
Tab Benoit Plays Concoction Of Blues, R & B and Rock
♪ Tab Benoit - Fever for the Bayou
ブルース好きの私はずっとタブ・ベノワをあえて無視してきました。 私の好きなブルースは60年代くらいまででしかも黒人限定です。 それが今この時代に、しかも白人だなんて!
駄目!だめ!ダメ!
と思ったのですが、やっぱり書いてしまった! 但し、タブ・ベノワは海外ではブルースではなくてロックのカテゴリーに入っていることもあるんです。
ソウルフルなモダン・ブルースの彗星か
Louisiana Blues(ルイジアナ・ブルース)とかSwamp Blues(スワンプ・ブルース)という伝統的な米・南部のブルースを追求し、演奏するエレキ・ギタリストで歌手でソングライターのタブ・ベノワは1967年にルイジアナで生まれニューオリンズを基盤としているブルースミュージシャンです。 ディキシーランド、ニューオリンズ・ブルース、ブギウギピアノのファッツ・ドミノのような50年代南部ブルース、テキサスギター、カントリーからR & B、そしてロックまでをミックスしたようなブルース・ロック的な音楽がタブ・ベノワの特長です。
タブ・ベノワのソウルフルな歌声は力強く、現代エレキの巨匠の声もあがるギターの腕前は3大ブルースギターの神様といわれるAlbert King(アルバート・キング)、Albert Collins(アルバート・コリンズ)、そしてJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)のようだといわれますが、タブ・ベノワ自身は否定しているそうです。 タブ・ベノワは90年代のアルバムの殆どをラジオでガンガンかけて新曲を宣伝する方法ではなく地方周りのキャンペーン活動で地道に広めてきたそうです。 ケジャン色の濃いブルースバンドと共に国内はもとより果てはヨーロッパまでツアーを行っています。 タブ・ベノワの願望としてポップなAlternative Rock(オルタナ)として希釈されることなくタブ・ベノワ流ブルースを最後まで貫き通すと言っているそうです。 ということは、タブ・ベノワのブルースは型にはまっているのでしょうか。
タブ・ベノワのエレキギター"Telecaster"(テレキャスター)で弾かれる叫ぶようなギター・フレーズが聴かれる激しいステージとは違って普段のタブ・ベノワは落ち着いた堅実な人柄なんだそうですよ。 テレキャスターといえば私が最初に聴いたのが元祖ブルースロックのギタリストと云われるRoy Buchanan(ロイブキャナン)でした。
Telecaster
テレキャスター(テレキャス)とは、元々はカントリー用に開発されたエレキギターだそうです。 ギターメーカーのフェンダー社の創設者であるレオ・フェンダー氏が開発したエレクトリックギターで、ボディに空洞部分の無いソリッド・タイプのエレキギターというのは世界初なのだそうです。 ただし、タブ・ベノワが使用しているテレキャスはThinline(シンライン)モデルでセミ・空洞ボディ(セミホロウタイプ)のエレキギターなんだとか。
タブ・ベノアが使用している72 年型Fender Telecaster Thinline(テレキャスター・シンライン)の他にもテレキャスターの写真が見られるFender Telecaster Electric Guitars Photos - keyboard-guitar.com
New Orleans
アメリカの南部というとDeep South(深南部)と呼ばれるルイジアナ、アラバマ、ミシシッピ、テキサス、ジョージアがありますが特にルイジアナ州は昔フランス領だったこともあり仏系混血文化及び黒人文化の色濃い地域です。 ルイジアナ州の最大の都市は音楽の町"ニューオーリンズ"で、ルイジアナ音楽のジャンルとしてはNew Orleans(ニューオリンズ・ジャズ)、Cajun(ケイジャン)、Zydeco(ザディコ)、Swamp(スワンプ)、Mardi Gras Music(マルディグラ音楽)などがあります。
私が知るところではルイジアナ・ブルースの元祖といえばSlim Harpo(スリム・ハーポ)、最近ではKenny Neal(ケニー ・ニール)などが有名だそうです。
Bayou(バイユー)とは南部、主にミシシッピ川デルタ地帯、ルイジアナ州ニューオリンズ郊外の湿地帯にある澱んだ網状の"水路"のことです。 ブルースのアルバムのタイトルにはよく付けられる南部を代表する言葉の一つ"Bayou"を伴ったアルバムはルイジアナのZydeco(ザディコ)ミュージシャンであるClifton Chenier(クリフトン・シェニエ)の「Bayou Blues」、ケジャンのBeauSoleilの「Bayou Boogie」、ミシシッピ出身のブルース・ミュージシャンのBBキングの「Blues on the Bayou」など沢山あります。
Swamp(スワンプ)とはアメリカ南部のミシシッピ川河口近く、ニューオリンズ郊外の森が水没したような"沼地"を指します。
Swamp Blues(スワンプ・ブルース)とはニューオーリンズからテキサス州のヒューストン辺りまでの南ルイジアナのケジャンやクレオールの影響を受けた黒人ブルースから発展したブルースの一種でゆるやかであると同時に陽気でファンキーな音楽ですが、南ルイジアナ独特のSwamp Pop(スワンプ・ポップ)とは別ものだそうです。
ルイジアナ・スワンプ・ブルースのSelwyn Cooper & The Hurricane Blues Band(セルウィン・クーパーとハリケーン・ブルースバンド)が試聴出来る南部音楽の宝庫のSelwyn Cooper - Louisiana Music Factory(MathildaとCrazy Mamaをクリック)
