March 2007 Archives


Parrish (VHS)    Rome Adventure (VHS)
Parrish - Troy Donahue Rome Adventure - Troy Donahue
Troy Donahue (1936-2001)

Troy Donahue
北欧系(スウェーデン)で金髪に青い目、スラりと背が高くおまけにハンサムでマッチョな"トロイ・ドナヒュー"はニューヨーク出身のお坊ちゃま俳優です。 実際の年齢よりずっと若く見える甘いマスクのドナヒューはWarner Brothers(ワーナー映画社)のドル箱スターでした。 引き締まったボディのトロイ・ドナヒューは当時流行のビーチムービーの花形となり、1950年代後期から1960年代前半には押しも押されぬティーンのアイドル・スターで、トロイ・ドナヒューの写真が載らない映画雑誌なんて無いくらい人気者でした。
コロンビア大学でジャーナリズムを勉強中にスカウトにされたというトロイ・ドナヒューのメジャーな映画デビューはドナヒューと同じ北欧系(デンマーク)のDouglas Sirk(ダグラス・サーク)監督の1958年の「The Tarnished Angels(翼に賭ける命)ですが、同じくダグラス・サークが監督した1959年の「Imitation of Life(悲しみは空の彼方に)」にも出演しています。 この映画では主役級ではありませんでしたが平素は穏やかな好青年を演じるトロイ・ドナヒューが人種差別をする若者を演じています。 既にティーンアイドルだったサンドラ・ディーと共演した「Summer Place(避暑地の出来事)」によりトロイ・ドナヒューは一躍アイドルスターの座を獲得し、青春メロドラマのプリンスとなりました。 「悲しみは空の彼方に」では「避暑地の出来事」に続いてやはりサンドラ・ディーと共演しています。 ですがトロイ・ドナヒューは「恋愛専科」で共演したスザンヌ・プレシャットと結婚、サンディは19歳で「九月になれば」で共演したBobby Darin(ボビーダーリン)に見染められて結婚したのです。 「避暑地の出来事」の以降、暫くはトロイ・ドナヒューが主演で連続して青春メロドラマが作られましたが、ドナヒューの主なファンは当時大学生でしたから彼女らの成長とともに徐々に離れていき、その次の世代は時代の流れでもっと過激なロックスターに現を抜かすこととなります。 30歳にして早くも体形の崩れたトロイ・ドナヒューは次第に端役に甘んじ、1974年にはFrancis Ford Coppola( フランシス・フォード・コッポラ)監督のThe Godfather Part II(ゴッドファーザーPART II)に端役で出演しましたが、その名はなんとMerle Johnson(マール・ジョンソン)、つまりトロイ・ドナヒューの本名でした。
そんなこんなで、アルコール依存とドラッグで身を滅ぼすことになり、一時はニューヨークでホームレスにまでなったと伝えられました。(法的資産凍結?) しかし90年代には再びB級映画に出演してなんとか持ち直したトロイ・ドナヒューでしたが、2001年に65歳で心臓発作により亡くなりました。 ちなみにサンドラ・ディーはボビー・ダーリン伝記映画「Beyond the Sea(ビヨンドtheシー)」の制作に協力した後、2005年に62歳で腎不全で亡くなっています。
☆マッチョなトロイ・ドナヒューの写真が見られるPhotos - Troy Donahue at Brian's Drive in Theater
ティーンズの憧れだったトロイ・ドナヒューの写真集はTroy Donahue Photos - Meredy's Place(拡大可)

SurfSide 6 & Hawaiian Eye
1950年代後半から1960年代にかけてテレビで私立探偵シリーズが流行ったのですが、Warner Brothers(ワーナーブラザーズ)は何本もの人気シリーズをABCテレビに提供しました。 ホノルルを舞台にしたHawaiian Eye(ハワイアンアイ)に続いて若者に人気だったのがマイアミ・ビーチの私立探偵を描いた"SurfSide 6(Surfside Six/サーフサイド・シックス)"で、トロイ・ドナヒューが出演して1960年から1962年まで放映されました。 ハリウッドスターのゲスト出演が魅力のサンセット通り探偵事務所を舞台にした"77 Sunset Strip(サンセット77)"の人気にあやかって制作された「サーフサイド6」はハリウッドの探偵事務所ではなく波止場のクルーザーというのが斬新でした。 トロイ・ドナヒューがSandor "Sandy" Winfield II (サンディ)を演じ、Dave Thorne(デイヴ)役のLee Patterson(リー・パターソン)と共に人気でした。 ダフネ役のDiane McBain(ダイアン・マクベイン)は1961年の映画「Parrish(二十歳の火遊び)」や1963年の騎兵隊とアパッチ・インディアンとの戦いを描いた「A Distant Trumpet(遠い喇叭)」でも共演しました。 いわゆるブロンド美人ですがセクシー・ブロンドではありません。 60年代はCMモデルとしても人気でちょっとおすましの大変洗練された美貌の持ち主でしたが10年ほどでメジャーな映画女優活動は終わっていますが、今なお信じられないほ綺麗でエレガントなんだそうです。 同じく1963年にトロイ・ドナヒューが軍曹を演じた「遠い喇叭」」で共演した聡明そうな美人女優のSuzanne Pleshette(スザンヌ・プレシェット)の方と結婚しました。 サンドラ・ディーが1961年に「九月になれば」で共演したボビー・ダーリンと電撃結婚をした後のことでした。
美人といえばRichard Greene(リチャード・グリーン)がロビンフッドを演じた1955年の「The Adventures of Robin Hood(ロビンフッドの冒険)」(CBS)でマリアン姫を演じたアイルランド系女優のPatricia Driscoll(パトリシア・ドリスコル)が1959年に「ハワイアン・アイ(Malihini Holiday)」でゲスト出演(リリアン役)したそうです。
「ハワイアンアイ」のテーマ曲が収録されているオリジナル・リリースが1960年のTVオリジナル・サウンドトラックはHawaiian Eye Soundtrack(試聴はHawaiian Eye Soundtrack - Amazon.com
輸入版の「ハワイアンアイ」のDVDはHawaiian Eye DVD
※「サーフサイド6」、「ハワイアンアイ」、「サンセット77」などのTVタイトル画像が見られるThe Northwest Publishing/WDAN-TV Years(1953-1960) - Warner Brothers Presents(ページの下の方)
TV番組「サーフサイド6」で主演したトロイ・ドナヒューやダフネを演じたワーナー映画の星だったDiane McBain(ダイアン・マクベイン)などの写真が見られるSurfSide 6 Photos - Epguides.com
SurfSide 6 - Classic TV shows

