAHOO! NEWS - Esquire: Scarlett Johansson 'Sexiest'(左の画像下のSlideshow: Scarlett Johanssonをクリック)
Audio-Visual Trivia内でスカーレット・ヨハンソンの出演映画は日本未公開でしたが2004年のIn Good CompanyA Love Song for Bobby Long(ママの遺したラヴソング)、2008年のThe Other Boleyn Girl(ブーリン家の姉妹)です。


特典ディスク付き2007年発売の「ブラック・ダリア」2枚組みDVD
The Black Dahlia DVD「ブラックダリア」コレクターズ・エディション

文藝春秋社から1994年に発刊されたお手軽価格の人気の文庫本
ブラック・ダリア 著ジェイムズ・エルロイブラック・ダリア (文庫)


The Black Dahlia (Original Soundtrack)
ページトップの画像は2006年9月に発売された「ブラック・ダリア」のサウンドトラックです。 映画「ブラック・ダリア」の中で使用されたスイングジャズのスタンダードでJoe Garland(ジョー・ガーランド)作曲の"In the Mood"や"Love for Sale(売り物の恋)"はサントラには収録されていません。 サウンドトラックに収録されている"Zoot Suit Riots"はCherry Poppin' Daddies(チェリー・ポッピン・ダディーズ)のボーカル曲ではなく映画の音楽を担当してMark Isham(マーク・アイシャム)作曲です。
♪全曲試聴はBlack Dahlia Soundtrack - Amazon.com
※映画「ブラック・ダリア」のレズビアン・クラブのシーンで"K.D.Lang(Kathryn Dawn Lang /ケイ・ディー・ラング)がカメオ出演して"Love for Sale"を歌いました。 "Love for Sale(恋の売り物)"という曲はCole Porter (コール・ポーター)の作曲で、発表された当時の1930年には売春賛歌とみなされて放送禁止だったそうです。 過去にはジョー・スタッフォードアーサー・キットのバージョンが有名です。 歌唱力が評価されているKD ラングはカントリーからトーチソングまでレパートリーが広いカナダ出身の正真正銘の"男装の麗人"歌手で、日本でも何度かライブ公演を行っているので日本のファンもかなりいるようです。 KD ラングの"ラヴ・フォー・セール"は今までになく最高のカバー・バージョンでは?と噂されるほどですが、サントラには収録されていませんので今のところ「ブラック・ダリア」のDVDを観るしか聴けなさそうです。
※Audio-Visual Triviaの過去記事の1997年のクリント・イーストウッド監督の「The Garden Of Good And Evil(真夜中のサバナ)」のサントラにも映画の冒頭とエンディングで流れたKDラングの"Skylark"が収録されています。

作曲家のマーク・アイシャムは2004年の社会派映画Crash(クラッシュ)でもお馴染みですが、サスペンスを感じさせるなかにもロマンティックな曲を織り込んだサントラです。
☆オープニングはThe Black Dahlia - The Zoot Suit Riots!
※予告編で流れる曲はマーク・アイシャムではなく、イギリスのDeath In Vegas(デス・イン・ヴェガス)の2005年リリースのアルバムMilk It: The Best of Death in Vegasに収録されている"Dirge"です。
Dirge - Death In Vegas - iLike.com


実際にあったブラック・ダリア事件
The Dark Side Of HollywoodLand...Sex, Lies, and Drugs
あぁ、Hollywood(ハリウッド)、"映画の都"転じて"悪徳の都"
映画のもととなったのはカルフォルニアのロスアンゼルスで1947年に実際に起きた未だに未解決の猟奇殺人事件です。 終戦直後の1947年のこと、事件当時は22歳だったElizabeth Short(エリザベス・ショート)という女性が女優を志願するも漸う映画出演には結びつかず、軍人専門のクラブでホステスをし身を持ち崩していくのですが、或る日、恐ろしいほど残忍な方法で殺害され野原に投げ捨てられていたのです。
ブラックダリアとは?
このようなエリザベス・ショートの猟奇殺人事件をマスコミが見逃す筈はなく、最近のJonBenét(ジョンベネ)ちゃん殺害事件のように遺族の悲しみなど度外視して大々的に報じたのはいうまでもありません。 この時にマスコミがエリザベス・ショートに付けたあだ名というかミドルネームがブラック・ダリアだったのです。 なぜかというと切ないほど青い目の被害者のエリザベスが漆黒の髪にダリアの花を飾っていたことと、男を惹き付けるためのセクシーな黒いドレスを常に着ていたことからだそうです。 折りしも事件の前年1946年に米推理小説家のRaymond Chandler(レイモンド・チャンドラー)の脚本をGeorge Marshall(ジョージ・マーシャル)が監督したミステリー映画で、Veronica Lake(ヴェロニカ・レイク)がd出演した「The Blue Dahlia(青い戦慄)」が公開されていますからこの題名をもじったようです。
被害者エリザベスの身元は指紋照合により判明しましたが、エリザベス・ショートになぜ警察のプロファイルやマグショット(逮捕時の写真)が存在するかというと未成年飲酒で捕まった時のだそうです。
注!ネット上に数多く存在する事件簿の中には事実とはいえども見なけりゃ良かったと後悔するほどリアルな記事や画像がありますので気を付けてご覧下さい。
※英語ですが迷宮入りのブラック・ダリア事件レポートの一例としてエリザベス・ショートの写真を含む映画関連記事Black Dahlia - The Crime Library(ページの右がメニュー)

