赤い航路 Bitter Moon (1992)


Bitter Moon DVDEmmanuelle Seigner and Peter Coyote in Roman Polanski's Bitter Moon

Bitter Moon 1992年
「赤い航路」は"The Temptation of Innocence - Living in the Age of Entitlement(無垢の誘惑)"で知られるPascal Bruckner(パスカル・ブルックナー)が1981年に書いた衝撃的なミステリー小説の"Lunes de Fiel(意味は苦い月)"を1962年に「Nóż w wodzie)(水の中のナイフ)」を監督した鬼才と呼ばれるRoman Polanski(ロマン・ポランスキー)がより刺激的に、且つよりロマンチックに映画化した作品です。 ロマン・ポランスキーは変態的な倒錯愛の世界を描き、女の献身的というより自虐的な愛とその結果に生じた愛すればこその復讐劇をもって究極の愛を追求しています。 ちょっと他人の性生活を覗いてみようという好奇心がとんでもない深淵を覗くことに。 そして、その先は地獄。 原作がLune de miel(ハネムーン/蜜月)を皮肉った""Lunes de Fiel(ビタームーン/苦い月)"で、良識的な普通のカップルが異常なカップルに翻弄されていきます。 フランス人の作家であるパスカル・ブルックナーは原作でフェティシズムの一種である文学的なScatology(糞便学)も微に入り細に渡り記述され性的倒錯(もしくはSM的性癖)とあいまって読んでいるとかなり辟易するらしいです。 一方、原作の結末は映画よりもっと残酷で皮肉でですが、映画でさえ鑑賞し終えるにはかなりのエネルギーを要します。 残念ながら"Bitter Moon"の原作はドイツ語版のみで、"Lunes de Fiel"だとフランス語版がありますが日本語訳や英語の翻訳版は見つかりません。 タイトルの"Bitter Moon"とは"悲惨な白昼夢"もしくは"1ヶ月の月の満ち欠け"とも意味はとれますが、新婚の甘いHoneymoonをもじったのでしょうか。 朔望月、映画では新月から満月まで夜空の月が映し出されます。

Mimi's a man-trap!: Bitter Moon Synopsis
「赤い航路」のあらすじ

以下のストーリーには驚くべき結末も書かれていますからこれからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。
主な登場人物は4人、品性と教養を備えた普通のイギリス人の夫婦と、親の財産で暮らすアメリカ人の作家志望とパリで知り合ったフランス人の元ウェートレスの風変わりな夫婦という二組のカップルです。 ラブコメで知られたなHugh Grant (ヒュー・グラント)が初期に出演した怪奇なラブストーリーでイギリス人夫婦の夫のNigel(ナイジェル)を演じますがユーモアなど皆無の真面目な若い男の役です。 その妻のFiona(フィオナ)にイギリス女優のKristin Scott Thomas(クリスティン・スコット・トーマス)、車椅子の作家のOscar(オスカー)にPeter Coyote(ピーター・コヨーテ)、その妻のMimi(ミミ)にEmmanuelle Seigner(エマニュエル・セニエ)たちが繰り広げる大海原を航行する船内という密室劇でもあります。
教師同士で結婚したイギリス人の若夫婦が結婚7年目の記念にと豪華客船で地中海を航海するクルージング旅行を楽しむこととなります。 そのカップルがイスタンブールに向かう豪華客船の船上で出会ったのは車椅子に乗った中年紳士とセクシーな若い妻のカップルでした。 奇妙な取り合わせに見えるその夫婦の車椅子の夫がなぜ自分が下半身不随になったのかを語り始め、アラビアン・ナイトのように少しずつ夫婦の過去のあからさまな倒錯の世界を暴露してゆくのです。 ナイジェルは結婚7年目の自分たちも倦怠ムードであることから、過激な男女関係の話に嫌悪を感じつつも次第に興味を覚えていきます。