「サーフサイド6」と類似した私立探偵のTVシリーズである「ハワイアンアイ」は1959年から1963年まで放映されましたが、1959年というと丁度ハワイがアメリカの州となった時期だったのでお祝いムードも相まって結構人気がありました。 ホノルルが舞台となっていますがハリウッドで撮影されたハワイ版「サンセット77」です。 トロイ・ドナヒューは「サーフサイド6」の後の1962年から1年間をレギュラーとして出演しています。
ちなみにトロイ・ドナヒューは「サンセット77」にも駐車場係りのKookie(クーキー)の代役としてちょっと出演したこともあります。 なにしろ全部ワーナーの作品ですから「サンセット77」の出演者が「ハワイアン・アイ」にも顔を出しました。

「ハワイアン・アイ」のオリジナルメンバーの写真が見られるHawaiianEye - Epguides.comとトロイ・ドナヒューがメンバーになった時期(4シーズン)の写真が見られるHawaiian Eye - CTVA US Crime
「ハワイアンアイ」のブロンド美女はRowdies(ローハイド)にもゲスト出演したことがあるConnie Stevens(コニー・スティーヴンス)です。 元々ティーン・アイドル歌手のコニー・スティーヴンスは「ハワイアンアイ」ではクラブの歌手役で毎回歌っていましたが、「サンセット77」で人気の駐車場係りのクーキーと"Kookie, Kookie, Lend Me Your Comb"なんていう曲をデュエットして大ヒットさせています。 コニー・スティーヴンスの可愛い歌声はElvis Presley(エルヴィス)もお気に入りだったそうです。
コニー・スティーヴンスはエルヴィス・プレスリーだけでなくトロイ・ドナヒューとも友人関係が続きドナヒューが亡くなる前日にも見舞っていたそうです。
Listen※オリジナル演奏ではありませんがハワイアン・アイとサーフサイド6などの60年代の海外テレビドラマのテーマ曲が収録された国内盤には「懐かしのアメリカTVドラマ・テーマ曲集」などがあります。

 

トロイ・ドナヒューの出演映画
1957年 The Tarnished Angels(翼に賭ける命)
デンマーク出身のDouglas Sirk(ダグラス・サーク)が監督したトロイ・ドナヒューのデビュー作品で、 1956年の「風と共に散る」に続きRobert Stack(ロバート・スタック)とRock Hudson(ロック・ハドソン)が出演しています。 「翼に賭ける命」の原作は1931年に発表したSanctuary(サンクチュアリ)や1932年のLight in August(八月の光)でお馴染みのアメリカ南部ミシシッピの作家「William Faulkner(ウィリアム・フォークナー)」です。 1939年発表の「The Wild Palms(野生の棕櫚)」も一般に知られているフォークナーが、1935年にスタント飛行ショーの一座を描いた小説「Pylon(パイロン/空の誘惑)」で、唯一の想像上のYoknapatawpha County(分割の地を意味するヨクナパトーファ郡)を舞台にしていない作品だそうです。 それと同時に数々のメロドラマを監督したダグラス・サークの異例ともいえるお涙頂戴色が少ない作品でもあります。 ロック・ハドソンは飛行士野郎と美人妻との三角関係に巻き込まれていくレポーター役を演じました。 トロイ・ドナヒューはチョイ役だったようで情報が見つかりませんが、特筆すべきは特撮飛行スタントだそうです。 1956年の「Written on the Wind(風と共に散る)」でアカデミー助演女優賞を受賞したDorothy Malone(ドロシー・マローン)がパラシュート演技を見せる飛行士の妻役です。 その後ドロシー・マローンはDimitri Tiomkin(ディミトリ・ティオムキン)作曲のテーマ"Pretty Little Girl In The Yellow Dress(黄色いドレスの可愛い少女)"をお尋ね者を演じたKirk Douglas(カーク・ダグラス)本人が歌った1961年の「The Last Sunset(ガン・ファイター)」では牧場主の妻を演じています。
The Tarnished Angels(翼に賭ける命)の英語版VHS
The Tarnished AngelsTarnished Angels
ビデオのカバー画像はDorothy Malone、Robert Stack、Rock Hudsonです。
Dorothy Malone(ドロシー・マローン)がアカデミー助演女優賞を受賞し、Rock HudsonとLauren Bacallが共演したダグラス・サーク監督の1956年の「Written on the Wind(風と共に散る)」のサントラは見つかりませんが、Victor Youngs(ヴィクター・ヤング)作曲でSammy Cahn(サミー・カーン)作詞のタイトル曲"Written on the Wind"は「慕情」の主題歌でもお馴染みのThe Four Aces(フォー・エイセス)が歌いました。 Written on the Windが収録されているアルバムは「Best of the Four Aces」
アメリカで発売されたLP盤"Decca DL 8424"などWritten on the Wind(風と共に散る)のポスター画像やサントラ情報はWritten on the Wind - SoundtrackCollector

1959年 A Summer Place(避暑地の出来事)
Delmer Daves(デルマー・デイヴィス)が監督した青春メロドラマで、サンドラ・ディーと共演したトロイ・ドナヒューは1959年の有望若手男優賞を獲得し、ドナヒューの人気を決定付けました。 ですが役の上とはいえ、純情可憐なサーファー少女のGidget(ギジェット)を演じたサンドラ・ディーを妊娠させた(劇中で)のでちょっと肩身が狭かったとか。
Troy Donahue and Sandra Dee in A Summer Place - YouTube

A Summer Place
Summer Place - Troy Donahue避暑地の出来事 VHS
上記の画像は1993年に発売された輸入版の「避暑地の出来事」VHSですがこちらも入手は困難です。(超ヴィンテージ価格なので500円DVDでも発売になればいいですね。)
☆Max Steiner(マックス・スタイナー)が作曲した「避暑地の出来事」のテーマ曲の"A Summer Place(夏の日の恋)"は今はなきDeccaのOST(オリジナルサントラ)ではでHugo Winterhalter(ユーゴー・ウィンターハルター)の演奏ですが、Percy Faith(パーシー・フェイス楽団)のカバー演奏が当時のヒットパレードでは上位に位置していました。
Theme From A Summer Place by Percy Faith (1960) - YouTube
※映画の詳細はAudio-Visual Trivia内のSandra Dee(サンドラ・ディー)

1961年 Parrish(二十歳の火遊び)
トロイ・ドナヒューはHawaiian Eye(ハワイアンアイ)で共演したConnie Stevens(コニー・スティーヴンス)とのコンビで「二十歳の火遊び」に出演しています。 コニー・スティーヴンスは私生児を身ごもった身持ちの悪い娘を演じ、「サーフサイド6」のダイアンマクベインがトロイ・ドナヒューと一時的に恋に落ちる高慢ちきな農場の娘役で出演しています。 というか客寄せの花たちの一人でしょう。 というのも「二十歳の火遊び」は若者たちの恋物語ではなく、Mildred Savage(ミルドレッド・サベイジ)の1958年のベストセラー「Parrish」をDelmer Daves(デルマー・デイヴス)が映画化した社会派のドラマなのです。 「Parrish」という英語の原題はClaudette Colbert(クローデット・コルベール)が演じるマクリーン婦人の息子のParrish McLean(パリッシュ・マクリーン)のことでトロイ・ドナヒューが演じました。 1940年代の煙草畑を舞台にドロドロした紛争を通して若者の成長を描いています。 「二十歳の火遊び」の美しい音楽は「避暑地の出来事」に続いてMax Steiner(マックス・スタイナー)の作曲です。
Parrish Trailer - YouTube
1943年にIt Happened One Night(或る夜の出来事)のヒッチハイク・シーンで美脚を見せて話題を呼んだClaudette Colbert(クローデット・コルベール)最後の映画出演でした。 コルベールはトロイ・ドナヒューとは1959年にImitation of Life(悲しみは空の彼方に)でも共演しています。

