リー・モーガン Lee Morgan

Lee Morgan with Dizzy Gillespie
リー・モーガンといえばハード・バップのトランペッター!
若干18歳にして1956年にDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)のビッグバンドに参加したそうですが、その年にはClifford Brown(クリフォード・ブラウン)が急死しています。 ハードバップのトランペッターには、Kenny Dorham(ケニー・ドーハム)やArt Farmer(アート・ファーマー)、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)やFreddie Hubbard(フレディ・ハバード)、ウエストコーストですがConte Candoli(コンテ・カンドリ)やChet Baker(チェット・ベイカー)などたくさんいます。 炸裂するようなリー・モーガンのトランペットの音色はマイルス・デイヴィスとは全く異なりますが、先輩のディジー・ガレスピーに倣った奏法で、クリフォード・ブラウンの再来と言われたこともあることからクリフォードとはかなり近いのかもしれません。 1950年代中期から1960年代中期までバップがモダンジャズの代名詞だった頃、バップ好きだった私がよく耳にしたリー・モーガンのトランペット演奏は青春時代を思い起こさせるジャズメンの一人です。(当時のLee Morganの日本語表記はリー・モルガンでした) 1956年のディジー・ガレスピーとのセッション盤でのメンバーはトランペットがリー・モーガンの他、同じく曲がったトランペットのディジー・ガレスピー、アルトサックスが早世したアーニー・ヘンリー、テナーサックスは”I remember Criford”を作曲したBenny Golson(ベニー・ゴルソン)、ピアノがディジー・ガレスピーの「Birk’s Works」の吹き込みに参加していたWynton Kelly(ウィントン・ケリー)とトロンボーンのAl Grey(アル・グレイ)、ベースはBilly Eckstine(ビリー・エクスタイン)とも共演したPaul West(ポール・ウエスト)などです。
ドラムがPhilly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)でピアノがHorace Silver(ホレス・シルヴァー)というカルテットでリー・モーガンのデビュー盤は1956年のブルーノート「Lee Morgan Indeed!」だそうです。 「Lee Morgan Indeed!」で試聴してみたら、なるほど、バラードのThe Lady以外は”Roccus”など弾けています。

Lee Morgan without Dizzy Gillespie
リー・モーガンといえばガレスピーのムード! 人気のアルバムです。
Dizzy Atmosphere
Dizzy Atmosphere by Lee Morganリー・モーガンが初期に参加したバンドのディジー・ガレスピーは「Dizzy Atmosphere」というアルバムを1957年にリリースしていますがリー・モーガンも同名アルバムをリリースしました。 なんとこの時、リー・モーガンは18歳だったそうです。 ガレスピーのムードで演奏したこのアルバムは「ディジー・アトモスフェア」というタイトルになっていますが南米公演をしていたらしいガレスピーは参加していませんし、タイトルの曲「Dizzy Atmosphere」も収録していません。 演奏メンバーはトランペットのリー・モーガンと当時のガレスピーバンドのメンバーでピアノがウィントン・ケリー、トロンボーンはアル・グレイ、ベースはポール・ウエスト、ドラムはチャーリー・パーシップ、テナーサックスがBilly Mitchell(ビリー・ミッチェル)、バリトンサックスにはBilly Root(ビリー・ルート)、そしてベニー・ゴルソンがアレンジに加わっています。 このアルバムのオリジナルは1957年のSpecialtyレコードのモノラル録音だそうで、LPレコードのDizzy Atmosphere [12 inch Analog] もあります。
リー・モーガンの「Dizzy Atmosphere」の試聴はDizzy Atmosphere – AllMusic.com

