テキーラ Tequila by The Champs


30 Great a & B Sides
30 Great a and B SidesThe Champs plays Tequila!

Tequila!
テキーラといえば酒! メキシコだからってサボテンから造るのではなく、テキーラ村からテキーラの製造が始まったそうで、トゲのないアロエに似ているが葉を切り落とすとパイナップル(Piña)のような竜舌蘭(tequila agave)から造られるメスカル(Mezcal)の一種だそうです。 アルコール度の高い蒸留酒なので喉が焼けるのを防ぐために塩を舐めてライムジュース(レモン)を口へ絞って飲むそうですが、テキーラを一気にクィッと飲んだ(飲まされた)後に頭を押さえて暴力的にシェイクされている観光客の映像をテレビで見たことがあります。
Tequila Factory Tour, Mexico - YouTube
Tequila, tilt and beat - YouTube
そして「テキーラ!」といえばラテン調ロックンロール・バンドのチャンプスの永遠なるヒット曲です。 そして、そして、なんと2009年には日本の野球界で応援歌として、又日本ハム対楽天の試合でイニング間にて"テキーラ!"が使用され話題を提供するに至ったのです。 テキーラダンスでフレー、フレー、フレー!

The Champs (1958 - 1965)
チャンプスは西海岸で活躍したセッションバンドのメンバーで構成されたインスト・グループで、現在ではオールディズ、フィフティーズ、R&B、ロックンロール、ホワイト・ドゥー・ワップなどのジャンルに属します。 チャンプスはさておき、ロックンロール・ギタリストのDuane Eddy(デュアン・エディ)も別格として、1950年代後期から1960年代にかけては、Santo and Johnny(サント・アンド・ジョニー)や1959年のRed River RockがヒットしたJohnny and the Hurricanes(ジョニー・アンド・ハリケーンズ)のような小編成のロックンロール・バンドが雨後の竹の子のように現れました。
チャンプス結成の発起人となるDave Burgess(デイヴ・バーゲス)はロスアンジェルスでDJも務める傍らポップスやカントリーの曲も書いていたそうですが、1957年には歌うカウボーイのGene Autry(ジーン・オートリー)のChallenge Records(レコード会社)でセッション・ギタリストとしてDave Dupree名義でもレコーディングしたという面長のソロ・シンガーでもあります。 当時ジーン・オートリーのレコード会社と契約したテキサスのロカビリアンやカントリー歌手のなかに後に"Lovers of the World(マンダム~男の世界)"で有名になったJerry Wallace(ジェリー・ウォレス)もいたそうです。 1957年の終わりに、デイヴ・バーゲスが作曲した"Train To Nowhere"のB面をレコーディングするためにバンドを集めたところ、既に他社と契約していたTex-Mex(テックス・メックス)のテナーサックス奏者のChuck Rio(Daniel Flores)のトリオとしてドラマーのGene Alden(ジーン・オールデン)にギタリストのBuddy Blues(バディ・ブルース)、これにベースのCliff Hills(クリフ・ヒルズ)が加わったセッションメンバーだったそうです。 メキシコ系のChuck Rio(チャック・リオ)が即興的に作曲してレコーディングしたその曲とは、間奏にチャック(ダニー・フローレス)の合いの手が入るメキシコの酒をテーマにした"Tequila(テキーラ)"でした。 キーボードも弾けばボーカルも担当し、少々下品なダーティ・サックスを吹くDanny Flores(ダニー・フローレス/チャック・リオ)はラテンロックのゴッドファーザーの異名を取りましたが、Tequilaを発表した時は他社のレコード会社と契約していたので別名のChuck Rioを名乗ったのだそうです。 そしてバンド名はチャンピオンを意味する"The Champs"と名付けられツアーメンバーにはチャック、バーゲス、オールデンとセッションメンバーにとって代わってギターにDale Norris(デイル・ノリス)とベースにはJoe Burnassが参加したそうです。 チャンプスの最初のヒット曲となった"Tequila"はチャート入りして19週連続トップをキープし、1958年の最優秀R&Bレコード部門でGrammyを受賞してしまいました。 しかし、殆ど練習なしのぶっつけ本番で実演(ツアー)をしていた当時のチャンプスはベテランのサックス奏者であるチャック・リオからみると余りにプロ要素を欠いているとしてして同年にバンドを去ってしまいました。 代わりにテキサス出身のJim Seals(ジム・シールズ)とDash Crofts(Darrell Crofts /ダレル・クロフツ)のデュオが参加しました。 短期間でチャンプスを去ったチャック・リオはアメリカ国内での著作権は放棄しましたが国外の著作権は一生保持することができたそうです。 しかしテナーサックス以外にもその後に次々とメンバー交代があったことがチャンプスのウィークポイントとなりました。 テキーラの後に続いて"El Rancho Rock"や"Chariot Rock"もヒットしましたが、1960初期にテキーラ!第二弾として"Too Much Tequila"をリリース、その数年後に"Limbo Rock"がヒットしたものの1965年にはバンドは解散しています。 しかし、チャンプスのテキーラは永遠です。
※面長のデイヴ・バーゲスがプロデュースに加わった別レーベルのコンピレーションアルバム「The Lost '60s Recordings」でボーカルとギターで参加した時には"Dave Burgess And The Chimes"名義だったそうです。(リードボーカルにRick Nelson(リッキー・ネルソン)やセッション・ギタリストのGlen Campbell(グレン・キャンベル)
The Champs - El Rancho Rock - 1958 45rpm
The Champs - Too Much Tequila - YouTube
The Champs - Limbo Rock - YouTube