Parrish(二十歳の火遊び)の英語版VHS
Parrish with Troy DonahueParrish

1961年 Susan Slade(スーザンの恋)
「二十歳の火遊び」に続きトロイ・ドナヒューがコニー・スティーヴンスと共演した十代の妊娠を扱った青春物語で分別のある恋愛を説いているような映画です。 「スーザンの恋」でトロイ・ドナヒューはコニー・スティーヴンスが演じる"Susan Slade(スーザン・スレイド)"を愛する作家志望の青年役です。 スーザン・スレイドは行きずりの恋で妊娠した十代の娘で、相手の男の死亡を知り自殺を企てたところトロイ・ドナヒューに救われます。 生まれた子供を母親の子(スーザン・スレイドの弟)として育てていましたが・・・赤ちゃんが火だるまになる映像が怖い!人形か!
Susan Slade Trailer - YouTube
1959年の「、「A Summer Place(夏の日の恋)」の監督&音楽コンビが制作した映像と音楽が美しい作品です。 1947年にハードボイルドなHumphrey Bogart(ハンフリー・ボガート)主演のThe Petrified Forest(化石の森)の脚本やDark Passage(潜行者)を監督したデルマー・デイヴィスですが、トロイ・ドナヒューを主役に据えて「スーザンの恋」、同年に「二十歳の火遊び」と「恋愛専科」も監督しています。
サウンドトラックは見つかりませんが、「夏の日の恋」の作曲者であるMax Steiner(マックス・スタイナー)のロマンティックなストリングス音楽がこの映画でも評価されています。
「スーザンの恋」のトロイ・ドナヒューとコニー・スティーヴンスの写真はSusan Slade

1962年 Rome Adventure(恋愛専科)
トロイ・ドナヒューがちょっとElizabeth Taylor(エリザベス・テイラー)似のSuzanne Pleshette(スザンヌ・プレシェット)と共演したロマンス風イタリア観光映画で、プラトニックな恋愛をテーマにしたDelmer Daves(デルマー・ディヴィス)監督の青春映画です。(イタリア語のタイトルは"Gli amanti devono imparare") Angie Dickinson(アンジー・ディキンソン)が演じるプレイガールにふられたトロイ・ドナヒューとロマンスを学びにイタリアにやって来たスザンヌ・プレシェットが60年代のローマの名所旧跡をスクーターで走り回ります。

「恋愛専科」は大学図書館の司書をつとめるスザンヌ・プレシェットがロマンス小説「Lovers Must Learn」を生徒に貸し出したことを大学当局に咎められるシーンで始まります。 スザンヌは恋愛のメッカ!イタリアに修行に出かけようと即決心し"アリベデルチ!"とオールドミス先生一同に挨拶すると両親等に見送られてイタリア旅客船の船上の人となります。 偶然乗り合わせた母の友達の息子と隣のイタリア人を取り違えたことから話は展開します。 もっともニューヨークの港を出たところでママからの電報で間違いは気が付き無事二人でで窓から自由の女神像を見ました。 ひょんなことからスザンヌ・プレシェットと知り合ったロマンスグレーが母の友人の息子も誘ってのドライブで名所巡りの後、豪邸に招待されます。(このプレイボーイは何者?) この時2階からけたたましく駆け下りてきたのがトロイ・ドナヒューが演じる金髪に赤いセーターの大柄なアメリカ青年でした。 元カノにふられていらついていたトロイ・ドナヒューは最初はスザンヌのイタリア語の勉強にもうるさいと怒鳴り込んだのですが、邸宅のディナーの席で隣り合わせになったことからじきに親しくなってジャズクラブに行ったり大きなむく犬のいる本屋の帰りに二人で赤いスクーターから観光バスに乗り換えてイタリア名所巡りを堪能しました。 ところが、その後に問題が起きます。 トロイ・ドナヒューにセクシーな年上のガールフレンドがいたことを知りショックを受けたスザンヌ・プレシェットはイタリア風恋愛テクニックを学ぼうと一度はスザンヌに言い寄ってきたロマンスグレーのもとを訪れますがプレイガールにならないようにと諭されてしまいます。 傷心のスザンヌ・プレシェットはアメリカへと戻ったのですが港にはなんとイタリアにいるはずのトロイ・ドナヒューが待っていたのです。 「恋愛選科」はかなり冗長な映画ですがともかく観光バス旅行の後のリフトで上った山頂でも"アルディラ"が流れ、サン・ピエトロ寺院、水道橋、円形劇場コロッセオ、トレビの泉、ネプチューンの噴水やムーア人の噴水、ダビデ像のあるアカデミア美術館や伝統芸の旗回し、ピサの斜塔などイタリア観光が楽しめます。
初老のプレイボーイを演じたのは一世を風靡したイタリア人の歌手で映画俳優のRossano Brazzi(ロッサノ・ブラッツィ)です。 1958年のSouth Pacific(南太平洋)ではSome Enchanted Evening(魅惑の宵)を歌ったイタリアの歌手で俳優として有名です。 ロッサノ・ブラッツィは1955年のSummertime(旅情)ではA.Icini(A.イチーニ)が作曲してイタリア語の歌詞をPinchi(ピンチ)で英語の歌詞を"Ebb Tide(ひき潮)"で有名なCarl Sigman(カール・.シグマン)が書いた"Summertime In Venice(ベニスの夏の日)"を歌っています。(ベニスの夏の日のイタリア語のタイトルは"Tempo d'estate") ※サントラの指揮はDino Olivieri(ディノ・オリヴィエリ)です。