"7年目の浮気"という映画がありましたが結婚も7年経つと新鮮味がなくなってきますから、イギリス人の夫婦がその打開策として豪勢な船旅を計画したのです。 甲板で海を眺めていた夫婦の映像の後、船酔いした妻のフィオナがトイレに行って一人残されたナイジェルに人の良さそうなインド人が会釈して通り過ぎます。 異常な世界の主な登場人物と対象をなす重要な役割を担っているのがこのインド人と連れの女の子です。 フィオナが入ったトイレから奇奇怪怪な物語の始まりです。 夫婦が介抱したのはフィオナ同様に気分が悪くなった若い女性でした。 船上での晩餐でインド人と席を同じくした夫婦でしたが、船室に戻る途中でナイジェルがなにげに足を向けたクラブのステージで"Fever"をセクシーに踊っていたのがあの介抱した若い女性だったのです。 興味津々なナイジェルはカウンターでその女に話しかける。 女が去った後、ナイジェルは一人甲板に出て暗い海に浮かぶ月を眺めていると近づいてきたのは車椅子の紳士でした。 ナイジェルがやり過ごそうとすると男は呼び止めて自分はあの女の夫であり彼女が自分にしたことを見てくれと不具になった足を見せるのです。 それだけじゃなく性的にあからさまな言葉を頻繁に使ってイギリス紳士を当惑させます。 しかし車椅子で船内に入るのを手伝ってくれと頼まれれば嫌とも言えずその男に同行します。 ここからが本当の悪夢の始まりです。 ホラー映画のようなな怖さではなく限界を知らぬ愛欲の終結が恐怖です。 車椅子の男が回想します。 ミミという無賃乗車の女を助けたことから恋に落ちた作家のオスカー。 その女の全てが愛しいと男は思った。 そして同棲、女の献身的な愛、しかし気まぐれな男、女の嫉妬と激怒、自己を否定された女の復讐。 それでも愛する。 地獄の底まで。

車椅子のオスカーについて船室に入り勧められるままに酒を飲むナイジェル。 パリにさかのぼってミミとの出会いを話し出すオスカー。 それはMontparnasse(モンパルナス)とPorte des Lilas(リラの門)を往復するパスの中の出来事だった。 オスカーは車内の長い髪の美女が気になっていたが、その女が切符の検察に対応できないのを見て取ると自分の切符を渡してしまい車掌に促されてバスを強制下車させられた。 Francis Scott Key Fitzgerald(フィッツジェラルド)を目指してパリで執筆活動をするも芽が出なかったオスカーだったが、それでもバスであの女に会うまではパリはオスカーにとって天国だった。 あの女に合ってからは小説を書くどころか考えることは女のことばかり、執り付かれてしまって抜け殻と化したオスカーの取った行動とはあの女が乗っているのではとバスの運転手と顔馴染みになるほどバスを探したこと。 そんなオスカーが女連れでレストランに入った時のこと、なんと注文を取りにきたウエイトレスが捜し求めていたあの女だったのだ。 オスカーは切符のお返しにと明日の約束を取り付け、ダンス練習場で待ち合わせ、和食レストランでお食事と洒落こんだ。 そこではフランス語をしゃべる中国人の給仕長が登場。 ヘンテコな食事マナーを教えたり子供じみた遊びをしたりと楽しんだオスカーは無邪気なミミにぞっこんとなる。 おまけにオスカーが渡したバスの切符をミミが使わずにしまっておいたことを知り感激して自宅へお持ち帰りになりました。