Tequila by other musicians
テキーラはチャンプスの専売特許と思いきや、同世代のロックバンドのThe Ventures(ヴェンチャーズ)やデュアン・エディ、Bill Blacks Combo(ビルブラックスコンボ)をはじめ、マンボの王様のPerez Prado(ペレス・プラード)がアルバムの「Simply Latin」や「Greatest Hits」に収録、同じくキューバ出身でラテン音楽をアメリカに広めたのXavier Cugat(ザヴィア・クガート)も数枚のアルバムに収録した他、私の好きなジャズギタリストのWes Montgomery(ウェス・モンゴメリー)が1966年にアルバム「Tequila」や「Talkin' Verve: Roots Of Acid Jazz」をリリースしたり、フュージョン系アルトサックス奏者のDavid Sanborn(デイヴィッド・サンボーン)が2003年のアルバム「Time Again」に収録、Henry Mancini(ヘンリー・マンシーニ)はアルバムの「COMBO!」に収録するなどたくさんのミュージシャンがカバーしているのです。
Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)のバッキングでも有名なロカビリーバンドのアップライトベース奏者であるBill Blacks(ビル・ブラック)のバンドがAce Cannon(エイス・キャノン)のテナーをフィーチャーして1960年に"Hi"レーベルでTequilaを吹き込みました。(掛け声なしのTequilaとB面のRaunchyの試聴
Tequila / College man by Max and The Maxies DP 1076
Tequila by Max Greger私が持っているマイナーなレコードとしてはドイツのPolydorレコードからリリースされたMax Greger(マックス・グレーガー)がリーダーのMax and The Maxiesという楽団の演奏で「Tequila / College man」というEP盤があります。

Tequila in the films
チャンプスのテキーラは映画のサウンドトラックでもよく使用されています。 テキーラがヒットした1958年にPascale Petit(パスカル・プティ)が主演したフランス映画のLes tricheurs(危険な曲がり角)でRay Conniff(レイ・コニフ)と共演した"Just Boppin"とともにチャック・リオとチャンプスの"Tequila"が使用されたそうです。 この他に1979年のThe Wanderers(ワンダラーズ)や1986年のPeggy Sue Got Married(ペギー・スーの結婚)などがあり、Alan Silvestri(アラン・シルヴェストリ)が音楽を担当した映画では1987年のOverboard(潮風のいたずら)と2006年のNight at the Museum(ナイト ミュージアム)で使用されたそうです。 テキーラが使用された映画のなかでも愉快な作品は日本未公開でしたが1985年にコメディアンのPaul Reubens(ポール・ルーベンス)がPee-wee Herman(ピーウィー・ハーマン)として主演した「Pee-wee's Big Adventure(ピーウィーの大冒険)」です。
テキーラのA面だった"Train To Nowhere"は1988年の映画「Hairspray」でRicki Lake(リッキー・レイク)が演じたヒロインのトレイシーのお勧めです。
The Champs - Train To Nowhere (1958) - YouTube

The Albums by The Champs
オリジナル曲が少ないチャンプスは1950年代と1960年代にヒットしたオールディズ、R&B、ロックンロール、ホワイト・ドゥー・ワップやラテンのナンバーを数多くカバーしています。
30 Great a & B Sides
ページトップの画像は1996年にリリースされたCDで、1958年から1961年までのチャンプスのEPシングル盤のA面とB面を集めた「30 Great a & B Sides」です。 "Tequila"や"Too Much Tequila"の他に、Night Train、ボーカル曲のAlley Cat、 ハーモニカがブルージーなRed Eye、バラードのSubwayやラグタイムのMoonlight Bay、レアなBeatnikまで主にメキシコをテーマにしたロックやロカビリーの30曲を収録しています。
"Night Train"のオリジナルは1952年のJimmy Forrest(ジミー・フォレスト)のテナーサックス演奏ですが、同じくテナー・サックス奏者のKing Curtis(キング・カーティス)の演奏や1960年代初期にJames Brown(ジェームス・ブラウン)の過激なダンス・パフォーマンスでも人気だった曲です。
Moonlight Bayはラグタイム音楽の作曲家であるPercy Wenrich(パーシー・ウェンリッチ)が1912年に書いてEdward Madden(エドワード・マッデン)が歌詞を付けたヒット曲ですがThe Beatles(ビートルズ)も歌いました。
"Alley Cat"は1940年代にJay McShann's bandのブルース・シンガーだったWalter Brown(ウォルター・ブラウン)が1958年に歌ったロカビリー曲です。
当時はヒップだったビート族をテーマにしたジャージーなBeatnikは1960年代にビルボードにチャートインしたこともあるLarry Verne(ラリー・ヴァーン)がビート風に歌い(語り)ました。
♪「30 Great a & B Sides」の試聴はChamps - Early Singles - TowerRecords

