ボーン・スプレマシー The Bourne Supremacy (2004)

Bourne Supremacy VHS (ASIN: B0002ZDVFE)
The Bourne Supremacy VHS
ボーン・スプレマシー(2004年)

2004年の「ボーン・スプレマシー」はMatt Damon(マット・デイモン)が主演した2002年の「The Bourne Identity(ボーン・アイデンティティー)」の続編です。(フランスでのタイトルは”La Mort dans la peau”)
ドイツ人旅行者(ヒッピー)のマリー・クルーツは前作に続き「ラン・ローラ・ラン」で走る赤毛のローラを演じたFranka Potente(フランカ・ポテンテ)が演じています。

前作の「ボーン・アイデンティティー」では抹殺しようとするCIAが送り込んだ刺客たちに追われていたJason Bourne(ジェイソン・ボーン)は武器として訓練されたCIA工作員だったことが分りました。 前回で記憶喪失者となってアイデンティティーを捜し求めていたジェイソン・ボーンが訳も分らぬままの自分探しから、もっともっと逞しくなって優位(追う側になって)に戦うという「ボーン・アイデンティティー」の続編です。 撮影はハンディカメラを使用してドキュメンタリータッチを加えて押さえた色調になり、前作よりもスピード感溢れる「ボーン・スプレマシー」をイギリス人のPaul Greengrass(ポール・グリーングラス)が監督しました。 「ボーン・アイデンティティー」以降シリーズの脚本を手掛け、マット・デイモンが出演しない2012年の「The Bourne Legacy(ボーン・レガシー)」では監督したTony Gilroy(トニー・ギルロイ)は2007年に「Michael Clayton(フィクサー)」も監督します。
前作よりグレードアップしたスタントはとてもCG無しとは思えませんが、カメラトリック(手品)は使用しているようです。 映画で使用された武器なども映画用の特別誂えではなく、商品として売られている型だそうです。

映画「ボーン・スプレマシー」の原作はRobert Ludlum(ロバート・ラドラム)が1980年に発表したベストセラー小説三部作の第ニ作目の「The Bourne Supremacy(殺戮のオデッセイ)」です。
ちなみに3作目は「The Bourne Ultimatum(最後の暗殺者)」で、これは2007年に邦題は「ボーン・アルティメイタム」(最後通牒)として映画化されます。 ジェイソン・ボーンがなぜ非情な殺し屋となったかの謎の鍵を握る黒幕(発案者)であるDr. Albert Hirsch(アルバート・ハーシュ博士)役を「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」でスクルージー爺さん役だったAlbert Finney(アルバート・フィニー)が演じています。
ロバート・ラドラムの三部作小説を基にしたゲームは「The Bourne Conspiracy」というそうです。(2008年米PLAYSTATION Storeリリース、要・国名と生年月日を登録する仕様でしたが現在はアクセス不可)
The Borne Ultimatum “Jason Bourne” Jacket
マット・デイモンが演じたジェイソン・ボーンが映画で着用していたと同じような黒のいキャンバス布地に深いポケットが付いたジッパー・ジャケットが「超かっちょええ!」と人気だとか。 映画で使用されたTシャツやセーターや革ジャンは販売されている商品だそうですが、ライダー風のジャケットはカスタム・メイドなので市販されていないそうです。

ボーン・スプレマシーのあらすじ
以下のあらすじには結末も書かれているのでこれからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。 とはいえ、1度観たくらいでは完全に内容を掴むことは困難に思えます。(ビデオなら日本語字幕版より吹き替え版の方が分かりやすいそうですが、私には暗い画面で展開が早く登場人物が込み入っているので何度みても全てを把握することは困難)
前回(ボーン・アイデンティティー)でConklin(コンクリン)は死んだのでジェイソン・ボーンの回想シーンの中のだけに登場しますが、今回はJoan Allen(ジョアン・アレンもしくはジョーン・アレン)が演じるCIAの女性諜報員(内部調査局長)のPamela Landy (パメラ・ランディ)が新登場します。 パメラ役のジョアン・アレンはアボットを演じるブライアン・コックスと共に後の「羊たちの沈黙」、ハンニバル博士シリーズの始まりとも「沈黙」の後日談ともいえる1986年の「Manhunter(刑事グラハム/凍りついた欲望)」(レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙)でそれぞれ連続殺人事件の犯人で噛み切り魔ことダラハイドに愛される盲目のリーバ・マクレーンとハンニバル・レクター博士を演じています。
映画の冒頭はトレーニングが終わり任務を遂行する悪夢にうなされるジェイソン・ボーンの映像。(夢のなかの男女は何者なのか) 激戦の果てにやっと幸せなマリーとの生活を始めた「アイデンティティー」から2年後、ジェイソン・ボーンとマリーはインドのゴアにある海辺の小屋で暮らしていた。 ジェイソン・ボーンの記憶は依然として戻らぬまま。 夢では細切れの映像にコンクリンの声。 何かを掴むため夢を書き留めるようにと助言するマリーです。 Who was I?