パチパチと火がはぜる暖炉の前でいとたやすくドレスを滑らせるラブシーン、ここではVangelis(ヴァンゲリス)の"Love Scene"が美しく静かに流れます。 激しいのはテーブルの上に置かれたショコラとコーヒーカップの揺ればかり。 禁断の木の実を味わってしまったアダムのように感じたオスカー、天国への門は開かれた。 「L'Empire des sens(愛のコリーダ)」の吉蔵(藤竜也)と定(松田暎子)のように何日も部屋に閉じこもって愛を堪能した後には遊園地で子供っぽく遊ぶという生活。 その中でもダンサー志望のミミが披露したダンスのエンディング・ポーズはヴァンゲリスのサウンドトラックやDVDのカバー画像となっている。 まるでオカルト映画のように床にたくさんの蝋燭を灯し、薄物の白いドレスで踊るミミはまるで妖しい妖精のよう。(もしかしてノーパン?) このアラビックなダンスシーンで使用された曲名はヴァンゲリスの"Erotic Dance"です。 このミミのダンスの振り付けにちょっと似ていたのがQuentin Tarantino(クエンティン・タランティーノ)が監督した「Death Proof(デス・プルーフ in グラインドハウス)」での酒場シーンでバタフライことアーリーン(ヴァネッサ・フェルリト)が殺人鬼のスタントマン・マイク(カート・ラッセル)の膝の上で踊ったラップダンスの出だしが似ていました。
Bitter Moon - Mimi's dance - YouTube
変態もどきのプレイで至福の時を過ごす二人だったが徐々にエスカレートしてゆく。 新しい刺激はシェーバーを使用しないオスカーが西洋剃刀でヒゲを当たっている時にミミが遊び半分で私にもちょっとやらせてと剃刀で顔が切れてしまったことから始まった。 身も心もミミの虜になった出来事を詳細にオスカーが話すのには閉口しつつも何か惹かれるナイジェルでした。 暇を告げて自分の部屋に戻ればナイジェルの遅い帰りを読書で紛らわせていたらしいフィオナの寝顔、刺激はない。

翌日ナイジェルからオスカーの露骨な話を聴いたフィオナも憤慨気味。 二人が食事をしているとオスカー夫妻が入ってくる。 ミミが船長の席に呼ばれているからとオスカーはナイジェル夫妻と同席する。 その晩も抵抗できずにオスカーの話の続きを聴きに行く怖いものみたさのナイジェルだった。 話も次第にエスカレートし夢心地でミミの黄金の滝を浴びる自分を回想してみせるアブノーマルなスカトロ趣味のオスカーだった。(このような実写はパゾリーニの「ソドムの市」にあった) 良識もない卑猥な話に嫌悪の情を示すと女性崇拝についてうんちくを傾けるオスカーだった。 そして過去の回想映像では二人でSM器具を買い求め、美女に辱められる危険なプレイの喜びを知ったオスカーだったが、剃刀でオスカーの服を切り刻んだ黒いビニールコートの下はガーターベルトとストッキングだけのミミ。 倒錯(SM)の世界にのめり込みありとあらゆる大人の玩具も試した。 そして当然のこと、倦怠が訪れる。 そこで二人の生活を切り替えることにしてクラブに出かける。 このクラブのシーンでミミが隣の女と仲良さげに話しているオスカーを挑発するように黒人のバジルという男と踊ったダンスはBGMがSam Brown(サム・ブラウン)の"Stop"でした。
Mimi and Basil Dance "Stop" - YouTube
これを見たオスカーはクラブのフロアで不貞を働いたとミミを置いて一人で帰ってしまう。 しおれたミミが戻ってきて懇願する。 You are my TIGER. しかしオスカーは破産宣告。 再び試してみたSMプレイ。 だが以前のように燃えない。 遂に魔法は消え去ったのだというオスカーの話も終ろうという時に突然ミミが入ってきた。 戸惑いながら部屋を出たナイジェルの耳に聞えたのはミミとオスカーの楽しそうな笑い声。 いったいぜんたい何なんだ?と自分の部屋に戻るとフィオナは当然のことにご機嫌ななめ。

