ふたりの5つの分かれ路 5X2 (2004)

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Cinq fois deux
Valeria Bruni Tedeschi as Marion and Stéphane Freiss as Gilles
♪ Philippe Rombi - Cinq fois Deux
女: Marion (Valeria Bruni Tedeschi)と男: Gilles (Stéphane Freiss)

Five Times Two(2004年)
「5x2(ふたりの5つの分かれ路)」はフランス語ではCinq fois deux、イタリア語ではCinque Per Dueという、François Ozon(フランソワ・オゾン)が監督及び脚本を手掛けた男と女の心理ドラマです。 離婚に至った或る男と女の「出会いから別離」ではなく、逆に「別離から出会い」までの人生の五つのシーンを描いています。 部分的に(多分に最後のほう、つまり最初の頃)クロード・ルルーシュ監督の「男と女」にも似た逆廻しの展開がスリリングで、季節を追って五話のエピソードが「何故別離に?」という疑問を解き明かしていきます。
この映画の日本語タイトルは聴いただけでは表記が難しいらしく、数字とミチの漢字が「ふたりの五つの分かれ道」となっているのも見かけます。
ページトップの画像は「ふたりの5つの分かれ路」に出演している女優と男優ですが、Marion(マリオン)はValeria Bruni Tedeschi(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)で、Gilles(ジル)はStéphane Freiss(ステファン・フレイス)が演じます。 ジルの兄でゲイのChristophe(クリストフ)役でAntoine Chappey(アントワーヌ・シャピー)も出演しています。
アントワーヌ・シャピーが出演した映画は日本では1996年の「Pour rire!(男と女と男)」など数本しか公開されていませんが、ヨーロッパではテレビドラマを含めると1980年代から数え切れないほどたくさんの映画に出演していて今現在も製作中の作品が数本あるそうです。
ページトップの「ふたりの5つの分かれ路」の写真がなんとなく、1974年の日本未公開でしたがFabio Testi(ファビオ・テスティ)と「Monpti(モンプチ わたしの可愛い人)」に出演したRomy Schneider(ロミー・シュナイダー)が共演した「L'important c'est d'aimer」での終盤のシーンに似ているような。

フランス式離婚手続きを無表情で進める弁護士と夫婦のシーンで始まるこの映画ですが、そこには涙も感情もありません。 ただの印鑑を押すという法的手続きが執り行われるだけです。 そして、五つのエピソードの内の最初のシーンとなるのはある簡素なホテルの一室です。 冒頭の離婚手続き直後の最後の確認とも言うべき殺風景なホテルでの感傷的になる筈の白昼ベッドインは、女の一方的な中断により非常に気まずい雰囲気に終わります。 女は一言も発しませんがその顔は万の言葉を語っています。 この解せないベッドインもエピソードが進むと納得出切る寸法になっています。

「今、この時、決断して良かったのだろうか?」という疑問は多くのカップルが経験しているでしょうが、どちらかが耐えなければ成立しない関係を考え直す映画です。 女性には思い当たる節の多い内容でしょうし、男性は「何で?」と理解不可能かもしれません。 恋愛中の別離では女が後を引きますが、結婚の別離ではきっぱりと切れるのがオンナです。 始め良ければ終わり良しとは行かないのが結婚又は男女の仲ですが、一時でも幸せな時が有ったなら「良し」としましょうかね。 Tom Tykwer(トム・ティクヴァ)監督の「ラン・ローラ・ラン」のようにリセット出来れば。 ねえ。