場面変わって、場所はベルリン。 バージニアのCIA(アメリカ中央情報局)のハブ(本部)ではCIA内部監査担当のパメラ・ランディが公金横領の調査中。 情報データを買収する取引現場で襲撃され不正の証拠と入手用の莫大な現金も失ってしまう。
一方、怪しい男二人が送電線に仕掛けられた時限爆弾にテープの指紋を貼り付ける細工をする。 後にパメラがこの指紋の該当者を当たってみるとなんとジェイソン・ボーンだった。

ボーンがインドの町を散策していると、あのデータと金を奪ったサングラスの男がボーンの写真を見せて探し回っているのを見た。(刺客) ボーンとマリーの二人はインドの混雑した道路から田舎道へと逃げる。 緊迫感溢れるカーチェイスの間、二人が間違いじゃないか?選択の余地は?と言い争っているうちに狙撃されて車が川に落ちる。 ボーンは水中脱出を図るも頭を撃たれてたマリーはすでに事切れていた。 橋の上で事故を知った人々が川を覗き込んでいる中にあの狙撃手の顔もあった。 川から引き上げられる車を涙を浮かべて見守ったボーンは、住まいに戻るとマリーの思い出を全て灰にする。 が、肌身に付けていた1枚だけは燃やせなかった。

CIA本部では届いた現場証拠の指紋照合をする。「トレッドストーン計画 最高機密 アクセス拒否」という表示が現れるがマーシャルCIA長官の許可を得てアクセスした最高機密のファイルにはなんと事故死したはずのジェイソン・ボーンの名が! 特別に許可を得た「トレッドストーン(秘密の暗殺者集団)計画」のファイルには任務放棄、記憶喪失の可能性。 コンクリンのファイルには作戦中死亡のスタンプ。 パメラはトレッド・ストーン計画の元総責任者でコンクリンの上司だったウォード・アボットに連絡する。 どうやらコンクリンを亡き者にしたのはアボットのようだ。 即刻ボーンを国際指名手配するパメラ・ランディ。
マリーを失ったジェイソン・ボーンは襲撃された理由を求めてタンジールからナポリへ向かうが、CIAから連絡が入り指名手配中だからナポリ空港では当然ボーンは取調室に連行され、パメラたちに連絡が入る。 アメリカ領事館から来たとCIAのネヴィンスが「ナポリを訪れた目的は?」などと質問するが黙秘するボーン。 「協力した方が身の為だ」と言うネヴィンスにパメラから電話が入ったとたんボーンは突如攻撃態勢に入る。 ネヴィンスが振り向き様に銃を抜こうとするやいなや、ボーンはほぼ同時に室内の二人を倒す。 ここでジェイソン・ボーンは倒れたネヴィンスの携帯電話からチップを抜き取り自分の携帯に差し込むという早業。(これで盗聴可能) 空港から逃走したボーンはネヴィンスの携帯電話の通話からベルリンでの殺人でボーンの指名手配の実情を知った。 それにしてもネヴィンスの車のナンバープレートを貼り変えるなど用意周到。(あの時車のキーも奪っていたのか)
ジェイソン・ボーンの次の行き先はオランダのアムステルダム。 マーシャル次官の命令で非難し合っていたパメラとアボットもベルリンに行くことに。 イタリアのミラノから入ったドイツのミュヘンでは前回コンクリンを撃った手強い暗殺者(トレッドストーンの生き残り)でコンクリンを殺害したハンブルグのManheim(マンハイム)との壮絶な格闘の末に殺害、ガス栓を外して爆発を起こして逃走するボーン。(トースターに差し込んだ雑誌が燃え上がる頃にボーンを狙う一隊が突入)

