June 2007 Archives



Big Mama Thornton (1926 - 1984)
ビッグ・ママ・ソーントンはWillie Mae "Big Mama" Thornton (ウィリー・メイ・ビッグ・ママ・ソーントン)と表記されることもあります。 エルヴィス・プレスリーの代表曲の一つであるHound Dog(ハウンドドッグ)は、実はRhythm & Bluesの歌手である元気溢れるビッグ・ママ・ソーントンの1953年の大ヒット曲だったのです。 一連のThe Coasters(コースターズ)のヒット曲を提供したJerry Leiber-Mike Stoller(リーバー=ストーラー)がビッグ・ママ・ソーントンのために書いた曲「ハウンドドッグ」をプロデュースしたJohnny Otis Orchestra(ジョニー・オーティス楽団)をバックにビッグ・ママ・ソーントンが歌い、連続7週に渡ってBillboard R & Bのチャートでトップに輝くという快挙を成し遂げました。 歌詞についてはジョニーー・オーティスも主張したので著作権論争が生じたそうです。 例のごとくR & B特有のあけすけな歌詞は書き換えられて再録音されたそうです。
1945年のHarlem Nocturne(ハーレムノクターン)のヒットで有名になったジョニー・オーティスは50年代ウェストコーストで活躍したドラマーでバンドリーダーでロックンロールの父とも呼ばれました。
ビッグ・ママ・ソーントンのハウンドドッグが大ヒットしたその後の1956年にエルヴィス・プレスリーがカバーしたロックンロールの「ハウンドドッグ」はそれよりもヒットしてしまったのです。 エルビス以外に秀逸なバージョンというと短命のロックギタリストのJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)がブルース調でカバーした他にビッグ・ママ・ソーントン同様にジョニー・オーティス楽団のバックで録音したロックンロールのLittle Richard(リトル・リチャード)が歌いました。
Jimi Hendrix - Hound Dog - YouTube
Elvis Presley - Hound Dog 1956 - YouTube
Little Richard - Hound Dog - YouTube

OOOOoooow! Aw, get it, get it, get it!
ビッグ・ママの脅威的な唸り声は独特だったのにビッグ・ママ・ソーントンの素晴らしさが広く一般に理解されなかったことは実に残念なことでした。 「ブルースの皇后」と呼ばれたほどの声量を持ったBessie Smith(ベッシー・スミス)や「ブルースの母」と呼ばれたMa Rainey(マー・レイニー)に次ぐかともいわれるパワフルなビッグ・ママ・ソーントンは定めし、淡谷のり子ではないですが「ブルースの女王」かもしれません。 しかし全国的な大ヒットは「ハウンドドッグ」の1曲だけです。 ダイナミックで傑出したシャウトはウエストコーストのブルース界では一目置かれ、屈指の巨体でドラムまで叩き、1960年代にはブルースハープもよく演奏しました。 ビッグ・ママ・ソーントンはメンフィスでの1940年代から1950年代が最盛期でしたが、その後もカリフォルニアに移り活動を続け、ヨーロッパで公演したりと70年代にも活躍していました。
※Jerry Leiber-Mike Stoller(リーバー=ストーラー)のコンビは1950年代にはElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)やThe Coasters(コースターズ)の多くのヒット曲を書いたソングライター&プロデューサーです。
ソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmのビッグ・ママ・ソーントンのチャートでもハウンドドッグが一番人気で次が1968年のBall And Chainです。 その他の曲はJust Like A Dog、I Smell A Rat、Rock-A-Bye Baby、Stop A-Hoppin' On Me、How Come、They Call Me Big Mama、You Don't Move Meなどですが、Hard Times、Walking Blues、I've Searched The Whole World Over、No Moreなどの哀愁を帯びたスローなバラードも歌っています。
ビッグ・ママ・ソーントンは60年代にはもうヒットチャートに入ることありませんでした。 男勝りのビッグ・ママ・ソーントンでしたが、心臓が悪くなった晩年は見るからにげっそりと痩せこけてかってのふくよかさの影も見られなかったようです。
ブルースハープのLittle WalterやブルースギタリストのHound Dog Taylorと組んだこともあるブルース・ウーマンのKoko Taylor(ココ・テイラー)が1993年のAlligatorアルバム"Force of Nature"にビッグ・ママ・ソーントンのHound Dog、63 Year Old Mama、Put the Pot On、Spellboundなどをカバーしています。

