ゲイリー・クーパー Gary Cooper

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Paperback by Jeffrey Meyers
Gary Cooper: American Hero (Paperback) Gary Cooper (Paperback)
Gary Cooper: American Hero  Gary Cooper
Gary Cooper (1901-1961)

The Sexiest Man in the World
銀幕のスターには洋の東西を問わず強烈なセックスアピールを持つ俳優はたくさんいます。 星の数ほど現れた伝説的なグラマー女優で、例えばRita Hayworth(リタ・ヘイワース)やMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)などはその豊満な肉体やコケティッシュな仕草で殿方を魅了してきました。 男優もしかり、古くはサイレント時代のイタリア男優のRudolph Valentino(ルドルフ・バレンチノ)から、1940年のVirginia City(ヴァジニアの血闘)のErrol Flynn(エロール・フリン)やClark Gable(クラーク・ゲイブル)、Robert Mitchum(ロバート・ミッチャム)やWilliam Holden(ウィリアム・ホールデン)、Cary Grant(ケイリー・グラント)も入れて、反逆児のMarlon Brando(マーロン・ブランド)やPaul Newman(ポール・ニューマン)、そしてハンサムで爽やかなRobert Redford(ロバート・レッドフォード)とその息子のようなBrad Pitt(ブラッド・ピット)、最近ならJohnny Depp(ジョニー・デップ)など列挙にいとまがありません。
さて、今ここにアメリカの代表的男性像を演じたとっておきのクラシック映画時代のセクシー男優を紹介します。 私は1930年の「モロッコ」を観て初めてゲイリー・クーパーの魅力に開眼したのです。 控えめな演技であるにもかかわらず心に残り、胸がときめき、そそられる色気を持つ人柄の良さそうな俳優、それはゲイリー・クーパー!

All Sweet, Innocent and Naive: Gary Cooper (1901-1961)
ゲイリー・クーパーというとどのような俳優を思い浮かべますか? 西部劇の渋い保安官? 戦争映画の正義感溢れるヒーロー? 誠実そうで謙虚さも持ち合わせ、190センチという長身の英国紳士のゲイリー・クーパーは私がただ一人セクシーだと思う俳優なのです。 お洒落でシャイな好青年を演じた反面、濡れた唇で上目遣いに見つめる仕草がたまりません。 ところが私が映画館で初めてゲイリー・クーパーを観たのは、Burt Lancaster(バート・ランカスター)の黒い顔に真っ白な歯が印象的な1954年の西部劇「Vera Cruz(ヴェラクルス)」や1956年の「Friendly Persuasion(友情ある説得)」に出演した後のクーパーが1957年に出演したWilliam Wyler(ビリー・ワイルダー)監督のロマンス映画「Love in the Afternoon(昼下りの情事)」だったのです。 世界を股にかけるロマンスグレーのプレイボーイを演じたゲイリー・クーパーのお相手は「Green Mansions(緑の館)」で妖精のように可愛いかったAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)でした。(サブリナパンツは今日でも知られていますがアリアーヌの髪型はさほど流行ませんでした) ロマンスグレーとは白髪が出始めた中年以降の恋愛対象になり得る素敵なおじさまを意味する造成語で、この場合お金持ちでなくてはいけません。 戦後に若い俳優が少なくおじさま俳優たちと共演することが多かったオードリー・ヘプバーンが1953年のRoman Holiday(ローマの休日)と1954年のSabrina(麗しのサブリナ)に続いて出演した話題作でした。 Gregory Peck(グレゴリー・ペック)より、ウィリアム・ホールデンよりさらに年上のゲイリー・クーパーがオードリー・ヘプバーンの恋愛の対象となった「昼下りの情事」では一世を風靡した"Fascination(魅惑のワルツ)"がロマンティックなBGMでThe Gypsiesが出演しました。 "Fascination"は4人コーラスグループのThe Troubadors(トルヴァドゥール)にフランス帰りのJane Morgan(ジェーン・モーガン)が参加して"Jane Morgan & The Troubador"として吹き込んだそうです。
54歳のCary Grant(ケイリー・グラント)が年齢を理由に辞退したフラナガン役を引き受けたゲイリー・クーパーは亡くなる4年ほど前の56歳だったのです。 ラストシーン以外にグッとくることはなかったように記憶していますから、この映画で初めてゲイリー・クーパーを見たら、さほどセクシーとは思わないかもしれません。 第二次世界大戦が終結した後、しばらくは若い人気女優につりあう若い男優が手薄だったのでロマンスグレーのおじ様男優と恋愛映画を撮る他はなかったらしいです。 中年のクーパーも素敵ではありますが、親子ほど歳が離れている恋愛物語もなんだか現実味に欠けるところがあります。(もっともこの逆の中年女と若者の真実のロマンスはマダムとジゴロの話しになってしまい絶対といっていいほどロマンスは有り得ません)