電話の内容から自分が罠にはめられたことを悟ったボーンはCIA内部調査局長のパメラを追う。(トレッドストーンは2年前に廃止された? 今や残党はボーンのみ? 任務は?) パメラが宿泊するウエスティン・グランド・ホテルも突き止めたボーンは後を追い、遠方のビルの屋上からCIAのベルリン支部にいるパメラを銃の標的にしながらボーンを追う理由を直接電話で聞くと「ベルリンで二人殺害した」(パメラの部下だった)と告げられた。(このシーンで銃のスコープを覗くボーンの画像がサントラのカバー画像に使用されている) ボーンは取引として投降場所としたアレキサンダー広場の世界時計の下にCIA(ヨーロッパ後方支援員)のニッキーを一人で来させる条件を出すが、当然のことニッキーは狙撃班に囲まれている。 路面電車に乗るように指示したボーンも乗り込む。 それを見張るCIA。 旗を掲げたデモ隊の中を市電が走る。 路面電車から降りてニッキーを掴んで走るボーン。 ボーンの質問は全てCIAにキャッチされている。 ニッキーに事情の説明を強要すると開放するボーン。
指紋が判明した若者(ボーン)はコンクリンの失態を糾弾していた男だがボーンがベルリンに居たと主張するCIA副長官のWard Abbott(アボット)が殺した。(この後、アボットは爆発物の指紋のトリックを指摘したダニー・ゾーンも殺した) ちなみにニッキーを演じているのは1999年にHeath Ledger(ヒース・レジャー)主演の「10 Things I Hate About You(恋のからさわぎ)」でヒロインのキャットを演じたJulia Stiles(ジュリア・スタイルズ)です。

悪夢に出てくるあのベルリンにジェイソン・ボーンは再び向かう。 回想シーンではコンクリンが「これは訓練ではない、任務だ」とプロジェクトの説明をし、ホテル・ブレッカーに向かうボーン。 ホテルの644号室をあてがわれたが、過去に何かあった645号室に侵入、あの暗殺を回想するボーン。 「おめでとうジェイソン、訓練は終了した」とコンクリンの声。 CIAに証拠を提供しようとして邪魔者だったロシアの政治家ネスキーはコンクリンが7000万ドル横領の共犯者だが、夫婦ともコンクリンの指令でボーンに暗殺されたのだという。
ロビーでは手配書が回っていてホテルが警察に連絡し突撃隊スワットが644号室の襲撃開始。 ボーンは屋上へ逃げ延びるが、パメラたちも到着、市街では警察に見つかり、飛び降りで足を痛めながらも逃走する。

現場から一人ホテルに戻ったCIA副長官のアボットは電話をかける。「ボーンを殺害して捜査を打ち切る。CIAの大金も奪って俺に恩があるだろ、ボーンを殺せ!」と冒頭の襲撃人(ヒットマンのグレッコフ)に命じるが「借りなんてこれっぽっちもない」と電話を切るグレッコフ。 そのアボットの背後に迫ったボーンがマリー死亡の解明、「お前の正体は殺し屋だ。 早く殺せ!」というアボットの音声を録音しCIAに送る。

ボーンは去る。 パメラが来る。 銃をパメラに向けていたCIA副長官のアボットだったが「私は国を売った、人的被害だった、後悔していない」と自殺する。(コンクリンの失態を糾弾していたあのアボットが)
ボーンの行き先は今度はロシアのモスクワ、クラブにあの狙撃人。 指令人がボーンが死んでいないことを告げる。 モスクワに降り立つボーンだが、既に手配書が回わっている。 ネスキーの娘の居場所を突き止めようと待たせてあったタクシーが急発進したことでボーンは危険を察知して逃げるがあの狙撃人が見つけて肩を撃つ。 銃を持つ男をモスクワの警察が捕らえるが男が身分証明書を見せると開放。(此奴は連邦保安局FSBと名乗るがシークレット・サービスなのか?) 肩を撃たれたボーンはタクシーを奪って必死で逃げる。 後を追う男との終盤のカーチェイス・シーンは圧巻。 凄まじい音の連続、何がどうなってるやら分らないほどの衝突を繰り返し車はボロボロ。 ぶち当てた狙撃人は車中で死亡。

