リー・ワイリー Lee Wiley

投稿日:


Songbooks & Quiet Sensuality: 1933-1951
Songbooks and Quiet Sensuality: 1933-1951 by Lee WileyLee Wiley - Street of Dreams - YouTube

Lee Wiley (1908 -1975)
オクラホマ出身のリー・ワイリーはスウィング時代の1930年代からに活躍していた初期の白人女性ジャズシンガーの一人です。 エレガントで時には官能的で燃ゆる炎を内に秘めたようなリー・ワイリーの洗練された歌声は今聴いても色褪せることなく心地よく響き、聴く人々の胸を打ちます。 押さえた歌唱法と巧みなアドリブで当時のジャズ・ミュージシャンたちに愛されたジャズ歌手でした。 リー・ワイリーがまだティーンエイジャーの時から参加したLeo Reisman(レオ・ライスマン)の楽団で"Take It From Me"と"Time On My Hands"と自作の"Got The South In My Soul"の3曲を録音した他にも、Paul Whiteman(ポール・ホワイトマン)楽団やCasa Loma Orchestra(カサ・ロマ・オーケストラ)とも共演したそうです。 作曲家のVictor Young(ヴィクター・ヤング)とのコラボでは"Got The South In My Soul"や1950年代のヒットだった"Anytime, Anyday, Anywhere"があります。

Lee Wiley with Eddie Condon and Bobby Hackett
リー・ワイリーは初期のレコーディングでバンジョー演奏で有名なシカゴ・スタイルのホットジャズのバンドリーダーだったEddie Condon(エディ・コンドン)と共演しました。 この時期、エディ・コンドンは白人ピアニストのJoe Bushkin(ジョー・ブーシュキン)も参加していたBunny Berigan Boys(バニー・ベリガンの楽団)でギターを担当していたこともありましたが、1940年代中頃から1960年代には酒と女好きで情熱的なコルネット奏者の'Wild' Bill Davison(ワイルド ・ ビル ・デヴィソン)とも録音していました。
1930年代からエディ・コンドンとも共演していたトランペットやコルネットとギターを演奏したBobby Hackett(ボビー・ハケット)とリー・ワイリーは1950年に評判をとった10インチ(30cm)LPレコードの「Night in Manhattan」をレコーディングしていますが、1954年に開かれた最初のNewport Jazz Festival(ニューポート・ジャズ・フィスティバル)ではリー・ワイリーがボビー・ハケット・セクステットとエディ・コンドン楽団をバックで出演したそうです。
Lee Wiley with Eddie Condon's Orch. - The Man I Love (1944) - YouTube
Lee Wiley with Bobby Hackett - Suger - YouTube

Lee Wiley sings Manhattan
リー・ワイリーの曲ではメローな"The Man I Love(私の彼氏)"も良いですが、私が一番好きなのはやはり"Manhattan(マンハッタン)"です。 Harlem Nocturne(ハーレム・ノクターン)のテナー・サックスを聴くと妖しいハーレムの夜を想像しますが、このリー・ワイリーが歌う"マンハッタン"も同様でマンハッタンの未だ見ぬ情景を想像してゴージャスな気分に浸っています。 "Manhattan"という曲は1920年以来コンビを組んでいるマンハッタン出身のLorenz Hart & Richard Rodgers(ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャーズ)の初ヒット曲で、リー・ワイリー以外にはHelen O'Connell(ヘレン・オコーネル)、Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)、Dinah Washington(ダイナ・ワシントン)、Blossom Dearie(ブロッサム・ディアリー)、Rosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)、男性歌手でもBing Crosby(ビング・クロスビー)やMel Tormé(メル・トーメ)などが歌いました。 昔、私が購入した「マンハッタン」というとトロント出身のGeorgie Auld(ジョージー・オールド)が1952年に録音したテナーサックス・バージョンでした。
リー・ワイリーのステージは1972年のCarnegie Hall(カーネギー・ホール)が最後で、その3年後に67歳で亡くなりました。
Lee Wiley - Manhattan (1951) - MetaCafe
Lee Wiley - Manhattan (1951) - YouTube
Lee Wiley - Manhattan (LIVE 1951 and 1952) - YouTube

Songbooks by Lee Wiley
作曲や作詞も手掛けたというリー・ワイリーでしたが、画期的なアイデアといえるのは当時のアルバムでは珍しかったソングブック形式を取ったことです。 それぞれのアルバムが一人の作曲家の作品集になっていましたが、リー・ワイリーはポップス曲を収録するのは良しとしなかったそうです。 例として1939年に78回転レコードで8曲のGershwin(ジョージ・ガーシュウィン)ナンバーを録音し、1940年にはCole Porter(コール・ポーター)、Richard Rodgers & Lorenz Hart(ロジャース&ハート)のナンバーは1940年と1954年、1943年にはHarold Arlen(ハロルド・アーレン)、Vincent Youmans(ヴィンセント・ユーマンス)とIrving Berlin(アーヴィング・バーリン)は1951年にアルバム制作しています。 レコーディングの演奏メンバーにはBunny Berigan(バニー・ベリガン)、Bud Freeman(バド・フリーマン)、Fats Waller(ファッツ・ウォーラー)、Billy Butterfield(ビリー・バターフィールド)、Bobby Hackett(ボビー・ハケット)、Eddie Condon(エディ・コンドン)などいました。 なかでもスウィング時代に有名だったピアニストでバンドリーダーのJess Stacy(ジェス・ステイシー)とは数年間でしたが40年代の中頃に結婚したそうです。 永遠ともみえたカリスマ性を持ち備えていたリー・ワイリーでしたが、時代の波には逆らえず、1950年代後期のロックンロールの台頭に伴いスウィングジャズと共にリー・ワイリーも消えていきましたが、1957年のアルバム「A Touch of the Blues」を最後になったそうです。