Big Mama Thornton - Hound Dog 78rpm- YouTube
Big Mama Thornton - Rock me (Oregon 1971) - YouTube

Hound Dog: The Peacock Recordings日本ではマイナーだけどビッグなBig Mama ThorntonのCD
☆ページトップの画像はビッグ・ママ・ソーントンのPeacock時代の人気アルバムでHound Dog: The Peacock Recordingsで、Hound Dogはもちろん、Rock-A-Bye BabyやLaugh, Laugh, LaughなどをJohnny Otis Orchestra(ジョニー・オーティス楽団)をバックにパワフルに歌っています。
Big Mama Thornton - Rock-A-Bye Baby on Hound Dog / The Peacock Recordings - Amazon.com

Ball N' Chain
Ball N' Chain
Ball N' Chain by Big Mama Thorntonオリジナルは1968年に録音された人気アルバムで1965年から1968年のビッグ・ママ・ソーントンのレコーディングを集めてあります。 代表曲のHound Dogはもちろん、タイトル曲のBall N' Chainをはじめ、Sweet Little AngelやLittle Red Rosterなどのブルージーな曲を収録していますが、Unlucky Girlはエルヴィスに抜かれてまさに運の悪いビッグ・ママ・ソーントン自身を歌ったのかと思ったFBIに尾行された不満のことらしいです。 最初から8曲目までの1965年録音では"Sweet Home Chicago"などで泣けるブルースギターのBuddy Guy(バディ・ガイ)のギターをフィーチャーし、その次の5曲はMuddy Waters Blues Band(マディ・ウォーターズ・ブルース・バンド)と共に吹き込んでいます。

They Call Me Big Mama
They Call Me Big Mama
ハーモニカも演奏したビッグ・ママ・ソーントンがカバー画像に使用されたベスト盤はページトップのアルバム「Hound Dog: The Peacock Recordings」にも収録されている"They Call Me Big Mama"がアルバムのタイトルになっています。 オリジナル発売は1991年というこのCDには"Hound Dog"をはじめ"Rockabye Baby"や"Willie Maes Blues"など23曲が収録されています。
全曲試聴はThey Called Me Big Mama
Big Mama Thornton I Ain't No Fool Either (Definitive Collection) - Rádio UOL

ビッグ・ママ・ソーントンのその他のアルバムには初期の22曲が収録されたClassicsレーベルの1950-1953、Rolling Stoneが収録されているVanguardレーベルのSassy Mama、SpectrumレーベルのThe Complete Vanguard Recordingsなどがありますが、なんといっても50年代のPeacock盤が一番です。
「Big Mama the Queen at Monterey 1967」は見つかりませんが、晩年にはMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)のGunsmoke Blues Live 1971ガンスモーク・ブルーズ・ライヴ 1971に出演し、人気のBall And Chainを歌っているそうです。

Hi Tide Harris
1967年のビッグ・ママ・ソーントンのバンドにはサンフランシスコ出身のドゥーワップからウエストコースト・ブルースマンになったギター名人のHi Tide Harris(ハイ・タイド・ハリス)が参加していたそうです。1975年の映画「Mandingo(マンディンゴ)」や「Isadra(裸足のイサドラ)」の音楽を担当したMaurice Jarre(モーリス・ジャール)に依頼されてMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)が歌うテーマ曲の"Born in This Time"を作曲したハイ・タイド・ハリスはセッションに参加したとか。 又、1978年にはB.B. King(B.B.キング )とAlbert king(アルバート・キング)の"Roots of Blues Festival"に参加し、初アルバムの"Celebrating With Hi Tide Harris"を日本でリリースした他、YAMAHAがスポンサーとなった日本初のギター教室を手掛けたというハイ・タイド・ハリスは70年代の日本では大人気だったそうです。