Lee Morgan with Art Blakey and The Jazz Messengers
リー・モーガンといえばジャズメッセンジャーズ!
Au Club St Germain 1958 Vol.2
Art Blakey & Les Jazz Messengers Au Club St Germain私が初めて弾けるようなトランペットの音を聞いたのがアート・ブレイキー楽団でのリー・モーガンでした。 それがお小遣いをはたいて初めて買ったジャズのLPが「サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ」でした。
リー・モーガンは1956年にアート・ブレイキーが地元のフィラデルフィアに公演に来た時に欠員の代役で参加していますが契約はせずにガレスピーのビッグバンドに参加したそうです。 その1956年に急逝したクリフォード・ブラウンに代わるようにリー・モーガンは1年ちょっとの間に自分名義のアルバムをブルーノートで何枚も録音しています。 1958年にガレスピー楽団を去ったリー・モーガンはArt Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズ)に参加して1958年の「Moanin’」やサン・ジェルマンのライブ盤「Moanin’ With Hazel」などの録音に名を連ねています。 演奏メンバーはドラムがアート・ブレイキー、トランペットがリー・モーガン、テナーサックスがベニー・ゴルソン、ピアノがボビー・ティモンズ、ベースがJymie Merritt(ジミー・メリット)です。
試聴はMoanin’ With Hazel、 Whisper Not、A Night in Tunisia、Blues Marchが収録されたArt Blakey: Au Club St Germain, Vol. 2 – AllMusic.com
アート・ブレイキーが1961年に初来日した時の日本記念盤LPレコードの「Art Of The Jazz Messengers」(VICTOR HP 525)を買った私でしたが、アート・ブレイキーのナイアガラ瀑布はモチロン、イントロのボビー・ティモンズのピアノソロはもちろん、それに続くベニー・ゴルソンのテナーも素晴らしいですが、リー・モーガンのあの炸裂するトランペットソロで「モーニン」は成り立っていると思っています。 来日メンバーはテナーサックスがベニー・ゴルソンからWayne Shorter(ウェイン・ショーター)に代わった他は同じメンバーで、時にリー・モーガンは若干22歳だったそうです。 おそらく麻薬が原因でフレディ・ハバードと交代したのは来日後のことだったようでしたが、1964年から1965年まで再び参加しています。
Lee Morgan with Art Blakey & The Jazz Messengers – Moanin’ 1958 – YouTube
※この時期1960年頃がオリジナルという アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバムでリー・モーガンが弾けている「Like Someone in Love」がすごい。
試聴はLike Someone in Love – Amazon.com

Lee Morgan plays The Sidewinder
リー・モーガンといえばサイドワインダー!
The Sidewinder
Lee Morgan The Sidewinder1959年にリー・モーガンが作曲し1963年に録音されたハードバップというよりもソウル・ジャズのさきがけとなったThe Sidewinder(サイドワインダー)は予想だにしなかった空前の大ヒットとなりました。 1965年のワールドシリーズ(野球)の間、Chrysler(クライスラー)自動車のキャペーンCMに使用されたほどだったそうです。 アルバムの演奏メンバーはリー・モーガンの他、テナーサックスのJoe Henderson(ジョー・ヘンダーソン)、ピアノがBarry Harris(バリー・ハリス)、 ベースがBob Cranshaw(ボブ・クランショウ)です。 1964年録音のオリジナルのLPのリマスター盤「Sidewinder」にはリー・モーガンのトランペットのアドリブとジョー・ヘンダーソンのテナーソロが聴けるTotem Poleなど全てがリー・モーガンのオリジナル曲だそうです。 他にThe Sidewinder [12 inch Analog] (30cmLP)もあります。
1963年の録音盤がBlue Noteレーベルから1964年にリリースされた時はロック(8ビート)に通ずるところもあったからか、ジャズには珍しくビルボードのチャート上位に入ったそうです。 過去にも”ボデイ・アンド・ソウルという曲がそうでした。 テナーサックス奏者のColeman Hawkins(コールマン・ホーキンス)がアドリブを取り入れた演奏のBody And Soul(身も心も)がチャート入りし、ロックやポップスが主流のジュークボックスでも良く聴かれたそうです。 ボブ・クランショウのベースのイントロが印象的なリー・モーガンの「サイドワインダー」はソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmのチャートでダントツ第一位です。
Attention! Quincy Jones Fontana PAT – 18
私が持っているレコードはクインシー・ジョーンズが初来日した1973年リリースのLP盤で”サイドワインダー”を演奏しています。 1961年には解散してしまったロード・バンド唯一の記録だそうです。

曲のタイトルとなっているSidewinderとは北アメリカ南西部などの砂漠に棲息し、S字に移動するガラガラ蛇のことだそうですが、「卑劣な奴」とか「信用できない奴」という意味もあるそうで、リー・モーガンはTV番組の悪者をイメージして書いたそうです。(Marvel Comics(アメコミ)のTwo-in-Oneという漫画 にはBlack Mambaをはじめキャラクターが毒蛇に関連しているのでQuentin Tarantino(クエンティン・タランティーノ)監督もKill Bill(キルビル)の参考にしたかも。 但し時代が80年代らしいのでリー・モーガンは参考にしていないハズ)
ところでリー・モーガンのサイドワインダーが流行っていた頃にコンパと呼ばれたカクテルバーがあちこちに現れました。 大きなカウンターがたくさんある広いバーで、カクテルは全部100円でした。 そのバーにあったかどうかは定かではありませんが、ジンとウィスキーとアブサンを混ぜるので飲むとグラグラするEarth Quake(地震)というカクテルの別名が「サイドワインダー」なんだそうです。 私が飲んだことがあったのはとんだ”サイド”つながりでブランデーを使用したSidecar(サイドカー)でした。 サイドカーはカクテルグラスで供されますがサイドワインダーはタンブラーです。
Lee Morgan – The Sidewinder – YouTube