モスクワに行ったボーンは任務で殺したVladimir Neski(ネスキー)夫婦の娘の帰りを部屋で待っていた。 母親が父親を殺した後自殺したと思っている娘に真実を話し、当時の事情を説明し詫びるとボーンは雪道を歩いていく。 やっと悪夢から開放された。
場面はニューヨーク、ボーンがパメラに電話するとパメラは情報提供に礼を述べ謝罪してボーンの本当の名前を教える。 その名は、やはり、David Webb(本名のデイヴィッド・ウェッブ)、1971年にミズーリ州に生まれた。 誕生日は…415? 913?(ボーン・アルティメイタムでこの謎が…)
やれやれ、まだ続くのか。 展開の早いアクションムービーは苦手の私は登場人物を把握するのも大変な作業でいろいろと見落とした人物や事柄があるが三度は観たくない。(いや、三度は観た)

video「ボーン・スプレマシー」のオフィシャルサイトは「Official Site – The Bourne Supremacy.com」では現在TRAILERで予告編やビデオクリップが観られますがTRAININGでのゲームは削除されました。
「ボーン・スプレマシー」の予告編を観よう!
The Bourne Supremacy Trailer – VideoDetective

Matt Damon as Jason Bourne and Julia Stiles as Nicky
The Bourne Supremacy左の写真は逃げるジェイソン・ボーンとCIAのマドリッド支局員(エージェント)のニッキーです。
☆気になる”Bourne Supremacy(ボーン・スプレマシー)”の意味とは、スプレマシーが優越、支配権、至上権、究極といった意味を持っているのでさだめし「(ジェイソン・)ボーンの優位」でしょうか。 もしかすると「生まれつきの優越(Born Supremacy)」とかけているのかも。(?)


The Bourne Supremacy DVD
ページトップの画像は2004年に発売された「The Bourne Supremacy」の輸入版VHSですが現在は入手困難となりました。
下記の画像は2012年に発売された「ボーン・スプレマシー」の日本語字幕版DVDです。 同じ画像で2005年のDVD(ASIN: B00067HDWK)や、2005年発売の「ボーン・アイデンティティー」と「ボーン・スプレマシー」の2枚組DVD「ジェイソン・ボーン ツインパック」(ASIN: B00096J64G)、2012年発売のブルーレイ「ボーン・スプレマシー [Blu-ray]」(ASIN: B006QJT0MI)もあります。
The Bourne Supremacy DVDボーン・スプレマシー


The Bourne Supremacy Soundtrack
サウンドトラックは2002年の「ボーン・アイデンティティー」に続いてJohn Powell(ジョン・パウエル)が担当しています。 「トゥームレイダー」のサントラにも収録されているMichael O’Donovan(マイケル・オドノバン)のシンセとパウエル作曲のシンフォニーの融合音楽がドキドキする場面を盛り上げる一方、緩やかな情緒的なメロディも織り込まれています。
エレクトロニカ・ミュージックのアーティストであるMoby(モービー)の”Extreme Ways(エクストリーム・ウェイズ)”は聴き逃せません。
下記の画像は2004年リリースの輸入盤サウンドトラックですが、国内盤のオリジナル・サウンドトラック「ボーン・スプレマシー」(ASIN: B0006SLEIS)は現在入手困難となりましたが”インド,ゴア”から”エクストリーム・ウェイズ(モービー) “まで全13曲が邦題で試聴ができます。
The Bourne Supremacy SoundtrackThe Bourne Supremacy [Original Motion Picture Soundtrack]
試聴はThe Bourne Supremacy Soundtrack – Amazon.com

下記の画像は中身がのぞける「殺戮のオデッセイ〈上〉」ですが、ロバート ラドラム著「殺戮のオデッセイ」文庫版の中(ISBN-10: 4042549128)と下巻
(ISBN-10: 4042549136)があり、それぞれ中身がのぞけます。
Jason Bourne Book A Novel 殺戮のオデッセイ〈上〉 (角川文庫)