Love in the Afternoon 1957
モノクロ映画の「昼下りの情事」は「パリの人はよく食べよく愛し合う、老いも若きも、プードルも。結婚した夫婦愛も。そして情事も」とホテル・リッツを夜通し見張っていた私立探偵クロード・シャヴァス(モーリス・シュヴァリエ)のナレーションで始まる。 探偵は自宅兼事務所で若い娘アリアーヌと娘のチェロと一緒に住んでいる。 探偵は早速今朝撮った写真を現像するとリッツに滞在している不道徳なアメリカ人のフランク・フラナガンの姿が浮かび上がるがそれを見た音楽院生徒のアリアンヌは魅力的、リンカーンみたいと言う。 リッツの14号室に滞在するフラナガンが婦人と逢う時は部屋にThe Gypsies(ジプシー楽団)を呼んで演奏させるがいつもHot Paprikaに始り最後は"魅惑のワルツ"、「楽団は10時に帰るんだな」と依頼主の夫は銃を準備する。 これを見聞きしたアリアンヌは驚いて10時までに危険を知らせようとチェロ教室の男の子にホテルまで送って貰ったが、ドアの前には依頼主である夫が待機している。 "Fascination"が聞こえてきて時が迫っていると思ったアリアンヌは偶然隣の部屋の鍵が差し込んだままなのを見つけて忍び込みバルコニー伝いに14号室に入り事情を話し夫人と入れ替わる。 楽団が帰った後、部屋の外で待ち構えていた夫は「気の毒だが今夜でお終いだ。」と突入した時にはアリアンヌがフラナガンと。 明日が最後のパリだというフラナガンに迫られて午後に逢う約束をして帰宅したアリアンヌは父の金庫からフラナガンのファイルを盗み見て愕然とする。 断りに行ったつもりがフラナガンの手のうちに、ルームサービスが運ばれ楽団もやってくる。 しかし10時に楽団が帰るとフラナガンはニューヨークに戻るため空港に行かねばならない。 別れ際にフラナガンが「カルティエが開いていれば」と言うのに対してアリアンヌは「何も要らない、これを頂くわ」と背広の胸に挿した一輪の白いカーネーションを手にする。
その後ワーグナーの歌劇「Tristan und Isolde(トリスタンとイゾルデ)」を上演しているオペラ座で偶然再会したアリアンヌとパリに数週間滞在するフラナガンは以前と同じ部屋、14号室で4時に待ち合わせることに。 夏だというのにアリアンヌは父が仕事で預かったアーミン(白テン)のコートを無断拝借してホテルへ行き、父のファイルを参考にプレイガールを演出する。 シェルパとの話しが気になるフラナガンのために父の話しから刺激的なアンクレットを取り入れるアリアンヌ。 だがフラナガンが気に入らんと剥ぎ取ったアンクレットをそれならそう言えばよかったのにと湖に投げ捨てるアリアンヌ、大きく広がる波紋から楽団を引き連れてボート遊びをする二人の映像だがフラナガンは浮かない顔でアリアンヌの男関係を追求する。 嫉妬は愛の兆候。 だが、女性から電話がきて約束した。 フラナガンがポケットに行方不明のアリアンヌの靴を隠していたのを見つけるとそれでおでこをコツンと叩いて帰る。 「君の名は?」と問うフラナガンに「昼下がりの女」と答えて消える。 アリアンヌがテープレコーダーに録音した交際した男の羅列をBGMに酔っぱらったフラナガンが楽団も連れてサウナに行く。 そこに居合わせたのは以前銃を手にやってきた夫人の夫、恋のお悩みなら探偵におまかせとアリアンヌの父親を紹介したのです。 早速探偵事務所を訪ねるフラナガン、関心がある若い女の尾行を依頼する。 それでとんでもないことが判明し急遽リビエラに飛ぶことにしたが天候不良のため列車に変更。 パリの女はこんにちは、さようならの短い恋をして愁嘆場を演じないことになっているから、涙を隠して駅で見送るアリアンヌはフラナガンの胸に挿した花を手にする。 「男はたくさんいて忙しいから大丈夫」とこの場に及んでも強がりを言いながら列車を追うアリアンヌ、耐えきれずに抱きかかえるフラナガン、アリアンヌがホテルに忘れて行ったチェロを手に笑顔で見送る父親。 何度観ても涙、涙、涙。


