December 2008 Archives


May Britt
May Britt
(Do click for larger image.)

May Britt
本名のMaybritt WilkensからMay Brittという芸名をつけたスウェーデン出身の女優は現在ではマイ・ブリットと発音されますが昔はメイ・ブリットと表記されていました。 真っ白に見える天然のプラチナ・ブロンドが美しくスタイルも抜群でソバカスがいっぱいの北欧出身の女優でしたが銀幕生活は10年もありませんでした。
☆ページトップの画像は私が50年以上も前にスクラップしておいた雑誌の切り抜きをスキャンしたものです。(画像拡大可) この写真のメイ・ブリットは60年代メイクを代表する不自然に濃いアイラインですが、青い手袋が綺麗だったので保存しておいたのです。 同じスウェーデン出身の女優でもグレタ・ガルボがハリウッドであれほどの人工美で磨かれたのにと思うとナチュラルなイングリッド・バーグマンやメイ・ブリットとの差は何であろうかという疑問が湧きます。
Ingrid Bergman(イングリッド・バーグマン)やGreta Garbo(グレタ・ガルボ)やAnita Ekberg(アニタ・エクバーグ)と同じくスウェーデンで生まれたメイ・ブリットはストックホルムで写真家の助手をしていたところ、1952年のアメリカ映画「Jolanda, the Daughter of the Black Corsair(黒海賊の娘ヨランダ)」に出演するヒロインのブロンド美人を探していた製作(プロデュース)のCarlo Ponti(カルロ・ポンティ)とWar and Peace(戦争と平和)も監督したMario Soldati(マリオ・ソルダーティ)に見出されたのでイタリアで主演デビュー後、1953年にAnthony Quinn(アンソニー・クイン)が出演したCavalleria rusticana(カヴァレリア・ルスティカーナ)や、イタリア女優のGina Lollobrigida(ジーナ・ロロブリジーダ)が出演したLe Infedeli (The Unfaithfuls VHSあり!)など何本かのイタリア映画に出演しました。 1956年にイタリアとアメリカの合作映画の「戦争と平和」に出演しました後、1950年代後期にハリウッドに渡りアメリカ映画に出演していたメイ・ブリットでしたが、「悪女役ばかりでは嫌。」とばかりに銀幕を去り、1960年にThe Rat Pack(シナトラ一家)のメンバーだった黒人エンターテイナーのSammy Davis Jr.(サミー・デイヴィス・ジュニア)と結婚してしまいました。 二人の間には娘が一人と養子の息子が二人あったそうですが結婚生活は長く続きませんでした。
※ちなみに17世紀ごろにアフリカ北岸に出没した私掠船コルセア(海賊)をテーマにした「黒海賊の娘ヨランダ」と、Leo Tolstoy(トルストイ)の1869年の原作"Krieg und Frieden(War and Peace)"を映画化した大河ドラマの「戦争と平和」とともに映画音楽はNino Rota(ニーノ・ロータ)でした。
メイ・ブリットが主演した「黒海賊の娘ヨランダ」の映画ポスターが見られるJolanda, la figlia del Corsaro Nero Poster - FILM.TV.IT
1957年8月にメイ・ブリットがカバーに載った雑誌ライフの表紙が見られるMay Britt on 12-Aug-1957 LIFE -2neatMagazines.com
1959年8月にメイ・ブリットがカバーに載った雑誌ライフの表紙が見られるMay Britt on AUGUST 17, 1959 LIFE -Coverbrowser.com(AUGUST 17, 1959下の方)

The Blue Angel (1959)
May Britt in The Blue Angelカナダ出身のEdward Dmytryk(エドワード・ドミトリク)が監督し、メイ・ブリットが無情で残酷、しかし率直で純粋な踊り子のLola-Lola(ローラ)を演じて代表作となった1959年の「嘆きの天使」は私がみたところは絶賛されていますが、賛否両論が起こったそうです。 どうしたらこの無粋な中年男を若い踊り子が愛するようになるのか。 教授が始めてローラとであった同じキャバレーのラストシーンでは、満員の顔見知りの酔客を前で笑い者にされる惨めなピエロ姿の教授に心が痛みます。
教授の品格はどこに? 人間の品位(尊厳)はどこに?
メイ・ブリットの「嘆きの天使」の写真が見られるL'angelo azzurro Photos - FILM.TV.IT(画像拡大可)


「嘆きの天使」は「Der Zauberberg(魔の山)」で知られたThomas Mann(トーマス・マン)の兄であるドイツの作家のHeinrich Mann(ハインリヒ・マン)が1905年に書いた小説の「Professor Unrat(ウンラート教授)」の映画化ですがマレーネ・ディートリッヒが演じたオリジナル映画のリメイクになります。 ハインリヒ・マンの原作はキャバレーのショーガールと誇り高き教授のラヴストーリーというよりも、ドイツを第一次世界大戦に巻き込んだWilhelm II(ヴィルヘルム2世)下の19世紀後期のドイツ社会批判や心理的な考察を含んだ中年男の若い女への情欲や執念そして崩壊を描いているそうです。 原作の題名にあるウンラートですが、教授のむさ苦しい姿から採られた"ゴミとか廃棄物"という意味のあだ名だそうで、主人公の本名はただのRaat(ラート)です。 メイ・ブリットの「嘆きの天使」より先に映画化されたのはMorocco(モロッコ)と同じくJosef von Sternberg(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)が監督してMarlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)がLola Lola(ローラ)を演じた1930年のドイツの白黒映画「Der Blaue Engel(嘆きの天使)」で、マレーネ・ディートリッヒに惚れこんだジョセフ・フォン・スタンバーグ監督が精一杯魅力を引き出しています。 一方、リメイクといえどもメイ・ブリットの「嘆きの天使」はローラがただの無情な女でもなく教授がただの笑いものとして描かれているでもない点で原作により近く、オリジナルよりも傑出している映画の一例ともいわれています。 アメリカのAmazon.comには"The Blue Angel Movie Photo 3-Page Print Ad"という映画宣伝用写真が販売されてはいますが、ビデオもDVDも販売されていません。(理由は不明、売れ筋商品でないから?) ※1961年のフランス映画でに「Lola(ローラ)」というタイトルでJacques Demy(ジャック・ドゥミ)が監督デビューし、踊り子のローラを「男と女」のAnouk Aimee(アヌーク・エーメ)が演じましたがリメイクではない、というか全く別のストーリーです。

The Blue Angel Synopsis
「嘆きの天使」のあらすじ

中年(初老)の教授が分不相応な若い異性に夢中になり破滅する映画としてはLolita(ロリータ)がありますが、「嘆きの天使」では赤線地帯の安キャバレーの踊り子の足に魅せられた脚フェチのProfessor Immanuel Rath(イマニュエル教授)の哀れな物語です。 いかがわしい界隈にあるキャバレーに出演している踊り子の脚に魅せられてから身を持ち崩していったイマニュエル教授はその地域では独裁的で厳しい授業をする圧制的な教師として知られており、学生たちに生物学の授業の一環として性教育を授けるものの自身は恋愛感情を体験したことがなかったほど性に関してお堅い考えを持っていたのです。 教え子からブルー・エンジェルというナイトクラブのことを聞き知った教授は、生徒たちの堕落を防ごうとしてと抗議しにクラブに出向いたところが、自分もそのクラブで酔客を相手に半裸も同然で歌い踊るローラの虜となってしまうのです。 汚れなきウブな中年男を魅了するのは海千山千のローラにとってはいとも容易いことでした。 セクシーなローラにぞっこんとなった教授は紳士然とローラに結婚を申し込んだのです。 笑い飛ばしたものの感激したローラは申し出を受けるのですが、これに驚愕した教授の友人たちや勤務する学校側は阻止しようと努めました。 しかしローラにのぼせ上った教授は学校の意向を無視し、その結果程なく解雇されてしまいます。 職を失って手持ちの金もすぐに使い果たした教授は貧困生活に甘んじなければならなくなったのです。 ローラはそんな教授を支えようとクラブに戻りますが、以前は教授として崇めたクラブの座長(手品師)は落ちぶれた教授にローラに付き纏わないように宣告し、その後はひどい仕打ちをするのです。 一家の稼ぎ手となったローラはクラブを転々とする一座の踊り子ですから、教職に就けるわけもなくローラの使用人のように成り下がった教授は次第にかっての威厳も失せていきます。 落ちるところまで落ちた。 ショーの一座のピエロが突然死んだので代わりに教授に演じるようにと座長が強要します。 教授をよく知る人々が詰め掛けたクラブで。

当時はまだ新人だった足自慢のMarlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)が演じた戦前のローラも野暮ったいといえ当時としてはセンセーショナルでしたが、ハリウッドでメイ・ブリットが演じた60年代のローラは食糧事情がよろしいこともあり大味とはいえその肢体の美しさは格別です。 長い長い足です。