Lee Morgan plays I remember Clifford
リー・モーガンといえばクリフォードの想い出!
Lee Morgan, Vol. 3
Lee Morgan Vol3リー・モーガンは30枚以上の自己名義のレコードを録音していますが、ブルノート時代の3番目のアルバム1957年の”Lee Morgan Vol.3″の中の「アイ・リメンバー・クリフォード」は最も評価が高いといわれています。 このLee Morgan, Vol. 3はオリジナルのリマスター国内盤ですが、LPレコードのLee Morgan, Vol. 3 [Analog] もあります。  このアルバムに収録されているI remember Crifordは当時のバンド仲間だったテナーサックス奏者のベニー・ゴルソンが1956年に急逝したクリフォード・ブラウンを偲んで”I Remember Clifford(アイ・リメンバー・クリフォード)”というバラードを1957年に作曲したそうです。 演奏メンバーはトランペットのリー・モーガンの他、I remember Cliffordの作曲者であるテナーサックス奏者のベニー・ゴルソン、ピアノがウィントン・ケリー、ベースがPaul Chambers(ポール・チェンバース)、ドラムが1959年にフレディ・ハバードをフィーチャーしたバンドを結成したCharlie Persip(チャーリー・パーシップ)、アルトサックスが作曲も手掛けるGigi Gryce(ジジ・グライス)です。
※ベニー・ゴルソンのI Remember CliffordはArt Farmer(アート・ファーマー)との共同名義のアルバム「I Remember Clifford」に収録されています。
全曲試聴はLee Morgan, Vol. 3 – Amazon.com
I remember Criford – Lee Morgan with Art Blakey and The Jazz Messengers (1958)- YouTube

Lee Morgan plays Tom Cat
リー・モーガンといえばトムキャット!(雄猫とかクールの意味あり)
Tom Cat
Tom Cat by Lee Morganオリジナルは1964年に録音された絶好調のトランペットプレイが聴けるアルバムで印象的な旋律の(エキゾチック?)”Tom Cat”やExotique、Twice Aroundはリー・モーガンの作曲だそうですが、あまりに”The Sidewinder”がヒットしたせいか、このアルバムは1980年までリリースされなかったそうです。 豪華な演奏メンバーはリー・モーガンの他、ドラムのアート・ブレイキー、アルトサックスのJackie McLean(ジャッキー・マクリーン)、トロンボーンのCurtis Fuller(カーティス・フラー)、ピアノはMcCoy Tyner(マッコイ・タイナー)、ベースがボブ・クランショウです。
全曲試聴はTom Cat – Amazon.com
Tom Cat [12 inch Analog] (ASIN: B0014KSA0M)もあります。
♪ 1964年録音のブルーノートのアルバム「Twilight Mist」から”Tom Cat”が聴けるwfmuラジオのプレイリストはPlaylist for Surface Noise with Joe McGasko – July 17, 2008(Tom Catの項目の最後にある3:31:57 (Real)をクリック、前の曲が少々かぶります)

