アーニー・ヘンリー Ernie Henry

Presenting Ernie Henry in 1956
Ernie Henry
Ernie Henry: The Distinctive Alto Saxophonist
Ernie Henry – Cleo’s Chant (Ernie Henry with Kenny Dorham) – Amazon.co.jp (MP3 Download)

Ernie Henry (1926 – 1957)
1926年にニューヨークのブルックリンで生まれたアーニー・ヘンリーは30代にして1957年に自動車事故で亡くなるまでの短い生涯で彼の音楽を完成したのでは(?)といわれる素晴らしいアルト・サキソフォン奏者です。

アーニー・ヘンリー独特のサウンド(オリジナリティ)を持っているとはいえ、かなりCharlie Parker(チャーリー・パーカー)の影響を受けているそうで、同じアルト・サックスでもデューク・エリントン楽団で活躍したJohnny Hodges(ジョニー・ホッジス)とはまるっきり違います。 しかしテキサス・テナーの豪快さにも似た時には乱暴なブローと共に、どこか孤独感(ソリチュード?)が漂ってセクシーでもあり、アーニー・ヘンリーの存在を感じさせます。 アーニー・ヘンリーはちょっとヤクザなチャーリー・パーカー!なんてネ
もしアーニー・ヘンリーが音楽活動を続けていたらひょっとするとアヴァンギャルド界に入っていったかもしれませんね。 アルトサックス・プレーヤーとしてはSonny Stitt(ソニー・スティット)、Johnny Hodges(ジョニー・ホッジス)やArt Pepper(アート・ペッパー)も好きですが、モダンジャズ(ビバップ)のアルト・サックス奏者としては3本の指に入るといわれるのがLee Konitz(リー・コニッツ)とアート・ ペッパー、そしてチャーリー・パーカーだそうです。 ちなみにそれ以前のスイングジャズ時代の三大プレイヤーはジョニー・ホッジス、Benny Carter(ベニー・カーター)、Willie Smith(ウィリー・スミス)なんだそうです。

1940年代後半のバップ時期にはTadd Dameron(タッド・ダメロン)のアルバム「1947-1949」、Fats Navarro(ファッツ・ナヴァロ)のアルバム「Fats Navarro Story」や「The Fabulous Fats Navarro」でBud Powell(バド・パウエル)やSonny Rollins(ソニー・ロリンズ)と共演し、「Brilliant Corners」ではThelonious Monk(モンク)やMax Roach(マックス・ローチ)、Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)楽団のアルバム「At Newport」などでも演奏しています。 1950年から1952年にかけてIllinois Jacquet(イリノイ・ジャケー)のバンドに参加していましたが目立つことはなかったようです。 1948年にテナーサックスのJames Moody(ジェームス・ムーディ)のラテン風アルバムで「Tin Tin Deo」にArt Blakey(アート・ブレイキー)と一緒に参加した他、1951年のイリノイ・ジャケーのアルバム「A La Carte」にはHank Jones(ハンク・ジョーンズ)、John Collins(ジョン・コリンズ)やアート・ブレイキーなどと共に参加しています。 1956年にはThelonious Monk(セロニアス・モンク)とアーニー・ヘンリーのソロが素晴らしい”Brilliant Corners”(Riverside RLP-226)をレコーディングしたり、Charles Mingus(チャールズ・ミンガス)などとセッションを行い、また再度Dizzy Gillespie‘s big band(ディジー・ガレスピー・ビッグバンド)とツアーを組んだりして注目を浴びるようになりました。

1956年から1957年にかけてのたった数枚(3とも6とも)のオリジナルアルバム(Riverside)を残して突然この世を去ったアーニー・ヘンリー、独特な音色のアルトをもっと聞きたかった!

Cleo’s Chant by Ernie Henry
Presenting Ernie Henry
ページトップの画像は貴重な数枚のアルバムのなかで、私が好きな曲”Cleo’s Chant”を収録した1999年発売の「プレゼンティング・アーニー・ヘンリー」です。(33 RPM 12インチLPはRiversideのオリジナル盤だとレコードラベルが白なんだそうです)
Presenting Ernie HenryPresenting Ernie Henry (Ernie Henry / Fantasy/Original Jazz Classics)
国内盤は「プレゼンティング・アーニー・ヘンリー」(ASIN: B000NO29IO)
試聴はMP3アルバムの「Presenting Ernie Henry – Amazon.co.jp (MP3 Download)(7番Cleo’s Chant)
メンバー編成はKenny Dorham(tp)、Kenny Drew(P)、Wilbur Ware(b)、Art Taylor(ds)
Ernie Henry – Cleo’s Chant (Last Chorus) Interjazzblog | Mixcloud (sometimes buffers)
Ernie Henry – Gone with the Wind (Presenting Ernie Henry)