Curd Jürgens
「嘆きの天使」では前例のないクールな悪女を演じたメイ・ブリットもさることながら、オリジナルではサイレント時代にドイツの文芸映画に数多く出演していた名優のEmil Jannings(エミール・ヤニングス)が真に迫って演じた狂気のイマニュエル教授を、同じくドイツ人俳優のクルト・ユルゲンスが上品にしかも老醜を上手く演じて素晴らしいのです。 中年になってから映画に出演するようになったクルト・ユルゲンスは41歳の時、1956年の「Et Dieu créa la femme(素直な悪女)」でBrigitte Bardot(ブリジット・バルドー)に振り回される大富豪、Pascale Audret(パスカル・オードレ)も出演した1957年の「Oeil Pour Oeil(眼には眼を)」ではアラブ人に復讐される医者、最も有名な1957年の「The Enemy Below(眼下の敵)」では米軍の駆逐艦との激戦を交えたドイツUボートの艦長、1962年の「Un Château En Suède(スエーデンの城)」では美貌の太陽はひとりぼっちのMonica Vitti(モニカ・ヴィッティ)に翻弄される老城主、1963年のDie Dreigroschenoper(Three Penny Opera/三文オペラ)では札付きの悪党といったように役柄は多岐に渡り、特に戦争映画でのドイツ軍人役では名を馳せました。 なので若いクルト・ユルゲンスは観たことがありません。

Falling in Love Again
「嘆きの天使」の映画音楽はFOXの後にWarner Bros.(ワーナー映画)で50本もの映画音楽を担当し、メイ・ブリットの出演映画では「若き獅子たち」も手掛けたドイツ系アメリカ人のHugo Friedhofer(ヒューゴ・フリードホーファー)ですが、メイ・ブリットが"Lola-Lola"とマレーネ・ディートリッヒの代表曲となった"Falling in Love Again"の2曲を歌っています。 "Lola-Lola"を書いたのは作詞作曲家のコンビのJay Livingston (ジェイ・リヴィングストン)とRay Evans(レイ・エヴァンス)のコンビですが、二人が作った最も有名な曲にはDoris Day(ドリス・デイ)の代表曲となった"Que Sera Sera"や、"Mona Lisa"とか"Golden Earrings"などがあります。

1920年代から映画出演していたMarlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)がJosef von Sternberg(ジョゼフ・フォン・スタンバーグ)が監督した1930年の「Der Blaue Engel(嘆きの天使)」で5曲歌ったなかでは、有名な足を組んだポーズで最大のヒット曲となった"Ich bin von Kopf bis Fuß auf Liebe eingestellt(Falling in Love Again)"は晩年の1954年に「Sabrina(麗しのサブリナ)」や「We're No Angels(俺たちは天使じゃない)」の音楽を担当したFriedrich Hollaender(フレデリック・ホランダー)が書いたそうです。 マレーネ・ディートリッヒは同年Gary Cooper(ゲイリー・クーパー)と共演した1930年の「モロッコ」で男装の麗人を舞台で演じて世界的に有名になりました。
※メイ・ブリットが主演した「嘆きの天使」のオリジナルであるマレーネ・ディートリッヒのDer Blaue Engel(嘆きの天使)は"Blue Angel"として現在もなおビデオが販売されています。


Edward Dmytryk
メイ・ブリットの「嘆きの天使」を監督したエドワード・ドミトリクは「Father Knows Best(パパは何でも知っている)」のRobert Young(ロバート・ヤング)や眠り眼のRobert Mitchum(ロバート・ミッチャム)が出演した1947年の「Crossfire(十字砲火)」や、Humphrey Bogart(ハンフリー・ボガート)が出演した1954年の「The Caine Mutiny(ケイン号の叛乱)」など一連の戦争映画を監督した後、1951年の「A Place In The Sun(陽のあたる場所)」で共演したElizabeth Taylor(エリザベス・テイラー)とMontgomery Clift(モンゴメリー・クリフト)が再び共演した1957年に「Raintree County(愛情の花咲く樹)」や1958年の「若き獅子たち」を監督しました。 メイ・ブリット主演の「嘆きの天使」の後は、Saul Bass(ソウル・バス)の黒猫のタイトルデザインがお洒落な1962年の「Walk on the Wild Side(荒野を歩け)」や、「The Subterraneans(地下街の住人)」のGeorge Peppard(ジョージ・ペパード)とCaroll Baker(キャロル・ベイカー)が出演した1964年の「The Carpetbaggers(大いなる野望)」、William Holden(ウィリアム・ホールデン)とRichard Widmark(リチャード・ウィドマーク)が共演した1966年の「Alvarez Kelly(アルバレス・ケリー)」、Sean Connery(ショーン・コネリー)が主演した似非西部劇で1968年の「Shalako(シャラコ)」や、音楽がRichard Burton(リチャード・バートン)が主演し美女群が脱ぎまくる1972年の「Bluebeard(青ひげ)」などと1970年代まで活躍しました。

勝手にブルー考
映画のタイトルとなっているナイトクラブの"ブルー・エンジェル"は"嘆きの天使"と名訳されてまことに言いえて妙です。 映画ではキャバレーの名前もしくはショーの一座の名前ですが、堅苦しい教授のことを指しているようにも思えます。 エンジェルには音楽的なパトロンやビジネス的な投資家のエンジェルの他にも、美しい女性、善意に満ちた人、そして癒してくれる人といった意味もあるそうです。 ブルーには青い色の他にも憂鬱とか陰気、又は下品なという意味があるのでブルーフィルム(ポルノ)のブルーではないかと穿った見方をしてみました。 売春地帯はレッドゾーン(赤線)なのに猥褻映画はなぜブルーフィルムなのか。 それはその昔、合法な8ミリフィルムは青く着色(差別)されていたのだそうです。 その後は日本で劇場公開されているピンク映画とは別の無修正の非合法のポルノ映画をも指すそうですが、日本でブルーフィルムという言葉が知られるようになったのは多分に文学的な理由からです。 イギリスの作家のGraham Greene(グレアム・グリーン)が1954年に発表したTwenty‐one Stories(短篇)の中に旅行先(タイ)の裏町でポルノ映画を見た夫人が出演している男優が若かりし頃の自分の夫であることを知るという「The Blue Film(ブルーフィルム)」という一篇からだそうです。 蛇足ながら、1897年から1917年までジャズにゆかりのあるニューオリンズに存在した赤線地帯のStoryville(The District)について1895年から1915年に発布された規定書はBlue Books(ブルーブック)と呼ばれたそうです。

The Young Lions (1958)
メイ・ブリットの出演映画ではなんといっても上記の「嘆きの天使」が代表作といえますが、その前の1958年に「嘆きの天使」と同じエドワード・ドミトリクが監督した戦争映画の「若き獅子たち」では、A Streetcar Named Desire(欲望という名の電車)で人気が出たMarlon Brando(マーロン・ブランド)が演じるドイツ軍将校を誘惑する妖艶な大尉夫人のグレッチェンを演じて世の殿方を魅了しました。 マーロン・ブランドが演じる中尉がMaximilian Schell(マキシミリアン・シェル)が演じる大尉のお使いで奥さん(大尉夫人)を訪問したさいの戦時下の刹那的な情事なのでストーリーの中盤に2シーンの合計10分弱しかメイ・ブリットは登場しませんがインパクトがあります。 夫からの贈り物の黒レースのショールを纏ったメイ・ブリットは妖しいほどの美しさですからマーロン・ブランドでなくとも心を動かされるでしょう。 しかし中尉はこの2度目の訪問で反発しながらも慕っていた大尉の自害を知りながらも情欲に身を任せようした大尉夫人を手ひどく拒絶したのでした。 第二次世界大戦を舞台にドイツ側とアメリカ側を別々に展開していき衝撃のラストで両軍を合わせた「若き獅子たち」は豪華キャストです。 ユダヤ人を演じたA Place In The Sun(陽のあたる場所)のMontgomery Clift(モンゴメリー・クリフト)や徴兵を逃れようとした歌手のマイケルとして歌うDean Martin(ディーン・マーティン)が出演しています。

178cmほどの背丈のモンティがボクサーの経験がある183cmのディノと並ぶとかなり華奢に見えてしまいますが当時のモンティの諸事情を察すればこれでもかなり健闘しているようです。 50年代や60年代のアメリカ映画によく描かれているような差別はどこの世界にも存在しますが、アメリカ社会では黒人だけではなくユダヤ人も差別されていたことを学びました。 ユダヤ人を演じたモンティが盗まれたJames Joyce(ジェイムズ・ジョイス)のUlysses(ユリシーズ)と現金が戻った時にはホっとしました。 黒人は肌の色で判別できますが、ユダヤ人は異宗教というせいでしょうか。 後からやって来たイタリア人やポーランド人なども差別されたそうですが、昔からいたアメリカ・インディアンが差別されるなんて不思議な人間の社会です。(日本ではアイヌの例があり)
メイ・ブリットを抜きにしても見ごたえのある「若き獅子たち」のDVDは2005年発売になった日本語字幕版若き獅子たち [DVD](白黒映画)
May Britt and Marlon Brando in The Young Lions (1) - YouTube
May Britt and Marlon Brando in The Young Lions (2) - YouTube