Swamp Pop
スワンプ・ポップとは1950年代に起こったジャンルだそうです。 ニューオリンズのR & B、カントリー、ケジャン、クレオールの混じった音楽で南ルイジアナのAcadiana(アカディアナ)の音楽がルーツです。 特長はスローな感傷的なヴォーカル、英語とフランス語の混じった歌詞、ホンキートンク・ピアノやテナーサックスの楽器演奏などです。 私の知っているスワンプ・ポップというとJohnny Preston(ジョニー・プレストン)でヒットした1959年の"Running Bear(悲しきインディアン)"やルイジアナの黒人歌手のPhil Phillips(フィル・フィリップス)の"Sea Of Love(シー・オブ・ラブ)"も入るそうなんです。
Sea Of Love
Cajun
ケイジャン(ケジャン)とは17世紀に英国人に追われたNova Scotia(カナダのノバ・スコシア州)からのフランス系移民Acadiana(アカディアナ)による南ルイジアナと東テキサスの一部におけるフランス系のCajun Countryの地域文化で、18世紀にはフランス、ハイチ、スペイン、英国やドイツからの移民も加わり、さらにはそれが黒人文化と混ざり合った混血のCreole(クリオール)文化が発達したのだそうです。 ケジャン料理というとザリガニやジャンバラヤやガンボなどが有名です。
Cajun Music
ケイジャン・ミュージックとは、米国ディープ・サウス(南部の奥地)のフランス系ルイジアナ地方特有の音楽で、源はAcadiana(アカディアナ)と呼ばれるカナダのフランス系カトリック教徒のバイオリン主体の伝統的なダンス音楽のバラードで後のカントリーやアメリカン・ポップスに影響を与えてきました。 19世紀後期にクリオールがアコーディオンを取り入れたそうで、同じルーツの南西部のZydeco(ザディコ)と混同されることもあります。
※タブ・ベノワの音楽がケイジャン色が濃いというのも白人ブルースだからでしょうか。 タブ・ベノワの姓がBenoitというのもどうやらルーツがフランス系のようですね。
Zydeco
ザディコ(ザイダコゥ)とは、ルイジアナの南西部で白人のケイジャン(ケジャン又はケージャン)を元にしたフランス系黒人のクレオールが演奏するダンス音楽(フォーク・ミュージック)だそうです。
ボタン式のアコーディオン(後には鍵盤式)やWashboard(ウォッシュボード)と呼ばれる木製の洗濯板が金属製の楽器に変化したラブボード(擦り板)がパーカッションとして使用されまるそうです。 ザディコはルイジアナだけではなくテキサス・ザディコといって20年代にカントリーから出たテキサス・ブルースが元となりヒューストン辺りでも盛んだったそうです。
ザディコというと1920年代後期に超人気者だったアコーディオン・プレイヤーでザディコ歌手のAmédé Ardoin(アミディ・アルドワン)の悲惨なリンチ事件もありました。(人種差別とか嫉妬からとかいう噂)
今となっては貴重なAmédé Ardoinの試聴が出来るI'm Never Comin' Back: The Roots Of Zydeco - Louisiana Music Factory(Amadie Two StepとValse De Opelousasをクリック)
Mardi Gras
"マルディ・グラ"とは、17世紀頃に白人が始めたルイジアナ南部ニューオーリンズの行事の一つです。 キリスト教の信者でないとクリスマスとEaster(復活祭)くらいしか知りませんが、Carnival(謝肉祭)の「懺悔の火曜日」といわれる最終日のことで盛大な歌と踊りのパレードが繰り出されますが、今では宗教祭りというよりリオのカーニバルのように観光行事になっているものも多いようです。
南部では20世紀になってアフリカ系黒人が主体となり様相も変ってきましたがそのアフリカ系パレイド・ミュージックをマルディ・グラ音楽というそうです。
マルディ・グラの音楽が試聴出来るCome With Me To The Mardi Gras - Louisiana Music Factory(Come With MeとThey Stole My Chickenをクリック)
☆タブ・ベノワのオフィシャルサイトはTABBENOIT Official Site
タブ・ベノワのアルバム
Fever for the Bayou
ページトップの画像はソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmでの一番人気の"Night Train"が収録されているタブ・ベノワの2005年リリースのアルバム"Fever for the Bayou"です。
試聴はFever For The Bayou - Amazon.com(試聴の1番は"Night Train"ですがキングカーティスの"Night Train"とは別もの)
Best of the Bayou Blues
今現在私が聴いているアルバムは"Best of the Bayou Blues"です。 タブ・ベノワのギターがロックする、泣く、叫ぶNice And Warmなどを収録した2006年リリースの最新アルバムです。 私の好きなカントリーの大御所"Willie Nelson(ウィリー・ネルソン)のRainy Day Bluesや"Hank Williams"のJambalayaをカバーしています。
Best of the Bayou Blues
※バックのピアノとハモンド・オルガンはPaul English、Reese Wynans、Marc Adamsなどです。 ※ニュー・オーリンズのキーボード奏者のマーク・アダムスは2004年頃にAdams Rides Againというドラムとベースを加えたトリオコンボのソロアルバムをリリースしているそうです。
