ジム・キャリーのマスク The Mask (1994)

Hello, Cherie. We meet again. Is it fate? Is it meant to be? Is it written in the stars that we are destined to fraternize?
Jim Carrey and Cameron Diaz in The Mask
Landfill Park scene (Cigarette? No?) by Jim Carrey as Stanley & Cameron Diaz as Tina
マスク(1994年)

北欧ヴァイキング伝説のホラー・コミックがジム・キャリーのナンセンス・コメディに変身!
映画「マスク」と同名のアメリカの大手のDark Horse(ダークホース・コミック社)のホラー・コミック「THE MASK」を元に、Looney Tunes(ルーニー・テューンズ)の竜巻キャラの肉食獣でバッグス・バニーの宿敵である”Tazmanian Devil(タズマニアンデビル)”など、あちこちのコミックからアイデアを頂いて、Charles Russell(チャールズ・ラッセル)又はChuck Russell(チャック・ラッセル)が監督したコメディ映画です。
☆Frank Miller(フランク・ミラー)の「Sin City(シン・シティ)」も出版しているダークホース・コミック社のサイトはDark Horse(コミック画像が見られます。サムネイルをクリックするとコミック情報)
Looney Tunes (Classic Looney Tunesなどの動画はPlay Nowをクリックですがクッキー設定を要求されます)

実験的な3-Dとしては1953年の「Dial M for Murder(ダイヤルMを廻せ!)」や1953年の「Miss Sadie Thompson(雨に濡れた欲情)」などに始まり、2007年の「Cars 2 and 3」や2013年の「Iron Man 3」、そして2005年の「Chicken Little」2006年の「Monster House」や2009年のジム・キャリーの「クリスマス・キャロル」などたくさんのアニメーション映画にこのサービスが取り入れられています。 このような立体映画(3D映画)は1950年代から流行ったようです。 チャールズ・ラッセルが監督したジム・キャリーのマスクはコミックだけではなく1961年のカナダ映画の「Eyes Of Hell(骸骨面)」別名「The Mask」からも影響を受けているようです。 主人公がマスクを被った時の3D部分がカラー(3Dメガネを使用)の白黒ホラー映画で、古代アステカの儀式用の仮面(マスク)を装着することにより殺人を犯す考古学者の悪夢を描いています。 自殺直前に彼の掛かりつけの精神科医に呪われたマスクを郵送したところその医師も悪夢を見、その後も面に関わる人々が続くというストーリーだそうです。
1961年の3-D「骸骨面」の予告篇は3-D Eyes Of Hell (The Mask 1961) Trailer – YouTube

The Maskジム・キャリーの映画「The Mask(マスク)」では、お人好しで真面目でしがない銀行マンのスタンリー・イプキスが身投げと間違えて助け上げたのはゴミとマスクでした。 冒頭の映像はエッジシティ近海の海底で配管工事が行われていた時、作業員が難破船の宝箱のようなものを発見し鎖を切っていると落ちてきたパイプに打たれてしまい、箱も開いて不気味な緑のマスクが浮上します。 映像では表に鋲が見え裏が打ち出しのようなので鉄か銅製のように見えた。 が、仮面の権威者が言うにはこの木製の緑の仮面は4~5世紀の北欧スカンジナビアのもので、恐らく神話のロキ(災いの夜の神)を形どった面だろうということです。
さて、主人公であるエッジシティ銀行員のスタンレーはデート用にやっと手に入れたチケットを女の子にあげてしまいガックリしていると、同僚のチャーリーが愛の砂漠と称するトレンディなクラブのココ・ボンゴに誘うなど慰めてくれます。 その時、突然の豪雨、水も滴る(本当に)いい女が銀行に飛び込んできました。 これが心臓が飛び出るほどセクシーなビッチョビチョ美女。 口座を開きたいとスタンレーにまっしぐら。 その美女がティナ・カーライル。 スタンレーのネクタイの柄が伝説のゴダイバに見えると言い、彼のハートをミキサーで粉々に砕きます。(こんな話しでスタンレーを引きつけてティナのバッグには隠しカメラ)
史実ではないらしいが11世紀のイングランドで、美貌のゴダイヴァ伯爵夫人が町に重税を課す夫を諌めようとすると怒った夫が全裸で馬に乗って街を横断すれば要求を叶えると約束したという逸話があるそうです。 ちなみにバレンタインデーには人気のベルギーチョコ「ゴディバ」の由来ともなっています。