Al di là by Emilio Pericoli
「恋愛専科」ではカンツォーネのAl di là(アルディラ)が何度も聴かれます。 最初は二人がロッジで物売りから買ってしまった蜀台を手に入ったJazz Jointクラブのシーンです。 プロシュートや白ワインを注文した後に、カンツォーネ歌手のEmilio Pericoli(エミリオ・ペリコーリ)がAl Di Là(アルディラ)を歌ってロマンティックなムードを高め、トロイ・ドナヒューがスザンヌの手を握りながら歌の意味を教えます。 この後にもAl(アル)役で特別出演のAl Hirt(アル・ハート)が陽気な"アルディラ"を吹きます。(アル・ハートはニューオリンズ出身のジャズ・トランペッター) アルが二人に紹介したガーターベルトにナイフを挿したセクシー美女がアルの恋人らしくアルの演奏中に浮気したので乱闘が始まってしまう。 蝋燭立てを手に二人は慌てて店を出て馬車で邸宅に戻ることに。
※"アルディラ"を演奏したアル・ハートはソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmでも一番人気のGreen Hornet(グリーン・ホーネット)のテーマで知られていますが米空軍楽隊で演奏した後にTommy and Jimmy Dorseys(ドーシー兄弟)やBenny Goodman(ベニー・グッドマン又はベニイ・グッドマン)と共演しましたが、ニューオリンズに戻って自分のバンド「アルハート楽団」を結成しました。 日本でもヒットした有名な曲はAllen Toussaint(アレン・トゥーサン)が作曲した1964年の"Java(ジャワの夜は更けて)!"
注! "A Taste of Honey"のHerb Alpert(ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス)ではありません。
注! ロッサノ・ブラッツィの代名詞ともなった"ロマンスグレー"とは昭和29年(1954年)の飯沢匡の小説の題名でリッチでエレガントなオジサマを指します。
Rome Adventure Trailer - YouTube

「恋愛専科」でトロイ・ドナヒューの恋人を演じたアンジー・ディキンソンは男女問わず好かれるタイプの女優で50年代にはフットボール選手と結婚、その後に1980年までBurt Bacharach(バート・バカラック)と結婚していましたがFrank Sinatra(フランク・シナトラ)との関係なども有名です。 "The Yellow Rose of Texas(テキサスの黄色いバラ)"のテーマ曲が有名な1955年のHarold D. Schuster(ハロルド・シュスター)監督のThe Return of Jack Slade(拳銃稼業)や1960年にシナトラが主演したOcean's Eleven(オーシャンと十一人の仲間) などたくさんの映画に出演しています。
美脚を誇るアンジー・ディキンソンのセクシーな写真が見られるSPOTLIGHT ON...Angie Dickinson - NORTHERNSUNENTERTAINMENT.COM

Listen「恋愛選科」のサウンドトラックのトロイ・ドナヒューとスザンヌ・プレシェットのレコードジャケット画像が見られてエミリオ・ペリコリの"アルディラ"が試聴出来るアルディラ 珈琲と音楽クレシェンド - オールディズのお部屋(♪をクリック)
「アルディラ」は「恋愛専科」の前年の1961年度サンレモ音楽祭で第一位を獲得したエミリオ・ペリコーリの大ヒット曲です。
"Al di là"のイタリア語の意味は「~の向こう」にというイディオムで「世界の彼方」とか「彼岸」という意味もありそうです。
国内盤のDVDは「恋愛専科」です。

エミリオ・ペリコーリのアルディラを収録したアルバムは「Emilio Pericoli, El Triunfador De San Remo, Al Di La - Il Mondo - Arrivederci」やカンツォーネのコンピレーションCDの「愛のカンツォーネ50」があります。
☆Al di la del bene piu prezioso...と歌われるAl Di La(アルディラ)の歌詞はSONG LYRICS.com - Emilio Pericoli Al Di La (Italian) Lyrics
Emilio Pericoli - Al di là- YouTube

Scooter Movies
60年代に始まったロンドンのモッズ文化の若者もしかり、終戦後の1950年代からイタリアで流行った乗り物はスクーター! 1953年の「Roman Holiday(ローマの休日)」ではAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)とGregory Peck(グレゴリー・ペック)がローマの街を走り、1961年の「Come September(九月になれば)」ではRock Hudson(ロックハドソン)とGina Lollobrigida(ジーナ・ロロブリジーダ)、そしてボビー・ダーリンとサンドラ・ディーがスクーターのツアーリング。 記憶にないですが、1960年の「La Dolce Vita(甘い生活)」でのMarcello Mastroianni(マルチェロ・マストロヤンニ)も乗ったそうです。 パリでも1958年にPascale Petit(パスカル・プティ)が演じた私の好きな「Les Tricheurs(危険な曲り角)」のミックも、1958年の「En cas de malheur(可愛い悪魔)」ではJean Gabin(ジャン・ギャバン)とBrigitte Bardot(ブリジッド・バルドー)も乗っていました。 70年代の中頃に天下のソフィア・ローレンがラッタッターッとホンダ・ロードパルという500ccスクーター(原付バイク?)のコマーシャルでお茶の間に登場しました。 そういえば日本では「隠密剣士」の大瀬康一が主演した昭和30年代のテレビのヒーローだった月よりの使者「月光仮面」や、次に現れたウーヤーターッの「少年ジェット」もスクーターでした。
※1950年代からのスクーター映画については「Rebel Without a Cause(理由なき反抗)」や「Les Tricheurs(危険な曲がり角)」などのビデオクリップも観られるLes Scooters au Cinema - VintageScooters.free.fr

Suzanne Pleshette
トロイ・ドナヒューは1962年に「恋愛専科」に続きスザンヌ・プレシェットとは1963年のA Distant Trumpet(遠い喇叭)でも共演して結婚しましたが、撮影後には性(格)の不一致から離婚しました。 とはいえども、トロイ・ドナヒューは最低でも4度ほど結婚しているそうですし、晩年にゲイ説を否定しています。
子供時代からブロードウェイなどの芝居に参加していたスザンヌ・プレシェットはJerry Lewis(ジェリー・ルイス)の目に止まって1958年にFrank Tashlin(フランク・タシュリン)監督の「The Geisha Boy(底抜け慰問屋行ったり来たり)」に軍曹役でデビューしました。
スザンヌ・プレシェットは1963年にAlfred Hitchcock(ヒッチコック)の「The Birds(鳥)」で鳥に目玉をえぐられた教師役を演じた後、1965年に「A Rage to Live(生きる情熱)」で恋多き富豪の娘役で主演し、1970年代にテレビの「Bob Newhart Show(ボブ・ニューハート・ショー)」に5年間出演していて2007年のショーの同窓会には肺がんに侵されながらも車椅子で出演したそうです。(2008年に70歳で亡くなりました。)
smoking Suzanne Pleshette in The Birds - YouTube
Suzanne Pleshette in The Birds - YouTube

1963年 Palm Springs Weekend(パームスプリングの週末)
トロイドナヒューが1961年の「スーザンの恋」に続いて「ハワイアンアイ」コンビのConnie Stevens(コニー・スティーヴンス)と共演した青春ドラマです。 27歳のトロイ・ドナヒューが大学のバスケ選手を演じ、当時25歳のコニー・スティーヴンスが高校生を演じた、イースター休暇をパームスプリングで過ごす若者たちのハッピーな映画です。
1960年代のTV西部劇シリーズの「Bronco(ブロンコ)」や、1962年にGeorge Cukor(ジョージ・キューカー)が監督でEfrem Zimbalist Jr.(エフレム・ジンバリスト・ジュニア)主演の「The Chapman Report(チャップマン報告)」に出演したTy Hardin(タイ・ハーディン)も出演しています。
Palm Springs Weekend Trailer - YouTube