Everything I Have Is Yours: The Best of the M-G-M Years
Everything I Have Is Yours: The Best of the M-G-M Years by Billy Eckstine
Billy Eckstine - My Foolish Heart - iLike.com
Billy Eckstine: One Of The Most Excellent Singer In The Swinging Years

Mr. B Sings Ballads, Blues and Bebop As Well.
歌にトロンボーンにトランペット演奏、そして楽団指揮とマルチタレントのビリーエクスタインはバラードを最も得意としますが、ブルースやビバップもと幅広く歌いこなす洗練された歌声のミュージシャンです。 ビリーエクスタインが大学生であった1930年に物真似コンテストでCab Calloway(キャブ・キャロウェイ)を演じたそうですが、その後の1939年にピアニストのEarl Hines(アール・ハインズ)の楽団に歌手として参加しました。 アール・ハインズ楽団ではCharlie Parker(チャーリー・パーカー)やSarah Vaughan(サラ・ヴォーン)と一緒だったそうです。
※ビリー・エクスタインは白人界でセクシーと言われた初めての黒人歌手だそうです。 ルックスだけではなく音楽が素晴らしい「ビリー・エクスタイン」の写真はもちろん見ていたのですがなにしろ白黒写真だったので、私は長いこと白人だと思い込んでいました。 ちょっとCount Basie(カウント・ベイシー)似でしょう? 時々Gomez Addams(アダムス一家のゴメス)! 似てない? ふぅむ、ビリーはもっと伊達男でしたね。 そういえば、セクシーなビリー・エクスタインのうたい文句は"The Sepia Sinatra(褐色のフランク・シナトラ)"だったそうです。
ビリー・エクスタインの他にバリトンやバスのジャズボーカリストというとJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)とのコラボアルバムで有名なスモーキーなJohnny Hartman(ジョニー・ハートマン)やシルキーなバスバリトンのAndy Bey(アンディベイ)、カウント・ベイシー楽団所属のJoe Williams(ジョー・ウィリアムス)、Freddy Cole(フレディ・コール)とNat King Cole(ナット・キング・コール)兄弟、そして白人ですがRawhide(ローハイド)でお馴染みのハスキーなバリトンのFrankie Lane(フランキー・レイン)やRainy Night In GeorgiaのBrook Benton(ブルック・ベントン)などなどがいます。
☆ブルック・ベントンのレイニーナイト・イン・ジョージアが聴けるSoul of the Net - Rainy night in Georgia - Brook Benton(rainyで検索)

Boppin' Mr.B
スイング全盛の1940年代に大いに人気が有ったビブラートを効かせたバリトンのビリー・エクスタインはジャズ・ヴォーカリストですが、なんとビバップ大好き人間でした。 ビバップやりたさにビリー・エクスタインはアール・ハインズ楽団から独立して1944年に自分のバンド「The Billy Eckstine Big Band」を結成したのです。 なんたってビバップ・バンドですからアドリブ重視です。 Dizzy Gillespie、Dexter Gordon、Art Blakey、Charlie Parker、Fats Navarro、Gene Ammons、Kenny Dorhamといったそうそうたるバップ・ジャズメンのなかで、型にはまったビリーエクスタインのヴォーカルは二の次三の次となり1945年にCottage for SaleとPrisoner of Loveを録音していいるものの、1947年には経営困難により解散してしまいます。 バンドは解散したとはいえ、ビバップ好きのビリーエクスタインがビバップミュージシャンに与えたサポートは甚大だったそうです。 解散後はバラードやポップスに路線変更してヒットチャートに上がるようになり、1947年にEverything I Have Is Yours、1948年にTommy Dorsey楽団のJack Leonard(ジャック・レナード)でヒットしたBlue Moon、1949年にDuke Ellington(デューク・エリントン)楽団の演奏で有名なCaravanがヒットしています。 さらに1950年には"My Foolish Heart"と1931年にBing Crosbyでヒットした"I Apologize"がチャート入りし、1957年にはアール・ハインツ楽団や自分のバンドで一緒だったサラ・ヴォーンと感動的なデュエット"Passing Strangers"を吹き込んだりしていますが、後に続いたショーマンのナット・キング・コールに追い越されてしまいます。
Passing Strangers - Billy Eckstine & Sarah Vaughan - YouTube
Passing StrangersはアルバムのVerve Jazz Masters 22 : Billy Eckstineで試聴出来ます。