Songbooks & Quiet Sensuality: 1933-1951
ページトップの画像はリー・ワイリーの懐かしい"Manhattan"をはじめ"More Than You Know"など過去の甘いラヴソング21曲を集めてリマスターした初のアルバムですが日本ではもう販売していないようです。 試聴はSongbooks & Quiet Sensuality: 1933-1951 - CD Universe

Night in Manhattan
ナイト・イン・マンハッタン
Night in Manhattanオリジナル盤が1950年録音というリー・ワイリーの名を不動にしたten-inch albumの国内盤で演奏はBobby Hackett and Joe Bushkin(ボビー・ハケットとジョー・ブーシュキン)の演奏です。 リンク先ではManhattan(マンハッタン)をはじめStreet of Dreams(ストリート・オブ・ドリームス)やSugar(シュガー)など全12曲が試聴できます。
☆ちなみにオリジナルは1998年リリースの「Music of Manhattan」(ASIN: B00000AFAN)でも1950年から1952年に録音されたStreet of DreamsやManhattanやSugarなど全23曲が試聴できます。

West of the Moon
ウエスト・オブ・ザ・ムーン
wiley3.jpgオリジナル録音が1956年のアルバムにはLimehouse Blues(ライムハウス・ブルース)やAs Time Goes By(時のたつまま)など全12曲が収録されています。 リンク先で試聴できます。 輸入盤では上記の14曲の他にStars Fell on AlabamaとDo You Know What It Means to Miss New Orleans?が追加されています。
Lee Wiley - Do You Know What It Means To Miss New Orleans? - YouTube

Night in Manhattan/Sings Vincent Youmans/Sings Irving Berlin by Lee Wiley
Night in Manhattan/Sings Vincent Youmans/Sings Irving Berlin (Audio CD - 2001)
wiley4.jpg
Columbia時代の10インチLP盤3枚を合わせてCD化したリマスター盤で、ManhattanからMore Than You KnowやStan Freeman(スタン・フリーマン)とのデュオのHow Deep Is the Ocean?(海は愛よりも) など全24曲を収録しています。 3枚のLPとは1951年の「Night in Manhattan」と1952年の「Sings Vincent Youmans」、そして1952年の「Sings Irving Berlin」で、演奏メンバーはコルネットのBobby Hackett(ボビー・ハケット)、Joe Bushkin & His Swing Strings(ジョー・ブーシュキンとスウィング・ストリングス)、ピアノにCy Walter(サイ・ウォルター)などで、Rosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)の大ヒット曲"Come on-a My House"の録音でチェンバロ(harpsichord)を演奏したスタジオミュージシャンのStan Freeman(スタン・フリーマン)も参加しています。 リー・ワイリーのソングブックのタイトルとなっている二人の作曲家のうち、Irving Berlin(アーヴィング・バーリン)は1911年に作曲した"Alexander's Ragtime Band(アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド)"や1942年にBing Crosby(ビング・クロスビー)が主演した映画"White Christmas(ホワイト・クリスマス)"などで有名ですが、Vincent Youmans(ヴィンセント・ユーマンス)も1920年のミュージカルで歌われた"Tea for Two"の作曲者として知られています。"Tea for Two(二人でお茶を)"は1950年の同名映画で使用され、1958年にはTommy Dorsey(トミー・ドシー)のチャチャチャ・バージョンがチャートでトップテン入りしました) 私が知っているなかでも"Carioca"、"Sometimes I'm Happy (Sometimes I'm Blue)"、"More Than You Know"など素晴らしい曲があります。
試聴はNight in Manhattan - CD Universe

Listen to The Chronicle of the Great Jazz Singer: Lee Wiley
Lee Wiley - Body and Soul (1945) - YouTube
Lee Wiley - Baby Won't You Please Come Home (1951)- YouTube
Lee Wiley - My Melancholy Baby (1957) - YouTube

レトロなリー・ワイリーを聴こう!
リー・ワイリーが1931年にLeo Reisman & His Orchと録音した"Take It From Me "や1933年にVictor Young Orchと録音した"I Gotta Right To Sing The Blues、1934年にデッカで録音した"I'll Follow My Secret Heart"が聴けるLee Wiley - A JazzAnthology(検索窓にLee Wileyと入力してSubmitボタンをクリック)
このページトップの画像「Songbooks & Quiet Sensuality: 1933-1951」と類似したジャケットで1985年にTono labelからリリースされたLP「Legendary Lee Wiley」にレアな16曲を追加した全25曲を収録してCD化(Stars Fell on Alabamaを除く15曲)されたアルバムの「Legendary Lee Wiley: Collector's Item 1931-1955」や「What Is Love?」に収録されているリー・ワイリーの"Careless Love"が聴けるwfmuラジオのプレイリストはDoug Schulkind's Give the Drummer Some July 6, 2001(Hear this showをクリック、ファイルを開く、クリップポジションを34:26に移動 RealPlayer又はVLCで開く)