ロイ・エルドリッジ Roy Eldridge

Roy Eldridge(1911 – 1989)
ロイ・エルドリッジはジャズがスウィングからバップへ移行する時代の重要なトランペッット奏者で、Louis Armstrong(ルイ・アームストロング/1901年~1971年)とDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー/1917年~1993年)の中間といえましょう。 ロイ・エルドリッジの音楽経歴は1920年代にサーカス・バンドのトランペッターから始まりましたが、1935年には自分のバンドを編成しています。 ディジー・ガレスピーなどのジャズ・トランペッターは、1981年に引退するまで精力的に活動したロイ・エルドリッジの影響を多大に受けています。

Listenロイ・エルドリッジをフィーチャーしたGene Krupa(ジーン・クルーパー)楽団で歌手のAnita O’Day(アニタ・オデイ)がロイ・エルドリッジと歌うのはThanks For The Boogie Ride、Skylark、Let Me Off Uptown
アニタ・オデイとロイ・エルドリッジの掛け合いで私の好きなLet Me Off Uptownが収録されている人気アルバムは1940年代の10年の歳月を24曲で綴る「Uptown」でDolores Hawkins(ドロアーズ・ホーキンス)のヴォーカルもあり。
ロイ・エルドリッジの1939年のI’m Getting Sentimental Over Youが聴けるRoy Eldridge – Jazz On Line.com(Roy Eldridgeで検索)
ロイ・エルドリッジの1939年の”Minor Jive”が聴けるWFMUラジオ(Eldridge、Sentimentalで検索、再生はHear the show in Pop‑up player!をクリック)
ロイ・エルドリッジの歌も入ったアルバムは「The Complete Verve Roy Eldridge Studio Sessions」(ASIN: B000BR2P4G)
演奏者としてThe Roy “Little Jazz” Eldridge Quartet他のメンバーはBenny Carter(as)、Barney Kessel & Herb Ellis(g)、 Oscar Peterson & John Lewis(p)、Ray Brown(b)、Buddy Rich(ds)、Stan Getz(ts)などなど豪華。 ちなみにアルバム・タイトルにある”Little Jazz”とは約150cmと身長が低いロイ・エルドリッジを指しているそうです。

Blues In C Sharp Minor by Roy Eldridge & Teddy Wilson
ロイ・エルドリッジのトランペットをフィーチャーしたTeddy Wilson & His Orchestra(テディ・ウィルソン楽団)が演奏する「Blues In C Sharp Minor(Blues In C # Minor)」という曲はテディ・ウィルソンの作曲ですが、その昔、昭和60年代のFMラジオのジャズ番組のテーマ曲だったらしいです。 「ブルース・イン・C♯マイナー」が私に取ってなぜか懐かしいのはそんなことからかもしれません。 いや、もしかしたら、サーカス・バンドのトランペッターだったロイ・エルドリッジのこの音が、思わず身体を揺すり(踊り)ながらバンドの後に付いていってしまいそうで、幼い頃に聞いた「ちんどん屋さん」を思い起こすのかも知れません。 家から離れてずっと後を付いて行き、ちんどん屋さんが、「さあ解散!ドドン!」という時に後ろにいた私に気付き「あんたどこの子?」っていうことで交番に連れて行かれたのでした。 後にかの有名な作曲家のすぎやまこういち氏が幼少期に同じ体験をしていたと聞きましたから下町育ちだとそんなことが当時はよくあったんでしょう。 その後、私の徘徊防止のため家の大門は閉ざされたのでした。
Teddy Wilson with Roy Eldridge – Blues In C Sharp Minor

こちらがその「Blues In C Sharp Minor」が収録されている素晴らしいロイ・エルドリッジ初期(1935年1937年)のトランペットが聴ける「Little Jazz」です。 ロイ・エルドリッジの曲”I’m Nobody’s Baby”をMildred Bailey(ミルドレッド・ベイリー)が歌い、Teddy Wilson(テディ・ウィルソン)とのセッション4曲でビリー・ホリデイが”Falling in Love Again”を歌い、”Christopher Columbus”はPutney Dandridge(プットニー・ダンドゥリッジ)がバックコーラスを担当してピアノをFletcher Henderson(フレッチャー・ヘンダーソン)が演奏するなどと有名歌手の初期のヴォーカルを含み大変貴重な1937年のモノ録音です。
Little Jazz-Roy EldridgeLittle Jazz
試聴はLittle Jazz – Fnac.com
☆上のアルバムの写真の元はJazz Italiaにあります。 1940年代の中頃、ビ・バップ発祥の地といわれるニューヨークはハーレムのジャズクラブ「Minton’s Playhouse」前で撮ったもので、左からピアニストのThelonious Monk、トランペット奏者のHoward McGhee、Teddy Hill(ts、cl、ts)、そしてロイ・エルドリッジです。 この時期、この場所でCharlie Parker(チャーリー・パーカー)やディジー・ガレスピーなどの前衛ジャズメンがクールなビバップを誕生させました。