Coop's Fabulous Hats
昔は男性は女性どうようにお帽子をかぶります。 外人部隊の兵士帽はさほどではないですが、ゲイリー・クーパーが大尉を演じた1932年のDevil and the Deep(悪魔と深海)では海軍将校の制帽は素敵、「オペラハット」では正装の絹製シルクハット(トップハット)を被り、ボヘミアンの絵描きを演じた1933年の「Design for Living(生活の設計)」でも同様。 トップの横っちょが凹んだカウボーイハット(Cattleman)のようなテンガロン・ハット(Ten-Gallon Hat)をウエスタン映画の「真昼の決闘」で、そして「誰が為に鐘は鳴る」では反政府ゲリラに転じたロバート元教授がかぶっていたツバ広のフエルト帽の他にもフェードラ(ソフト帽)やパナマ帽だかをかぶっていたようですがいづれもとても素敵でした。
※ちなみにクーパーがお笑いを演じる「生活の設計」は喜劇俳優から監督になったErnst Lubitsch(エルンスト・ルビッチ)の作品です。

Morocco
Morocco DVDモロッコ (1930)
ゲーリー・クーパーが女性のアグレッシヴな言動にはにかんだり顔を赤らめる様子がとてもチャーミングで(白黒なので顔が赤くなったかどうかは不明)、あながち演技だけとも思えないのです。 私がゲーリー・クーパーの性的魅力を初めて感じたのは名画座で観た1930年のMorocco(モロッコ)でした。 この映画では、May Britt(メイ・ブリット)のリメイクでも知られるThe Blue Angel(嘆きの天使)に続いて型破りな妖艶さでブレイクしたMarlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)が出演して男装の麗人ぶりが話題となりました。 私がマレーネ・ディートリッヒを見るつもりがゲーリー・クーパーに魅せられたのが「モロッコ」です。
胸にキュンとくるシーンがたくさんあり、ラストのハイヒールを脱ぎ捨ててまで兵士の砂漠の行進を追いかけるディートリッヒに共感したのです。 ゲーリー・クーパーはモテモテの遊び人という設定なのですがまだまだ純情な面を残しているところが堪らなく魅力的なのです。 二人で交わす2本指クルクルの挨拶がかっこいい! この時、クーパーは29歳、水も滴るいい男、ため息が出るほど美しくセクシーな俳優でした。
上記の画像は原語版のDVDで、リンクはトールケース版DVDですが、2008年に発売になった日本語字幕版の廉価DVD(ASIN: B000LZ6FN0)もあります。
Gary Cooper in Morocco (1930) - YouTube

For Whom the Bell Tolls
For Whom the Bell Tolls DVD誰が為に鐘は鳴る (1943)
上記の日本語字幕版DVDカバー画像は2003年版ですが入手困難になっているのでリンクは2006年版500円DVDとなっています。
「モロッコ」の次に私がゲーリー・クーパーの性的魅力を感じた映画は1943年の「For Whom the Bell Tolls(誰がために鐘は鳴る)」でした。 スペイン動乱時のゲリラ活動を描いていてセクシーとはまるで縁遠そうな作品にみえますが、Ingrid Bergman(イングリッド・バーグマン)が役のために髪を切ってまで望んで出演したヒロインとの悲恋物語でもあるのです。 明日死ぬかも知れぬ戦時下の刹那的恋愛シーンは緊迫感に溢れて、どちらも服を脱いだりなどしませんが情感が伝わり大変セクシーな映画です。
☆バーグマン演じるマリアが初キスをするときに言う、「Where do the noses go?(鼻はどうするの?)」というセリフと共に、「貴方に何もしてあげることがなければ、一日中やりまくるわ。」というマリアの短い髪をひっ掴かんで恥ずかしそうに、しかし嬉しそうに言ったロバート教授の「You are shameless」というセリフ気に入った私でした。(shamelessとは"慎みがない"という意味なので映画の字幕ではスケベだなんて下品な言葉ではありませんが、このセリフは2シーンで使用されています) このリアクションをクラーク・ゲイブルがやったのではニヤケ過ぎだし、マーロン・ブランドじゃ殴られそうだから、やっぱりゲーリー・クーパーの演技が最高でしょう。
「誰がために鐘は鳴る」はErnest Hemingway(アーネスト・ヘミングウェイ)のベストセラー小説を1942年の「The Pride of the Yankees(打撃王)」のSam Wood(サム・ウッド)監督が映画化した最初は3時間という長編作品ですがDVDでは170分位にカットされているようです。 アーネスト・ヘミングウェイといえばゲーリー・クーパーの防空壕での取り違え足キスが艶かしく、ラストが美しくも哀しいヘミングウエイの「武器よさらば」を1932年にFrank Borzage(フランク・ボーゼージ)監督が映画化したA Farewell to Arms(戦場よさらば)でも主演しています。
Ingrid Bergman
イングリッド・バーグマンは永遠の傑作と云われる1942年のCasablanca(カサブランカ)の後に「誰が為に鐘は鳴る」に出演しましたが、1944年のGaslight(ガス燈)や1948年のArch of Triumph(凱旋門)など多くの名作に出演した演技派女優です。
Bergman asks "Where do the noses go?" - YouTube