さて、オイル交換に出したマイカー89年型シビックがブレーキが故障とかで修理、その代車がポンコツでチャールーが誘ってくれたクラブにも入れず意気消沈していたスタンレー。 帰り道、橋上で車がエンコした時のこと、突如の雷鳴に見えたもの、川縁に身投げでも?と思って拾い上げたのが漂着した伝説の緑色のマスクでした。
★ そのマスク(仮面)の画像はLoki Masks Collection from The Mask Jim Carrey – YouTube

さて、このマスクを手にすりゃマスクの方から吸い付くように顔にペッタ。(肉付きの面のよう) すると竜巻のようにグルグルグルグル! この現代人の仮面を装着して、アパートの管理人のお婆さんには厄介者扱いされるお人好しのスタンリーがやりたい放題のヘンタイ男”スタンリー・ザ・マスク”に変身するのです。 「だーれにも止められないぜっ!」
ともかく、世界平和につくすスーパーヒーロー誕生! 今までの気の弱さなんてぶっ飛んで図々しくなったこのマスクの怪人(グリーン・マン)はマイカーの修理をぼったくった修理工場襲撃を手はじめに銀行強盗もやりぃの、憧れの美女”ティナ・カーライル”に迫りんこ。 それには先立つものがなくっちゃネとザ・マスクはエッジシティ銀行へ。(マスクのノリは「バットマン フォーエヴァー」のリドラー) 時同じくしてドリアンたちが銀行強盗を決行せんと玄関に。 そこに竜巻のごとく現れて「悪いね、お先に頂き。」と現生入りの袋を肩にザ・マスクが消え去った後に急行した警察とやり合うはめに陥ったギャングども。 金持ちになったザ・マスクはリムジンで颯爽とココ・ボンゴに到着、札束を撒いて顔パスに。 クラブではティナの歌の後にマスクが歌い踊ります。 ヘイ、パチューコ!

Milo The Mask
おまけにこのマスクが顔にくっ付けばスタンリーのペットの犬のMilo(マイロ、又はミロ)でさえ凶暴化!
☆マイロとは”クールでちょっと危ないが愛する人にまとわりつくもの”というような意味があるのでペットやボーイフレンドをこう呼ぶことがあるそうです。(「ハートに火をつけて」でデニス・ホッパーが演じた殺し屋の名前もマイロ) この犬の種類は恐竜映画「ジュラシックパーク」のティラノサウルスの声に合成されたJack Russell Terrier(ジャック・ラッセル・テリア)だとか。 このインテリなテリアは1995年の「Crimson Tide(クリムゾン・タイド)」に叩き上げの艦長(ジーン・ハックマン)のペットとしても登場しています。
1983年にコメディアンを夢見る「Rubber Face(ラバーフェイス)」でメジャーデビューしたジム・キャリーが一流のコメディアンになった現在、漫画そっくりの緑のゴムマスクやツケ歯を装着してカラダをはったパーフォーマンスと迫力ある特殊撮影が話題になりました。