Lee Morgan has composed Desert Moonlight
リー・モーガンといえば月の砂漠!
The Rumproller
The Rumproller by Lee Morganオリジナルは1965年にブルーノートからリリースされたアルバムが1999年にリマスター盤としてEmi Japanから再リリースされたCDです。 演奏メンバーはリー・モーガンの他、テナーサックスにジョー・ヘンダーソン、ピアノにRonnie Mathews(ロニー・マシューズ)、ベースがVictor Sproles(ヴィクター・スプロールズ)、ドラムがBilly Higgins(ビリー・ヒギンズ)。 ”Sidewinder”を作曲したリー・モーガンは他にも1965年にCeora、Cornbread、Ca-Lee-So、The Gigolo, The Double Up、1966年にDelightfuleeやZambiaなども作曲しているそうです。 そしてこのDesert Moonlight(月の砂漠)もですって! Desert Moonlightがリー・モーガンの作曲という記述をみかけますが、リー・モーガンのディスコグラフィーではDesert Moonlightの作曲者の項目にはちゃんとS.Sasakiと書かれています。 作曲ではなくてリー・モーガンが編曲したということでしょう。 日本では童謡として有名な「月の沙漠」は叙情画家で詩人の”加藤まさを(Masao Kato)”が1923年(大正12年)に少女雑誌に挿絵付きで発表した詩であり、後から”佐々木すぐる(Suguru Sasaki)”が曲をつけたとされています。
ハードバップのアルバムのなかではThe Ladyもバラード調ですが、「月の砂漠」は珍しい叙情的な曲となっています。 タイトル曲となっている”The Rumproller(ランプローラー)”は”The Sidewinder”とRamsey Lewis(ラムゼイ・ルイス)の”The in Crowd”をミックスしたような曲ですが、当時ブルーノートにいたピアニストのAndrew Hill(アンドリュー・ヒル)が作曲した曲で、収録曲のうち”Eclipso”がリー・モーガンの作だそうです。 演奏メンバーはリー・モーガンの他、ドラムのBilly Higgins(ビリー・ヒギンズ)、テナーサックスがウェイン・ショータとジョー・ヘンダーソン、素晴らしいピアノがRonnie Matthews(ロニー・マシューズ)です。
Desert Moonlight – Lee Morgan – YouTube

Candy
リー・モーガンはファンキーやソウルだけじゃない!
Candy
Candy by Lee MorganRudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー)がレコーディングに携わったBlue Note Recordsのオリジナルが1957年という「キャンディ」にはアルバム・タイトル曲となっているCandyの他、Frank Sinatra(フランク・シナトラ)の歌でお馴染みのAll The Wayや、蕩けそうにブルージーなSince I Fell For Youなどロマンティックなジャズ・スタンダード曲を収録しています。 センチメンタルでスローなジャズも聴きたい気分の時にはうってつけのアルバムとはいえ、そこはリー・モーガン、感傷的とはわけが違い、やはりファンキー!です。 演奏メンバーは、「Cool Struttin’」のハイヒール写真のジャケットが有名なSonny Clark(ソニー・クラーク)のトリオで、ピアノがソニー・クラーク、ベースがDoug Watkins(ダグ・ワトキンス)、ドラムがArt Taylor(アート・テイラー)で、トランペットのリー・モーガンを入れてのカルテットとなっています。
※LPレコードの「Candy [Analog] 」もあります。
試聴はCandy – Amazon.com
☆Since I Fell For Youは2006年にリリースされたBlue Note Recordsのアルバム「Music For Lovers 」にも収録されています。
試聴はMusic For Lovers – CD Universe

Here’s Lee Morgan
1956年からブルーノートでリー・モーガンが吹き込んだリー・モーガン名義のアルバムはゆうに25枚はあったそうですから、Vee-JayやRouletteレコードなどのセッション盤を入れるとどのくらいになるのでしょうか。
☆ページトップの画像は2002年にリリースされたハードバップの国内盤の「ヒアズ・リー・モーガン」(ヒアズ リー モーガン+5)ですが現在は入手不可になっているのでリンクは2004年発売の輸入盤にしてあります。 オリジナルは1960年のモノ録音の「Here’s」で演奏メンバーはリー・モーガンのトランペットの他、ドラムがアート・ブレイキー、ピアノがウイントン・ケリー、ベースがポール・チェンバース、そしてテナーサックスがCharles Mingus Sextet(チャーリー・ミンガスセクステット)に参加したClifford Jordan(クリフォード・ジョーダン)です。 収録曲はリー・モーガンの最初の作曲である”Terrible “T”(テリブル”T”)”と”Mogie(モギー)”の他、私の好きなバラードの”I’m a Fool to Want You(恋は愚かというけれど)”、”Running Brook(ランニング・ブルック)”、”Bess(ベス)”がそれぞれ2テイクづつと”Off Spring(オフ・スプリング)”が収録されています。
試聴はHere’s lee morgan – AllMusic.com