Coop's Greatest Western Movies
High Noon DVDHigh Noon (1952)
日本では1926年の西部劇のThe Winning of Barbara Worth(夢想の楽園)がデビューとなっているゲーリー・クーパーは亡くなるまでの40年間に約100本の出演作のうち30本くらいのウエスタン映画に出演したそうです。
映画入りのきっかけが西部劇のエキストラだったというゲーリー・クーパーは牧場主を演じた1929年の「The Virginian(バージニアン)」も含めて30本ほどの西部劇に出演しました。 Grace Kelly(グレイス・ケリー)が出演したFred Zinnemann(フレッド・ジンネマン)監督の有名な西部劇の「真昼の決闘」では周りに見放されても正義のために孤軍奮闘した保安官役で出演してデビューしたてのJune Lockhart(ジューン・ロックハート)も出演した1942年の「Sergeant York(ヨーク軍曹)」に次ぎアカデミー主演男優賞を受賞しましたし、1956年にはWilliam Wyler(ウィリアム・ワイラー)監督の西部劇「The Friendly Persuasion(友情ある説得)」にも出演したので、ゲーリー・クーパーというとウエスタンと思い込んでいる方もあるやもしれません。 しかしこのあたりからゲーリー・クーパーの容貌が急激に変化しています。 1940年にゲーリー・クーパーが出演した「The Westerner(西部の男)」を監督したウィリアム・ワイラーはアカデミー監督賞を受賞した「The Best Years of Our Lives(我等の生涯の最良の年)」や「Ben-Hur(ベン・ハー)」の他に「ローマの休日」や「The Collector(コレクター)」など私の好きなたくさんの話題作の監督です。
上記の画像は原語版のDVDですが、日本語字幕版の「真昼の決闘」《デジタルリマスター版》もあります。
「真昼の決闘」では1952年のアカデミーの最優秀オリジナル歌曲賞に輝いたDimitri Tiomkin(ディミトリ・ティオムキン)とテレビのRawhide(ローハイド)の音楽を担当したNed Washington(ネッド・ワシントン)のコンビが作ったテーマ曲の"The Ballad of High Noon"がTex Ritter(テックス・リッター)の歌が大ヒットしました。 日本ではローハイドなど一連のカーボーイソングを歌ったジャズ歌手のFrankie Lane(フランキー・レイン)が同年1952年に吹き込んだ"High Noon"の方が有名かもしれません。
High Noon Theme (Do not forsake me O my darlin') - YouTube
High Noon Trailer - YouTube
100 Greatest Western Moviesでは「真昼の決闘」がトップに位置しています。

