50年代と60年代のオールディーズとロックンロール Rock’n’Roll

Those Oldies but Goodies Remind Me of You!
1960年代に数曲のヒット曲をビルボードに載せた5人黒人グループのLittle Caesar & the Romans(リトル・シーザー&ザ・ロマンズ)の1960年の語り入りのヒット曲に”Those Oldies But Goodies (remind Me Of You) “がありますが、まさにオールディーズが青春を思い起こさせる古くても素敵な歌なのです。(この曲は1961年に白人グループのNino & The Ebb Tidesがカバーしました) 1960年代にそれ以前の英語のポップス系ヒット曲を集めたコンピレーション・アルバム「Oldies But Goodies」のシリーズがリリースされたことからオールディーズがブームとなり、これが50年代前半から60年代前半までの約10年間のポップスをオールディーズと呼ぶ始まりだとか。 オールディーズのジャンルは白人ポップスやガール・ポップスをはじめ黒人のドゥーワップやR&Bまでを含んでいます。 日本でこのオールディーズという言葉が広まったのは1973年のフィフティーズ映画「アメリカン・グラフィティ」からだといわれています。 その後も1986年の「Blue Velvet(ブルーベルベット)」や1989年の「Sea of Love(シー・オブ・ラブ)」や1990年の「Ghost(ゴースト/ニューヨークの幻)」などオールディズのヒット曲がテーマに使用された映画がたくさん作られました。

Let the Good Times Roll (1973)
現在ではVHSのビデオしか見つかりませんがビデオの画面サイズはレターボックスで、オールディーズのドキュメンタリーとしては当時の人気者が勢揃いする1973年の「Let the Good Times Roll(ロックンロール・エクスプロージョン)」があります。 このカラー映画の冒頭に映される札入れは私が昭和30年代にわざわざアメ横で購入したタイプで真ん中に写真を入れるプラスティックの束(Plastic Wallet Photo Holder Insert)を差し込むことが出来ました。(当時日本では財布といえばガマ口が主流) ”Let The Good Times Roll”という曲は”Lovin'” Sam Theardとルイ・ジョーダンの妻が共同で書いたというブルース曲を1946年に録音したLouis Jordan(ルイ・ジョーダン)でお馴染みですが、ビデオでは1956年にShirley & Lee(シャーリー&リー)が書いて歌った方の曲で、1986年の映画「Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)」で使用されています。 この”Let The Good Times Roll”をBGMに、まるで財布に挟まれた数々の写真を見るかのように1950年代当時の風俗やトピックが映し出されます。 エルヴィス、フラフープ、カストロ、チャック・ベリーのダックウォーク、映画「The Seven Year Itch(七年目の浮気)」でスカートがまくれ上がるモンロー、原爆用防空壕、セーター美人(グラマー)、白ぶちのキャットアイ・サングラス、おしどりコンビと云われたDebbie Reynolds(デビー・レイノルズ)から夫のEddie Fisher(エディ・フィッシャー)を奪ったElizabeth Taylor(エリザベス・テイラー)まで、色々話題がありました。 そしてこのドキュメンタリーでは司会を担当したディスクジョッキーのRichard Nader(リチャード・ネイダー)はロックンロールやオールディーズ好きでリバイバル・コンサートを開催しました。 ドキュメンタリーにはビル・ヘイリー(Rock Around the Clock、Shake, Rattle and Roll)をはじめチャック・ベリー(School Days)、ファッツ・ドミノ(Blueberry Hill)、リトル・リチャード(Rip It Up)など本物のミュージシャンを時代背景と共に観ることができます。 他にはChubby Checker(Pony Time、The Twist、Let’s Twist Again)、Bo Diddley(”I’m a Man)、Danny and the Juniors(At the Hop)、The Five Satins(Save The Last Dance For Me、I’ll Be Seeing You)、The Coasters(Poison Ivy、Charlie Brown)、The Shirelles(Soldier Boy)などなど。 まずは素晴らしいギタープレイでチャック・ベリーの”School Days”から! ヘイル!ヘール!ヘーイ! お次は腰振りチャビー・チェッカー!(ちょっと苦しそうなこの時よりずっとスリムな50年代のモノクロ映像”The Twist”も挿んで) お次は1955年の映画「Blackboard Jungle(暴力教室)」で使用されたビル・ヘイリー&コメッツの”ロック・アラウンド・ザ・クロック”、ビル・ヘイリーの映像は70年代ですが映画のクリップも挟まれています。 1950年代はこれまでの品行方正な若者像からロックンロールと共に自己破壊的な理由なき犯行の不良青少年が流行り出しました。 個人的にはこのドキュメンタリーは音楽だけでなく、「Oold soldiers never die, they just fade away」がコーン・パイプで有名な戦後のマッカーサー元帥(Douglas MacArthu)からケネディ大統領の結婚式など政治もの、プロレスや柔道などスポーツもの、そして真っ盛りのテレビジョン時代(「Father Knows Best(パパは何でも知っている)」、「The Many Loves of Dobie Gillis(ドビーの青春)」、「The Lone Ranger(ローン・レンジャー)」)などとフィフティーズの映像がお宝です。 ラストはチャック・ベリーがフランス語もサービスしたお別れのイントロで”Johnny B. Good(ジョニービーグッド)” ゴーゴー! ちなみにこのドユメンタリーの「レット・グッドタイム・ロール」はビデオの中でも尺の長いリトル・リチャードの当ブログ記事(2008年)にも書いてあります。