The Billy Eckstine Big Band: One Of The Gateway For Jazzmen To Success
ジャズ・トランペッターの巨人の一人、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)が1946年に参加したのがBilly Eckstine(ビリー・エクスタイン)のビッグバンドでした。 そのビリー・エクスタイン楽団には40年代後期までDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)が在籍していました。 1940年代のビリー・エクスタイン楽団はガレスピーの他にも1945年頃にはGene Ammons(ジーン・アモンズ)とかDexter Gordon(デクスター・ゴードン)と一緒にSonny Stitt(ソニー・スティット)が在籍していたことがあり、アール・ハインズ楽団で一緒だったジャズヴォーカリストのサラ・ヴォーンが専属で歌っていたそうで、いわゆるジャズメンの登竜門の一つでした。

☆ビリーエクスタイン楽団に在籍していたマイルス・デイヴィスが1950年にバリトンサックスのGerry Mulligan(ジェリー・マリガン)等の作曲及びアレンジによる「Birth of The Cool」を録音した時にはトランペットをディジー・ガレスピーが演奏していますが、何と!ビリー・エクスタインもトランペットを演奏していたのだそうです。

video若い!ビバップ!スウィングしまくるビリーエクスタイン! スキャットもすごい、まるで楽器!
Billy Eckstine on trombone - You Better Believe It at the Playboy Club (1966)- YouTube
老いてもなほすごいビリーエクスタイン!ダンディ!1914年生まれですからこの時71歳です。 その後、バリトンの魅力「ビリーエクスタイン」は1993年に80歳で亡くなりました。

Billy Eckstine's Hit Tunes
ビリー・エクスタインのヒット曲には1942年のStormy Monday Blues、1945年にCottage for SaleとPrisoner of Love、1947年にEverything I Have Is Yours、1948年にBlue Moon、1949年にCaravan、1950年にMy Foolish HeartとI Apologize、Sophisticated Lady、Stella By Starlight、Don't Get Around Much Anymore、Blue Moonなども人気があります。 ちなみにビリー・エクスタインの1950年のヒット曲の"My Foolish Heart"はSusan Hayward(スーザン・ヘイワード)が主演しVictor Young(ヴィクター・ヤング)が音楽を担当した同名の映画「愚かなり我が心」のテーマソングで、編曲者としても有名なGordon Jenkins(ゴードン・ジェンキンズ)が作曲しました。
My Foolish Heart - Billy Eckstine -YouTube
ビリー・エクスタインの十八番ともいえる"My Foolish Heart"がタイトルになっている1945年から1951年の録音を集めたアルバム「My Foolish Heart(マイ・フーリッシュ・ハート)」(ASIN: B00008ZZ2I)があります。 収録曲目はAll I Sing Is Blues、Prisoner Of Love、Intrigue、I'm Out To Forget Tonight、Somehow、What's My Name、Body And Soul、Jealousy、Sitting By The Window、My Foolish Heart、Free、I Apologise、Show Must Go On、You've Got Me Crying Again、Be My Love、Only A Moment Ago、I'm So Crazy For Love、I've Never Been In Love Before、I Guess I'll Have To Dream The Rest、Take Me Back の全20曲です。

ソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmでのビリー・エクスタインのチャートでは"St. Louis Blues Part 1 & 2"がダントツ人気らしいです。
Motown Mr. B LP's
ビリー・エクスタインはMotownレコードに1965年から5年程在籍していましたが、その当時の録音でPink Flamingosを収録したLPアルバムあるいはB面にピンクフラミンゴが収録されたシングルの「Billy Eckstine: The Prime of My Life」は今のところ見つかりません。 2003年にモウタウン時代の録音がCD化されて2枚組みの「The Motown Years」として発売されていますが、人気の"Down To Earth"はあっても、何人ものミュージシャンにカバーされた"With Every Breath I Take"と同じくピンクフラミンゴは収録されていません。
※ビリー・エクスタインの歌うStella By StarlightはオリジナルLPが1958年録音のアルバム「Billy's Best!」に収録されています。
「Billy's Best」の試聴はBilly's Best - Amazon.com