ページトップの画像は公園でマスクがティナを口説くシーンですが、マスクは気取っておフランス訛りでしゃべります。 Hello, Cherie. We meet again. Is it fate? Is it meant to be? Is it written in the stars that we are destined to fraternize?
Kiss me, my dear, and I will reveal my croissant. I will spread your pate. I will dip my ladle in your vichyssoise.「こんにちは、愛しい人、またお会いできたのは定めなんでしょうか。星占いじゃお付き合い(ドッキング)する運命なんだとか? ねえ、チューしてマイダーリン、僕のホッカホカのクロワッサンに貴女のパテを塗ってよ。僕のフランスパンを貴女のビシソワーズ(ポテトスープ)でピチャピチャ(ジュルジュルっと)と啜らせてくれよ。」なんて意味不明ですがなんだか下ネタッぽい。(タマ蹴られて逃げられたし) ページトップの画像はゴミの島公園(LandFill Park)で両面方の君で会いたまえという仮面博士のアドバイスを受けたスタンリーがダンスが上手いマスクと会う約束のティナと会話する場面です。 次にマスクに変身したスタンレーが「愛してる、アレしてる、なぁんちゃって!」とティナを口説いた後にシガレットでハート型の輪を吹き出して鼻の穴から矢を射ます。 この後、警察から逃れるのを助けた親切な新聞社の婦人記者と思ったら金に目がくらんでギャングの手先になっていたペギーの手引きでドリアンにマスクを渡してしまうスタンレー。 新聞社の輪転機で伸されそうになるスタンレーからマスクを顔に付けるだけで変身できると聞いたドリアンが超人ハルクみたいになってしまう。 銀行からザ・マスク(スタンレー)が奪った金を探しにアパートに押し入ったギャングの車に拉致されたご主人さまを見つけたマイロが後を追う。 市警察の留置場にティナが訪ねてきてマスクはスタンレーだったと知り、そしてマスクに、いや仮面の下の男、つまり素顔のスタンレーに恋をしたと告白。 面会の後、ティナがギャングに追われるのを房の小窓から見つけたスタンレーはマイロを呼び寄せると看守の鍵を取ってこさせて銃を奪い、誤認逮捕を装って刑事と手錠でつながれて脱走。 一方、ティナは仮面で変身したドリアンに捕まり衣装をつけてダンスコンテストに行かせられる。 ニコ親分も来ているクラブに爆音とともにドリアンが現れ、撃ち合いに。 スタンレーがクラブに入るとティナがドリアンに縛られてダイナマイトが。 10分後に爆発。 ティナは機転をきかせてドリアンに最後のキスをねだる。 仮面を外して熱いキスを。 キスの最中にティナが仮面を蹴飛ばす。 宙を舞う仮面を捕らえたのはフリスビー好きのマイロ。 だがギャングの一人に捕まり仮面をかぶってしまう。 するとグルグルグルグル! 変身したマイロが歯を剥いて襲いかかる。 このマスクをスタンレーが剥がしてスタンリー・ザ・マスク登場! BANG! BANG! BANG! ティナの足下の爆薬があと5秒で爆発という時、ダイナマイトを束にしてマスクが丸呑み。 さらに抵抗するドリアンを噴水の水洗ボタンを作動させて流してしまう。 仮面を外したスタンレー、その時、御用だ!御用だ!と警察が踏み込んで来てドリアン一味は逮捕。 スタンレーも逮捕されそうになるが市長がマスクはドリアンでこの男は命の恩人だと証言。 ところでマイロが咥えていたあのマスクはどうなったかというと、スタンレーが最初に見つけた橋の上からティナがポイ捨て。 それを見ていた友人のチャーリー、急いで橋から飛び込んでマスクを拾おうとするが、又もやマイロが銜えて持っていってしまう。 続編を期待させるラスト。(でも、続編は期待しないヨ)

Somebody Stop Me!
☆特殊効果に負けないほどすごいのがCameron Diaz(キャメロン・ディアス)のダイナマイト・バディ! 現在はギョロ目で薄い唇のキャメロンちゃんがデビュー当時はぽってりとソフトなセクシー美女でジム・キャリーの恋人役として映画デビューです!
ありとあらゆるテクニックを駆使したジム・キャリーの演技もさすがにキャメロン・ディアスから観客の目をそらすことは出来ませんでした。
それほど衝撃的なキャメロン・ディアスの初登場シーン、びしょ濡れでセクシーなビジョビジョ美女!
スタンリー・イプキスが勤める銀行に口座を開きに来たティナは銀行強盗を目論むマフィアの幹部ドリアンの情婦で金庫のセキュリティの映像をバッグに装着した隠しカメラで送ったのです。 ドリアンは敵対するエッジ・シティの顔役ニコを殺って彼のシマ(ダッジシティ)をぶんどるための資金が必要だったのです。 このドリアンを演じたのは1995年に「The Usual Suspects(ユージュアル・サスペクツ)」ではクレジット無しで五人組に犯罪計画を持ちかける犯罪グループのレッドフットを演じ、1999年に「Blue Streak(ブルー・ストリーク)」でダイヤ泥棒仲間を裏切った悪党ディーコンを演じたPeter Greene(ピーター・グリーン)です。
ナイトクラブ”Coco Bongo Club”の花!、歌って踊るキャメロン・ディアスのパーフォーマンス”Gee Baby, Ain’t I Good To You(ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー)”はセクシーさにおいては「ロジャー・ラビット」の愛妻Jessica Rabbit(ジェシカ)の”Why Dont You Do Right?(どうしてそんなに)”といい勝負!
Gee Baby, Ain’t I Good To You by Cameron Diaz (Susan Boyd) – YouTube