”Blues In C Sharp Minor”はアルバム「Little Jazz」(1935年) Roy Eldridge – Teddy Wilson & His Orchestraにも収録されています。 演奏はRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)がトランペット、Teddy Wilson(テディ・ウィルソン)がピアノです。
この4枚組CDは上記の「Little Jazz」の全曲は含みません。
Little Jazz-Roy EldridgeLittle Jazz: Trumpet Giant Roy Eldridge / Proper Box
試聴はLittle Jazz: Trumpet Giant – AllMusic.com(Desk 1の12番)
☆フレッチャー・ヘンダーソンについて書かれたThe Red Hot Archive(英語のサイト)

この記事のトップの画像はアルバム「Roy Eldridge & his Little Jazz, Vol. 1」は、同じく”Blues In C Sharp Minor”が収録されている1950年のロイ・エルドリッジ最盛期のパリ録音です。 小編成のバンドメンバーはアルトサックスのZoot SimsやドラムのKenny Clarkeなどです。
試聴はRoy Eldridge and his little jazz / vol.1 – AllMusic.com
歌うトランペッター!”ロイ・エルドリッジ!としてはAnita O’Day(アニタ・オデイ)との掛け合いが有名ですが、”Tu Disais Qu’tu M’aimais”は珍しいフランス語の歌です。
ページトップのアルバム画像、「Roy Eldridge & his Little Jazz, Vol. 1」の「Vol. 2」つまり、Roy Eldridge & his Little JazzVol. 2(1950年-1951年)に収録されています。
☆このアルバムの試聴はRoy Eldridge & His Little Jazz Vol.2 – AllMusic.com(試聴の2番)

Happy Time
ロイ・エルドリッジの歌声を聴くならこれ! 私の好きな”I Want a Little Girl”や”Stormy Monday”、”All Of Me”、そしてロイ・エルドリッジの最たる”Willow Weep For Me”などロイ・エルドリッジのソロ・ヴォーカルも収録されているアルバムの”Happy Time”はオリジナルが1975年のPabloレコードで、 センチメンタルなスタンダード曲を収録してあります。 ロマンティックなギターはJoe Pass(ジョー・パス)ですが、”Gee Baby Ain’t I Good to You”ではOscar Peterson(オスカー・ピーターソン)のピアノで、ベースがRay Brown(レイ・ブラウン)です。 なんと12 inch Analog(30cm LPレコード ASIN: B000000YTH)もあります。
Happy Time-Roy EldridgeHappy Time
試聴はHappy Time – Amazon.com

フランスでリリースされたアーティー・ショウ楽団のアルバム「The Indispensable Artie Shaw 」(1944-1945)にはロイ・エルドリッジとギタリストのBarney Kessel(バーニー・ケッセル)が参加していて、スウィンギーな”Temptation”が収録されているという情報があるのですが見つからず、「The Essential Artie Shaw」には収録されているので誤報かもしれません。 このアルバムではボーカルにビリー・ホリデイをはじめ、Lena Horne(リナ・ホーン又はレナ・ホーン)やHelen Forrest(ヘレン・フォレスト)、ドラムにBuddy Rich(バディ・リッチ)、テナーサックスにGeorgie Auld(ジョージー・オールド)、トロンボーンにRay Conniff(レイ・コニフ)などと豪華メンバーが揃っています。 (ちなみに私が持っているジョージー・オールドはManhattan
試聴はThe Essential Artie Shaw – CDconnection.com

What It’s All About
ヴィヴラフォンのMilt Jackson(ミルト・ジャクソン)が参加しているロイ・エルドリッジのセプテットの演奏で、ロイ・エルドリッジがスウィングする自作自演のソロ曲の他、ラテン曲のRecado Bossa Nova( リカード・ボサ・ノヴァ)を収録したオリジナルが1976年にリリースされたアルバムWhat It’s All About

