
♪ Gotta Travel On from Alone at Montreux - iLike.com
The Great Jazz Pianist: Ray Bryant With His Hands Wide Open
Ray Bryant Trio
レイ・ブライアントの大きな両手を見て下さい! 白魚のような指先で奏でるクラシックのピアニストの手とは違って、レイ・ブライアントのようなジャズピアニストはOscar Peterson(オスカー・ピ-ターソン)のごつい手同様にグローブのようです。 この左手がピアノのキーを力強くたたくのです。
フィラデルフィア出身のジャズピアニストであるレイ・ブライアントは、1940年代から家族を含むメンバーで演奏活動を始め、1953年にはBlue Noteレーベル専属のピアニストとなりビバップのCharlie Parker(チャーリー・パーカー)やMiles Davis(マイルス・デイヴィス)やLester Young(レスター・ヤング)などのバックを務めたこともあります。 1957年のデッカで録音したアルバム「After Glo」で代表されるように1956年から1957年までCarmen McRae(カーメン・マクレエ)のバックをつとめたピアニストとしても知られています。 1958年頃にはジャズテナーのColeman Hawkins(コールマン・ホーキンス)やRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)と組んでツアーをしたことがあるレイ・ブライアントはその後、バップ・ピアニストとしてマイルス・デイヴィスやSonny Rollins(ソニー・ロリンズ)などの大物ジャズメンとも共演しています。 とはいえ、レイ・ブライアントはバップにとどまらずブルース、ブギウギ、ゴスペルと幅広くスウィンギーな演奏を聴かせてくれます。
レイ・ブライアントは1959年にニューヨークに落ち着き自分のバンド"Ray Bryant Trio(レイ・ブライアント・トリオ)"を結成しました。 レイ・ブライアントが作曲した哀愁の"Cubano Chant(クバーノ・チャント)"やファンキーな"Little Susie(リトル・スージー)"の他にもたくさんの素晴らしい演奏があり、ソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmの統計によると人気ナンバーワンはRay Bryant Quintetの演奏で1968年の"Up Above the Rock"だそうです。 現在はGolden Earrings、Django、Angel Eyesに続き、スウィングしている1955年の"After Hours"はLast.fmのチャートで14番目になっています。
Oscar Peterson Plays Cubano Chant
Golden Earrings
私の好きなGolden Earrings(金の耳飾り)という曲は、Billy Wilder(ビリー・ワイルダー)監督のThe Lost Weekend(失われた週末)に主演したRay Milland(レイ・ミランド)が英国諜報員を演じ、Marlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)がハンガリーのジプシー役で出演した1947年のアメリカ映画「Golde Earrings(黄金の耳飾り)」のテーマ曲としてYoung Victor(ヴィクター・ヤング)が作曲し、Ray Evans(レイ・エヴァンス)が作詞したそうです。 元となった曲はスペインのバイオリン奏者のPablo de Sarasate(サラサーテ)が作曲した"Gypsy Airs(ロマの旋律)"又はZigeunerWeisen(チゴイネルワイゼン)という曲です。 実際にはジプシーはイヤリングではなく耳を突き通すピアスを使用します。 映画の中ではデートリッヒではなく、仲間のジプシーを演じた俳優の"Murvyn Vye(マーヴィン・ヴァイ)"が歌いましたが後にPeggy Lee(ペギー・リー)やDinah Shore(ダイナ・ショア)などのバージョンでも大ヒットした他、Bobby Darin(ボビー・ダーリン)やWillie Nelson(ウィリー・ネルソン)も歌ったほど人気の曲です。
フランス語のタイトルは「Les Anneaux d'or(黄金の耳飾り)」という映画の内容は、独ナチスの捕虜となった英国諜報員が脱走し、ディートリッヒが演じるジプシー女が彼の耳に金の耳輪をつけてジプシーに変装させた上に手相占いも伝授してゲシュタボの目を欺いたという第二次世界大戦を舞台にしたラヴロマンスです。
レイ・ブライアントは日本でも大人気のピアニストで、特にこのRay Bryant Trio(レイ・ブライアント・トリオ)が1957年に録音した"Golden Earrings(ゴールデン・イアリング)"はその昔、耳にタコが出来るくらい頻繁にラジオから流れて来ましたから私のような一般のリスナーなら"Golden Earrings"がレイ・ブライアントの代表曲だと思ったかもしれません。
Golden Earrings - Ray Bryant Trio - YouTube
1968年にLPレコードがリリースされて以来人気のタイトル曲"Up Above the Rock"の試聴はRay Bryant - Last.fm (国内盤Pony Canyonの「GODFATHER / RAY BRYANT」にも収録されていますが試聴はありません。)
※レイ・ブライアント・トリオのメンバーはピアノにレイ・ブライアント、ドラムがWinard Harper(ウイナード・ハーパー) 、ベースがRay Drummond(レイ・ドラモンド)です。
レイ・ブライアントの"Up Above the Rock"が聴けるwfmuラジオのプレイリストはFebruary 9, 2007: A pre-Mardi Gras taste of New Orleans (Listen to this show in RealAudioをクリックですがDJとかぶっています。 Hey!)