Iy-yi-yi! Cuban Pete – YouTube
The mask cuban pete – YouTube

☆「マスク」のトレーラー
The Mask (1994) Trailer – VideoDetective

The Mask - Jim Carreyマスク 日本語字幕版2007年のDVD
マスク 1 & 2 DVDダブルパック (2005年初回限定生産)
マスク 2 特別編


Chick-chiky-boom, chik-chikky-boom, chik-chikky-boom!
「マスク」の音楽は2004年に「恋のクリスマス大作戦」の音楽も手掛けたRandy Edelman(ランディ・エデルマン)で、キャバレー・シーンにはチャック・ラッセル監督がクラブで見つけてきたRoyal Crown Revue(ロイヤル・クラウン・リビュー又はロイヤル・クラウン・レビュー)が出演します。 ネオスイングの王様といわれるロイヤル・クラウン・リビューはクラシック・スイングのカバーをたくさん手がけている大変ユニークなスイングバンドで、「マスク」では自作の”「Hey Pachuco!(ヘイ・パチュコ)などを歌いますが曲の雰囲気はGene Krupa(ジーン・クルーパー)がドラムを叩いたベニー・グッドマン楽団の”Sing, Sing, Sing”にそっくりです。 Daniel Glass(ダニエル・グラス)のドラムのイントロがかっこよくて、これが実にノリノリ〜♪ もう、止まらない! 誰にも止められない! 誰かぁ、止めてぇ! Somebody Stop Me!
Jim Carrey and Cameron Diaz – Hey Pachuco! – YouTube
☆ロイヤル・クラウン・リビューについてもっと詳しくはAudio-Visual Trivia 内のRoyal Crown Revue

日本語で曲名が表示された楽しいスウィング調の国内盤「マスク」のサントラが試聴できます。
The Mask by Jim Carreyマスク
The Mask: Music From The Motion Picture
キャメロン・ディアスが演じるティナが歌う”Gee Baby Ain’t I Good to You”の吹き替えをした歌手はCMソングやアニメのWho Framed Rodger Rabbit?(ロジャー・ラビット)などで声優として活躍するSusan Boyd(スーザン・ボイド)だそうです。(スーザン・ボイルではない)
“Gee Baby, Ain’t I Good To You”は11番,、ジム・キャリーがゴミの島公園でヌケタ刑事たちから逃げ延びたのにエッジ市警の警官隊に取り囲まれていたシーンでは、往年のラテン・ミュージシャンでI Love Lucyでルシール・ボールのご主人でもあったDesi Arnaz(デジ・アーネズ)ばりにルンバのリズムで陽気に歌う”Cuban Pete(チク・チキ・ブン)”は12番 アイ、アイ、アイ! 何気にMal Waldron(マル・ウォルドロン)が作った”Blue Calypso”という曲に似ています。
☆ 映画「マスク」でジム・キャリーが歌った”Cuban Pete”の歌詞はCuban Pete Lyrics – Genius.com

歌も定評のあるジム・キャリーが1995年に主演したサスペンス映画「The Cable Guy(ケーブルガイ)」のサントラではビブラートたっぷりに”Somebody To Love”を熱唱しています。 この曲は70年代のJefferson Airplane(ジェファーソン・エアプレイン)の大ヒット曲で1998年のヒッピー映画「Hideous Kinky(グッバイ・モロッコ)」でも使用されました。
その他にはThe Beatles(ビートルズ)のプロデューサーのGeorge Martin(ジョージ・マーティン)のビートルズ・トリビュート・アルバム「In My Lifeイン・マイ・ライフ)」でThe Beatlesの”I Am The Walrus(アイ・アム・ザ・ウォルラス)”をジム・キャリーが歌っていますが、これ又素晴らしい。
日本のお笑い芸人である原田泰造に似ていると噂される(いや、逆だ)ジム・キャリーが歌う”I Am The Walrus”を収録したアルバムは「In My Life」(ASIN: B00000DFE9)です。

「マスク」のサントラではCab Calloway(キャブ・キャロウェイ)でお馴染みのコミックソングの”Hi De Ho”の他、黒人R&B歌手で1993年の”Ghetto Jam”が人気のラッパー”Domino(ドミノ)”が歌う”Domino – This Business Of LoveEU”も面白いです。