The Hunters (1958)
1958年の「追撃機」はDick Powell(ディック・パウエル又はディック・ポウエルが監督した朝鮮戦争をテーマにした映画で、ロバート・ミッチャムやNatalie Wood(ナタリー・ウッド)と結婚していたRobert Wagner(ロバート・ワグナー)が出演しています。 メイ・ブリットはロバート・ミッチャムが演じる少佐の軍隊仲間である中尉の妻でノルウェー出身のKristina 'Kris' Abbott(クリスティナ)を演じました。 「追撃機」ではロバート・ミッチャムはメイ・ブリットに誘惑されませんでした。
メイ・ブリットが出演した「追撃機」の映画ポスター及びスチール写真が見られるI cacciatori (The Hunters) Photos and Posters - FILM.TV.IT
The Hunters Trailer - YouTube
「追撃機」のDVDは2006年発売の日本語字幕版追撃機 [DVD]

Murder, Inc. (1960)
Stuart Rosenberg(スチュアート・ローゼンバーグ)が手掛けたがBurt Balabanに(バート・バラバン)監督が変更になった実話をもとにしたクライム・ムービーです。 「殺人会社」は戦争映画の出演が多いStuart Whitman(スチュアート・ホイットマン)があぶれたクラブ歌手のJoey Collins(ジョーイ)役で主演しました。 メイ・ブリットはダンサーをしているジョーイの妻のEadie Collins(イーディ)役ですが、Columbo(刑事コロンボ)で有名なPeter Falk(ピーター・フォーク)が映画デビューして演じた殺し屋と夫のジョーイが関わったことから、殺し屋にレイプはされるわ殺人会社のボスに命を狙われるわと災難続きで非業の死を遂げます。 ジャズ歌手のSarah Vaughan(サラ・ヴォーン)がナイトクラブ歌手として映画初出演しています。
アメリカのAmazon.comには"Murder, Inc."として2006年にDVDが発売されていますが日本では見つかりません。
メイ・ブリットもちらりと見られる「殺人会社」の写真はMurder, Inc. - IMDb

May Britt and Sammy Davis, Jr.
サミー・デイヴィス・ジュニア夫人
メイ・ブリットはサミー・デイヴィス・ジュニアと1959年に知り合って1960年にユダヤ教に改宗してスピード結婚しました。 スウェーデン出身のユダヤ教の女優とユダヤ教の黒人の結婚は当時の人種差別の激しいアメリカ社会に於いてご法度だったので大変な騒動を引き起こしたそうです。 当時アメリカの南部では多くの州で白人と黒人の結婚はおろか同席さえも禁じていたのですが、1876年から1964年頃に布かれた奴隷制維持の"Jim Crow law(ジム・クロウ法)"が1967年に廃止になったものの、サミーの浮気によりメイ・ブリットは翌年離婚してしまいます。
※白人と黒人の結婚での成功例には、黒人美人歌手のLena Horne(リナ・ホーン)とユダヤ系ではありますがMGMの音楽ディレクターとのLennie Hayton(レニー・ヘイトン)が生涯添い遂げた例が挙げられますが、当時はたとえ映画の登場人物でも、ウィリアム・ホールデンが主演した1956年のThe Proud and Profane(誇りと冒涜)のように白人と黒人の結婚は物議を呼んだのです。
May Britt and Sammy Davis, Jr. - wedding photo - IMDb.com


Four Christmases: Music From The Motion Picture
4 Christmases Soundtrack
Vince Vaughn as Brad and Reese Witherspoon as Kate
Four Christmases (2008)

Four Christmases: The Vince Vaughn's Christmas Movie Hit This Year, too!
ヴィンス・ヴォーンのクリスマス映画第二弾!
昨年2007年にはVince Vaughn(ヴィンス・ヴォーン)のFred Claus(ブラザーサンタ)でしたが、今年2008年もヴィンス・ヴォーンが身体を張ったコメディ「4 Christmases(フォー・クリスマス)」がやってくる!(日本にはまだやって来ない。) Four Christmases(フォー・クリスマス)」の監督は2007年のThe King of Kong(キング・オブ・コング)のSeth Gordon(セス・ゴードン)で、脚本は何人ものライターが寄ってたかって書いているのでそりゃ面白いそうで、ストレス解消にはもってこいの映画かも。 このロマコメ映画で難局打開に向けて奮闘するカップルを演じるのは、彼のBrad(ブラッド)君にヴィンス・ヴォーン、彼女のKate(ケイト)ちゃんにReese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)です。 当面は将来を考えていない二人の両親を演じるのがすごい面々。 ブラッドのパパを1969年の「The Rain People(雨のなかの女)」以降Francis Ford Coppola(フランシス・フォード・コッポラ)の秘蔵っ子的なRobert Duvall(ロバート・デュヴァル)、ブラッドのママには1976年のCarrie(キャリー)で豚の血を浴びて一躍有名になったSissy Spacek(シシー・スペイセク)、そしてケイトのパパにはAngelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)のパパであるJon Voight(ジョン・ヴォイト)、ケイトのママが1993年のWhat's Eating Gilbert Grape(ギルバート・グレイプ)でギルバートが関係を持つ既婚女性のベティを演じたMary Steenburgen(メアリー・スティーンバージェン)。 授乳期だからかやたらとデカパイを強調するケイトの姉妹のCourtney(コートニー)にKristin Chenoweth(クリスティン・チェノウェス)などとこんな大物キャストじゃこの映画がヒットしないわけがない!(もっとも多人数の大物俳優陣が脇を固めている映画が最近の流行りみたい)  ちなみクリスティン・チェノウェスはBetty Boop(ベテイ・ブープ)声(日本でなら雪村いづみ)の身長150cmという小型グラマーなTV女優で、映画では2005年にNicole Kidman(ニコール・キッドマン)主演の「Bewitched(奥さまは魔女)」や2006年にはSteve Martin(スティーヴ・マーティン)主演の「The Pink Panther(ピンクパンサー)」などに出演しています。

Country Singers in Four Christmases
「フォー・クリスマス」のキャストはなにかとカントリー&ウェスタンに関連があります。 シシー・スペイセクは13歳で結婚し17歳で4人の子持ちとなったカントリー歌手のLoretta Lynn(ロレッタ・リン)を描いた1980年の伝記的映画「Coal Miner's Daughter(歌え!ロレッタ愛のために)」で主演してカントリーを歌い、一方リース・ウィザースプーンは2005年のJohnny Cash(ジョニー・キャッシュ)の伝記映画「Walk the Line(ウォーク・ザ・ライン 君につづく道)」で歌っていました。 他のキャストにはグラミー賞受賞のカントリーシンガーとしては、ケイトのママとデートしている牧師役のDwight Yoakam(ドワイト・ヨーカム)や、ブラッドの兄弟でUFCに憧れてタグチームで檻内で闘うDallas(ダラス)をTim McGraw(ティム・マックグロウ)(妊娠中の奥さんがいるDenver(デンヴァー)役はなんと「Iron Man(アイアンマン)」を監督したJon Favreau(ジョン・ファヴロー)。 見せ場となっている運動神経ゼロのブラッドを襲撃する格闘好きの兄弟がダラスとデンヴァーというには意味があり、実はケイトもここに来る前までは知らなかったのですがブラッドも本当の名が"Orlando(オーランド)"だったのです。(それぞれの仕込み地名で出生地ではないところがミソ) 「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」に出演後、「スプラッシュ」や「Curious George(おさるのジョージ)」などを監督したRonny Howard(ロン・ハワード)の娘で「Lady in the Water(レディ・イン・ザ・ウォーター)」で水の妖精を演じた女優のBryce Dallas Howard(ブライス・ダラス・ハワード)もミドルネームは宿された時の地名だそうです。 ブラッドの秘密がバレただけでなくケイトも姉と姪の集まった母の家でダイエットしていたという秘密が暴露されてしまいます。 ヴィンス・ヴォーンはドワイト・ヨーカムが監督デビューした2000年の「South of Heaven, West of Hell(ワイルド ガン)」にBilly Bob Thornton(ビリー・ボブ・ソーントン)と共演していました。 この映画には「Pee Wee Herman(ピーウィー・ハーマン)」のPaul Reubens(ポール・ルーベンス)まで出演しているほど特異なキャラが集合。 そのドワイト・ヨーカムがセクシーだったRebecca DeMornay(レベッカ・デモーネイ)と離婚調停中の夫婦を演じた「ウエディング・クラッシャー」では2005年の「ライフ・アクアティック」に出演したOwen Wilson(オーウェン・ウィルソン)と結婚式荒らしのコンビを演じます。
おまけですが、過去のヴィンス・ヴォーンの映画数本にもカメオ出演しているヴィンス・ヴォーンの"実父"が今回も教会シーンに登場とか。 やっぱり家族は大事と結婚した二人でした。 教会でブラッドとケイトが強制的にやらされたヨセフとマリアの聖劇ですが、私が在籍していたミッション系の学校では毎年フルーツいっぱいの感謝祭の後にクリスマス礼拝が催され、天井に届くような大きなモミの木を飾った礼拝堂でのクリスマス・キャロルとイエス降誕の聖劇(Nativity Play)を思い出します。 伝統的に家族で過ごすクリスマスをおちょくるクリスマス映画の「フォー・クリスマス」では、教会でのクリスマスもおちょくっているらしいです。 もっとも映画の主役たちも結婚願望ゼロなわけですから、ストーリーは宗教的な古い慣習やモラルからはかなり逸脱しているので驚くことはありません。