ナイジェル夫妻が風の強く吹く甲板に出るとインド人と娘がいた。 ナイジェルがフィオナのコートを取りに船室に戻る途中、まるで待ち伏せしていたかのようにミミが現れた。 ミミが言うにはオスカーは病気だから話したことは信じないで欲しい、自分を悪く思わないでとナイジェルに迫ってくる。 ミミは説明したいから後で自分の船室に来て欲しいと言い残して去っていった。 ナイジェルとフィオナは乗客とブリッジに興じていたがミミとの約束の時間が迫ったのでナイジェルは中座する。 当然フィオナは納得していない。 ナイジェルはミミにおしえられた部屋のドアをノックする。 部屋は真っ暗で返事はないが「ドアを閉めて」というミミの囁き声がする。 船窓からの明かりでようやく見えたベッドに近づきシーツから出ている足先に唇をつけた途端! ナイジェルはなんとも恥ずかしい事態に陥った。 そこにはナイジェルの手を掴んでミミが欲しいのか?と問い詰めるオスカーがいた。 ナイジェルは呆れてオスカーに「貴方はポン引きなのか?」と問うと「冗談だよ。」と再び例の話を続けるオスカーだった。 情熱が冷めたらどうなるか。 欲望は失せ、刺激も感じない。 テレビ中毒だけが会話のなくなった二人の共通の娯楽と成り果てた。 そんなある日のこと、オスカーとミミは出版関係の会に出席することになったがその時のミミの衣裳というのがゴム製のようなぴったりした赤いドレス。 何か他には無いのかと言うオスカーにどこが悪いの?と訪ねるミミ。 もう愛していないのね。 エージェントとの会話に退屈したミミの失態で恥をかいたとオスカー。 もう完全にオスカーの心は冷え切っている。 出版社のBeverlyという女性エージェントは1978年のGrease(グリース)のBetty Rizzo(ベティ)を演じたStockard Channing(ストッカード・チャニング)のカメオ出演です。
町では人々が楽しそうに踊っているのにと双眼鏡で窓の外を覗くオスカー。 刺激に飢えたオスカーは新聞記事に載っていたデリヘルにアクセスする。 それは喫茶店でも目にしたの「36 15 ULLA」
食事マナーにイチャモンをつけたオスカーに口答えをして暴力を振るわれたミミ。 床に頭を打ち付けて昏睡状態に陥ったミミを案じるオスカー。 エッフェル塔が見える遊園地で二人はデート、ここで元の状態に戻りそうだった。 しかし夜の公園では会話ではもう戻らない、ミミの人生を捧げて貰っても困るというオスカー。 理解したというミミは荷物を手に去っていく。 ドアの外で帰りを待ち伏せて許しを請うミミに辱めを与えるオスカー。 何を思ったかミミは長かった髪を切る。 ミミが作った感謝祭のディナーにも手をつけずに出かけるオスカー。 しかし、ミミは妊娠、遠くに行こうと二人で出かけたマルチニック行きの飛行機旅行だった、がオスカーは仮病を使って機内にミミを置き去りにするというひどい仕打ち。 オスカーが再び自由を取り戻してやりたい放題に過ごした数年が過ぎた頃、連れの女を追いかけようとタクシーから飛び出したところを車に撥ねられた。 オスカーが入院した病院にかってオスカーが置き去りにしたあのミミが艶やかな姿で訪れる。 置き去りにされた飛行機が到着したマルチニックでウエイトレスとフロアダンサーをして働いていたそうだ。 別れの挨拶ついでにオスカーを力づくでベッドから落っことしたミミのせいでオスカーはさらに集中治療室行き。 目覚めたオスカーがミミから衝撃の知らせを受ける。 オスカーの下半身が麻痺したことは良い方の知らせ。 もっと悪い知らせは、オスカーに裏切られたミミが一生そのオスカーの世話をすることになったこと。 これでオスカーは完全にミミの物となる。
そして、これまでオスカーに虐待され続けてきたミミの逆襲が始まる。 しかしオスカーはひどい仕打ちにも関わらずなぜかミミがまだオスカーを愛していると確信する。 オスカーの誕生日に一晩中ほったらかしておいて粗相をしてしまった夫への妻からのプレゼントなんと銃弾を込めた拳銃。 愛が無情に変わる時ほど恐ろしいものはない。
以前フロアでセクシーなダンスのお相手をした黒人ダンサーを夕食に招待しその後にふたたびセクシーなダンスを披露、タイガーをイメージしたトラの吠え声入りの曲でしたが曲名は不明。 奇異なことにこの後、オスカーとミミは正式に結婚する。 復讐の応酬、激しい愛憎のぶつけ合いは愛するがゆえなのか。 新年を迎える大晦日の船上パーティーでLa Dolce Vita(甘い生活)のAnita Ekberg(アニタ・エクバーグ)のような黒いドレスで相変わらず刺激的に踊るミミから目が離れないナイジェル。 一晩中続くパーティではフィオナも着飾って登場。 ミミと楽しそうに踊りだすフィオナにあっけに取られるナイジェル。 オスカーの部屋を訪ねフィオナとミミの寝姿を見せられ逆上したナイジェルに銃が突きつけられた。 しかしオスカーの銃口は寝ているミミに向けられた後オスカーは自害したのでした。
Fiona and Mimi - YouTube
ありとあらゆるプレイを楽しんだオスカーとミミ夫妻の宴のお開きはなんとレズ! そしてこれを最後に二人の貪欲な愛の生活の幕が降りたのでした。 しかし、最後にミミを奪うのはナイジェルではなく妻のフィオナだったという皮肉。 ナイジェルは無事ではあったが身を挺したフィオナは傷つきました。 映画では船旅の終りの大晦日の夜のこと、オスカーは話の結末をつけるかのようにミミに向かって拳銃を放ち、自らも命を絶つのだったが、ナイジェルがヌレギヌを着せられて貪欲なオスカーとミミは生き残るラストの原作とは違ってこれでもポランスキー流のロマンチックな結末になっているそうです。
イギリス人夫妻が出会ったミミとオスカーのカップルは多くの夫婦が人生の中で出会う不道徳の悪夢を象徴し、インド人の父娘は道徳の現実を象徴しているのだとか。
A Happy New Year...
Roman Polanski "Bitter Moon" Trailer (1992) - YouTube