Son of the Mask – The Mask 2
2005年2月にはアメリカでLawrence Guterman(ローレンス・ガターマン)監督のジム・キャリー抜きの「マスク」の続編「Son of the Mask – The Mask 2(マスク2)」が公開されます。 なぜジム・キャリーが出演しないかって? ジム・キャリーが演じるスタンレイはラストでマスクを投げ捨てているし、ジム・キャリーは1994年の「マスク」で全力投球しましたから二番煎じの続編に出演する気は毛頭なかったとか。(マイロもその気が無かったらしくオーチスに交代) 日本は2005年4月公開です。
主役のティムはJamie Kennedy(ジェイミー・ケネディ)で、オリジナルではDr. Arthur Neuman(アーサー・ニューマン)役で出演したコメディアンで作家のBen Stein(ベン・スタイン)や「ロジャー・ラビット」のBob Hoskins(ボブ・ホスキンス)がオーディン役など少数の出演者や神さま以外はアニメーションなんだそうです。 特筆すべきは「プラハ」や「チョコレートドーナツ」のAlan Cumming(アラン・カミング)がロキ役で登場。
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冒頭の海底シーンはオリジナルと一緒の「Son Of The Mask(マスク2)」の予告編はSon Of The Mask (2005) Trailer – VideoDetective

The Mask1&2マスク 1 & 2 DVDダブルパック (初回限定生産)


「Son of the Mask(マスク2)」(ASIN: B00079HZZW)のサウンドトラックも音楽はランディ・エデルマンですが、懐かしい曲も収録されています。 オールディズから70年代ファンクまで、Paul Anka(ポール・アンカ)のPuppy Love、ツイストの王様Chubby Checker(チャビー・チェッカー)のThe Twist(ツイスト NO, 1)、ニューオーリンズ・ファンクのDr.John(ドクター・ジョン)のIf My Friends Could See Me Now、Neil Diamond(ニール・ダイアモンド)のThank The Lord For The Night Timeの他、Ryan Cabrera(ライアン・カブレラ)、Stephen Bishop(スティーヴン・ビショップ)などなど。

※ジム・キャリーの近況と新作についてはAudio-Visual Trivia内の「ディック&ジェーン 復讐は最高!」

Jim Carrey
私は形態模写で有名なジム・キャリーがただのアメリカ人だとずっと思っていましたがフランス系のカナダ人でアメリカの市民権を得るのは2004年になってからだとか。 「マスク」のように1998年の「The Truman Show(トゥルーマン・ショー)」や2000年の「How the Grinch Stole Christmas!(グリンチ)」で主演したジム・キャリーはコメディだけでなくパートナーの子供が自閉症だったことから啓蒙活動を行ったり、多くの子供が兵士になるミャンマー(ビルマ)の軍事政権の圧政からの解放を呼びかけるなど社会派の面もあるそうです。 「マスク」を撮影した時点でジム・キャリーは30歳ちょっとらしいです。 海底に沈んでいたマスクをめぐる「ザ・マスク」に出演したジム・キャリーは2006年に短編ドキュメンタリー「Deep Sea 3D(ブルーオアシスII 3D)」を監督したHoward Hall(ハワード・ホール)の2009年版「Under the Sea 3D(アンダー・ザ・シー)」でナレーターとして出演しています。(ちなみにブルーオアシスIIではジョニー・デップとケイト・ウィンスレットがナレーター)
いろいろな仕掛けが隠された摩訶不思議なジム・キャリーのオフィシャルサイトはJim Carrey – Official Site(最初に表示されるビデオは右上のxで消せます。あちこちマウスを移動させてクリックしてみて下さい。これで子供たちがジムキャリのファンになりました)が現在は見られないのでこちらで「https://www.youtube.com/watch?v=B1XZixLBurQ」これは動画なのでクリックは不可。


Mask (1985)
Bogdanovich's MASK with Cher
Cher as Rusty, the mom of 16-year-old Rocky with Lion’s disease