Nutville – Monday Nights At Birdland
ちなみにページトップで聴けるのはHorace Silver(ホレス・シルヴァー)が作曲した有名な”Nutville”ですが、オリジナルはリー・モーガンが作曲したのだとか。 ドラマーのBuddy Rich(バディー・リッチ)の代表的ともなっていることですから編曲したということでしょうかね。 ”Nutville”が収録されてるアルバムで現在入手できるのは2枚組みCD「Monday Nights At Birdland – Complete Recordings」(2CD)(ASIN: B001Q1PQQK)、もしくは「Monday nights at Birdland – Complete recordings April 1958」です。 演奏メンバーはトランペットがLee Morgan(リー・モーガン)、トロンボーンがCurtis Fuller(カーティス・フラー)、テナーサックスがHank Mobley(ハンク・モブレイ)、バリトン(テナー)がBilly Root(ビル・ルート)、ピアノがRay Bryant(レイ・ブライアント)
CD1枚分が日本語のタイトルで試聴できる「マンデイ・ナイト・アット・バードランド – shm-cd」
注! shm-CDとはスーパー・ハイ・マテリアル、つまり高音質のCD
CD2枚全曲試聴はMonday Nights at Birdland [Fresh Sounds] – AllMusic.com
ハンク・モブレイというと1964年のアルバム「Dippin’」でのリー・モーガンのトランペット・ソロが聴ける”Recardo Bossa Nova”が素晴らしい。
Hank Mobley with Lee Morgan – Recado Bossa Nova (Dippin’) – YouTube

Midnight Cowboy
ブルーノートから1951年にリリースされたリー・モーガンEP(45回転)シングル盤に「LeeMorgan:Midnight Cowboy」があります。 1961年の映画「Midnight Cowboy(真夜中のカーボーイ)」のJohn Barry(ジョン・バリー)が手掛けた物悲しいテーマ曲とB面はPopiが収録されているそうですが、ベースにRon Carter(ロン・カーター)が参加しています。 LPには未収録なので中古でもヴィンテージ価格の1万円近くします。 現在は「100シリーズ」の第1弾で人気の6枚組みジャズのコンピレーション・アルバムの「ベスト・ジャズ100 プレミアム」(HQCD)でDISC 4の12番目に収録されています。

Last Chorus
1957年に若くして急逝したアルトサックス奏者のErnie Henry(アーニー・ヘンリー)のアルバム「Last Chorus」にリー・モーガンもフィーチャーされています。 このアルバムにフィーチャーされている演奏メンバーは、トランペットがリー・モーガンとケニー・ドーハムの他、テナーサックスがベニー・ゴルソン、ベースがポール・チェンバース、ピアノがウィントン・ケリーとKenny Drew(ケニー・ドリュー)、ドラムがPhilly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)、トロンボーンのMelba Liston(メルバ・リストン)そしてセロニアス・モンクなどです。

City Lights
当ブログのこのページに記載のない1957年に19歳のリー・モーガンがリーダーをつとめたブルーノート時代のハードバップ・アルバム「City Lights」については音楽ブログ「♪誰が聞くのか?」 内の「♪ Lee Morgan(リー・モーガン)のCity Lights(シティー・ライツ)」をご覧下さい。 バップセッションというよりも50年代後期のフランス映画のサントラみたいです。

Lee Morgan died at Slug in 1972
The Lady Who Shot Lee Morgan

まだ若きリー・モーガンが死亡したのは自動車事故でも病気でもありません。 ニューヨーク外れのEast Villageにあるライブも行われるジャズ・クラブ”Slugs(スラッグス)”に出演している時に内縁の妻に撃たれたのです。 ヘレンという女性と知り合ったヘロイン禍のモーガンはヘレンのマネージメントで代替え薬で立ち直りブレイキーのバンドに参加するも更なるコカイン中毒となりました。 1972年、時にリー・モーガン34歳だったそうです。 この逸話は年に「I Called Him Morgan(私が殺したリー・モーガン)」(私がモーガンと呼んだ男)としてヘレンのインタビュー音源を元にドキュメンタリーがスエーデンの映画監督であるカスパー・コリンによって製作されました。
麻薬より年上女の嫉妬の方が危険な場合あり。
※ カスパー・コリンは2005年にドキュメンタリー作品の「My Name Is Albert Ayler」を製作しています。 アヴァンギャルド・ジャズのサックス奏者だったAlbert Ayler(アルバート・アイラー)は1970年に34歳でイーストリバーで自殺したとかマフィアに殺害されたとかの噂がありました。 ちなみにDon Cherry(ドン・チェリー)とも演奏したアルバート・アイラーのアルバムに「Slug’s Saloon – May 1, 1966」というジャズ・クラブのSlugsでのライヴ盤があります。