Bitter Moon Soundtrack
「Bitter Moon」はロマン・ポランスキーの映画として有名であるだけでなく、ヴァンゲリスが手掛けたサウンドトラックも人気があります。 「赤い航路」の音楽を手掛けたのは1994年にリリースしたアルバム「Blade Runner(ブレードランナー)」で知られるギリシャのシンセサイザー奏者のVangelis(ヴァンゲリス)です。 著作権の関係かサントラには収録されませんでしたが、Charles Trenet(シャルル・トレネ)作曲の"La Mer"やPeggy Lee(ペギー・リー)の"Fever"なども映画の初めの方で使用されました。 その後のクラブのダンスシーンでオスカーの妻のミミが夫を挑発するかのようにセクシーに踊ったシーンでは、1962年の"A Picture Of You"などで知られたブリティッシュ・ロッカーのJoe Brown(ジョー・ブラウン)の娘というSam Brown(サム・ブラウン)が1988年にリリースした代表曲の"Stop"が効果的に使用されています。
ヴァンゲリスが作曲した Main Titles、Bitter Moon、End Titles(Theme from, Ending title)などの他に和風なアレンジの"Japanese Restaurant"などを収録して1992年にリリースされた「Bitter Moon」のサウンドトラックは「Suite from the Motion Picture "Bitter Moon"」としてiTunesでも見つかります。 "Bitter Moon"は1995年にリリースされたヴァンゲリスのアルバム「1492 Conquest of Paradise: Music of Vangelis」(ASIN: B000005SQD)に、そして"Theme From Bitter Moon"は2000年にリリースされたヴァンゲリスのアルバム「REPRISE 1990-1999」に収録されているそうです。 ちなみにヴァンゲリスというと1982年の「Blade Runner(ブレード・ランナー)」のサントラがありますが、中でもウエストコーストジャズのDick Morrissey(ディック・モリッシー)のテナーサックスをフィーチャーした"Love Theme"が素敵です。
♪ アルバム「REPRISE 1990-1999」からヴァンゲリス作曲の"Suite from the Motion Picture "Bitter Moon""が試聴できるVangelis ft. Dominik Hauser - Bitter Moon - Amazon.com (MP3 Download)
Vangelis - Bitter Moon - YouTube