Seven Standards And A Blues
1957年録音のスタンダード・ナンバーのアルバムで、Lover Man (Oh Where Can You Be)が収録さてています。
Seven Standards And A BluesSeven Standards And A Blues (Riverside RLP-248)
国内盤は「セヴン・スタンダーズ・アンド・ア・ブルース」
6番の”Lover Man”はチャーリー・パーカーでしょ? なんてネ。 7番の”Specific Gravity”はアーニー・ヘンリーのオリジナル。

Last Chorus
メンバー編成が豪華!ですがアーニー・ヘンリー急死のため1957年に急ごしらえの再リリース盤だそうです。 “Cleo’s Chant”の他に”Beauty & The Blues”や”Autumn Leaves”が収録されているアルバムですが現在は入手困難です。
Last ChorusLast Chorus (ASIN: B00000605Q)
このアルバムにフィーチャーされている演奏メンバーは、トランペットがLee Morgan(リー・モーガン)とKenny Dorham(ケニー・ドーハム)の他、テナーサックスがBenny Golson(ベニー・ゴルソン)、ベースがPaul Chambers(ポール・チェンバース)、ピアノがWynton Kelly(ウィントン・ケリー)とKenny Drew(ケニー・ドリュー)、ドラムがPhilly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)、トロンボーンのMelba Liston(メルバ・リストン)そしてピアノのThelonious Monk(セロニアス・モンク)などです。
2011年から追加されたAmazon.co.jpのMP3ダウンロードでアルバムが試聴できます。
Last Chorus (Original Jazz Sound) – Amazon.co.jp (MP3 Download)

Brilliant Corners
アーニー・ヘンリーが4曲に参加した1956年のセロニアス・モンクとのRiversideレーベルのアルバム(モンクはRiversideレーベルでは3番目の録音)で、画像は1999年発売のCD(ASIN: B000000Y1H)ですがリンクは試聴ができるMP3アルバムになっています。
Brilliant Corners with Ernie HenryBrilliant Corners
2010年発売の国内盤は「ブリリアント・コーナーズ」(ASIN: B000NO28TE)
試聴は1番の”Brilliant Corner”はモンク独特の難解な曲ですが、2番の”Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are”ではアーニー・ヘンリーの素晴らしいソロが聴けます。
5番のお馴染みの曲”Bemsha Swing”はマックス・ローチのドラムとソニー・ロリンズのサックスをフィーチャー
☆セロニアス・モンクがサウンドトラックを手掛けた1960年のフランス映画「危険な関係」では最初のパーティーのシーンで主人公のヴァルモンを演じたジェラール・フィリップがこの「ブリリアント・コーナーズ」のレコードをかけていますがアメリカ盤ではなくイギリス盤でした。

Illinois Jacquet a la Carte
1951年にアーニー・ヘンリーが参加したイリノイ・ジャケーの2002年に発売されたアルバムです。
Illinois Jacquet a la CarteJacquet a la Carte
試聴はJacquet a la Carte – AllMusic.com
アーニー・ヘンリーは1番から7番までの曲で参加しているそうです。

☆アーニー・ヘンリーが1940年代に参加したアルバム「Birk’s Works」のDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)や、蒸気の「Jacket a la Carte」のIllinois Jacquet(イリノイ・ジャケー)の記事を参照して下さい。

Hot’n Coolブログで紹介したWMBRラジオのCoffeetimeは私がよく聴くインターネット・ラジオのジャズ番組の一つCoffeetimeです。 そのSeptember 22, 2005のプレイリストのSeptember 22, 2005 Archive(アーカイブ)のプレイリストにアーニー・ヘンリーの名を見つけたので、「Ernie Henry / Presenting Ernie Henry / Orient / Riverside / 8.23, 30.56」の128 kbps mp3ファイルをダウンロードしてiTunesで聴いてみました。 ☆現在最新の2ファイルはWMBR Archive(http://wmbr.org/cgi-bin/arch)でストリームのファイルが開けます。