ビリー・エクスタインが出演した映画
1949年 Harlem After Midnight
白黒のミュージック映画でメインキャラクターでビリーエクスタインが本人役で出演したそうです。
1952年 Skirts Ahoy!
ビリー・エクスタインが自身の役で出演したHarry Warren音楽のミュージカルコメディでは"Hold Me Close To You"を歌ったそうです。
1969年 Playboy After Dark
雑誌「プレイボーイ」のTVシリーズに歌手として出演したことがあるそうです。
※上記のいづれも情報はありません。


ビリーエクスタインのCD
Introduction to Earl Hines
ビリーエクスタインがアール・ハインズ楽団時代に吹き込んだStormy Monday BluesはIntroduction to Earl Hinesに収録されています。(試聴の22番)

1944-1945
短期間でしたがビリーエクスタインが結成したBilly Eckstine & his Orchestra(ビリーエクスタイン楽団)時代のアルバムは1944-1945

Blowing the Blues Away 1944-1947
ビリー・エクスタインのボーカルはもちろんのこと、メンバーのソニー・スティットやディジー・ガレスピーをはじめGene Ammons(ジーン・アモンズ)とDexter Gordon(デクスター・ゴードン)が競演したとして有名なアルバムです。

Billy Eckstine & his Orchestra
ビリー・エクスタイン楽団時代には、1945年に有名な I Love The Rhythm In A RiffとかバラードのGood Jelly BluesやDon't Take Your、 I'm In The Mood For Loveなど、1946年にLove From Me、All The Things You Are 、I Only Have Eyes For You、 I'm In The Mood For Loveなど、1947年にはSerenade In Blue、1949年にはOne For My Baby、SomehowやCaravanといった素敵な曲の数々があります。
Listen1940年や1942年のEarl Hines And His Orch時代に吹き込んだJelly JellyやSkylarkから、Love Me Or Leave Me、TemptationやメランコリックなMy Deep Blue Dreamなどビリー・エクスタインの低音がますます効いてきた後期の曲も含め、1940年代から1950年代までの曲がたくさん聴けるBilly Eckstine - Jazz On Line.com(検索窓にBilly Eckstineと入力して検索、曲名をクリック、サラ・ヴォーンとデュエットのYou're All I Needもあり)

Billy Eckstine Sings with Benny Carter - Special Guest: Helen Merrill
ハンサムなビリー・エクスタインはサラ・ヴォーンだけだなくたくさんの女性ヴォーカリストとデイトしました。 いえ、デュエットしました。 その中に日本では大変人気のあるHelen Merrill(ヘレン・メリル)との録音があります。 曲目はもちろん、トップにヘレン・メリルの代表曲のYou'd Be So Nice To Come Home To(ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ)でラストにはDidn't Weの2曲です。 長寿アルトサックス奏者のBenny Carter(ベニー・カーター)と共演したBilly Eckstine Sings with Benny Carterに収録されています。 ビリー・エクスタインの最期の吹き込みとなった1986年にオリジナルCDがリリースされ1990年に再発売された人気のアルバムですが現在は入手困難になっています。 1940年代にはBillie Holiday(ビリー・ホリディ)の伴奏者だったウエストコーストのピアニストのBobby Tucker(ボビー・タッカー)のトリオをバックにお得意のMy Funny Valentine、Memories of You、Autumn Leavesなどを歌ったこの時、ビリー・エクスタインは72歳でベニー・カーターは79歳だったそうです。

Everything I Have Is Yours: The Best of the M-G-M Years
☆ページトップの画像は2枚組みCDで、ビリー・エクスタインを堪能出来るアルバムです。
収録曲はEverything I Have Is Yours、Fools Rush In、Blue Moon、Temptation、Caravan、Body and Soul、My Foolish Heart、I'm a Fool to Want You、Tenderly、April in Paris、Don't Get Around Much Anymoreなどと私の好きなロマンティックなスタンダード・ナンバーです。