Bogdanovich’s MASK
1994年のジム・キャリーが主演したThe Mask(マスク)とは全くの同名異作品で、Peter Bogdanovich(ピーター・ボグダノヴィッチ)が監督した1984年の「MASK(マスク)」があります。この映画ではBruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン)の歌も含めてラストを変更されたピーター・ボグダノヴィッチ監督はUniversal Pictures(現ユニバーサル・スタジオ)映画会社を相手に訴訟を起こしたとされています。 ピーター・ボグダノヴィッチといえばCybill Shepherd(シビル・シェパード)が出演した1971年の「The Last Picture Show(ラスト・ショー)」(この間シビルは出演者のJeff Bridgesや監督など4股だとか)と1974年の「Daisy Miller(デイジー・ミラー)」の他、私も残された人々に感情移入して涙した映画「Love Story(ある愛の詩)」で主演したRyan O’Neal(ライアン・オニール)が父親役で出演した1973年の「Paper Moon(ペーパー・ムーン)」があります。 ボグダノヴィッチが1981年に監督した「They All Laughed(ニューヨークの恋人たち)」で話題になったのは、ボグダノヴィッチ監督の最初の妻の娘二人がBen Gazzara(ベン・ギャザラ)が演じた私立探偵の娘役で出演していたこと、じゃなくて当時まだ二十歳だった見開きプレイメイトのDorothy Stratten(ドロシー・ストラットン)が出演しボグダノヴィッチ監督の愛人となるも嫉妬した前夫に射殺されたことでその顛末は「Death of a Centerfold: The Dorothy Stratten Story (1981)」で映画化されました。 いや、それよりもドロシーの死後に学生の妹ルイーズを養育し成人したら姉そっくり(にはなってないが)に整形させて49歳となったボグダノヴィッチ監督が二度目の結婚をしたことでした。

ボグダノヴィッチ監督の「マスク」は「恋する人魚たち」などの映画にも出演した歌手のCher(シェール)が主演するヒューマンドラマで、 Lion Face(Lionitis /ライオン病/頭蓋骨形成異常)の息子とたくましい母親との実話を元にしています。(実在したRoy Lee Dennisは2歳で発病し17歳で亡くなりました) 性同一障害を支援するシェールはソニーとシェールとしてデュエットで活躍した時期があり結婚した二人は1969年に一人娘Chaz Bonoを持ちましたが、1995年にレズだとカミングアウトし、2008年には性転換手術を受け男性になりました。
映画「マスク」ではライオン病の少年”Rocky Dennis(ロッキー)”がはっきりと正面から描写されることはありませんでしたが、母親役のシェールはカンヌ映画祭主演女優賞を獲得しました。 ロッキーを演じたEric Stoltz(エリック・ストルツ)はその後1993年の「Killing Zoe (キリング・ゾーイ)」で主演、1994年にはがParker Posey(パーカー・ポージー)が全裸でデビューした「Sleep with Me(スリープ・ウィズ・ミー)」で主演の他制作も手がけています。
1980年のFoxes(フォクシー・レディ)で本格デビューし、Blue Velvet(ブルー・ベルベット)にも出演したLaura Dern(ローラ・ダーン)も出演しています。 T.J.役で出演したNick Cassavetes(ニック・カサヴェテス)は「スケルトン・キー」に出演したGena Rowlands(ジーナ・ローランズ)とJohn Cassavetes(故ジョン・カサヴェテス)の息子で、白血病の姉のドナーとなるべくして生まれた妹の葛藤を描いた2009年の「My Sister’s Keeper (私の中のあなた)」は治療に疲れ果てて死にたい願望がうまれた姉を助けるために臓器の提供を拒否するけなげな妹のお話です。 2004年にローランズが主演した認知症妻を愛する夫の「The Notebook(きみに読む物語)」などを監督しています。(後に認知症の母を看取った私はその前に観たかった映画)

videoシェールが主演した「マスク」のトレーラーはPeter Bogdanovich’s MASK (1984) Trailer – VideoDetective

冒頭の画像は1985年のシェール主演のヒューマン・ドラマ「マスク」のDVDです。
ロック満載のピーター・ボグダノヴィッチ監督の「マスク」のサウンドトラックでは主演のシェール以外にもThe Beatles、Gary U.S. Bonds、Bruce Springsteen、Bob SegerのKatmanduやRoll Me Awayの他にもロックンロール歌手のLittle Richard(リトル・リチャード)のヒット曲でGood Golly Miss Molly、Tutti Frutti、Can’t Believe You Wanna Leave、Slippin’ ‘N Slidin’が使用されたそうです。 版権のためカットされたというラストシーンのブルース・スプリングスティーンの曲はどれなんでしょうか。(Badlands、Thunder Road、The Promised Land、The River、Born In The USA)
Bob Seger – Katmandu – YouTube