日本で唯一入手出来る英語版のPalm Springs Weekend(パームスプリングの週末)VHS
Palm Springs Weekend with Troy DonahuePalm Springs Weekend
Amazon.comには「Palm Springs Weekend (1964)」のDVD(ASIN: B001QYY4JM)やトロイ・ドナヒュー特集の「Warner Bros. Romance Classics Collection (Palm Springs Weekend / Parrish / Rome Adventure / Susan Slade) 」(ASIN: B001HSNTKW)がありますがどちらも"Region 1"です。※ところで気になるカルフォルニアのPalm Springs(パームスプリング)とはどんなところかが分かるPalm Springs Photo Album

☆映画の主題歌はトロイ・ドナヒューの歌手デビューともなった"Live Young(恋のパームスプリング)"です。
Live Young by Troy Donahue - YouTube
日本人だけに受けたらしく海外では見つかりませんが、Palm Springs Weekend(恋のパームスプリング)が収録されている2006年リリースの国内盤でGlory of Radio Days, Vol. 2栄光のラジオ・デイズ・ヒッツ VOL.2」(ほら、聴いたことがあるでしょう?) この他には1950年代後半から1960年代にかけてのヒット曲がズラリ! Johnny Hallyday(ジョニー・アリディ)の"Douce Violence(甘い暴力)"、Sophia Loren(ソフィア・ローレン)の"Mambo Bacan(マンボ・バカン)"、Connie Francis(コニー・フランシス)の"Pretty Little Baby(かわいいベイビー)"、Michel Polnareff(ミッシェル・ポルナレフ)の"Tout Tout Pour Ma Cherie(シェリーに口づけ)"、14歳のイギリスの歌手だったHelen Shapiro(ヘレン・シャピロ)が歌った1961年の"Don't Treat Me Like a Child(子供じゃないの)"などのポップスが試聴できます。

1967年 Come Spy With Me
最後に、トロイ・ドナヒューが主演したカリブ海のジャマイカを舞台にした日本未公開のアクション・スパイ映画は「Come Spy With Me」ですが、シルエットを使ったオープニング以外はどえらい酷評を得たそうです。 監督はこの「Come Spy With Me」のみが知られているMarshall Stone(マーシャル・ストーン)です。 1966年から放映開始したTVシリーズのミステリーの「Dark Shadows(暗黒の影)」に殺し屋"Roger Collins"役を演じたLouis Edmonds(ルイス・エドモンズ)やStar Trek(スタートレック)にSmith(Yeoman Jones)として出演したAndrea Dromm(アンドレア・ドローム)が出演しています。 "暗黒の影"のテーマ曲はRobert Cobert(ロバート・コバート)が作曲したそうですがMotown(モータウン)のSmokey Robinson(スモーキー・ロビソン)がテーマを歌っているサントラが人気だとか。
スモーキー・ロビソンの"Come Spy With Me"はThe 35th Anniversary Collectionでディスク:3の6番で試聴出来ます。
「Come Spy With Me」は情報もVHSビデオもありませんが、写真やポスターが見られるCome Spy With Me - Big Lou with Troy Donahue - DarkShadowsOnline.com


Alone at Montreux
Alone at Montreux by Ray Bryant
Ray Bryant - Gotta Travel On - Amazon.com (MP3 Download)
The Great Jazz Pianist: Ray Bryant With His Hands Wide Open

Ray Bryant (1931 - 2011)
レイ・ブライアントの大きな両手を見て下さい! 白魚のような指先で奏でるクラシックのピアニストの手とは違って、レイ・ブライアントのようなジャズピアニストはOscar Peterson(オスカー・ピ-ターソン)のごつい手同様にグローブのようです。 この左手がピアノのキーを力強くたたくのです。
フィラデルフィア出身のジャズピアニストであるレイ・ブライアントは、1940年代から家族を含むメンバーで演奏活動を始め、1953年にはBlue Noteレーベル専属のピアニストとなりビバップのCharlie Parker(チャーリー・パーカー)やMiles Davis(マイルス・デイヴィス)やLester Young(レスター・ヤング)などのバックを務めたこともあります。 1957年のデッカで録音したアルバム「After Glo」で代表されるように1956年から1957年までCarmen McRae(カーメン・マクレエ)のバックをつとめたピアニストとしても知られています。 1958年頃にはジャズテナーのColeman Hawkins(コールマン・ホーキンス)やRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)と組んでツアーをしたことがあるレイ・ブライアントはその後、バップ・ピアニストとしてマイルス・デイヴィスやSonny Rollins(ソニー・ロリンズ)などの大物ジャズメンとも共演しています。 とはいえ、レイ・ブライアントはバップにとどまらずブルース、ブギウギ、ゴスペルと幅広くスウィンギーな演奏を聴かせてくれました。 そんなレイ・ブライアントの晩年は長い闘病生活の後、惜しくも2011年6月に79歳で逝去しました。

Ray Bryant Trio
レイ・ブライアントは1959年にニューヨークに落ち着き自分のバンド"Ray Bryant Trio(レイ・ブライアント・トリオ)"を結成しました。 レイ・ブライアントが作曲した哀愁の"Cubano Chant(クバーノ・チャント)"やファンキーな"Little Susie(リトル・スージー)"の他にもたくさんの素晴らしい演奏があり、ソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmの統計によると人気ナンバーワンはRay Bryant Quintetの演奏で1968年の"Up Above the Rock"だそうです。 現在はGolden Earrings、Django、Angel Eyesに続き、スウィングしている1955年の"After Hours"はLast.fmのチャートで14番目になっています。
Oscar Peterson Plays Cubano Chant

Golden Earrings
私の好きなGolden Earrings(金の耳飾り)という曲は、Billy Wilder(ビリー・ワイルダー)監督のThe Lost Weekend(失われた週末)に主演したRay Milland(レイ・ミランド)が英国諜報員を演じ、Marlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)がハンガリーのジプシー役で出演した1947年のアメリカ映画「Golde Earrings(黄金の耳飾り)」のテーマ曲としてYoung Victor(ヴィクター・ヤング)が作曲し、Ray Evans(レイ・エヴァンス)が作詞したそうです。 元となった曲はスペインのバイオリン奏者のPablo de Sarasate(サラサーテ)が作曲した"Gypsy Airs(ロマの旋律)"又はZigeunerWeisen(チゴイネルワイゼン)という曲です。 実際にはジプシーはイヤリングではなく耳を突き通すピアスを使用します。 映画の中ではデートリッヒではなく、仲間のジプシーを演じた俳優の"Murvyn Vye(マーヴィン・ヴァイ)"が歌いましたが後にPeggy Lee(ペギー・リー)やDinah Shore(ダイナ・ショア)などのバージョンでも大ヒットした他、Bobby Darin(ボビー・ダーリン)やWillie Nelson(ウィリー・ネルソン)も歌ったほど人気の曲です。
フランス語のタイトルは「Les Anneaux d'or(黄金の耳飾り)」という映画の内容は、独ナチスの捕虜となった英国諜報員が脱走し、ディートリッヒが演じるジプシー女が彼の耳に金の耳輪をつけてジプシーに変装させた上に手相占いも伝授してゲシュタボの目を欺いたという第二次世界大戦を舞台にしたラヴロマンスです。
レイ・ブライアントは日本でも大人気のピアニストで、特にこのRay Bryant Trio(レイ・ブライアント・トリオ)が1957年に録音した"Golden Earrings(ゴールデン・イアリング)"はその昔、耳にタコが出来るくらい頻繁にラジオから流れて来ましたから私のような一般のリスナーなら"Golden Earrings"がレイ・ブライアントの代表曲だと思ったかもしれません。
Golden Earrings - Ray Bryant Trio - YouTube