Kiss Of Fire - Import CD: Billy Eckstine
1940年代にNat King Cole(ナット・キング・コール)がJosephine Baker(ジョセフィン・ベイカー)が歌ったJ'ai Deux Amours(二つの愛)を英語バージョンでカバーして有名になった"Two Loves Have I"や、Georgia Gibbs(ジョージア・ギブス)の1952年の大ヒット曲である「Kiss Of Fire」、Someone To Watch Over Meなどロマンティックなスタンダード全25曲をビリー・エクスタインがカバーしたアルバム
Kiss of Fire by Billy EckstineKiss of Fire

Verve Jazz Masters 22 : Billy Eckstine
「Kiss Of Fire」などが収録されている人気アルバムのVerve Jazz Masters 22 : Billy Eckstineでは定番曲のMy Foolish HeartやI Apologizeの他にレアなJealousyも聴けます。

Jukebox Hits 1943-1953
リスナーに一番人気のビリー・エクスタインの「St. Louis Blues」は私の好きな"Temptation"など全21曲が収録されている2005年発売のアルバム「Jukebox Hits 1943-1953
※"Temptation(誘惑)"は1933年にBing Crosby(ビング・クロスビー)が映画Going Hollywood(虹の都へ)で歌ったのが最初です。

No Cover, No Minimum
オリジナルは1960年の録音のリマスターアルバムにはI Want a Little Girl、Prelude to a Kiss、In the Still of the Night、I Got It BadやMistyなどを21曲を収録してあります。
No Cover, No Minimum by Billy EckstineNo Cover, No Minimum
全曲試聴はNo Cover, No Minimum - Amazon.com

Boppin' with "B"
1940年代初期のビリー・エクスタイン楽団のバンドメンバーにはSonny Stitt、Gene Ammons、Dexter Gordon、Dizzy Gillespie、Fats Navarro、Miles Davis、Art BlakeyそしてJohn Coltrane!が在籍していましたがこれらの大物ジャズメンがビリー・エクスタインのバックを務めるという豪華さ。 話題はジョン・コルトレーンの定番曲だったバラードの「I Want To Talk About You」
Boppin' with B by Billy EckstineBoppin' with "B"
※このCDはもう入手困難らしくサンプルがあるサイトが見つかりません。

ビリー・エクスタインの1940年代から1953年代の録音を集めた2005年発売の輸入盤CDにはJelly, Jelly、Water Boy、Prisoner of Love、I Apologize、St. Louis Bluesの他Oo Bop Sh'bamやI Got It Badなどを収録してあります。
Early Mr. B: 1940-1953Early Mr. B: 1940-1953

※スイング時代のバラードの達人「ビリー・エクスタイン」が1970年代のソウルに挑む!
Percy Mayfield(パーシー・メイフィールド)大ヒット曲であるPlease Send Me Someone To Loveを重低音で歌うヘビーなカバー曲をはじめ、若いリスナー受けを狙ったアップテンポなLiving Like A Gypsyやエレキギターの伴奏で歌うToday Was Tomorrow Yesterdayなどが収録されているStax時代のSenior Soul/If She Walked into My Life(ソウルもビブラート!)


Billy Eckstine Sings: Dizzy Gillespie Swings
ビバップの好きな若きビリーエクスタインがスイングするコンサートライブのドキュメンタリーDVDではビバップのディジー・ガレスピーのトランペット、アート・ブレイキーのドラム、Helen Humes(ヘレン・ヒュームズ)の歌なども収録されています。
Billy Eckstine Sings: Dizzy Gillespie Swings DVDBilly Eckstine Sings: Dizzy Gillespie Swings DVD
曲目リストは1. Rhythm in a Riff 2. You Call it Madness 3. 2nd Balcony Jump 4. Lonesome Lover Blues 5. Taps Miller 6. I Want to Talk About You 7. Our Delight 8. Salt Peanuts 9. Ooh Bobba Liba 10. Oop Bop Shibam 11. One Bass Hit 12. Things to Come 13. He Beeped When He Should Have Boppped 14. Be-Bop 15. Dizzy's Theme
Billy Eckstine Sings Lonesome Lover Blues 1946 - YouTube