The Champs - Midnighter (1958) 45rpm- YouTube

Tequila: The Very Best of the Champs
Very Best of the Champs1998年にリリースされたチャンプスの人気のアルバムには定番のTequilaやToo Much Tequila の他にTelstar、Rebel Rouser、Percolator、The TwistやLimbo Rock、ラテンの名曲のLa Cucaracha、Istanbul (Not Constantinople)、Bristol Stomp、映画主題歌のAnna(アンナ)、Last Night、Bunny HopやHokey Pokeyなど全24曲を収録しています。
Telstarはレコード・プロデューサーのJoe Meek(ミーク)が作ったエコーを聞かせたスペースサウンドの曲で60年代に人気があったがメンバーが抜けて数年で解散したイギリスのインストゥメンタル・ロックバンドのThe The Tornados(トルネイドーズ)が1962年にヒットさせました。
Rebel RouserはTwangy Guitar(トワンギーギター)の名手と呼ばれたDuane Eddy(デュアン・エディ)の1958年に放った大ヒット曲です。
PercolatorはBilly Joe(ビリージョー)のテレビ番組のスポンサーであるMaxwell Houseコーヒーのコマーシャルとして有名になった曲です。 イントロの木琴のサウンドがユニークなツイスト曲でBilly Joe and the Checkmatesの演奏で1962年にヒットしました。 木琴のパートをギターで表現したThe Ventures(ヴェンチャーズ)のバージョンでも知られています。
The Twistのオリジナルは1959年にR&B歌手のHank Ballard and The Midnightersがリリースし、1960年にツイスト王のChubby Checker(チャビー・チェッカー)がカバーして大ヒットになりました。
Limbo RockもChubby Checker(チャビー・チェッカー)が1962年にカバーして最後のチャートのトップテン入りを果たしました。 Limbo(リンボ)はカリビーン(トリニダードやジャマイカ)のカリプソ風なリズムで徐々に下げていく低い横木を膝ですって背中を床に付けないように踊りながらくぐり抜けるダンスです。
Istanbul (Not Constantinople)はアメリカのNat Simon(ナット・サイモン)が作曲して1950年代に流行った曲でSleepwalkで有名なSanto & Johnnyの1962年の演奏やカナダの白人カルテットのThe Four Lads(フォア・ラッズ)が1953年のゴールデンディスクを獲得したエキゾチックな曲です。
La Cucarachaはゴキブリを歌ったメキシコの民謡で作者不詳のラテンの名曲で、ラテンのペレス・プラードをはじめ、ジャズのLouis Armstrong(ルイ・アームストロング)やCharlie Parker(チャーリー・パーカー)が何枚ものアルバムに収録している他演、1964年にボーカル・カルテットのMills Brothers(ミルス・ブラザース)や1955年に歌ったカントリーのHank Snow(ハンク・スノー)も「Singing Ranger Vol. 2」に収録しています。
Bristol Stompは1961年にKal MannとDave AppellがハイスクールのボーカルグループであるThe Brooktones(後のThe Dovells)のために書いたダンス・ステップを歌った曲で1961年の初ヒットとなりました。
Annaは1951年の映画「Anna(アンナ)」で主演のSilvana Mangano(シルヴァーナ・マンガーノ)が葺き替えで歌い踊ったバイヨンのテーマ歌で"El Negro Zumbon"とも呼ばれ、日本でも1953年にヒットパレードに登場しました。
Last Nightはスタックス・レコードのハウス・バンド(ホーン・セクション)だったMar-Keys(マーキーズ)が1961年に演奏したR&B(メンフィス・ソウル)曲です。
Bunny HopとThe Hokey Pokeyは1950年代にRay Anthony(レイ・アンソニー)がリリースしたAB両面ダンス・インストラクト用のシングルに収録した曲です。
国内盤は「ベリー・ベスト・オブ・ザ・チャンプス
♪「The Very Best of the Champs」の試聴はThe Very Best of the Champs - CD Universe

The Champs - La Cucaracha (45rpm) - YouTube
The Champs - Bristol Stomp - YouTube

上記以外にもオリジナル盤のリリースが1987年というアルバムの「Tequila」や1994年のCDカバーがバイカー画像の「Tequila: The Champs Greatest Hits」や「Tequila: The Very Best of the Champs」など何枚もリリースされていますがチャンプスがレコーディングしたのは1958年から1965年の約7年ほどでした。

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