ロイ・エルドリ ッジの映像は、1988年の「Let’s Get Lost(レッツ・ゲット・ロスト)」でディジー・ガレスピーなどと共に1950年代のクリップを観ることができます。 「レッツ・ゲット・ロスト」はチェット・ベイカーのファンである写真家のBruce Weber(ブルース・ウェバー )監督による悲運の美男トランペッターとして名高いChet Baker(チェット・ベイカー)の演奏とインタビューをつないだドキュメンタリーですが、充分にチェット・ベイカーの壮絶な人生と素晴らしい音楽を知ることが出来ます。 初期には甘いマスクと歌声で女性を虜にしたチェット・ベイカーが、暴漢に襲われトランペット演奏には重要な歯を折られて麻薬に溺れていく様はチェット・ベイカーのファンとしては大変辛いものでした。
ロイ・エルドリ ッジが参加した映画のサウンドトラックは、1958年のマルセル・カルネ監督のLes Tricheurs(危険な曲り角)で、ロイ・エルドリ ッジがPhil’s Tuneを、Stan Getzと共演でテーマ曲「Les Tricheurs」、他にディジー・ガレスピー、コールマン・ホーキンス、Ray Brown、Oscar Peterson、Herb Ellisなどの大物ジャズメンが演奏しています。

Putney Dandridge 1935-1936
トランペッターのロイ・エルドリッジがピアニストのテディ・ウィルソンと一緒に参加した1930年代の録音にはのPutney Dandridge(プットニー・ダンドリッジ)との共演があります。 プットニー・ダンドリッジは歌手でピアニストでバンドリーダーでしたが、伝説的なタップダンサーのBill “Bojangles” Robinson(ボージヤングルス)の伴奏を勤めたこともありました。 プットニー・ダンドリッジは1935年から1936年に大物ジャズメンと組んでレコーディングしましたが健康を害して引退を余儀なくされました。 ホットな演奏の”Honeysuckle Rose”、”Sing Baby Sing”、”Easy to Love”などを収録した1995年にリリースのアルバムは「1935-1936」もしくは「Putney Dandridge」で、テナーサックスがChu Berry(チュー・ベリー)でギターがEddie Condon(エディ・コンドン)です。
全曲試聴はPutney Dandridge 1936 – Amazon.co.jp

The Jazz Giants ’56
テナーサックス奏者のLester Young(レスター・ヤング)の後期の1956年のVerveセッション・アルバムといえども、トランペットのロイ・エルドリッジ、ピアノはテディ・ウィルソン、ギターがFreddie Greene(フレディ・グリーン)そしてトロンボーンがVic Dickenson(ヴィック・ディッケンソ)、ベースがGene Ramey(ジーン・ラミー)でドラムがJo Jones(ジョー・ジョーンズ)でガッチリサポートした聴かせるレスター・ヤング名義の2004年のリマスター盤です。
The Jazz Giants '56 - Roy Eldridge and Lester YoungThe Jazz Giants ’56

After You’ve Gone
1927年にHoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)が作曲した”Stardust”と”Johnny Green(ジョニー・グリーン)が1930年に作曲した”Body And Soul”は私の大好きな曲です。 ”Stardust”はLionel Hampton(ライオネル・ハンプトン楽団)の1947年ライヴでWillie Smith(ウィリー・スミス)のムードたっぷりなアルト・サクソフォン演奏が素晴らしいのです。 そして”Body And Soul”はColeman Hawkins(コールマン・ホーキンス)が1939年に録音したテナーサックス演奏がこれまた素晴らしいのです。 これら”Stardust”と”Body And Soul”の2曲ともRoy Eldridge And His Orchestra(ロイ・エルドリッジ楽団)の方が先に録音しています。 オリジナルが1936年から1946年の録音でよりオーソドックスなトランペット演奏で名曲を聴かせるアルバムの「After You’ve Gone」で、現在はCD化されて全26曲を収録したリマスター盤が1991年にリリースされています。 ”After You’ve Gone(君去りし後)”は1918年にTurner Layton(ターナー・レイトン)作曲Henry Creamer(ヘンリー・クリーマー)作詞で白人ジャズ歌手のMarion Harris(マリオン・ハリス)が最初に吹き込みました。
After You've GoneAfter You’ve Gone
日本語の曲名が見られる国内盤は「アフター・ユーヴ・ゴーン」(ASIN: B00005GT3F)
アルバムの試聴はAfter You’ve Gone – AllMusic.com

Roy Eldridge – Gee Baby, Ain’t I Good To You – YouTube
Roy Eldridge – Quasi-Boogaloo – YouTube
Roy Eldridge – Bee’s Bloos (Decidedly) – Amazon.co.jp (MP3 Download)

☆Audio-Visual Trivia 内のRoy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)に関連記事はイリノイ・ジャケー内のアルバム「Swing The Thing」にもあります。