Under the Spell
Under the Spell by Dave Hole
Dave Hole - Chicken Stuff - iLike.com
Dave Hole: One Of The Great Slide Guitar Players in Modern Blues Guitar World

Slide a steel-cylinder on steel strings...
スライドギターの名手にはRobert Johnson(ロバート・ジョンソン)やMuddy Waters(マディ・ウォータース)からDavid Eugene Edwards(デヴィッド・ユージン・エドワーズ)やDerek Trucks(デレク・トラックス)、Ry Cooder(ライ・クーダー)、Robert Nighthawk(ロバート・ナイトホーク)、Johnny Winter(ジョニー・ウィンター)、ブルース・ウーマンではBonnie Raitt(ボニー・レイット)なんていうミュージシャンもいますが、現在デイヴ・ホール(Dave Hole)もまたスライドギターの名人と呼ばれているそうです。 そのデイヴ・ホールは1948年に英国で生まれたオーストラリアの白人ブルースロックの歌手でありギタリストです。 エレキブルースの達人であるMuddy Waters(マディ・ウォーターズ)やHowlin' Wolf(ハウリン・ウルフ)等に触発されてギターを始めたデイヴ・ホールですが、指の故障があったため彼独特のスライドギター奏法を作り上げたのだそうです。 そのユニークなデイヴ・ホールのスライドギター奏法とはボトルネック(スライド・バー)を左手の人差指にはめて普通とは逆にネックの上からかぶせるように弾くLap Steel Guitar(膝乗せ小型スティール)スタイル又はOver-the-lap Styleというのだそうですよ。 ちょっとプログレッシブ・ロックのKing Crimson(キング・クリムゾン)を思い出します。 Jimi Hendrix(ジミヘン)みたいにジャラジャラ首飾りにバンダナをなびかせサイケな衣裳なんて着ていないデイヴ・ホールはステージに立った姿は隣の小父さんかと思いますが、ギターの腕前は、すごいのです! Muddy Waters?  Howlin' Wolf?
↓こんな風に! こんな風に!
Steel on Steel by Dave Hole
画像は1995年にリリースされたデイヴ・ホールの初アルバムで12曲が自作というSteel on Steel

The Slide Guitar Wizard - Dynamic Rockin' Guitar!
豪快でワイルドなエレキスライドによるデイヴ・ホールのギターはともすると自分の歌声をかき消してしまいそうなほど豪快なサウンドを奏でます。 デイヴ・ホールの曲はまるでギターが歌ってヴォーカルが伴奏みたい!
デイヴ・ホールのレパートリーにはElmore James(エルモア・ジェイムス)の代表曲のひとつ、「Hawaiian Boogie」もありますが、私はLost at Seaなどにはブルースとかロックというよりもカントリーの響きを感じてしまうのです。 スライドギターのルーツでもあるハワイアンのスティールギターはたいていはスライドバーで演奏されて古くからカントリーで使用されていた楽器だからでしょうか。 ハワイアンのスティールというと立って演奏するタイプのシングルやダブルネックのハワイアンスティールギターを思い浮かべますが、昔のハワイアンの写真を見ると普通のギターを座った状態で膝に乗せて演奏しています。 アコースティックでもエレクトリックでも、Slide Guitar(スライドギター)がBottleneck(ボトルネック)と呼ばれるのはナイフやスプーンの後にガラス瓶の首部分がスライドギターを奏でる用具として用いられたからだそうです。 但し、カントリーやハワイアンは金属バーを用いるそうです。
※スライドギターのレッスン! あなたもご一緒に! 下記のギター奏者たちがボトルネックについての講釈と弾き方を懇切丁寧に指導しています。
Bill Asher Lap Steel Guitar demo - Youtube
Bottleneck Slide Guitar Lesson - Youtube
そして、なんと!南アフリカにはスライドギターのルーツともいえるお匙を口にくわえて演奏するミュージシャンがいます。
Hannes Coetzee - Spoon Slide Guitar - YouTube
Karoo Kitaar Blues - Tea Spoon Slide Guitar

ソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmにおけるデイヴ・ホールのチャートで人気曲はYours For A Song、Keep Your Motor Running、Rambling On My Mind、Jenny Lee、Short Fuse Bluesなどで試聴ができる曲もありますから聴いてください。 Last.fmでは1996年の「Whole Lotta Blues」のアルバム画像が見られます。
Purple Haze - YouTube

Dave Hole Official Site
デイヴ・ホールの停滞気味のオフィシャルサイトはDave Hole.comですが、以前なら左のメニューからCDs & Audioで各アルバムのMore Information>>をクリックすると曲目リストのなかで1分ほどの試聴が出来る曲もありましたが今はギャラリーもリンク先は空です。(音質は良かったのに。)

Under the Spell
☆ページトップのCD画像は1999年にリリースされたデイヴ・ホールの人気アルバムで、Bird's Eye Bluesが収録されています。 1972年から音楽活動を始めたデイヴ・ホールのレーベルはAlligator Recordsですが、契約したアメリカ人以外のブルースマンはデイヴ・ホールが初めてだったそうです。 ファースト・アルバムは1990年のShort Fuse Bluesです。

Ticket to Chicago
1997年にリリースされたデイヴ・ホールアルバムです。
Ticket to Chicago - Dave HoleTicket to Chicago

The Live One
スローなのにえらくパンチの効いたギターのShort Fuse BluesやUp All Night Thinkingとか人気のJenny Lee、Demolition Man、そしてJimi Hendrix(ジミー・ヘンドリックス)をカバーしたPurple Hazeなどが収録されているデイヴ・ホールの2003年の人気ライヴアルバム
The Live One - Dave HoleThe Live One

Rough Diamond
一番人気の"Yours For A Song"をはじめ、Slim Harpo(スリム・ハーポ)でお馴染みのセクシーなI'm A King Bee、ギターリフが特異なRambling On My Mind、Boom BoomみたいなI'll Get To You、ハワイアンみたいなSomething Inside Of Me、Rough Diamond Childの他、Vintage Wineなどが収録されている2007年の最新アルバム
Rough Diamond - Dave HoleRough Diamond

上記のデイヴ・ホールのアルバムの他にも人気のKeep Your Motor Runningを収録した1992年のShort Fuse Blues、1993年のWorking Overtime、Outside Looking Inの他、Jenny Leeなどを収録した2001年のOutside Looking Inなどがありますが、Hawaiian Boogieは1998年のコンピレーション・アルバムのHound Dog Taylor: A Tributeにも収録されています。
※ミシシッピ出身のHound Dog Taylor(ハウンド・ドッグ・テイラー)は50歳近くになってから初吹き込みをした1960年代のブルースのスライドギター奏者でシンガーですが、生来両手の指が6本ありギターを弾くには邪魔だということで後に自分で剃刀で切り取ったという逸話があります。


スライドギターというとボトルネック奏法の第一人者と呼ばれるElmore James(エルモア・ジェイムス)がいます。 Dust My Broomで有名な三連フレーズはブルースマンのBig Bill Broonzy(ビッグ・ビル・ブルーンジー)でもお馴染みですが、60年代の多くのロック・ミュージシャンにもカバーされています。
エルモア・ジェイムスのDust My Broomを演奏したSAKASANSさんのブルースギター音源(mp3)が聴けるブログSAKASANS THE BLUES PREACHER
☆Audio-Visual Trivia内ではEarl Hooker(アール・フッカー)の記事があります。

たまたまオンライン・ラジオから流れてきた曲に惹かれてデイヴ・ホールについて書いたこの記事ですが、ブルース音痴の私はブルース・ブログで旧Trouble Travelers、現在は「Troublog」のken-sannさんのご指導のもとに間違いを訂正して完成しました。 いつもありがとうございます。

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