Four Christmases for Four Families
「フォー・クリスマス」はアメリカ社会の伝統である年に一度の家族が集う大切なクリスマスの日と時代が変わりアメリカ社会の家族形態の現状がそれを困難にする状況を描いた映画です。 日本でも正月に親や親戚への挨拶回りを嫌ってレジャーに出かけてしまうけしからん家族もあるように、アメリカでもご同様で、クリスマスを家族でというコンセプトは重々分っちゃいるけど、育った子供たちは初老の両親やうるさい兄弟姉妹たちと一緒にクリスマスを家庭で過ごすより若者同士でホリディツアーを楽しみたいのです。 サンフランシスコに住む同棲中のブラッドとケイトが交際を始めて以来3年間、この時期には毎年ボランティア活動をするという口実を設けては家族を避け、二人きりでちょっとリッチな旅行を楽しんできたのです。 ところが今回は濃霧のために便が欠航(遅延)となった空港がニュースで映し出され両親の知るところとなり、早速携帯電話が鳴ります。 トロピカルなクリスマスは夢と消え去り、今年はどうやらそれぞれの離婚したパパとママたちと過ごさねばないようです。 子供時代の嫌な思い出もよみがえり、足取りも重く息の詰まりそうな家族と過ごすクリスマスを果たさねばならないのです。 問題は訪ねる親が一人じゃないってこと、二人でもない、そう、4人なのです。 ブラッドとケイトの両家の祖父母や兄弟姉妹たちと甥っ子や姪っ子たちを含め、離婚している実親とその継親たちとをクリスマスの日に同時にクリスマス・プレゼントを抱えて訪問しなくちゃならないのです。 ブラッドのパパとケイトのママ、ブラッドのママとケイトのパパが1年で最も楽しみなクリスマスという特別な一日に同時に一同に介すことが出来るのでしょうか。 ふむ、恋人同士の今までのツケが回ってきたわけですね。 それにしても今後はこの年老いていく親と子供たちという関係はどうなるのでしょう。 この軋轢を防ぐために「子供なんていらない!」ってことにならなければいいですが。 まぁ、両親と過ごすクリスマスを楽しみにするような子供たちを育てることしかありませんね。(How To?)
ブラッドなんてママの恋人が自分の子供時代の親友だなんてショックも甚だしいのです。 しかし、ケイトが抱いていたコートニーの赤ちゃんのミルクゲボにブラッドの連れ嘔吐リアクションはちとオーバー、赤ちゃんがいれば、アッチヘピュッ!こっちへドッピューッ!と日常のことよねぇ。 でもケイトが赤ちゃんの頭をドア(壁)にぶつけたのはちょっと可哀想、でもこれも意外とよくやっちゃうのよね。

The difference in size between Vince and Reese
それにしても日本じゃ小さくないですが、映画では豆つぶに見える157cmのリース・ウィザースプーンとハリウッドの俳優の中でも196cmという巨漢のヴィンス・ヴォーンの二人の身長の差はおみごとで、大木にセミのような絶妙なコンビネーションを作り出しています。 そういえば前作のブラザーサンタでも相手役はチビに見えたが実際は175cmのPaul Giamatti(ポール・ジアマッティ)で、エルフたちは一部特殊効果でしたがエルフの国に行ったヴィンス・ヴォーンはまるで小人の国のガリバーのようでした。
2005年の「Wedding Crashers(ウェディング・クラッシャーズ)」で共演したIsla Fisher(アイラ・フィッシャー)が160cmでしたが、カップルの大いなる身長の差、コレだけでもコメディ! 「フォー・クリスマス」ではジョウダンではなくサントラの画像にあるように箱を積み重ねた傾斜台を利用したキスシーンや、伐採の木が倒れるゾー!と叫びそうなベッドシーンや、ダンス上手のブラッドがまさにケイトを抱え揚げて踊る二人の、いや一人のダンスシーンなど笑う以外にはなさそう。 一説によると多忙なヴィンス・ヴォーンとリース・ウィザースプーンは別撮りのシーンが多かったそうで、Fool's Gold(フールズ・ゴールド カリブ海に沈んだ恋の宝石)で共演したマシュー・マコノヒーとケイト・ハドソンみたいにツーカーではなさそうです。

Four Christmases Official Site
取り立てて特徴のない「フォー・クリスマス」のオフィシャルサイトでも見よう!
Four Christmases - Warner Bros. [us]
アメリカでは2008年11月にやっと公開されたばかりですが日本は2009年の公開予定にまだ入っていません。 アメリカでは有名な批評家が何と言おうと映画好きが劇場に押しかけているそうです。 やはりヴィンス・ヴォーンとリース・ウィザースプーンの人気はたいしたもんです。 「ブラザーサンタ」はご家族向けでしたが、「フォー・クリスマス」は、授乳からオシャブリまでジョークの半分が下ネタなので"PG-13"(13歳以下のお子さんは親同伴、下ネタが13歳以下に分るのか?)だそうですが、"PG-13"といってもゴールデン・ラズベリー賞を受賞した「Surviving Christmas(恋のクリスマス大作戦)」ほどではないらしいです。 いくらお遊びでもバーのユニセックス・トイレでヤッテはいけません。 もっとも問題はジョークが"PG-13"ということに加えて、この映画の内容では家族で観るとガックリくるでしょう。(特に両親が)
早く観たいけれどクリスマスには日本では絶対に観られない!
ちなみにオフィシャルサイトの予告編で流れている曲は音楽を担当したAlex Wurman(アレックス・ワーマン)のオリジナルスコアだと思いますが、上のメニューからGALLERY(写真集)に行くとRobbers On High Street(ロバース・オン・ハイストリート)の"Season's Greetings"がフルで流れます。 メニューからVIDEOを選択すると似たり寄ったりですが「Four Christmases」から8クリップが観られます。
Four Christmases Trailer (2008) - YouTube

「フォー・クリスマス」で昨年に続き2作目となったヴィンス・ヴォーンのクリスマス映画ですが柳の下にどぜうは3匹いるかどうか。 来年も第三弾が作られるよう期待しますが、今度は下記のようなクリスマス定番映画として永遠に残る名作に出演して欲しいです。
ちなみにヴィンス・ヴォーンとジョン・ファヴローが共同執筆して出演もした2009年の「Couples Retreat」も大人版ディズニーランドのようなイヴェント盛りだくさんの南海の小島でトロピカルな休暇を過ごす四組のカップルが織り成すコメディです。 マリン・アカーマンやクリステン・ベルも登場して「Four Christmases」と「27 Dresses」などをミックスした超刺激的なラブコメ。 特にヴィンス・ヴォーンとマリン・アカーマンがカップルってのはすごい。
Ernst Lubitsch(エルンスト・ルビッチ)
Michael Curtiz(マイケル・カーティス)
George Seaton(ジョージ・シートン)
Frank Capra(フランク・キャプラ )
※ちなみに2009年にジョン・ファヴローと共にヴィンス・ヴォーンが出演する映画は「Couples Retreat」だそうです。 The Pink Panther 2006(ピンク・パンサー)シリーズでコメディづいているJean Reno(ジャン・レノ)が島のオーナーで出演する他、27 Dresses(幸せになるための27のドレス)の姉の恋人を横取りした妹役だったMalin Akerman(マリン・アカーマン)、2008年の「Forgetting Sarah Marshall(寝取られ男のラブ♂バカンス)」にMila Kunis(ミラ・クニス)らと共に出演したKristen Bell(クリステン・ベル)もカップルの一人として出演するらしいです。