Ray Bryant - Up Above the Rock - YouTube
After Hours by Avery Parrish
"After Hours"は薄命のピアニストのAvery Parrish(エイヴェリー・パリッシュ)の作曲によるピアノのブルース曲で、1940年に初めて録音されました。 エイヴェリー・パリッシュはトランペッターのErskine Hawkins(アースキン・ホーキンス)が率いるハーレムのサヴォイでは人気のスイングバンド"The Erskine Hawkins band"に1941年までピアニストとして在籍していましたが、ロスアンジェルスの酒場で起きた喧嘩による損傷から部分麻痺状態となり音楽活動は終わっています。 時にエイヴェリー・パリッシュは24歳だったといいます。 残念なことにエイヴェリー・パリッシュ名義のアルバムは一枚もありませんが、たった一曲の"After Hours"の作曲により後世ブルース・ミュージシャンとして名が残っています。
Erskine Hawkins - After Hours - YouTube
After Hours by Ray Bryant
"After Hours"はなんていってもレイ・ブライアント! "Slow Freight"や"The Madison Time"、"Sack of Woe"などを作曲したといわれるレイ・ブライアントの演奏で有名でしたが、他のミュージシャンも取り上げてピアノのスタンダード曲となったそうです。 オリジナルは1966年という"Slow Freight(スロー・フレイト)"をアルバム・タイトルにしたレイ・ブライアント のCDが日本でもリリースされましたが現在は入手困難です。("Satin Doll(サテン・ドール)"や"If You Wanna Go Away(イフ・ユー・ゴー・アウェイ)"など7曲収録)
"After Hours"はDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー楽団)、Woody Herman(ウッディ・ハーマン楽団)、Quincy Jones & his Orchestra(クインシー・ジョーンズ楽団)、Jay McShann、Buck Clayton、Hazel Scott(ヘイゼル・スコット)等が演奏した他、ギターだとEddie Taylor(エディ・テイラーのアルバム「Ready for Eddie」)、ヴォーカルではAretha Franklin(アレサ・フランクリン)やMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)などのバージョンもあるそうです。
「Jazz After Hours With Sarah Vaughan」というアルバムでは、Sarah Vaughan(サラ・ヴォーン)のアルバムの「After Hours」では試聴の1番が"After Hours"となっているのもありますが"My Favorite Things"です。
※"ヘイゼル・スコット"といえばArt Blakey and Jazz-Messengers au Club Saint-Germain(サンジェルマンのアートブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ)のMoanin' With Hazelでの感激した叫び声が収録されたトリニダード出身のピアニストでしたね。
ウディ・ハーマン楽団といえば、1987年に亡くなりましたが、1930年代から活躍してきたサックスやクラリネット奏者及び歌手であるウッディ・ハーマンが率いるバンドでスイング時代には超人気のビッグバンドでしたが60年代後期からエレキサウンドを取り入れロックビートに挑戦し、その後はモダン・ビッグ・バンドとしてフュージョン(クロスオーバー)を演奏しました。 迫力のあるウッディ・ハーマンのAfter Hoursはアルバム「BRAND NEW」で試聴出来ます。
ブルースギタリストのエディ・テイラーの"After Hours"の試聴はReady for Eddie...Plus - Amazon.com
世界で最高の無名なギタリストと呼ばれた偉大なテレキャスター・マスター(ブルースギター奏者)のRoy Buchanan(ロイブキャナン)の"After Hours"の試聴はSweet Dreams: The Anthology - Amazon.com
ちなみに1988年に監房内で命を絶ったロイ・ブキャナンのギターモデルの一つでシンラインタイプというのはなかなか見つからないそうです。