The Sleepy Lagoon Murder & The Zoot Suit Riots
映画「ブラック・ダリア」の冒頭でも描写されていますが、The Zoot Suit Riots(ズートスーツ暴動)というのは1943年のロスアンジェルスで起こった事件です。 1942年のスリーピーラグーン事件の主犯格のメキシコ系若者たちがSan Quentin Penitentiary(サン・クエンティン刑務所)で終身刑を言い渡されたすぐ後のことでした。 ロスアンジェルスの街で水兵や兵隊たちが電車や劇場やレストランからZoot Suit(ズートスーツ)を着たメキシコ系の若者を引きずり出し暴行を加えたのですが居合わせた何千人もの白人ロス市民が兵士たちに声援を送ったそうです。 こういった事件の発展はメキシコ系若者が自衛策として水兵たちへの報復を企むようになったのでした。 その結果ロス警察は市外でのズートスーツの着用を禁止したということです。
※ズートスーツというのはジャズ・ミュージシャンのCab Calloway(キャブ・キャロウェイ)も着用していた上着もズボンもダップリしたスーツのことです。 アメリカでは1930年代の服装ですが戦時中はファッション店は閉鎖されていたので若者たちは戦後も暫くは当時のスタイルを引きずっていましたが、特にメキシコ系のギャングなどが好んで着用したそうです。
この「ズートスーツ暴動事件」の前には「スリーピーラグーン事件」があるのです。 The Sleepy Lagoon Murder(スリーピーラグーン事件)というのがあります。 当時のメキシコ移民の若者たちが昼夜集う昔のLA郊外にHarry James(ハリー・ジェームス)の1942年のヒット曲の名を付けたスリーピーラグーン(静かな入り江)という貯水池がありました。 1942年のこと、ウエスト・サイド物語ではないですが親分各の若者が敵対するグループに襲撃されたのです。 スリーピーラグーンの近くで偶然開かれていた家族パーティを襲撃したやつらが居ると思い込んでの報復劇がで展開し、女子供を問わず残虐な暴行を受けたなか、運悪く入隊を目前に控えたJosé Díaz(ホセ・ディアス)が殺害されました。 これをきっかけにその後のロス警をメキシコ系チンピラの集団弾圧に導いた事件でした。 ちなみに終身刑のはずだったホセ・ディアス殺しの犯人たちは証拠不十分として放免されたそうです。 それではホセ・ディアスは誰が?
1990年代のネオ・スウィング時代にCherry Poppin' Daddies(チェリー・ポッピン・ダディーズ)が"Zoot Suit Riot"を歌って大ヒットしました。
Zoot Suit Riot - YouTube

8 Comments

ぬのむらさんの疑問もごもっともで、”Kansas”を私は長いことカンサスだと思っていました。インターネットの検索ではカンサスでもカンザスでも”Kansas”が表示され、カンサス州とカンザス州を比べてみると検索結果にさほどの差はありません。
カンザスと発音するのは東部のインテリというよりは標準的な英語の発音で、西部劇映画などでキャンザスと発音していたのは南部訛りなのかもしれません。実際のところ英語が母国語の方に聞いてみたいです。
ちなみに同じスペリングでもロックバンドのKansasは一般的にカンサスと呼ばれているそうです。
Kansasは文節で発音するとカンとサスですが続けて発音するとケンザスに近い音になるそうです。もとは原住民のKansa(カンサ族)を指しその複数がカンサスであるとも聞きました。
同じく南部の州名でArkansas(アーカンザス)は19世紀始めにアーカンソーと発音すると正式に決定されたそうなので英語は難しいです。

些細なことで申し訳ありません。kansasは最近カンザスと表記されますが、フォードの「駅馬車」や「荒野の決闘」ではキャンサスと発音しています。
地元の人はどう発音しているのでしょうね。地名が時代とともに変わるということはめったにないとおもうのですが。カンザスは東部のインテリ発音なのかしら?
 (高齢映像業人)

サイファーさん、ストーリーが盛り上がって解決を期待すると謎で終わってしまう。消化不良を起こしますが、なにしろモトネタが未解決なのですから止むを得ないのでしょう。
Death In Vegasは映画の予告編で知るところとなりました。映画の雰囲気にピッタリだと思ったのですが、予告編で流れた音楽が本編に使用されていないことはよくありますね。サントラの評価はいまいちです。

「ブラックダリア」見ました。
小説でもそうでしたが、それぞれの暗く歪んだ情念が満載の映画でした。
なかなかの出来でしたが、一味足りなかったのとDEATH IN VEGAS のDirgeが劇中に使われなかったのが(あの音楽が使われていればDVD買うのに・・・)残念です。

トム(Tom5k)さん、そちらでももう上映しているのですか!

小説や映画のストーリーじゃなくて逆に先に事実があったということが私にはショックです。猟奇とかグロとかは嫌ですね。 こうみえても私はロマンティック好みなのですよ。

koukinobaabaさん
「ブラック・ダリア」観てきました。
ミア・カーシュナーもヒラリー・スワンクも素敵でしたが、スカーレット・ヨハンソンが好きになりそうです。
映画では、みんなエッチでした。
とても面白かったよ。ドキドキ、ハラハラ、それにしてもひどい殺人をするものですね。普通の動機で普通の殺し方??って、最近の映画では、あまり無くなってきちゃっているような気がしますよ。
エッチで残酷な映画でした。
では、また。


NOVAさん、コメントを3っつも有難うございます!なんてね。こちらのサーバーの調子が悪いみたいです。現在この記事に桁違いのアクセスが集中している模様。

こういった気味の悪い事件は日本にもいくつかありますが、やはり話題にはしたくないですね。

アメリカでは映画の前に当時の小説がヒットしたらしいです。

クマちゃんに聞いてみました。猟奇事件のことは知っていましたが、詳しいことまでは知らなかったようです。やはり映画になったことでいまさらのように注目されている事件らしいですね。

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