Seth Gordon: the director of The King of Kong
「フォー・クリスマス」のセス・ゴードン監督は2007年の「The King of Kong(キング・オブ・コング)」を監督しています。 その「キング・オブ・コング」のテーマとなっているゲームセンターに設置されていたNintendo's Donkey Kong(ドンキーコング)は1981年に任天堂から発売されたゲームで後のファミコンゲームのSuper Mario Bros.(スーパーマリオブラザーズ)となったのですが、世界的にブームを巻き起こしたDonkey Kong Players(ゲーマー)のドキュメンタリー映画が「ザ・キング・オブ・コング」なのです。 この"Donkey Kong"の有名なゲーム・ミュージックを映画「4 Christmases」の中では映画の「Donkey Kong(ドンキーコング)」にも出演した記録保持者のSteve Wiebe(スティーヴ・ ウィーブ)が演じるJim(ジム)君が口笛で吹いているそうです。 セス・ゴードン監督は2010年にSimon and Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)のPaul Simon(ポール・サイモン)の歌から名付けられた「The Only Living Boy in New York」が予定されているそうです。


Four Christmases Blu-ray
ヴィンス・ヴォーンのハチャメチャぶりが押さえ気味のせいか、日本では公開されないだけでなくDVDのたぐいも販売されません。 アメリカでもAmazon.comで発売になったのはDVDじゃなくてBlu-rayなのでプレーヤーが無いと観られないそうです。 もうブルーレイの時代なんですかね。 ブルーレイの「Four Christmases」は2009年11月24日に発売です。
Four Christmases Blu-rayFour Christmases [Blu-ray] (2008)

Four Christmases Soundtrack
Four Christmases Soundtrack映画「フォー・クリスマス」の音楽は2004年の「Anchorman: The Legend of Ron Burgundy(俺たちニュースキャスター)」も手掛けたAlex Wurman(アレックス・ワーマン)が担当したそうです。 ページトップの画像は2008年にリリースされた「Four Christmases」のサウンドトラックですがアメリカでもフランスからの輸入盤となっていました。
左の画像は当初Amazon.com独占発売といわれていた最初にリリースされたサウンドトラック盤です。 日本ではその後すぐにイギリスからの輸入盤に取替えられていましたが、その後画像は復活したもよう。
前年のヴィンス・ヴォーンのクリスマス映画「ブラザーサンタ」のサントラもクリスマスソングが満載だったように、「Four Christmases」のサントラもBing Crosby(ビング・クロスビー)の"White Christmas"をはじめ、Dean Martin(ディーン・マーチン)の"I'll Be Home For Christmas"、Dean MartinとMartina McBrideのデュエットで"Baby It's Cold Outside"、Perry Como(ペリー・コモ)の"There's No Place Like Home For The Holiday"、Bobby Helms with The Anita Kerr Singers(ボビー・ヘルムズとアニタ・カー・シンガーズ)の"Jingle Bell Rock"などの素敵なフィフティーズのクリスマス・ヒット曲に加え、Robbers On High Street(ロバース・オン・ハイストリート)、Tom Petty(トム・ペティ)、Gavin DeGraw(ギャヴィン・デグロウ)のようなロックミュージシャン、そして「Charlotte's Web(シャーロットのおくりもの)」のテーマ曲を歌ったカナダのシンガーソングライターのSarah McLachlan(サラ・マクラクラン)も収録しています。
♪ サントラの全曲試聴はFour Christmases: Music From The Motion Picture

Christmas Songs on Four Christmases Soundtrack
Louis Armstrong - Cool Yule
Tom Petty And The Heartbreakers - Christmas all over again - YouTube
Sarah McLachlan - O Little Town Of Bethlehem
Perry Como - Home For The Holidays
Bobby Helms with The Anita Kerr Singers - Jingle Bell Rock
Dean Martin - I'll Be Home For Christmas
Bing Crosby - White Christmas

Reese Witherspoon
リース・ウィザースプーンは日本未公開でしたが1996年に「Fear(悪魔の恋人)」で狂気の男のガールフレンド役を演じ、1998年の「Pleasantville(カラー・オブ・ハート)」や1999年のCruel Intentions(クルーエル・インテンションズ)で注目を集め、2001年のLegally Blonde(キューティ・ブロンド)でアメリカン・ガールを演じて大ブレイクしましたが、異例な役柄としては日本未公開でしたがWilliam Thackeray(サッカレー)の上流階級を批判した長編小説"Vanity Fair(虚栄の市/きょえいのいち)"を映画化した2004年の「Vanity Fair(悪女)」で貧しい少女が社交界に君臨するまでを演じて「The Usual Suspects(ユージュアル・サスペクツ)」のGabriel Byrne(ガブリエル・バーン)と共演しています。 2009年にはDreamWorks Animationのアニメの「Monsters vs. Aliens(モンスターVSエイリアン)」でKnocked Up(無ケーカクの命中男 ノックトアップ)のSeth Rogen(セス・ローゲン)と共に出演しSusan Murphy / Ginormica(スーザン/モンスターのGinormica)の声を担当します。 この後2011年、2012年と出演作品が予定されているリース・ウィザースプーンですが、「Chinatown(チャイナタウン)」のJack Nicholson(ジャック・ニコルソン)と「The 40-Year-Old Virgin(40歳の童貞男)」のPaul Rudd(ポール・ラッド)が父子を演じる2010年のラブコメ映画「How Do You Know(幸せの始まりは)」で主演します。(公開は2011年新春)

Robert Duvall
「フォー・クリスマス」でヴィンス・ヴォーンが演じるブラッドのパパを演じたロバート・デュヴァルは1962年の「アラバマ物語」の後フランシス・フォード・コッポラ監督の1969年の「The Rain People(雨のなかの女)」をはじめたくさんのコッポラ映画に出演してきました。 なんと2013年にはBilly Bob Thornton(ビリー・ボブ・ソーントン)が監督と脚本を手掛ける「Jayne Mansfield's Car」で、Dwight Yoakam(ドワイト・ヨーカム)やDennis Quaid(デニス・クエイド)、Kevin Bacon(ケヴィン・ベーコン)やJohn Hurt(ジョン・ハート)と共演するそうです。 映画の時代背景は1960年代のアラバマだそうですが惨劇の自動車事故で亡くなった女優のジェーン・マンスフィールドのストーリーなんだとか。


☆Audio-Visual Trivia 内のヴィンス・ヴォーンの出演映画
ブラザーサンタ Fred Claus
ビー・クール Be Cool

☆Audio-Visual Trivia 内のリース・ウィザースプーンの出演映画
恋人はゴースト Just Like Heaven
ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 Walk the Line
クルーエル・インテンションズ Cruel Intentions



Édouard Molinaro: l'un des plus grand réalisateur français
フランス映画の監督として知られたエドゥアール・モリナロ(エドアール・モリナロ)の近年の作品で容易く見つかる有名映画のDVDといえば、Ugo Tognazzi(ウーゴ・トニャッツィ)も出演している1978年のお洒落でゲイなミュージカルコメディの「La Cage aux Folles(Mr.レディ Mr.マダム)」くらいなもので、1976年の「H'homme Presse(プレステージ)」ですら見当たりません。(ウーゴ・トニャッツィはCatherine Spaak(カトリーヌ・スパーク)主演の「La Voglia matta(狂ったバカンス)」でデビューした。) 海外のサイトでもエドゥアール・モリナロの作品としては、日本未公開でしたがBrigitte Bardot(ブリジット・バルドー)がカトリーヌ・ドヌーヴ風なファッションで主演した1964年の「Une Ravissante idiote(Ravishing Idiot/すてきなおバカさん)」以降、「Fantômas(ファントマ)」シリーズのLouis de Funès(ルイ・ド・フュネス)が主演した1967年の「Oscar」、Emmanuelle Béart(エマニュエル・ベアール)が主演した1985年の「L'Amour en douce(優しく愛して)」、1995年の「Beaumarchais l'insolent(ボーマルシェ/フィガロの誕生)」あたりの作品をリストアップしたサイトもありましたが、往々にして80年代以前の作品情報は少ないのです。 私は「Mr.レディ Mr.マダム」をアメリカでリメイクした1996年の「The Birdcage(バードケージ)」も観ましたが、エドゥアール・モリナロ監督の映画というならば私が好きな映画はゲイ・コメディではなく、なんといっても1950年代後期の作品なのです。

モリナロ監督が"ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠"とは呼ばれてはいないのは残念ですが、私の好きな映画はフィルム・ノワール調の作品を含む1958年のLe Dos au Mur(絶体絶命)、1959年のDes Femmes Disparaissent(殺られる)とUn Temoin Dans La Ville(彼奴を殺せ / きやつをけせ)、そしてそれらとは別に、モリナロ監督としては異色なUne fille pour l'été(ひと夏の情事)などです。 ※但し日本語で「絶体絶命」と書かれたサントラ盤を持っていると思っていたのですが、どう探しても見つからないので片手落ちの記事となりました。

