リトル・ウィリー・ジョン Fever by Little Willie John

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Fever: The Best of Little Willie John
Fever
FEVER!
Yeah, If you don love me...
Little Willie John - Fever (1956) - YouTube

リトル・ウィリー・ジョンの代表曲の一つは"Fever(フィーバー又はフィーヴァー)です。
"フィーバー"は日本でも大変よく知られたPeggy Lee(ペギー・リー)のヒット曲の一つで、当然、ペギー・リーのオリジナルだと思われています。 ところが実は、1958年に吹き込んでチャートで上位に入った"Talk To Me, Talk To Me(トーク・トゥ・ミー)"や、"たまらなく君が欲しい"と切なく歌う1955年の"Need Your Love So Bad"などのヒット曲で知られるR & B歌手のLittle Willie John(リトル・ウィリー・ジョン)が放った1955年のヒット曲なのです。 Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)のAll Shook Up、Return To Sender、Don't Be Cruel、そしてJerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス)のGreat Balls Of Fire、のヒットで知られるロックンロール時代のシンガーソングライターであるOtis Blackwell(オーティス・ブラックウェル)が John Davenport(継父姓のジョン・ダベンポート)名でEddy Coolly(エディ・クーリー)と共作したのがFever(フィーヴァー)なのです。

18歳で初ヒット曲をリリースしたものの全盛期は10年に満たないリトル・ウィリー・ジョンですが、どうして「リトル」なのかというとリトル・ウィリー・ジョンの背丈はまさに5フィーと4インチ(約162センチ)だったからです。 アルコール中毒や背丈などから来るコンプレックスなどに持ち前の短気が加わりフィーヴァー!、1964年に自分の婚約パーティーの席上で些細なことから殺傷事件を起こしてWashington State Penitentiary(ワシントン州立刑務所)に送られました。 その2年後、殺人罪で服役中の1968年(30歳)に心臓マヒ(公式)で死亡しましたが、リトル・ウィリー・ジョンの弟子と自称する友人で仮釈放にも尽力を惜しまなかったというJames Brown(ジェームス・ブラウン)がその年にトリビュートアルバム「Thinking of Little Willie John and a Few Nice Things」をリリースしてFever(フィーヴァー)も歌っているそうです。 ジェームス・ブラウンの他にも"A Lovely Way to Die"のJackie Wilson(ジャッキー・ウィルソン)、B. B. King、そしてAl Green(アル・グリーン)などがリトル・ウィリー・ジョンの影響を受けているそうです。 リトル・ウィリー・ジョンは1996年にThe Rock and Roll Hall of Fame(ロックの殿堂)入りを果たしました。 ちなみに黒人音楽のスタンダードとも呼ばれるStaxの名盤「Your Good Things」と「You're Taking Up Another Man's Place」をリリースしたソウル歌手のMable John(メイベル・ジョン)はリトル・ウィリー・ジョンの10人兄弟&姉妹の一番上の姉です。
Little Willie John - All Around The World - YouTube

リトル・ウィリー・ジョンのフィーバーをカバーしているのはPeggy Lee(ペギー・リー)だけではありません。 なんとElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)も歌っています。
エルヴィス・プレスリーのフィーバーはアルバム"Aloha from Hawaii Via Satellite"など収録されています。。
Fever - Elvis Presley - YouTube
リトル・ウィリー・ジョンのフィーバーはエルビス・プレスリーだけではありません。 他にもSarah Vaughan(サラ・ヴォーン)、Ben E. King(ベン・イー・キング)、モダン・シカゴブルースのBuddy Guy(バディ・ガイ)やMadonna(マドンナ)、Dick Dale(ディック・デイル)やThe Cramps(ザ・クランプス)など多くのミュージシャンにカバーされています。 珍しいのは1961年のWest Side Story(ウエスト・サイド物語)で素晴らしいダンスを見せてアカデミー賞を受賞したGeorge Chakiris(ジョージ・チャキリス)が1963年に吹き込んだそうです。
「ザ・クランプス」は70年代から活動しているホラー・ロックのサイケなバンドだそうです。
Fever - The Cramps in Near Dark (1987) - YouTube

私には具志堅の"チョッチョネ"じゃないですが「チョッ、チョッ、ミー、チョッ、チョッ、ミー」と聞こえたリトル・ウィリー・ジョンの"Talk to Me"のカバーはFeverほどは多くありません。 Nirvana(ニルヴァーナ)などの同名異曲もありますが、ボーカルのSunny Ozuna(サニー・オズーナ)が結成したテキサス・サンアントニオ出身のチカーノ(メキシコ系)バンドのSunny & the Sunliners(サニー&ザ・サンライナーズ、前Sunny & the Sunglows)が1963年にカバーして本家よりヒットしたそうですが、他には私の知る限りではAl Green(アル・グリーンのアルバム「Green Is Blues」に収録)とThe Beach Boys(ビーチ・ボーイズアルバム「15 Big Ones/Love You」に収録)くらいです。
Sunny Ozuna - Talk to Me - YouTube
Al Green - Talk to Me - YouTube
The Beach Boys - Talk to Me - YouTube

☆ Never know how much I love you...Fever! ♪と歌われる「フィーバー」の歌詞はLittle Willie John's Fever Lyrics - ST Lyrics.com


Fever: The Best of Little Willie John
ページトップの画像は1993年にリリースされた"Fever"他20曲が収録されているリトル・ウィリー・ジョンのヴィンテージ・アルバムです。
試聴はFever: The Best of Little Willie John - CD Universe
こちらも"Fever"や"Talk to Me, Talk to Me"他17曲が収録されている2001年のCDですが、アルバムのタイトルが「Very B.O. Little Willie John」となっています。
Little Willie JohnThe Very Best of Little Willie John
試聴はVery Best of Little Willie John - CD Universe

この"フィーヴァー"が2004年の映画「愛についてのキンゼイ・レポート」のエンディング・ロールで使用されたとか(未確認)。 フィフティーズの音楽がサントラに使用された1987年の映画「The Big Town(ビッグタウン)」でもテーマ曲として使用された"Big Town"を歌ったRonnie Self(ロニー・セルフ)と共にリトル・ウィリー・ジョンの"フィーヴァー"が使用されたそうです。
これらの他にもAki Kaurismäki(アキ・カウリスマキ)監督の1992年の映画「Boheemielämää(ラヴィ・ド・ボエーム)」で日本の「Town of Falling Snow(雪の降る町を)」と共にリトル・ウィリー・ジョンの曲を使用しているそうです。(ちなみに"the falling snow"というと落雪という意味があるそうです)
ちなみにアキ・カウリスマキといえば1990年のフィンランド映画で邦題を「マッチ工場の少女」という悲惨でブラックな「THE MATCH FACTORY GIRL (Tulitikkutehtaan tyttö)」がありました。(一夜限りで捨てられた女が堕ろせと云われて殺鼠剤購入、能面女優のKati Outinenが素晴らしい) 映画ではReijo Taipale(レイヨ・タイパレ)が音楽を担当し"Satumaa(サトゥマー)"やOlavi Virta(オラヴィ・ヴィルタ)が歌う"Kuinka saatoitkaan (Oh, what you do to me)"などのフィンランド・タンゴが使用されています。

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