Matt Damon
マット・デイモンが演じるジェイソン・ボーンのシリーズは3部作だから2007年の「ボーン・アルティメイタム」で終わりますが、他のシリーズものでは2001年の「オーシャンズ11」、「オーシャンズ12」、そして付け鼻のマット・デイモンがセクシーなEllen Barkin(エレン・バーキン)に媚薬を嗅がせるシーンが意表をついていた2007年の「オーシャンズ13」までレギュラー出演していますからこちらにも期待しましょう。
私がはじめてマット・デイモンの映画を観たのは1998年の「 Saving Private Ryan(プライベート・ライアン)」でしたが、1988年の「Mystic Pizza(ミスティック・ピザ )」に17歳のマットが初々しく登場しているのを知りました。 マット・デイモンが出演する映画としてはアクション映画でもないしマット・デイモンが逞しくもないけれど、フランス映画「Plein Soleil(太陽がいっぱい)」のハリウッド版リメイクでマット・デイモンが歌う1999年の「The Talented Mr. Ripley (リプリー ) 」が好きです。
マット・デイモンの恋の噂では「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」で共演した Minnie Driver(ミニー・ドライバー)やWinona Ryder(ウィノナ・ライダー)などとも交際があったそうですが、2005年には出身の6歳年下で子連れのLuciana Bozán Barroso(ルシアナ)とサプライズなデキチャッタ婚をしました。 ルシアナ奥様はマット・デイモンが2003年にマイアミで撮影していた時に通ったバーのバーテンダーだった一般人だとか。

Paul Greengrass
ポール・グリーングラス監督は「ボーン・スプレマシー」の後、2006年に「United 93(ユナイテッド93)」、2007年には「ボーン・スプレマシー」に続き「ボーン・アルティメイタム」を、2016年にも「ジェイソン・ボーン」を監督します。 「ジェイソン・ボーン」には”エージェントK”で知られるトミー・リー・ジョーンズがボーンの抹殺を命ずるCIAのロバード・デューイ長官として登場します。
「ユナイテッド93」とはというのはニューヨークで4機の飛行機がハイジャックされた同時多発テロが起こった時、唯一乗客の反撃に合って目的を達っせなかった旅客機なんだそうです。

Joan Allen
新登場人物のCIAのパメラを演じたジョアン・アレンは「Of Mice And Men(二十日鼠と人間)」で共演しているJohn Malkovich(ジョン・マルコヴィッチ)とGary Sinise(ゲイリー・シニーズ)が主催するシカゴの演劇集団「ステッペンウルフ・シアター・カンパニー」の創設メンバーの1人だそうです。 ジョアン・アレンは2007年の「ボーン・アルティメイタム」にも出演します。

☆「ボーン・スプレマシー」を観るには前作のThe Bourne Identity(ボーン・アイデンティティー)を観ていないと分かりづらいです。
Audio-Visual Trivia内の「ボーン・アイデンティティー Bourne Identity

The Bourne Ultimatum 2007
ジェイソン・ボーンのシリーズはこの後も2007年に「ボーン・アルティメイタム」が制作されていますが、2012年の「The Bourne Legacy(ボーン・レガシー)」以外は5作目となる2016年の「Jason Bourne(ジェイソン・ボーン)」もマット・デイモンが主演しています。 「ボーン・スプレマシー」と「ボーン・アルティメイタム」と「ジェイソン・ボーン」の監督はPaul Greengrass(ポール・グリーングラス)ですから「スプレマシー」のラストと「アルティメイタム」の始まりがつながっています。
CIAの内部告発に基づいてイギリスの新聞社の防衛担当記者サイモン・ロスがトレッドストーンの改良版とみられるノア・ヴォーゼン(デヴィッド・ストラザーン)を責任者とするブラックブライアー計画を取材していた。 ちなみにトレッドストーンはアメリカ政府にとっての邪魔者暗殺計画だったが極秘の監視プロジェクトに端を発するブラックブライアーは今や全ての機密作戦を網羅した国益を守るプロジェクトとなり他国のみならずアメリカ人もターゲットにする。 「ボーン・アルティメイタム(最終、最後通告の意味)」では列車内を逃げるボーンから、負傷した肩を手当てするボーン。 これは前作「ボーン・アイデンティティー」のトンネルのシーンから引き続いていて最後にパメラに電話するまでの話となる。
場面はバージナイアのCIA本部からイタリアのトリノ、CIA内部に通じている情報提供者(マドリッドの支局長ニール・ダニエルズ)とロンドンの新聞記者サイモンが会う。 そしてパリ、亡きマリー・クルーツの弟マーチンの帰りを部屋で待ち、事情を説明するボーン。 マーチン役のDaniel Brühl(ダニエル・ブリュール)は2004年の「Ladies in Lavender(ラヴェンダーの咲く庭で)」でヴァイオリニストのアンドレアを演じました。