1968年にLPレコードがリリースされて以来人気のタイトル曲"Up Above the Rock"の試聴はRay Bryant - Last.fm (国内盤Pony Canyonの「GODFATHER / RAY BRYANT」にも収録されていますが試聴は見つかりません。)
※レイ・ブライアント・トリオのメンバーはピアノにレイ・ブライアント、ドラムがWinard Harper(ウイナード・ハーパー) 、ベースがRay Drummond(レイ・ドラモンド)です。
Listenレイ・ブライアントの"Up Above the Rock"が聴けるwfmuラジオのプレイリストはFebruary 9, 2007: A pre-Mardi Gras taste of New OrleansListen to this show in RealAudioをクリックですがDJとかぶっています。 Hey!)
Ray Bryant - Up Above the Rock - YouTube

After Hours by Avery Parrish
"After Hours"は薄命のピアニストのAvery Parrish(エイヴェリー・パリッシュ)の作曲によるピアノのブルース曲で、1940年に初めて録音されました。 エイヴェリー・パリッシュはトランペッターのErskine Hawkins(アースキン・ホーキンス)が率いるハーレムのサヴォイでは人気のスイングバンド"The Erskine Hawkins band"に1941年までピアニストとして在籍していましたが、ロスアンジェルスの酒場で起きた喧嘩による損傷から部分麻痺状態となり音楽活動は終わっています。 時にエイヴェリー・パリッシュは24歳だったといいます。 残念なことにエイヴェリー・パリッシュ名義のアルバムは一枚もありませんが、たった一曲の"After Hours"の作曲により後世ブルース・ミュージシャンとして名が残っています。
Erskine Hawkins - After Hours - YouTube
After Hours by Ray Bryant
"After Hours"はなんていってもレイ・ブライアント! "Slow Freight"や"The Madison Time"、"Sack of Woe"などを作曲したといわれるレイ・ブライアントの演奏で有名でしたが、他のミュージシャンも取り上げてピアノのスタンダード曲となったそうです。 オリジナルは1966年という"Slow Freight(スロー・フレイト)"をアルバム・タイトルにしたレイ・ブライアント のCDが日本でもリリースされましたが現在は入手困難です。("Satin Doll(サテン・ドール)"や"If You Wanna Go Away(イフ・ユー・ゴー・アウェイ)"など7曲収録)
"After Hours"はDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー楽団)、Woody Herman(ウッディ・ハーマン楽団)、Quincy Jones & his Orchestra(クインシー・ジョーンズ楽団)、Jay McShann、Buck Clayton、Hazel Scott(ヘイゼル・スコット)等が演奏した他、ギターだとEddie Taylor(エディ・テイラーのアルバム「Ready for Eddie」)、ヴォーカルではAretha Franklin(アレサ・フランクリン)やMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)などのバージョンもあるそうです。
Jazz After Hours With Sarah Vaughan」というアルバムでは、Sarah Vaughan(サラ・ヴォーン)のアルバムの「After Hours」では試聴の1番が"After Hours"となっているのもありますが1961年のJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)のカバーでもお馴染みの"My Favorite Things"です。 この"My Favorite Things"は1959年にブロードウエイ・ミュージカル「The Sound of Music」のためにRichard Rodgers(リチャード・ロジャース)が作曲しOscar Hammerstein II(オスカー・ハマースタイン2世)が作詞してMary Martin(マリー・マーティン)が吹き込み、1965年にJulie Andrews(ジュリー・アンドリュース)が映画版「サウンド・オブ・ミュージック」で歌いました。
※"ヘイゼル・スコット"といえばArt Blakey and Jazz-Messengers au Club Saint-Germain(サンジェルマンのアートブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ)のMoanin' With Hazelでの感激した叫び声が収録されたトリニダード出身のピアニストでしたね。
ウディ・ハーマン楽団といえば、1987年に亡くなりましたが、1930年代から活躍してきたサックスやクラリネット奏者及び歌手であるウッディ・ハーマンが率いるバンドでスイング時代には超人気のビッグバンドでしたが60年代後期からエレキサウンドを取り入れロックビートに挑戦し、その後はモダン・ビッグ・バンドとしてフュージョン(クロスオーバー)を演奏しました。 迫力のあるウッディ・ハーマンのAfter Hoursはアルバム「BRAND NEW」で試聴出来ます。
ブルースギタリストのエディ・テイラーの"After Hours"の試聴はReady for Eddie...Plus - Amazon.com
世界で最高の無名なギタリストと呼ばれた偉大なテレキャスター・マスター(ブルースギター奏者)のRoy Buchanan(ロイブキャナン)の"After Hours"の試聴はSweet Dreams: The Anthology - Amazon.com
ちなみに1988年に監房内で命を絶ったロイ・ブキャナンのギターモデルの一つでシンラインタイプというのはなかなか見つからないそうです。

1985年にジャズ好きのMartin Scorsese(マーティン・スコセッシ)が監督したブラックコメディの「After Hours( アフター・アワーズ)」はレイ・ブライアントとは全く関連ありませんが、映画では"演奏が終った後"ではなく、会社の"仕事を終えた"男が遭遇する摩訶不思議なニューヨークの一夜の体験物語です。  1996年の「Striptease(素顔のままで)」や2004年の「The Aviator(アビエイター)」の他、 「The Lord of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)」シリーズの音楽を担当したHoward Shore(ハワード・ショア)の「After Hours」のサウンドトラックにはJohann Sebastian Bach(J. S. Bach/バッハ)の"Air On The G String(G線上のアリア)やPeggy Lee(ペギー・リー)の"Is That All There Is"の他、Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)作曲の"I Don't Know Where I Stand"や、The Monkees(ザ・モンキーズ)の"Last Train to Clarksville(恋の終列車)"などの曲が使用されています。(ジョニ・ミッチェルは「Gershwin's World: Herbie Hancock」のボーカルも素晴らしい。)