Les films auxquels Edouard Molinaro a participé
音楽をエドゥアール・モリナロとのコンビで有名なGeorges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)が担当した「ひと夏の情事」や、7人の監督による1962年のオムニバス映画「Les Sept péchés capitaux(新7つの大罪)」のMichel Legrand(ミシェル・ルグラン)が音楽を担当したモリナロ監督のセグメントの「L'Envie」は別にして、残りの3作品は"モリナロのシネ・ジャズ3大作品"と勝手に私が呼んでいます。
1928年にボルドーで生まれたエドゥアール・モリナロ監督は2008年には80歳になりますが、1960年代から俳優としても映画出演していましたが、日本では1973年にLino Ventura(リノ・ヴァンチュラ)が主演したエドゥアール・モリナロ作品でカメオ出演している「L'Emmerdeur(殺し屋とセールスマン)」しか見つかりません。 1970年になってから2005年までは主にテレビ界で2008年のゲイを扱ったScénarios contre les discriminations"(Dirty Slapping)のようなドラマ制作をしていたそうです。
映画俳優だった若きエドゥアール・モリナロの写真が見られるEdouard Molinaro - La Cinémathèque française
監督として最盛期のエドゥアール・モリナロの写真が見られるEdouard Molinaro Photos - CinEmotions.com
2008年9月の映画祭に出席したエドゥアール・モリナロの写真が見られるEdouard Molinaro at the 34th US Film Festival Photos - Daylife.com

Cine-Jazz Soundtracks
1950年代にジャズを使用した有名なフランス映画といえば、Roger Vadim(ロジェ・ヴァディム)が監督しFrancoise Arnoul(フランソワ・アルヌール)が出演した1956年の「Sait-on jamais...(大運河)」でのThe Modern Jazz Quartet(MJQ)と、Pascale Petit(パスカル・プティ)が主演した1958年の「Les Tricheurs(危険な曲り角)」、そしてシネ・ジャズの最高傑作と呼ばれる映画は1957年の「Ascenseur pour L'echafaud(死刑台のエレベーター)」です。  エドゥアール・モリナロ監督もフランス映画でジャズのサウンドトラックが大いに話題となったこの時期に立て続けにシネジャズ作品を撮っています。 エドゥアール・モリナロのシネ・ジャズ3大作品として私が勝手に取り上げた作品はタイトルもハードボイルド調に凄みのある「絶体絶命」と「殺られる」と「彼奴を殺せ」です。

Trois film "Noirs" d'Edouard Molinaro avec le jazz
Le dos au mur (絶体絶命) (1958)
Le dos au mur短篇映画を撮っていたエドゥアール・モリナロ監督が27歳で長編映画デビューした「絶体絶命」はJeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)が主演したサスペンスもので、同じくジャンヌ・モローが主演したヌーベルバーグの代表と呼ばれる1967年の「死刑台のエレベーター」の1年後の作品です。 知識人に人気だったフランスの推理小説家のFrédéric Dard(フレデリック・ダール)の1956年の"Délivrez-nous du mal(Le dos au mur)"をモリナロ監督が映画化したものですが、フレデリック・ダールのサスペンス作品の映画化には1960年にMichèle Morgan(ミシェル・モルガン)が主演しRobert Hossein(ロベール・オッセン)が監督及び主演したスリラー映画の「危険な階段(Les Scélérats)」、ロベール・オッセンの父であるAndré Hossein(アンドレ・オッセン)音楽を担当した映画で1961年の「Les Menteurs(激しい夜)」、1963年にロベール・オッセンが主演したGeorges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)音楽の「Le Monte-Charge(夜のエレベーター)」なども映画化されています。


当記事の題を最初は「エドゥアール・モリナロの三大シネジャズ」としたのですが、手持ちのはずの「絶体絶命」のレコードが見つかりませんので、この記事はエドゥアール・モリナロの三大フィルム・ノワール(犯罪)映画となりそうです。
1957年に年フランス探偵小説大賞を受賞したFrédéric Dard(フレデリック・ダール)の小説のDélivrez-nous du mal(私たちを禍から救ってくれ)をもとにして原作者自身が脚色も手掛け、François Chavane(フランソワ・シャヴァヌ)が脚色及び制作した映画「絶体絶命」の英語のタイトルは"Back to the Wall"というそうです。
「絶体絶命」はパリを舞台に展開されるミステリで、妻(ジャンヌ)と若い男の浮気を知った実業家(ジャック)が妻を自分の手元に引き戻したいがために仕組んだ罠について描かれています。 他人になりすました夫のジャックは浮気をネタに妻のジャンヌを脅迫して若い恋人がその犯人だと思わせようとするのです。 確証を得たと思い込んで恋人を射殺してしまったジャンヌをかばうために、今度は夫のジャックがその死体を建築現場の塀の中に塗りこめたのです。 ジャックはこれでジャンヌは自分の元へ戻る!とおもいきや、ジャックが持っていた他人名義のパスポートがジャンヌに見つかり、脅迫者が夫であったことを知った妻はショックのあまりに自害してしまうのです。 しかし、ジャンヌはただでは死にません。 事実を書いた手紙を警察に送っていたのでジャックは自分が埋めた死体がコンクリートから取り出されるのを見つめるはめになったのでした。 これとは逆に「死刑台のエレベーター」ではジャンヌ・モローが犯行の証拠となる写真が現像液の中で浮かび上がるのを刑事と共に見つめるシーンがありました。
「絶体絶命」同様フレデリック・ダール原作及び脚本の1960年前後の映画にはジャンヌ・モローが主演した1955年の「M'sieur la Caille(狩込み)」、音楽がAndré Hossein(アンドレ・オッセン)の1960年の「Les Menteurs(激しい夜)」、1961年の「La Menace」、そしてフランソワ・シャヴァヌ脚色及び制作してLino Ventura (リノ・ヴァンチュラ)が主演した1959年の「Le Fauve est lâché(野獣は放たれた)」があります。 リノ・ヴァンチュラといえば1954年のデビュー作品「Touchez pas au grisbi(現金に手を出すな)」の後、1957年にLouis Malle(ルイ・マル)が監督した「死刑台のエレベーター」での刑事役が忘れられません。
「絶体絶命」のレトロな映画ポスターが見られるイタリアのSpalle al muro Posters - FILM.TV.IT
今や日本ではDVDはおろかVHSさえも見つからない「絶体絶命」のDVDカバー画像が見られるLe dos au mur Photos - Cinemotions.com
「絶体絶命」の音楽はRichard Cornu(リシャール・コルヌ)の作曲だそうですが曲目は不明です。 Richard Cornuは1960年にJean-Paul Belmondo(ジャン・ポール・ベルモンド)とSylva Koscina(シルヴァ・コシナ又はシルバ・コシナ)が出演したJacques Dupont(ジャック・デュポン)監督の「Les Distractions」などの音楽も手掛けたようです。 Richard Cornuが担当したという「絶体絶命」のサントラ情報をご存知の方がいらしたらご一報下さい。
ミステリ作家のFrédéric Dard(フレデリック・ダール)の小説が原案となっている「絶体絶命」のレトロなポスターが観られるLe dos au mur Posters - les dossiers cinemaetcie.ifrance.com(上から2番目の画像)
※本家フランスにも「絶体絶命」のDVDはおろかVHSすら見当たりません。


Des Femmes Disparaissent (殺られる) (1959)
1959年のエドゥアール・モリナロ監督の大ヒット作品は日本では映画そのものよりも音楽が良く知られている「殺られる」です。 暗黒小説家のAlbert Simonin(アルベール・シモナン)の原作でフランスの港町のマルセイユを舞台に女体の海外密輸を扱った犯罪小説です。 初シネジャズ映画の「大運河」や「悪党ども」に続いてRobert Hossein(ロベール・オッセン)がPierre(ピエール)役で主演して、清純派女優のEstella Blain(エステラ・ブラン)が演じるピエールの恋人のBéatrice(ベアトリス)が危うく売り飛ばされそうになるのを阻止する内容です。 ピエールがベアトリスをギャングの毒牙から助け出すストーリーですが、一介の労働者一人が国際秘密売春組織の一味と闘うなんて無謀とも思えます。 ですが恋人を愛すればこそ成し得たことでしょうか。 この他の出演者には1958年のBell, Book and Candle(媚薬)のビートニク・クラブで歌っていたシャンソン歌手のPhilippe Clay(フィリップ・クレー)がギャングの手下の殺し屋トムを怪演し、Magali Noël(マガリ・ノエル)は若い女たちの囮となるお針子のCoraline(コラリーヌ)役で出演しています。
原作者のアルベール・シモナンは1953年のTouchez pas au grisbi !(現金に手を出すな)が最も有名で映画化もされています。 Jean Wiener(ジャン・ヴィーネ)が作曲しJean Wetzel(ジャン・ウェッツェル)がハモニカで演奏したテーマ曲の"Le Grisbi(グリスビーのブルース)"がヒットしました。
映画音楽にはモリナロ監督がArt Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャース)を起用し18曲のジャズが映画を通して流れます。 これがフランスのヌーヴェルバーグ映画とジャズの決定打として好評を博しました。
「殺られる」で主演したロベール・オッセンは1961年の「絶体絶命」同様にフレデリック・ダール原作の映画化である「La Menace」など何本か監督もしています。