「赤い航路」のキャスト
Hugh Grant
ナイジェルを演じた英国俳優のヒュー・グラントは1988年にAbraham "Bram" Stoker(ブラム・ストーカー)原作のファンタジックホラーの「The Lair of the White Worm(白蛇伝説)」の後に「赤い航路」に出演していますが、もっとも知られている映画はJulia Roberts(ジュリア・ロバーツ)と共演した1999年の「Notting Hill(ノッティングヒルの恋人)」でしょう。  1988年には日本未公開でしたが後にホラー映画に出演したセクシーなLysette Anthony(リゼット・アンソニー)が初々しいお姫様を演じたロマンチックな歴史もの映画「The Lady and the Highwayman(ヒュー・グラントの浪漫騎士)」に出演しています。 最たるはレニー・ゼルウィガーと共演した2001年の「Bridget Jones's Diary(ブリジット・ジョーンズの日記)」で女性のハートを掴み一大センセーションとなりました。 続いて2002年の「About a Boy(アバウト・ア・ボーイ)」や2003年の「Love Actually(ラブ・アクチュアリー)」と立て続けに出演し、最近では日本未公開でしたが2006年の「American Dreamz(アメリカン・ドリームズ)」や2007年の「Music and Lyrics(ラブソングができるまで)」などがあります。

Peter Coyote
「赤い航路」で高級ファッション・ブランドの"Cerruti 1881(セルッティ)"を着こなしていたピーター・コヨーテは初期は舞台公演が主でテレビドラマ出演や日本未公開作品への出演が多かったのですが、1982年のSF映画「E.T.: The Extra-Terrestrial (イーティー)」で鍵の束をジャラつかせているKeys(キーズ)役で知られるようになり、1985年の法廷劇「Jagged Edge(白と黒のナイフ)」でも政府側の地方検事のトーマスを演じています。 妻殺しの疑惑で捜査を受ける妻の富豪の祖父が築いた出版社で編集長の座についた夫に「Against All Odds (カリブの熱い夜)」ではにわか探偵役で主演したJeff Bridges(ジェフ・ブリッジス)でした。
1987年にはClaudia Cardinale(クラウディア・カルディナーレ)がヒロインの母親役で出演した「Un homme amoureux(ア・マン・イン・ラブ)」はピーター・コヨーテは既婚のアメリカ俳優役で映画の中の映画で共演するGreta Scacchi(グレタ・スカッキ)とラブシーンを演じた不倫悲劇です。 ピーター・コヨーテは「赤い航路」の後には1998年のSphere(スフィア)や1999年のRandom Hearts(ランダム・ハーツ)などに出演しましたが、2009年には国境を越えた合作映画というThe Harimaya Bridge(はりまや橋)でAlbert Tunney(アルバート)役を演じています。 ピーター・コヨーテは舞台や映画の俳優だけでなく戯曲や監督も手掛けて活躍する傍ら著作活動もあるそうですが、ヒッピー全盛の1960年代にボランティアの無料劇団"The Diggers(ディガーズ)"で活躍したアナーキスト・グループの一員だったとかで、サイケデリックやサブカルチャーの発祥地であるサンフランシスコのHaight - Ashbury(ヘイト-アシュベリー)辺りで活動していました。 それでヒッピーの必須アイテムである麻薬にちなんでコヨーテという芸名が付けられたそうです。 語学にも堪能なピーター・コヨーテは舞台や映画の俳優だけでなく戯曲や監督も手掛けて活躍する傍ら回想録を含めて著作活動もあるそうです。