Jazz After Hours
1984年から続くアメリカの深夜放送の"Jazz After Hours"ではゲストにジャズメンを迎えてのおしゃべりも組み込んだジャズ番組ですがその番組のテーマ曲にレイ・ブライアントが1972年に参加したMontreux Jazz Festivalでの"After Hours"を使用しています。 毎週末の真夜中から朝7時まで放送されるこの番組は過去にゲストとして出演したRay Brown(レイ・ブラウン)をはじめディジー・ガレスピー、Max Roach(マックス・ローチ)、Milt Jackson(ミルト・ジャクソン)、Joe Henderson(ジョー・ヘンダーソン)といった大物ジャズメンにも賞賛されているそうです。
"Public Radio International"経由で配信されている"Jazz After Hours"がオンラインで聴けるリストはJazzAfterHours.org(番組表はPlaylist - PublicBroadcasting.net
ちなみに現在、2007年3月10日(土)のプレイリストではオープニングとクロージングのテーマ曲がレイ・ブライアントの"After Hours"であることはもちろんのこと、 ざっと見てもHarry Connick Jr.、Thelonious Monk、Wynton Marsalis、Dexter Gordon、Woody Herman、Kenny Drew、Clifford BrownErroll Garner、Zoot Simsなどと有名なミュージシャンのオンパレードです。

ListenRay Bryant(レイ・ブライアント)の"After Hours"が聴けるJazz After Hours - theme song

ビバップのトランペッターのディジー・ガレスピー、テナーサックスのソニー・ロリンズ、サックス奏者のSonny Stitt(ソニー・スティット)などと共演して"After Hours"が収録されているオリジナルが1957年の国内盤
Sonny Side Upソニー・サイド・アップ
CD画像はディジー・ガレスピー、ソニー・スティッツとソニー・ロリンズです。
(輸入盤の「Sonny Side Up」も Amazonで見つかります。)

Alone at Montreux
ページトップの画像はレイ・ブライアントが演奏するAfter HoursやWillow Weep for Me(柳よ泣いておくれ)、代表曲のCubano ChantやLittle Susie(リトル・スージー)などを収録したライヴアルバム「Alone at Montreux」ですがこちらも試聴がありません。
※国内盤は"アフター・アワーズ"をはじめ、"柳よないておくれ"、"スローフレイト"、"リトル・スージー"などを収録したアローン・アット・モントルー(紙ジャケット仕様)
☆クリップは短いですが、レイ・ブライアントのCubano ChantやLittle Susieなどが試聴できるRay Bryant - Radio Swiss Jazz

ベースのレイ・ブラウンがかって共演したことがあるMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)時代ののMilt Jackson(ミルト・ジャクソン)のヴィブラフォンで演奏された"Django"をレイ・ブライアントのビアでレイ・ブライアント・トリオが演奏する一押しの1994年発売のアルバムでGolden Earrings、Angel Eyes、Djangoなどを収録しています。 オリジナルのリリースは1957年だとか。
Ray Bryant TrioRay Bryant Trio
2010年6月発売の国内盤は「レイ・ブライアント・トリオ

ブルー・モンクやミスティなどブルースのスタンダード曲を収録した1959年の名盤LPのCD化、レイ・ブライアント・トリオの国内盤アルバム
Ray Bryant Playsレイ・ブライアント・プレイズ
試聴はRay Bryant Plays [Toshiba Japan] - Amazon.com

Good Morning Heartache、Manteca、Li'l Darlin'などを収録のアルバムでオリジナルは1976年
Here's Ray BryantHere's Ray Bryant
全曲試聴はHere's Ray Bryant - Amazon.com

レイ・ブライアントの代表曲の一つである"Little Susie"とはレイ・ブライアントが娘のスージーに捧げた曲で1960年のLPバップ・アルバムLittle Susieのタイトル曲として収録されました。 メンバーはピアノのレイ・ブライアントの他、ベースがレイ・ブライアントの弟のTommy Bryant(トミー・ブライアント)、ドラムがGus Johnson(ガス・ジョンソンが4-9、その他はEddie Locke(エディ・ロック)ですが、現在はCD化されて"Plays the Complete Little Susie"としてリリースされていますが最後の2曲がオリジナルのアルバム"Little Susie"からだそうです。

Sound Ray
オリジナルは1969年に日本でリリースされたらしいアルバムで、Song for My Father、Con Alma、Scarborough Fair、Stick With It、Broadway、Lil' Darlin'、Look of Love、Sound Ray、以上8曲が収録されていますが現在はヴィンテージ価格です。(ASIN: B00005626J)

Ray's Tribute to His Jazz Piano Friends
☆CD画像は見つかりませんがレイ・ブライアント・トリオが演奏する偉大なるジャズピアニストへのトリビュート・アルバムは"Ray's Tribute to His Jazz Piano Friends"です。
Count Basie(カウント・ベイシー)の"C-Jam Blues"をはじめ、Duke Ellington(デューク・エリントン)、Thelonious Monk(セロニアス・モンク)などのジャズピアノの巨匠の代表曲を演奏しています。
※この他、別に「Plays Basie and Ellington」というCDもあります。
Elevation Suite(Impressions - So What - Elevation)
エレヴェーション組曲(インプレッションズ、ソー・ホワット・エレヴェイション)を収録したレイ・ブライアント・トリオのCDはコンピレーションの「STANDARD JAZZ BAR」です。

Ray Bryant DVD
2004年リリースのDVD "Norman Granz' Jazz in Montreux presents Ray Bryant '77"
Norman Granz' Jazz in Montreux presents Ray Bryant '77Norman Granz Jazz in Montreux (Dol Dts)
国内盤の「ノーマン・グランツ・パブロ・ジャズ・シリーズ イン・モントルー'77」もあります。
オリジナルは1977年のSt. Louis Blues、デューク・エリントン・ナンバー、John Lewis(ジョン・ルイス)の曲などのスタンダードナンバーをレイ・ブライアント流に料理した人気ライヴアルバムの"Montreux '77"にはレイ・ブライアントの挨拶も入っています。
人種差別を嫌ったユダヤ系のNorman Grantz(ノーマン・グランツ)はヴァーヴとパブロの設立者であり、50年代にElla Fitzgerald.(エラ・フィッツジェラルド)のマネージャもしたことがあるそうです。

Ray Bryant Meets Ray Brown +1 Double R B
オスカー・ピ-ターソン・トリオのベース奏者だったRay Brown(レイ・ブラウン)とレイ・ブライアントの1995年のスタジオセッション盤は名義がレイ・ブラウンで、二人のイニシャルが同じなので"Double R and B"となっています。
Ray Bryant Meets Ray Brown
収録曲目はGlory Glory、Two RB's、Delaunay's Dilemma、Come Sunday、Just Sweet Enough、Con Alma、Nickel Whistle、Dr. Free-Zee、Song For My Father、Smack Dab In The Middle、First Songですが、収録曲の中の1曲「Song For My Father(ソング・フォー・マイ・ファーザー)」をとってアルバム名としているCDもあるようですがどこにも試聴が見つかりません。