Des Femmes Disparaissent Soundtrack EPIC NS-46
Des Femmes Disparaissent Soundtrack by Art Blakey & The Jazz Messengers左の画像は私の手持ちのEP盤のサウンドトラックで、Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャース)が演奏する"Generique(殺られる)"と"Pierre et Beatrice(ベアトリスのブルース)"を収録してあります。(画像はエステラ・ブランとロベール・オッセン) "Generique(テーマ)"はオープニングで、"Pierre et Beatrice"はフィナーレで流れます。 演奏メンバーはドラムのアート・ブレイキー、テナーサックスのベニイ・ゴルソン、ピアノのビビー・ティモンズ、そして越路吹雪が主演した帝劇ミュージカルの「Morgan Oyuk(モルガンお雪)」が有名だった当時はリー・モルガンと表記されたトランペットのLee Morgan(リー・モーガン)です。
音楽を担当したアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャースは1958年の「Les Tricheurs(危険な曲り角)の後、1959年に「殺られる」のサウンドトラックを担当し、そして1960年にはLes Liaisons Dangereuses(危険な関係)を手掛けることになります。
まさにアート・ブレイキーの三大シネジャズです。
「殺られる」のサウンドトラックはオリジナルが1958年にアート・ブレイキーがパリで録音した19曲収録しています。 なんといってもアート・ブレイキーのドラム演奏をメインに迫力のある曲が魅力です。 タイトルバックに流れるテーマ曲の"Generique(ジェネリーク)"とフィナーレの曲で"Pierre et Beatrice"と"Final pour Pierre et Beatrice"などです。 演奏メンバーはドラムがArt Blakey(アート・ブレイキー)、テナーサックスがBenny Golson、トランペットがLee Morgan(リー・モーガン、ピアノがBobby Timmons(ボビイ・テシモンズ)、そしてベースがJymie Merritt(ジミー・メリット)です。
☆「殺られる」の音楽情報について詳しくはブログ内のArt Blakey アート・ブレイキー
アート・ブレイキーが演奏する"殺られる"が聴けるDes Femmes Disparaissent ヨーロッパ映画

Des Femmes Disparaissent/Les Tricheurs Soundtrack2003年リリース盤はアート・ブレイキーが音楽を担当した「殺られる」と「危険な曲がり角」のサウンドトラックを一緒に収録したアルバムです。
Des Femmes Disparaissent
Des Femmes Disparaissent/Les Tricheurs Soundtrackオリジナルが1977年のリリースで23曲を収録した「Des Femmes Disparaissent/Les Tricheurs」の1990年盤についてはRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)の記事にCD画像があります。
「危険な曲り角」のサウンドトラックは米国の名だたるジャズメンを集めたJATP(Jazz at the Philharmonic/ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)の豪華メンバーがパリで録音しています。
名だたるメンバーとしてはOscar Peterson Trio(オスカー・ピーターソントリオ)、トランペットはロイ・エルドリッジやDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)、そしてテナーサックスはColeman Hawkins(コールマン・ホーキンス)などが参加しています。
♪"Generique(テーマ)"や"Blues pour Doudou"など全曲試聴はフランスのDes Femmes disparaissent / Les Tricheurs - Amazon.fr


Jazz Et Cinema Vol.2 -Les Tricheurs / Des Femmes Disparaissent / La Bride sur le cou
「危険な曲がり角 / 殺られる」に加えて「何がなんでも首ったけ」も抱き合わせた2001年にユニバーサルからリリースされた国内盤は既に廃盤となっているそうですが、Amazon.co.jpでは「ジャズ&シネマ(2)」として置いてあります。
♪ 試聴はJazz Et Cinema Vol.2 - HMV Japan
La Bride sur le cou(何がなんでも首ったけ)は1961年にブリジット・バルドーの着ぐるみヌードが話題となった映画です。 "Bride sur le Cou"のテーマと"Brigitte Strip Blues"の演奏はピアノがGeorges Arvanitas(ジョルジュ・アルヴァニータス)のトリオに テナーサックスがJean Louis Chautemps(ジャン・ルイ・ショタン)とフレンチホルンがBernard Vitet(ベルナール・ヴィテ)だそうです。

Des Femmes Disparaissent DVD
ページトップの画像はエドゥアール・モリナロ監督のフィルム・ノワールの1本で「殺られる」のDVDです。
VHSでは1998年の字幕版の「殺られる」があります。


Un témoin dans la ville (彼奴を殺せ) (1959)
推理作家のPierre Boileau(ピエール・ボワロー)の小説の原題が「俺を見た奴(直訳は街角の証人)」をモリナロ監督が映画化したものです。 ピエール・ボワローの原作は1952年に書いた"Celle qui n'était plus"が1955年にHenri-Georges Clouzot(アンリ・ジョルジュ・クルーゾー)監督の「Les Diaboliques(悪魔のような女)」として映画化され、1954年に書いた"D'entre les morts"が1958年にAlfred Hitchcock(アルフレッド・ヒッチコック)監督によってVertigo(まめい)として映画化されているのが最も有名です。
映画「彼奴を殺せ(きゃつをけせ)」は1958年の「絶対絶命」と「殺られる」に続くエドゥアール・モリナロ監督のフィルム・ノワール映画の3作目になります。
※ちなみにフィルム・ノワールとはフランス語で"黒い映画"という意味ですが、1940年代後期から1950年代のハリウッド映画の中でも犯罪ものを指します。 1930年代のアメリカの恐慌時代に始まった道徳的には如何わしくてセクシーな刺激を強調したハードボイルド映画に端を発しているそうです。
「彼奴を殺せ」の妻を事故に見せかけて殺された夫の復讐劇です。 ストーリーは男に誘惑されて捨てられた(殺された)自分の妻への復讐を遂げた夫でしたが、妻の愛人だった男の家の前で男が呼んであったタクシー運転手に顔を見られてしまいます。 その運転手も消さねばと、殺害する目的でタクシーを探します。 彼奴を殺せ!
ようやくのことでそのタクシーに乗りこんだのですが事情を察知した運転手は無線で会社に車内の会話が聞えるようにしたのでタクシー会社が応援隊を出動させたのです。 タクシーの一群にどんどん追い詰められる殺人犯の夫、そこに警察も加わってまさに絶対絶命!
手に汗握る追跡劇が展開します。
後の1975年にモリナロ監督はリノ・ヴァンチュラが殺し屋を演じた「L'Emmerdeur(L' Pain in the A)」を撮っています。 モリナロ監督がバーテンダーでカメオ出演した他にはシャンソン歌手のJacques Brel(ジャック・ブレル)も出演しています。
「彼奴を殺せ」の写真が見られるイタリアのUn Temoin dans la Ville Photos - FILM.TV.IT
※「彼奴を殺せ」はリノ・ヴァンチュラが主演するフィルム・ノワールの名作となったサスペンス映画で、「Classe tous Risques(墓場なき野郎ども)」でジャン・ポール・ベルモンドのガールフレンドを演じたイタリア女優のSandra Milo(サンドラ・ミーロ)がタクシー運転手の恋人役を演じる他、Francoise Brion(フランソワーズ・ブリオン)も出演しています。

Un Temoin dans la Ville Soundtrack
モリナロ監督は「彼奴を殺せ」のサウンドトラックにも「殺られる」に続いてBarney Wilen(バルネ・ウィラン)を起用し、サウンドトラックにジャズを取り入れています。 バルネ・ウィランは1957年に「死刑台のエレベーター」でMiles Davis(マイルス・デイヴィス)と共に演奏した当時若手のテナーサックス奏者で、このサウンドトラックではピアノのDuke Jordan(デューク・ジョーダン)、ベースのPaul Rovere(ポール・ロベール)、元MJQのドラマーだったKenny Clarke(Kenny Clarke Quintet/ケニー・クラーク)、トランペットのKenny Dorham(ケニー・ドーハム)と演奏しています。
Barney Wilen - Melodie Pour Les Radio-Taxis
「彼奴を殺せ」のサントラでは1946年にCharles Trenet(シャルル・トレネ)とLéon Chauliacの共作のお別れを歌うシャンソン、"Que reste-t-il re nos amours?(愛の名残り又は残されし恋には)」という曲が取り上げられています。 この曲は1955年に作曲家のAlbert Beach(アルバート・A・ビーチ又はLee Wilson名義)が英語の詩をつけた"I Wish You Love"を1963年にChris Connor(クリス・コナー)が"Goodbye, no use leading with our chins..."と歌っていますが、オリジナルが1978年というクリス・コナーのジャズ・アルバム「Sweet and Swinging」に収録されています。
Un Temoin Dans La Villeでも使用されたバルネ・ウィランが演奏する"Que reste-t-il de nos amours"の試聴(iTunesを開くのはStoreの変更を含めて時間がかかるのであえてお勧めはしません。)
Que reste-t-il de nos amours USA iTunes Music Store(曲が選択されているのでダブルクリック)