Coop's Classic Screwball Comedies
1927年にClara Bow(クララ・ボウ)が主演してアカデミー第一回作品賞に輝いた戦争映画の「Wings(つばさ)」で「いざ、出陣!」と戦地に赴いたとたんに戦闘機が墜落した勇敢な士官候補生役で一躍脚光を浴びたゲーリー・クーパーでしたが、1927年に「It(あれ)」などにも顔を出してクララ・ボウの恋人と噂されたそうです。 まぁ、よくある大女優と売り出し中の若手男優といった関係でしょうか。
ゲーリー・クーパーが出演したロマコメ映画
1934年にフランク・キャプラが監督したIt Happened One Night(或る夜の出来事)以降に流行ったスクリューボール・コメディにもたくさん出演しています。 スクリューボール・コメディとはロマコメのはしりで、最初はそりが合わない男女がしだいに惹かれてハッピーエンドという映画のジャンルです。 私が観たいと思うゲーリー・クーパーのロマコメは、ゲーリー・クーパーが1936年に西部劇のThe Plainsman(平原児)でも共演したJean Arthur(ジーン・アーサー)とのMr. Deeds Goes to Town(オペラハット)と1941年のBall of Fire(教授と美女)と1949年のFountainhead(摩天楼)です。 1936年には日本で公開されただけでも5本の作品に出演した売れっ子のゲーリー・クーパーでしたが、映画の題名を聞いただけでも楽しそうです。

Mr. Deeds Goes to Town
Mr. Deeds Goes to Town DVDオペラハット (1936)
ゲーリー・クーパーが演じるディードは田舎の工場経営者で町内のブラス・バンドのチューバ吹きでしたが急逝した伯父の莫大な遺産を相続することになって相続の条件通りにで都会に住むことになったのですが、それを知ってディードの大金を狙って群がるオペラ委員会やら新聞社やらを純朴な青年はどう捌くでしょうか。 スクープ記事のために大芝居まで打った腕利きの女性記者にはジーン・アーサーで、ディード氏に次第に惹かれていきます。 考え事をすると黒く塗る癖のある裁判長以下、皆が持っている変な癖(Doodling)についての法廷で述べるウンチクが妙に納得させられる「オペラハット」はFrank Capra(フランク・キャプラ)が監督したコメディです。 なぜディード氏が告訴されたかというと女記者が私利のためにディード氏に近づいてきたことを知り、絶望のあまり全財産を貧しい人々に寄付することにしたからです。 そんなことされちゃたまらんと金の亡者どもがディード氏を財産管理する能力はないと訴えたのです。
上記の画像は2000年の日本語字幕版DVDですが、2005年発売の字幕版やVHSもあるようです。
ちなみに邦題のオペラ・ハット(Opera Hat)とはオペラ鑑賞の祭に使用する紳士用帽子でバネ仕掛けでトップが折りたためるシルクハットなんだそうです。 オペラを観に劇場に行く時は正装するのでオペラグラスやオペラバッグやオペラグローブなどはよく聞きますがオペラハットは知りませんでした。
原作に忠実ではないそうですが、「Wedding Singer(ウェディング・シンガー)」のAdam Sandler(アダム・サンドラー)が主演して2002年に「Mr. Deeds(Mr.ディーズ)」としてリメイクされています。
Gary Cooper talks about Doodlers in Mr. Deeds Goes to Town - YouTube

Ball of Fire
Ball of Fire - Gary Cooper教授と美女 (1941)
ゲーリー・クーパーが浮世離れした辞書編集者を演じた1941年のBall of Fire(教授と美女)は日本未公開だそうですが、1944年のDouble Indemnity(深夜の告白)や1946年のThe Strange Love of Martha Ivers(呪いの血)での妖艶な役で有名なBarbara Stanwyck(バーバラ・スタンウィック)がクーパーが演じるバートラム先生に下々の汚い言葉(スラング)を伝授する機知のとんだ会話をするクラブ歌手での名もストリッパーのような"Sugarpuss"として出演しているのです。 バーバラ・スタンウィックは同年の「Meet John Doe(群衆)」でもゲーリー・クーパーと共演しています。 タイトルの「ボール・オブ・ファイアー」の意味は行動的かつ精力的なやり手の人、つまりセックスアピールのある活火山のような女だそうです。
上記の画像は「Ball of Fire」のVHSです。 原語版の「Ball of Fire」と日本語字幕版の「教授と美女」のDVDがありますが、DVDカバー画像が見られるのはアメリカのAmazon.comです。
コメディの「教授と美女」の監督は実録のヒューマンドラマ「ヨーク軍曹」と同じHoward Hawks(ハワード・ホークス)で、映画音楽は作曲がアルフレッド・ニューマンなのですが、ジャズ・トランペッターのRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)とGene Krupa(ジーン・クルーパ)が作った"Drum Boogie"をバーバラ・スタンウィックが歌いジャズドラマーのジーン・クルーパがドラムを演奏しているそうです。 バーバラ・スタンウィックの歌声はジーン・クルーパと一緒にThe Benny Goodman Story(ベニイ・グッドマン物語)に出演したMartha Tilton(マーサ・ティルトン)が吹き替えたそうです。 バーバラ・スタンウィックが歌ったドラム・ブギを聴いた教授はウエイターに訊ねます。「ブギーとは何だ?」 ゲイリー・クーパーはこんな浮世離れしたカマトト紳士がはまり役です。
ちなみに「ボール・オブ・ファイアー」というと似た題名のロックンローラーのJerry Lee Lewis (ジェリー・リー・ルイス)の伝記映画のGreat Balls of Fire!(火の玉ロック!)を思い浮かべる方もあるでしょうが、ピアノに火をつけるパフォーマンスが有名なジェリー・リー・ルイスも活火山のようなロッカーでした。
Cooper and Barbara Stanwyck doing Yum! Yum! - Gene Krupa's Drum Boogie in Ball of Fire (1941) - YouTube