Brother to the Blues
2006年リリースのセカンド・アルバムでは6人組ロックバンドのLouisiana's LeRoux(ルイジアナズ・ル・ルー)をバックにSam Cooke(サム・クック)の"Bring It on Home to Me"だの、伝説的カントリー・シンガーのHank Williams Sr.(ハンク・ウィリアムス)の"I Heard That Lonesome Whistle"までもカバーしています。
Brother to the Blues
The Sea Saint Sessions
デルタ・ブルース、ケジャン、バイユーといったルイジアナの伝統音楽をじっくりと料理し、Solid Simple ThingやWhat I Have To Doなどの他、ルイジアナ・レジェンドへのトリビュートでGuitar Slim(ギター・スリム)の"Sufferin' Mind"やHowlin' Wolfの"Howlin' for My Darling"も収録した2003年の人気アルバムです。 ベースがCarl DufreneでドラムがDarryl Whiteなどで何人かのゲストを迎えたセッションではベノアのしなやかであると同時に迫力のあるギターが聴けます。
The Sea Saint Sessions
※Sea Saint StudioとはニューオリンズのBig Easy Recording Studio(ニューオリンズ・レコーディング・スタジオ)※Big Easy=ニューオリンズ
Homesick for the Road
ベノワが"Down in the Swamp"の他、アウトロー・カントリーのWillie Nelson(ウィリー・ネルソン)が作った"Nightlife"やScreamin' Jay Hawkins(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)の"I Put a Spell on You"をカバーしている1999年のアルバムではKenny Neal (ケニー ・ニール)のギターソロとヴォーカルが聴けます。 共演の女性ブルース・ギタリストはDebbie Davies(デビー・デイヴィーズ)です。
Homesick for the Road
Nice and Warm
模索中ともいえるまだルイジアナ色の濃くない1992年のベノワのデビューアルバムの1993年復刻盤ではBone Pickin'やVoodoo on the Bayouなどルイジアナのルーツで、Cajun、R & B、ブルースのミックスしたリラックスムードの2日間ライブの演奏が聴かれます。 50年代にScreamin' Jay Hawkins(スクリーミン・ジェイ・ホーキンス)でヒットしたI Put A Spell On YouをカバーしていますがオルガンのバックでI Put A Spell On Youの後半にのタブ・ベノワのギターソロが聴けます。
Nice & Warm
「Nice and Warm」の全曲試聴はNice & Warm - Amazon.com
Tab Benoit at The Greater Ozarks Blues Festival in Springfield MO on Sept.2006- YouTube
Tab Benoit at The Jewish Mother in Va. Beach on Aug. 2006- YouTube
Listen to Radio Louisiane! - live365.com(要ログインかも。 registration req'd)


ken-sannさん、情報を有難うございます。テレキャスにも色々あるなんて!さすがギターマンのken-sannですね。記事の方も後ほど修正します。
NOVA さんはkoukinobaabaのブログを二つとも毎回アップする度に読んで下さる貴重なブロガーです。”白人”ですがアメリカ人のご主人と”ミシシッピ”に豪邸(マジにすごい)を建てておられるようです。
私は手持ち写真が殆どないのでAmazonのアフィリエイトに参加してCD画像などを使用しています。その内ken-sannの写真を使わせて下さいね。もちろんリンクしますよ。hehehe
おはようございます
baabaさん、ご紹介ありがとうございます。NOVAさん、はじめまして!よろしくです♪
で、Tabさんのテレキャスターなんですけどね。
こりはテレキャスターと言ってもシンライン(Thinline)モデルといって、中空ボディのギターなんです。ピックアップ・マイクも通常のものとは異なり、レギュラーのテレキャスターとはサウンドの趣が異なる機種なのです。(デビューアルバムのジャケ写は普通のテレですね)
拘って使ってるんでしょうね~。
ゐ?
すいません・・・いらんツッコミでした?
あ、
■photo boxと言うのを作ってみました。
お暇な時にでも見てやって下さいまし。
http://in-step.air-nifty.com/photos/photo_box/
NOVA さん、ブルースロードの旅はブログ交流のあるKen-sannが行ったそうです。http://in-step.air-nifty.com/tt/blues/index.html
以前にもご質問された時にお答えしたままで今だに未見です。ざんねん!
koukinobaabaさんはブルーズが大好きなんですね。それならぜひぜひミシシッピに遊びにいらしてください。私は時間をかけてでもブルーズロード言われる61番を、ゆかりの地を尋ねながら歩いてみたいと思ってるんですよ。Lightning in the bottleはご覧になりましたか?