Jazz in Paris: Jazz and Cinema, Vol. 1
Un Temoin dans la Ville/Cracher Sur Vos Tombes

2001年にリリースされているアルバムのジャズ&シネマ(1)ではバルネ・ウィランの「彼奴を殺せ」と、アラン・ゴラゲールの「墓にツバをかけろ」のサウンドトラックを一緒に収録しています。 「彼奴を殺せ」のメンバーはテナーサックスがバルネ・ウイラン、ドラムがケニー・クラーク、トランペットがケニー・ドーハム、ピアノがデューク・ジョーダン、そしてベースがポール・ロヴェールとなっています。 「彼奴を殺せ」だけでは「彼奴を殺せ オリジナル・サウンドトラック」という1995年にリリースされています。

J'irais cracher sur vos tombes Soundtrack
1959年にBoris Vian(ボリス・ヴィアン)の脚本でMichel Gast(ミシェル・ガスト)が監督し、アメリカ南部における黒人差別をテーマとした映画「墓にツバをかけろ」にはフランス俳優のChristian Marquand(クリスチャン・マルカン)が黒人の弟をリンチで殺された兄を演じ、図らずも恋に落ちてしまう復讐の相手である白人のその妹をイタリア女優のAntonella Lualdi(アントネラ・ルアルディ)が演じました。
J'Irai Cracher Sur Vos Tom by Alain Goraguer (AA side) - youTube
J'Irai Cracher Sur Vos Tom (B side) - YouTube
「墓にツバをかけろ」の音楽はL'eau A La Bouche(唇によだれ)のAlain Goraguer(アラン・ゴラゲール)が担当し、アメリカ南部のメンフィスという土地柄に合わせてブルースハープ(ハーモニカ)を使ったちょっとブルース調の音楽です。
♪ 「J'Irai Cracher Sur Vos Tom」サウンドトラックの"Blues De Memphis"、"Theme D'Amour"、"Theme De Liz"などの試聴はJazz & Cinema Vol 1-Un Temoin Dans La Ville-J'Irai Cracher Sur Vos Tombes - 7digital.com

Temoin Dans La Ville / Blues de Memphis (EP) - EPIC NS-65
Un témoin dans la ville Soudtrack私の手持ちのEPレコードの「彼奴を殺せ」は別の映画で1959年の「J'Irai Cracher Sur Vos Tombes(墓にツバをかけろ)」のテーマ曲の"Blues de Memphis(褐色のブルース)"と抱き合わせになっています。 当時大流行したサスペンス映画のカップリング盤といえますが、演奏はオリジナルのサウンドトラックではなくてピアニストの三保敬太郎が率いるModern Jazz Playboys(モダン・ジャズ・プレイボーイズ)です。 テナーサックス(フルート)が渡辺貞夫と宮沢昭、ドラムが猪俣猛、トランペットの林鉄雄、バリトンサックスの金井英人などのコンボですが、ベース奏者が分かりません。 それと「褐色のブルース」のハーモニカは誰なんでしょうか。
日本人バンドが洋画のサントラを演奏するといったことは「L'Eclisse(太陽はひとりぼっち)」のテーマがコレット・テンピアという寺岡真三率いる楽団だったというように当時はよくあったそうです。


Boris Vian
ボリス・ヴィアンはフランスの作家ですがアメリカのハードボイルド作家であるRaymond Chandler(レイモンド・チャンドラー)が書いた"The Big Sleep(大いなる眠)"を1948年に「Le grand sommeil」として仏語翻訳したそうです。(「三つ数えろ数えろ」として映画化) チャンドラーに触発されてか、自身も黒人という触れ込みのVernon Sullivan(ヴァーノン・サリヴァン)名義で暴力的な通俗小説を書きました。(本名を隠すと大胆になれます。) デビュー作は差別する白人への復讐に燃える黒人青年の残虐な犯行を描いた「J'irais cracher sur vos tombes(墓に唾をかけろ)」ですが、他のサリヴァン名義の作品の多くはその過激な内容から出版禁止を食らったそうです。 音楽面ではDon Cherry(ドン・チェリー)みたいにポケット・トランペット(trompinette)も吹いたミュージシャンでもありましたがSerge Gainsbourg(セルジュ・ゲンズブール)を作曲へ喚起したボリス・ヴィアンが書いたシャンソンでも、反戦歌とみなされた"Le déserteur(脱走兵)"などは放送禁止を食らったそうです。(Boris Vian1968年のPhilips仏盤LP"Le Deserteur"とJuliette Greco他全13シャンソン歌手集の"Le Deserteuret" (13 autres chansons pacipisters)、楽譜はBoris Vian - Grands Succès)
「J'irai Cracher Sur Vos Tombes(墓にツバをかけろ)」の映画化にあたり、しぶしぶ脚本を手掛けたボリス・ヴィアンは、作品のデキについてあまりに激怒したせいか若干39歳にしての試写会の最中に心臓発作で亡くなってしまいました。 音楽にはアメリカ南部らしくブルースを使用したMichel Gast(ミシェル・ガスト)監督の「墓にツバをかけろ」ではリンチに合って殺された黒人青年の兄であるジョー役を「大運河」のChristian Marquand(クリスチャン・マルカン)が演じ、リンチの主犯の恋人のリズベスをAntonella Lualdi(アントネッラ・ルアルディ)が出演している他、1960年のI Dolci Inganni(十七歳よさようなら)にクリスチャン・マルカンと共に出演したJean Sorel(ジャン・ソレル)も出ています。

Magali Noël
「殺られる」の前に「La dolce vita(甘い生活)」に出演しているトルコ出身でイタリア映画で活躍したグラマー女優のマガリ・ノエルの代表作品は1957年のCharles Brabant(シャルル・ブラバン)監督の「Le Piège(鍵穴)」だそうで、Dany Carrel(ダニー・カレル)やRaf Vallone(ラフ・ヴァローネ)と共演しています。 原作では屍姦をも扱っている過激なフレンチ・フィルムノワール(犯罪映画)をJules Dassin(ジュールス・ダッシン)が1955年にPerlo Vita(ペルロ・ヴィタ)名義で出演し、脚本及び監督もした1955年のDu rififi chez les hommes(男の争い)はL'arbre de Noel(クリスマス・ツリー)が最後の映画音楽だったGeorges Auric(ジョルジュ・オーリック)ですが、マガリ・ノエルがL'Age Do'r(ナイトクラブ)のシーンでテーマ曲を歌ったり、1959年には同郷の歌手のDario Moreno(ダリオ・モレノ)と"Oh Que Mambo!"で共演しているように、マガリ・ノエルは妖艶な女優であるとともに歌手としても有名です。 「Rififi(男の争い)」では「激しい夜」で大富豪を演じたJean Servais(ジャン・セルヴェ)と共演しています。  1970年に"Les boîtes"や"Une énorme samba"なども歌っているマガリ・ノエルのアルバムにはBoris Vian(ボリス・ヴィアン)の曲をカバーしたシャンソンやダリオ・モレノとのデュエット、そしてAlain Goraguer(アラン・ゴラゲール)も関わっている「MAGALI NOEL / LES BOITES (PATHE MARCONI)」は見つかりませんが「Chante Boris Vian」というアルバムでは数曲が試聴できます。 ボリス・ヴィアン本人のアルバムで「Boris Vian chante Boris Vian」もあり。
フランス語ですが1956年から1989年までのマガリ・ノエルのセクシー画像付きたくさんのCDジャケットも見られて歌も聴ける素晴らしいサイト、Magali Noël Interprète des chansons de BORIS VIAN (♪青文字のリンクをクリック)

Lino Ventura
リノ・ヴァンチュラはフランス映画のスターですが、イタリアの俳優なのです。 1954年のギャング映画の「Touchez pas au grisbi(現金に手を出すな)」は格闘家を目指していたせいか、がたいが大きく、デビュー作品であるにも関わらず既にポストJean Gabin(ジャン・ギャバン)かと思えるほど貫禄がありました。 リノ・ヴァンチュラはその後も次々とハードボイルド映画に出演しています。 1957年に「死刑台のエレベーター」、1958年に「Le Chemin des écoliers(学生たちの道)」、1960年に「Classe tous Risques(墓場なき野郎ども)」、Alain Delon(アラン・ドロン)と共演した1967年の「Les Aventuriers(冒険者たち)」、引退間近のブリジット・バルドーと共演した1971年の「Boulevard du rhum(ラムの大通り」などなどとフランス映画の全盛期には出ずっぱりの活躍をしていました。 リノ・ヴァンチュラは「死刑台のエレベーター」での刑事役から「Soleil Rouge(レッド・サン)」のTerence Young(テレンス・ヤング)が監督してギャングの抗争を描いた1972年の「The Valachi Papers(Cosa Nostra / バラキ)」でのVito Genovese(ビート・ジェノベーゼ)のようなギャングのボス役まで幅広く演じています。

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