1985年にジャズ好きのMartin Scorsese(マーティン・スコセッシ)が監督したブラックコメディの「After Hours( アフター・アワーズ)」はレイ・ブライアントとは全く関連ありませんが、映画では"演奏が終った後"ではなく、会社の"仕事を終えた"男が遭遇する摩訶不思議なニューヨークの一夜の体験物語です。 1996年の「Striptease(素顔のままで)」や2004年の「The Aviator(アビエイター)」の他、 「The Lord of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)」シリーズの音楽を担当したHoward Shore(ハワード・ショア)の「After Hours」のサウンドトラックにはJohann Sebastian Bach(バッハ)の"Air On The G String(G線上のアリア)やPeggy Lee(ペギー・リー)の"Is That All There Is"の他、Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)作曲の"I Don't Know Where I Stand"や、The Monkees(ザ・モンキーズ)の"Last Train to Clarksville(恋の終列車)"などの曲が使用されています。
Jazz After Hours
1984年から続くアメリカの深夜放送の"Jazz After Hours"ではゲストにジャズメンを迎えてのおしゃべりも組み込んだジャズ番組ですがその番組のテーマ曲にレイ・ブライアントが1972年に参加したMontreux Jazz Festivalでの"After Hours"を使用しています。 毎週末の真夜中から朝7時まで放送されるこの番組は過去にゲストとして出演したRay Brown(レイ・ブラウン)をはじめディジー・ガレスピー、Max Roach(マックス・ローチ)、Milt Jackson(ミルト・ジャクソン)、Joe Henderson(ジョー・ヘンダーソン)といった大物ジャズメンにも賞賛されているそうです。
"Public Radio International"経由で配信されている"Jazz After Hours"がオンラインで聴けるリストはJazzAfterHours.org(番組表はPlaylist - PublicBroadcasting.net)
ちなみに現在、2007年3月10日(土)のプレイリストではオープニングとクロージングのテーマ曲がレイ・ブライアントの"After Hours"であることはもちろんのこと、 ざっと見てもHarry Connick Jr.、Thelonious Monk、Wynton Marsalis、Dexter Gordon、Woody Herman、Kenny Drew、Clifford Brown、Erroll Garner、Zoot Simsなどと有名なミュージシャンのオンパレードです。
Ray Bryant(レイ・ブライアント)の"After Hours"が聴けるJazz After Hours - theme song
ビバップのトランペッターのディジー・ガレスピー、テナーサックスのソニー・ロリンズ、サックス奏者のSonny Stitt(ソニー・スティット)などと共演して"After Hours"が収録されているオリジナルが1957年の国内盤
ソニー・サイド・アップ
CD画像はディジー・ガレスピー、ソニー・スティッツとソニー・ロリンズです。
(輸入盤の「Sonny Side Up」も Amazonで見つかります。)
Alone at Montreux
ページトップの画像はレイ・ブライアントが演奏するAfter HoursやWillow Weep for Me(柳よ泣いておくれ)、代表曲のCubano ChantやLittle Susie(リトル・スージー)などを収録したライヴアルバム「Alone at Montreux」ですがこちらも試聴がありません。
※国内盤は"アフター・アワーズ"をはじめ、"柳よないておくれ"、"スローフレイト"、"リトル・スージー"などを収録したアローン・アット・モントルー(紙ジャケット仕様)
☆クリップは短いですが、レイ・ブライアントのCubano ChantやLittle Susieなどが試聴できるRay Bryant - Radio Swiss Jazz
ベースのレイ・ブラウンがかって共演したことがあるMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)時代ののMilt Jackson(ミルト・ジャクソン)のヴィブラフォンで演奏された"Django"をレイ・ブライアントのビアでレイ・ブライアント・トリオが演奏する一押しの1994年発売のアルバムでGolden Earrings、Angel Eyes、Djangoなどを収録しています。 オリジナルのリリースは1957年だとか。
Ray Bryant Trio
2010年6月発売の国内盤は「レイ・ブライアント・トリオ」
ブルー・モンクやミスティなどブルースのスタンダード曲を収録した1959年の名盤LPのCD化、レイ・ブライアント・トリオの国内盤アルバム
レイ・ブライアント・プレイズ
試聴はRay Bryant Plays [Toshiba Japan] - Amazon.com
Good Morning Heartache、Manteca、Li'l Darlin'などを収録のアルバムでオリジナルは1976年
Here's Ray Bryant
全曲試聴はHere's Ray Bryant - Amazon.com