Alone with the Blues
オリジナルは1958年のVan Gelder Studio録音という「Alone with the Blues」はレイ・ブライアントのソロピアノでスタンダードのLover ManやRockin' Chairの他はレアなブルース7曲を収録しています。
試聴はAlone with the Blues - Amazon.com

Sound Ray (1969)
オリジナルは1969年に日本でリリースされたらしい幻のアルバムがあります。 2000年まではCDがリリースされていたようですが現在は見つかりません。
演奏曲目はアルバムタイトル曲となっている"Sound Ray"の他、Broadway、Scarborough Fair、Stick With It、Li'l Darlin' 、Con Alma、The Look Of Loveなど全7曲です。 演奏メンバーはレイ・ブライアントのピアノにベースがJimmy Rowser(ジミー・ロウザー)でドラムがHarold White(ハロルド・ホワイト)です。



竜巻、参上!日本も直撃か?
70年代までの黒人ブルース好きのわたしは今時の白人のブルースには興味がない筈なのですが、Tab Benoit(タブ・ベノワ)やDr. Duke Tumatoe(ドクター・デューク・ トゥマトー)に続いて、カナダの白人ブルース・バンドのThe Twisters(ザ・トゥイスターズ)を紹介してしまいます。
※もちろん、The Twisters(ザ・トゥイスターズ又はザ・トウィスターズ)といっても60年代のエレキバンドのThe Twistersではありません。 ミシシッピのデルタブルース、シカゴ・シャッフル、ウエストコーストのジャンプブルース、ファンキーなルイジアナ・スワンプなどを網羅したようなブルースが「ザ・トゥイスターズ」の音楽だそうです。 わっかるかな? 昔ならツイスターズと呼ばれたことでしょう。

カナダではトップクラスのジャンプ・ブルースの4人組みバンドである"The Twisters(ザ・トゥイスターズ)"は2005年秋のPrince George(プリンス ジョージ)での公演に向かう途中に起こった小型トラックの事故により2001年からメンバーだったベース奏者のJames Taylor(ジェームズ・テイラー)を亡くしました。(ジェームズ・テイラーといっても70年代のシンガーソングライターやJames Taylor Quartetのジャズキーボード奏者のJames Taylorではありません。) 全員が負傷した上にバンドのサウンドには不可欠なベースを失い、解散の危機にあったザ・トゥイスターズでしたが熱烈なファンの励ましを得て、その後、新しいバス奏者のKeith Picot(キース・ピコ)を迎え立ち直ったという経緯があります。 ロカビリーならぬ"Blues-a-Billy"の異名をとるオリジナルのジャンプブルースの曲に加えてノリノリの新曲も収録したNorthern Bluesアルバム"After The Storm"が2006年の秋にリリースされました。 このアルバムはピアノのKenny "Blues Boss' Wayne(ケニー・ブルース・ボス・ウェイン)が参加していて"Thick or Thin"などではウェインのキーボードが聴かれます。
※33歳で惜しくも命を落としたベース奏者のJames Taylor(ジェイムス・テイラー)はトランペットやボーカルも担当したそうです。(70年代のシンガー・ソングライターのJames Taylorやジャズ・ファンクのJames Taylor Quartetのキーボード奏者ではありません。)

The Twisters - YouTube
Kenny "Blues Boss" Wayne - YouTube

バンドのオリジナルメンバーでサンフランシスコ出身のDave "Hurricane" Hoerl(デイヴ・ハリケーン・ホアル又はハウル)はブルースハープ(ハーモニカ)とヴォーカルを担当していますが、ホアルの歌う"Honest to Goodness"は心惹かれる曲で、シカゴブルース界のチャート・トッパーの一人であるJimmy Reed(ジミー・リード)の1960年の代表曲"Baby what you want me to do"のようなビブラートが効いています。 ホアルは"Second Wind"でもブルースハープを吹いています。 "Thick or Thin"の方はかなりロック調です。 音楽を初めマルチタレントのChris Isaak(クリス・アイザック)の弟だという30代のBrandon Isaak(Yukon Slim)はウエストコースト風なギター奏者兼ボーカリストでファンキーな"Nobody"などを歌っています。 事故当時は重症を追ったドラマーのMatt Pease(マット・ピーズ)は最新メンバーとはいえども20年ほどのドラマー・キャリアを持ちヴォーカルも担当しています。

今ならアルバムの「Long Hard Road」が入手出来るという「ザ・トゥイスターズ」のカナダのオフィシャルサイトはThe Twisters Official Site
アルバム「Live at the Harvest Festival」はカナダのアマゾンにあるそうですが試聴は見つかりません。
The Twisters - Live At Harvest Fest - Amazon.ca

Listen「ザ・トゥイスターズ」の写真もいっぱい!
2006年のアルバム「After the Storm」、2002年の「Live at the Harvest Festival」と、サイトの右上の"MP3 AUDIO SAMPLES"でCanadian Independent Music AwardでBest Blues Albumを受賞したアルバム「Long Hard Road」から何曲か試聴できるThe Twisters - Turner Music and Events
※曲の説明とメンバー紹介がありますがサンプルのMP3ファイルが大きいのでPCの環境によってはダウンロードに少々時間がかかるようです。

After The Storm
ページトップのCD画像は2006年の秋にリリースされたNorthern Bluesレーベルのアルバム「After The Storm」で日本では2007年に発売されました。
心地よくブルースに酔いしれているヴォーカルの数々を聴いてみて下さい。
♪ 試聴はAfter The Storm - Amazon.com
アルバム"After The Storm"での最後の曲"Bye Bye Bird"はSonny Boy Williamson 2(サニー・ボーイ・ウィリアムソン Ⅱ)のBye Bye Birdをカバーしたものだとか。

2001年に設立されたカナダのブルース専門のインディ・レーベル"NorthernBlues Music"ではBlues Music Awardsを受賞したアーティストがかなりいるそうです。 "NorthernBlues Music"のアーティスト・ページ、Hwlin' the Bluesでも「ザ・トゥイスターズ」のバイオやCDのレビューがあり、ザ・トゥイスターズの"I'm Your Man"などの試聴はMP3とReal Playerのフォーマットが選べます。

Recent Comments

  • koukinobaaba: ”クレズマー”かどう read more
  • こまっちゃクレ: 日本ではこまっちゃク read more
  • koukinobaaba: 当時サニー・オズーナ read more
  • @Temezawa: Talk to me read more
  • koukinobaaba: 「キング・カーティス read more
  • まさ: キング・カーティスの read more
  • ますだたてひこ: BBへ  昔お世話に read more
  • koukinobaaba: Mike Stoll read more
  • koukinobaaba: ややこしいところにご read more
  • Aquira Kusume: 上の、America read more
Powered by Movable Type 4.261