ボーンの記事を知ったニューヨークのCIA極秘機関対テロ局の局長ヴォーゼンは現地のエージェントにロンドンの新聞記者ロスの情報源を突き止めろと監視を指示する。 場面変わってロンドン、ロンドンへ向かったボーンもこの記事を見て列車内からウオータールー駅南口で待ち合わせると電話。 尾行されているロスを助けたボーンを確認したヴォーゼンはスナイパーに指令を出す。 ボーンの制止を聞かずに怯えたロスは出口から飛び出したところを射殺される。 ロスのポケットから奪ったメモからシーウェル&マーベリーの名前を見つけボーンはスペインのマドリッドに向かう。 もぬけのからのダニエルズの部屋に到著したボーンが侵入してきたヴォーゼンの手下二人を始末したところにベルリンから配属されたとニッキーがやってくる。 ボーンに加担したとしてニッキーまでも危険分子のボーンとともに抹殺を声高に叫ぶヴォーゼンに反対するパメラ。 ニッキーから聞いたダニエルズのいるモロッコのタンジールに向かったボーンの機転でボーン・スプレマシーの配下の暗殺者デッシュ(ジョーイ・アンサー)による爆死を逃れた車上のダニエルズ。 デッシュはヴォーゼンからニッキー抹殺の指令を受ける。 爆死したと思われたボーンも奇跡的に生き延びてニッキーの救出に向かう。 ようやく間に合ったボーンとデッシュとの血みどろの一騎打ちが迫力あり。 死んだデッシュから携帯電話を抜き取るとボーンとニッキーが死んだとCIAに送信する。 ヴォーゼンはモロッコの支局長に二人の死を確認させているとエズラ・クレイマーCIA長官(スコット・グレン)に電話。 ニッキーは髪を黒く染めてボーンと別れる。 パメラに電話するボーンのシーンは前作「ボーン・スプレマシー」の最後に同じ。 ボーンの誕生日は….待ち合わせ場所。 書類を盗ませようとパメラはヴォーゼンを誘き出すために偽の場所をボーンに電話で言ったのだが、パメラが会おうとしているボーンを捉えようと手下たちと見張っていたヴォーゼン。 そこにボーンからヴォーゼンのオフィスにいると電話が入る。 CIA本部のヴォーゼンの金庫からブラックブライアーの機密書類を奪うと逃走するボーンを追うヴィーゼンの配下。 ありえない!
パメラが誕生日とかけて暗号で知らせた密会の場所、機密書類を手渡すためにニューヨークのイースト71丁目415番地でパメラと会うボーン、パメラは一緒に出頭しようと言うが人間兵器に変えれたこの場所で決着をつけるからと拒否するボーン。 ヴォーゼンたちに追われながらも機密書類を何処へかファックスし終えたパメラは飛び込んできたボーゼンに「良い弁護士を探せ」と去っていく。(後日ヴォーゼンとクレイマー長官は逮捕) CIAの特殊研究所に侵入したボーン、過去の記憶がフラッシュバックするボーンの背後からトレッドストーン・プロジェクトの発案者であるアルバート・ハーシュ博士がやって来る。 3年間自分を探し続けてきたと言うボーンの全ての記憶が戻ってはいないと博士、警告したのに、「国家に仕えたい、どんな人間にでもなる」とデビッド・ウエブからジェイソン・ボーンに生まれ変わるとボーン自ら選んだのだと。 何もかも思い出したボーンは博士のような人間に殉職などさせないと窓から脱出、間一髪で追っ手が突入してきた。 ボーンをビルの屋上に追い詰めた刺客バズがあのカーチェイスの時身動きできなかったバズをなぜ撃たなかったかを尋ねている背後にヴォーゼンが飛び込んできて10階建てのビルから飛び降りようとしたボーンを撃つ。 ブルックリンブリッジが架かるイースト・リバーに落ちたボーンは動かず、いや、泳いで消えていった。(一作目「ボーン・アイデンティティー」の冒頭みたい) 遺体が見つからないというニュースを聞いてニッコリするニッキー。
終盤のボーンとCIA側の追っ手とのカーチェイスなどは兎にも角にも目まぐるしく、手に汗を握るほどヤケのやんぱちアクションの連続でしたが、それでも生き延びたボーンでした。