レイ・ブライアントの代表曲の一つである"Little Susie"とはレイ・ブライアントが娘のスージーに捧げた曲で1960年のLPバップ・アルバムLittle Susieのタイトル曲として収録されました。 メンバーはピアノのレイ・ブライアントの他、ベースがレイ・ブライアントの弟のTommy Bryant(トミー・ブライアント)、ドラムがGus Johnson(ガス・ジョンソンが4-9、その他はEddie Locke(エディ・ロック)ですが、現在はCD化されて"Plays the Complete Little Susie"としてリリースされていますが最後の2曲がオリジナルのアルバム"Little Susie"からだそうです。
Sound Ray
オリジナルは1969年に日本でリリースされたらしいアルバムで、Song for My Father、Con Alma、Scarborough Fair、Stick With It、Broadway、Lil' Darlin'、Look of Love、Sound Ray、以上8曲が収録されていますが現在はヴィンテージ価格です。(ASIN: B00005626J)
Ray's Tribute to His Jazz Piano Friends
☆CD画像は見つかりませんがレイ・ブライアント・トリオが演奏する偉大なるジャズピアニストへのトリビュート・アルバムは"Ray's Tribute to His Jazz Piano Friends"です。
Count Basie(カウント・ベイシー)の"C-Jam Blues"をはじめ、Duke Ellington(デューク・エリントン)、Thelonious Monk(セロニアス・モンク)などのジャズピアノの巨匠の代表曲を演奏しています。
※この他、別に「Plays Basie and Ellington」というCDもあります。
Elevation Suite(Impressions - So What - Elevation)
エレヴェーション組曲(インプレッションズ、ソー・ホワット・エレヴェイション)を収録したレイ・ブライアント・トリオのCDはコンピレーションの「STANDARD JAZZ BAR」です。
Ray Bryant DVD
2004年リリースのDVD "Norman Granz' Jazz in Montreux presents Ray Bryant '77"
Norman Granz Jazz in Montreux (Dol Dts)
国内盤の「ノーマン・グランツ・パブロ・ジャズ・シリーズ イン・モントルー'77」もあります。
オリジナルは1977年のSt. Louis Blues、デューク・エリントン・ナンバー、John Lewis(ジョン・ルイス)の曲などのスタンダードナンバーをレイ・ブライアント流に料理した人気ライヴアルバムの"Montreux '77"にはレイ・ブライアントの挨拶も入っています。
人種差別を嫌ったユダヤ系のNorman Grantz(ノーマン・グランツ)はヴァーヴとパブロの設立者であり、50年代にElla Fitzgerald.(エラ・フィッツジェラルド)のマネージャもしたことがあるそうです。
Ray Bryant Meets Ray Brown +1 Double R B
オスカー・ピ-ターソン・トリオのベース奏者だったRay Brown(レイ・ブラウン)とレイ・ブライアントの1995年のスタジオセッション盤は名義がレイ・ブラウンで、二人のイニシャルが同じなので"Double R and B"となっています。
Ray Bryant Meets Ray Brown
収録曲目はGlory Glory、Two RB's、Delaunay's Dilemma、Come Sunday、Just Sweet Enough、Con Alma、Nickel Whistle、Dr. Free-Zee、Song For My Father、Smack Dab In The Middle、First Songですが、収録曲の中の1曲「Song For My Father(ソング・フォー・マイ・ファーザー)」をとってアルバム名としているCDもあるようですがどこにも試聴が見つかりません。
Alone with the Blues
オリジナルは1958年のVan Gelder Studio録音という「Alone with the Blues」はレイ・ブライアントのソロピアノでスタンダードのLover ManやRockin' Chairの他はレアなブルース7曲を収録しています。
試聴はAlone with the Blues - Amazon.com
Sound Ray (1969)
オリジナルは1969年に日本でリリースされたらしい幻のアルバムがあります。 2000年まではCDがリリースされていたようですが現在は見つかりません。
演奏曲目はアルバムタイトル曲となっている"Sound Ray"の他、Broadway、Scarborough Fair、Stick With It、Li'l Darlin' 、Con Alma、The Look Of Loveなど全7曲です。 演奏メンバーはレイ・ブライアントのピアノにベースがJimmy Rowser(ジミー・ロウザー)でドラムがHarold White(ハロルド・ホワイト)です。


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