Emmanuelle Seigner
主人公のナイジェルがどうしてもお相手願いたいと思ったセクシーな人妻はフランス女優のエマニュエル・セニエ(エマニエル・セニュエ又はエマニュエル・セイナー)です。 1985年に「Detective(ゴダールの探偵)」で映画デビューしたエマニュエル・セニエはロマン・ポランスキーが監督したヒッチコックばりの電子トリガー部品のクライトロンをめぐるミステリーで1988年の「Frantic(フランティック)」で妻を誘拐されたHarrison Ford(ハリソン・フォード)に近づく謎の女を演じ、戸惑うハリソン・フォードを誘惑するかのように映画のテーマ曲風に使用されていた Grace Jones(グレイス・ジョーンズ)の"I've Seen That Face Before (Libertango)"を赤いボデコンスーツでチョットわざとらしいですがセクシーに踊りました。(エマニエルはシャワー・シーンでヌードをご披露したそうですがなぜか見逃してしまいました。 かわりにハリソン・フォードの縫いぐるみ付きオールヌードを見ました) 翌年の1989年に結婚してポランスキー夫人となり今日に至っています。 1969年に前妻のSharon Tate(シャロン・テイト)を亡くした(妊娠中に惨殺)ポランスキー監督は「赤い航路」の翌年、1989年にエマニュエル・セニエと結婚して子供も儲け現在に至っています。 エマニュエル・セニエはポランスキー監督の作品では1999年の「The Ninth Gate(ナインスゲート)」にも謎の女として出演しました。

Kristin Scott Thomas
「赤い航路」で新妻のフィオナを演じたイギリス女優のクリスティン・スコット・トーマスは結婚式で出会ったアメリカ女(アンディ・マクダウェル)を理想の人だと口説くチャーリー(チャールズ)を演じたヒュー・グラントを愛している女友達のフィオナ役で共に独人グループの結婚式の介添人を演じた1994年のロマコメ「Four Weddings and a Funeral(フォー・ウェディング)」がありました。 Sydney Pollack(シドニー・ポラック)が監督した1999年の「Random Hearts(ランダム・ハーツ)」では下院議員のケイ、「赤い航路」で共演したピーター・コヨーテと夫婦役ですがニューヨークにいるはずの夫カレン・チャンドラーは他の女とマイアミ行きの墜落機に乗っていたというミステリー映画です。 2008年には「The Other Boleyn Girl(ブーリン家の姉妹)」に出演し美人姉妹の母親であるエリザベス・ブーリンを演じました。

☆Adrien Brody(エイドリアン・ブロディ)がアカデミーの主演男優賞を受賞した2002年の「The Pianist(戦場のピアニスト)」では監督賞やパルム・ドールなどを受賞したポーランド系のフランス映画監督であるロマン・ポランスキーについてはロマン・ポランスキー Roman Polanski - Hot'n Cool
Audio-Visual Trivia 内のロマン・ポランスキー監督の映画はチャイナタウン Chinatown

Bitter Moon DVD
赤い航路 [DVD]
bitter_jp.jpg2004年にリリースされた日本語字幕版の「赤い航路」のDVDですが入手は困難になりつつあります。 1992年にリリースされたヴァンゲリスのサウンドトラックのカバー画像はこのDVD画像と同じダンスシーンが使用されてました。 このシーンは愛の巣を築いた初期に、将来はニューヨークに行きたいとダンス学校に通うミミがオスカーに踊りを披露したところです。 床に蝋燭を並べた異様な雰囲気のなかで薄物のドレスを着たミミが飛び切りセクシーに踊ります。 使用された曲はページトップで聴けるヴァンゲリス作曲の"Erotic Dance"です。

Bitter Moon DVD [Region 2]
bitter_dvd.jpgページトップの画像は2003年にリリースされたアメリカのAmazon.comにある英語版のBitter Moon DVD (Region 1)ですが左の画像はRegion 2です。

Bitter Moon VHS
Bitter Moon [VHS] [Import]
bitter.jpg

日本で入手できる1997年リリースの原語版VHSビデオです。情欲の虜となったオスカーとミミがありきたりの愛の行為には飽き足らなくなってサドマゾの世界に足を踏み入れたところです。