video日本では2005年8月に公開される「ふたりの5つの分かれ路」のトレーラー
5X2 Trailer - YouTube」と「5X2 - YouTube

「監督より俳優のほうがいいんじゃ?」と言えそうなくらいハンサムなFrancois Ozon(フランソワ・オゾン)監督ですが、往年のフランス女優のDanielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)やCatherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)が出演した2002年の「8 femmes(8人の女たち)」と、57歳のCharlotte Rampling(シャーロット・ランプリング)が主演し別荘の老使用人を挑発して全裸も見せた(「愛の嵐」を想像しないで)2003年の妄想劇「Swimming Pool(スイミング・プール)」という話題作の後にこの「ふたりの5つの分かれ路」を監督しました。 主演はFabrice Luchini(ファブリス・ルキーニ)ですが、Kristin Scott Thomas(クリスティン・スコット・トーマス)とEmmanuelle Seigner(エマニュエル・セニエ)という「Bitter Moon(赤い航路)」コンビが出演する2012年の「Dans la maison(In the House)」の後、2012年初夏のニュースによるとオゾン監督の長編第14作目となる2013年の「Jeune et jolie」にもシャーロット・ランプリングが4度目の出演をするそうです。
フランソワ・オゾン監督のオフィシャル・サイトはFrancois Ozon Official Site - francois-ozon.com(サイトで仏語か英語を選んでEnter)


Five Times Two DVD
下記の画像は2006年発売の日本語字幕版DVDですが国内版、輸入版ともに入手困難です。
Cinq Fois Deuxふたりの5つの分かれ道


Soundtrack: Cinq Fois Deux
「ふたりの5つの分かれ路」のサウンドトラックはPhilippe Rombi(フィリップ・ロンビ)作曲の音楽です。
Cinq fois deuxCinquePerDue - Frammenti di vita amorosa (「ふたりの5つの分かれ路 5×2 オリジナルサウンドトラック)
サントラ「Cinq Fois Deux」の試聴は5x2 cinq fois deux - AllMusic.com
1、6、9、12、14Theme pianoがフィリップ・ロンビの曲で、最後の15番(日本では14番)の"La Bande-Annonce du Film"はボーナス・トラックで上記のサイトでは試聴なしです。
サントラではフィリップ・ロンビ作曲以外にはCanzone(カンツォーネ)が使用されています。
サントラの2番はイタリア生まれのシンガー・ソングライターであるPaolo Cont(パオロ・コンテ)が歌うタンゴ調のSparring Partner
3番がBobby Solo(ボビー・ソロ)のUna Lacrima Sul Viso(ほほにかかる涙)
4番はLuigi Tenco(ルイジ・テンコ)の曲でHo capito che ti amo(愛のめざめ)と13番のVedrai vedra(You Will See ヴェドライ・ヴェドライ)はWilma Goich(ウィルマ・ゴイク)
8番のSapore di sale(恋は塩味)は新カンツォーネの創始者と呼ばれるGino Paoli(ジーノ・パオリ)の曲ですが、11番の"Senza fine(恋に終わりなく)はそのジーノ・パオリが60年代にイタリアン・ポップス界の大御所であるOrnella Vanoni(オルネラ・ヴァローニ)に捧げた曲だそうです。
女性歌手のオルネラ・ヴァローニの曲では「オーシャンズ12」のオープニングでL'appuntamento(逢いびき)が使用されています。
Paolo Conte - Sparring Partner - YouTube

La morte di Luigi Tenco (1967)
ルイジ・テンコは28歳にして謎の拳銃自殺を図ったイタリア人の新生歌手ですが、その当時エジプト系イタリア人のシャンソン歌手「Dalida(ダリダ)」と結婚する予定だったそうです。この二人はサンレモ音楽祭でCiao Amore Ciaoをデュエットしたのですが、遺書によると予選に落ちて悲観したルイジ・テンコが死に急いだようですが、右利きのルイジが左のこめかみを撃っている点や遺書の筆跡鑑定もなされていないことで疑問も残されています。ホテルの部屋でルイジ・テンコを見つけた悲劇のダリダも未遂に終わったものの、ルイジ・テンコとの思い出の地サンレモで後追い自殺を図ったそうです。
La morte di Luigi Tenco e Dalida nel lutto - YouTube
Luigi Tenco e Dalida - Ho capito che ti amo - YouTube

イタリアのプレスリーと呼ばれたボビー・ソロが1964年にサンレモ祭で優勝を逃した"ほほにかかる涙"や、"Se piangi se ridi(君に涙と微笑を)"などのヒット曲が聴けたボビー・ソロのオフィシャル・サイトBobby Solo Official Web Siteは工事中かも。
ちなみに当時サンレモで優勝したのは日本でも"ノノレター"と人気だったNonhol'eta(夢見る想い)を歌った16歳のGiGliola Cinquetti(ジリオラチンクエッティ)で後にサンレモ音楽祭の女王と呼ばれました。