The Fountainhead
Fountainhead DVDThe Fountainhead (1949)
「摩天楼」ではゲーリー・クーパーは落伍者の建築士を演じています。 当時としてはかなりセンセーショナルな映画であったろう1949年の「摩天楼」で薄物を身につけたセクシーな22歳のPatricia Neal(パトリシア・ニール)に公私ともに誘惑されたという48歳のゲーリー・クーパーでした。  デビューから故Ronald Reagan(ロナルド・レーガン)と2本の映画で共演したパトリシア・ニールは1950年には再び「Bright Leaf(燃えつきた欲望)」でゲーリー・クーパーと共演しています。 同年に「The Postman Always Rings Twice(郵便配達は二度ベルを鳴らす)」のJohn Garfield(ジョン・ガーフィールド)と1950年に「The Breaking Point (破局)」で共演したように1950年代は立て続けにJohn Wayne(ジョン・ウェイン)やTyrone Power(タイロン・パワー)などのスターと共演していました。 ところで、クーパーとの恋が成就しなかった失意のパトリシア・ニールはクーパーへの想いを胸にしたまま1971年の「Willy Wonka & the Chocolate Factory(夢のチョコレート工場)」の原作者であるRoald Dahl(ロアルド・ダール)と30年間結婚したのでした。
さて、他にもクーパーには浮いた噂はたくさんあるらしいのですが、なにしろ「もし、クーパーに口説かれたら夫を捨てるわ。」と言い切った女優もいたらしいですから、そのモテモテぶりは大変なものだったそうで、他にも噂になったマレーネ・ディートリッヒやグレイス・ケリーなども映画の宣伝だったのかもしれません。 ゲーリー・クーパーが結婚した女性はただ一人、有力者の娘というよりも1933年の「King Kong(キングコング)」に落っことされた金髪女として知られているのカトリックのSandra Shaw(サンドラ・ショー)で、1961年クーパーが亡くなるまで離婚には応じず30年近くも添い遂げたそうです。
上記の画像はアメリカのAmazon.comにあるVHSですが国内では2007年発売の日本語字幕版「摩天楼」DVDや輸入版の原語DVDがあります。
「摩天楼」をはじめゲーリー・クーパーの11枚の映画ポスター画像が見られるGary Cooper Photos - IMDb
噂になったゲーリー・クーパーとパトリシア・ニールの「摩天楼」のスチール写真が見られるGary Cooper and Patricia Neal in The Fountainhead - Galarie Photos(最初に宣伝あり)
Gary Cooper and Patricia Neal in The Fountainhead - YouTube

Mr. Innocent
ゲーリー・クーパーのどこがセクシーかは上記で述べました。 もごもごと口ごもり、異性のことなどなんにも知らない素振りで頬を赤らめる。 これらは女性でいうところのカマトトであります。 100本もの映画に出演してきた俳優のゲーリー・クーパーですから如何に演じたら女性受けするかも充分に研究していた筈です。 よって、洋の東西を問わず、女性は胸をはだけて「おらっ、おらっ!」とマッチョな身体を見せびらかす男優をセクシーと思うと同時にウブなカマトト男性もお好きということになります。(前をははだけると逮捕されますが) Brad Pitt(ブラッド・ピット)初のラブコメといわれる1998年の「Meet Joe Black(ジョー・ブラックをよろしく)」でピーナッツバターを舐め舐めしたブラビがモテモテな所以です。 もっともジョー・ブラックは人間じゃなくて悪魔でしたが。