Lee Morgan & Soundtracks
Les Liaisons dangereuses (1959)
リー・モーガンがサウンドトラックに参加したフランス映画には、1959年にRoger Vadim(ロジェ・ヴァディム)が監督した「Les Liaisons dangereuses(危険な関係)」やEdouard Molinaro(エドゥアール・モリナロ)監督の「Des Femmes Disparaissent(殺られる)」があります。 これらの映画のサウンドトラックを担当したのがアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャースでしたからリー・モーガンのトランペットが聴けます。 「危険な関係」のテーマ曲の”No Problem(危険な関係のブルース)”は日本でも流行りました。 フランスのサックス奏者のBarney Wilen(バルネ・ウィラン)の他はピアノがThelonious Monk(セロニアス・モンク)やDuke Jordan(デューク・ジョーダン)、ベースがSam Jones(サム・ジョーンズ)に加え、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャースのドラムのKenny Clarke(ケニー・クラーク)、ピアノのBobby Timmons(ボビー・ティモンズ)、ベースがジミー・メリットでした。
映画「危険な関係」と「危険な関係のブルース」についてはAudio-Visual Trivia内のLes Liaisons Dangereuses
Get Shorty (1995)
「ゲット・ショーティ」はこの映画でゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞を獲得したJohn Travolta(ジョン・トラボルタ)がヤクザ金融の取立て屋ながら映画界参入を夢見るChili Palmer(チリ・パーマー)を演じた犯罪コメディです。
Leeway
Leeway by Lee Morgan映画「ゲット・ショーティ」ではBooker T. & the MG’s(ブッカーT)やHerbie Mann(ハービー・マン)等と共にリー・モーガンのThe Lion and the Wolffが使用されています。 The Lion and the Wolffというタイトルはブルーノート(レコード会社)を設立したAlfred LionとFrancis Wolffからとったようです。 The Lion and the Wolffは「ゲット・ショーティ」のサントラには収録されていませんがオリジナルが1960年の「Leeway」というアート・ブレイキーとのハードバップ・アルバムに収録されています。 演奏はドラムのアート・ブレイキーの他、アルトサックスのジャッキー・マクリーン、ピアノのボビー・ティモンズ、ベースのポール・チェンバースです。
映画「ゲット・ショーティ」についてはAudio-Visual Trivia内のGet Shorty
Unaccompanied Minors (2006)
ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ配給で、Paul Feig(ポール・フェイグ)監督のクリスマス用のお子ちゃま冒険コメディではサウンドトラックにLet It Snow, Let It Snow, Let It Snowのようなクリスマスソングの他に、B.B. King(BBキング)のPlease Come Home for Christmasや、リー・モーガンのThe Sidewinderが使用されたそうです。 せっかくリー・モーガンのサイドワインダーが使用されたのに、この日本未公開のクリスマス映画はラジー賞に類似したStinkers Bad Movie Awards(第29回スティンカーズ最悪映画賞)で2006年の「最悪のクリスマス映画」と「子役の最悪な芝居」の部門で受賞してしまいました。
※それにしても映画のサントラでリー・モーガンの曲が使用されないのはなぜでしょうか。

リー・モーガン Lee Morgan」への2件のフィードバック

  1. お久しぶりです。
    ブログ記事のご紹介ありがとうございます。
    それにしてもトラックバックの件ではせっかくのご好意にもかかわらずご迷惑をお掛けしまして申し訳ございませんでした。
    早速設定を確認致しましたが半角英数のみのトラックバック以外はすべて受け入れる設定になっていて禁止WORDや禁止IPなどの禁止設定もされていません。
    ちょっと調べてみようとは思いますが、さてどうしたものか?
    「最近トラックバックが無いなぁ」とは思っていたのですが、TBが流行らなくなってきたんだとばかり思っていました。(^^:::
    きっと他の人にもご迷惑をお掛けしているんでしょうねぇ
    とにかく、ありがとうございました。
    ではでは、失礼致します。

  2. koukinobaaba より:

    omiyageさん、わざわざありがとうございます。「最近トラックバックが無いなぁ」とのこと、同感です。私も全くといってよいほど受信していませんし、たまに送信しても拒否されてしまいます。不遜なヤカラが多い昨今のブログ事情でせっかくの利点が生かされないとは嘆かわしいことです。コメントの方が利用できる場合が多いようです。再度トラバしてみましたが、『http://blog.seesaa.jp/tb/100518081へのトラックバックは失敗しました: error』とエラーが出るだけでした。私のブログもサーバー側が徹底的な拒否設定をしているので個々のブログの設定ではないのかもしれませんね。本文中でリンクするか、コメントで頑張ります。

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