ダンスといえば個人的にはマンボの後に流行った一人でも踊れるツイストよりは後に来るディスコ・ダンスの方がまだ良かったかも。

Little Caesar and the Romans – Those Oldies But Goodies – YouTube

Rock’n Roll and Oldies
我が青春時代、小学校高学年から中学生、高校生の始めにかけて耳にした人気の曲、今やオールディーズと呼ばれますがその数々を取り留めもなく書き綴ってみます。
黒人オンリーだったR & B(リズム・アンド・ブルース)がポップス化して白人を含めたRock’n’Roll(ロックンロール)に変身! つまり、スィング時代のブギウギが進化したのです。 1954年に、クリーブランドでラジオのDJをしていたAllan Freed (アラン・フリード)が「ROCK’N’ ROLL!!!」と叫んだ事から、クリーブランドがロックン・ロール誕生の地とされ、Rock and Roll Hall of Fame(ロックンロール殿堂)があるというわけだそうです。

American Graffiti Soundtrack
ジョージ・ルーカスが監督した1973年の映画「「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」はミュージカル映画といってもよいほど、フィフティーズのヒット曲オンパレードで、まずBill Haley & his Comets(ビル・ヘイリー&コメッツ)のロック・アラウンド・ザ・クロックで始まります。 ロックンロールの始まりとも呼べるこの曲を演奏したのがカントリー・スウィングのおっさんバンドだったことが驚きですが。 「アメリカングラフィティ」のサウンドトラックに収録されている曲目を中心にオールディーズとロックンロールとR&Bを紹介します。
ちなみにOldies(オールディーズ)とはアメリカでは第2次世界大戦後から60年代半ば頃までの音楽全般のことで、スイングジャズ(スウィングジャズ、ビッグバンド)、ジャズのスタンダードからドゥー・ワップ、R & Bやロックンロール又はロカビリーなどを指します。(含、2次大戦中の音楽)

Rock Around the Clock
1, 2, 3 O’Clock, 4 O’ Clock Rock!

“Put your glad rags on, join me, Hon
We’ll have some fun when the clock strikes one, If the band slows down we’ll yell for more We’re gonna rock around the clock tonight.”
☆1950年代にカントリーバンドだったビル・ヘイリー&コメッツがR & Bを取り入れて、1953年に発表したCrazy, Man Crazy(クレイジー・マン・クレイジー)はロックンロールとしては初めてヒットチャートで1位になりロックンロールの先駆けとなりました。 ビル・ヘイリー&コメッツの“(We’re Gonna) Rock Around the Clock”(ロック・アラウンド・ザ・クロック)は1955年の映画「Blackboard Jungle(暴力教室)」のテーマ曲ですが、全米チャート8週連続ナンバーワンになりました。 その後60年代には沈滞していたものの映画アメリカン・グラフィティの公開によりリバイバルしました。 ”ロック・アラウンド・ザ・クロック”はCarl Perkins(カール・パーキンス)、Buddy Knox(バディ・ノックス)、The Isley Brothers(イズリー・ブラザース)の他にSandy Nelson(サンディ・ネルソン)などもカバーしています。
ビル・ヘイリー&コメッツの写真が見られるBill Haley & his Comets Rock Around The Web(ENTER HEREで入る)
当時のビル・ヘイリーの録音盤が聴けるBill Haley & his Comets Revival(注!すぐ音、ページ左のWelcomeをクリック>左のメニューでAudio-Videoをクリック>Music Box)
Bill Haley & The Comets – Rock Around The Clock (1956) – YouTube

Flash Cadillac & The Continental Kids
☆オールディズの白人パロディ・バンドのFlash Cadillac & The Continental Kids(フラッシュ・キャデラック&コントネンタル・キッズ)が体育館のダンス・シーンに出演してAt the Hop(アット・ザ・ホップ 踊りに行こうよ)などを演奏します。
ま~だまだロッキン!フラッシュ・キャデラックの現在の写真も見られるTraditional Rock and Roll since 1969 – Flash Cadillac Home
ホームページで左メニューのHistoryからHappy Daysをクリックするとフラッシュ・キャデラックが歌うThe Coasters(コースターズ)の1957年の大ヒット曲”Young Blood(ハイティーン気質)MP3″、そしてApocalypse Nowのページでは”Suzie Q”(MP3)が聴けます。

フラッシュ・キャデラックの写真はA Tribute to Flash Cadillac and the Continental Kids(まさにロックンローラー!)
このバンドがどうやって映画出演を果たしたかって? 1972年にサンセット通りにある、Go-Go Girls(お立ち台のゴーゴーガール)発祥の地”Whisky-a-Go-Go(ウイスキーアゴーゴー)”で演奏しているのを映画関係者から聞いたコッポラとルーカスが観に来て「ダニー&ザ・ジュニアーズの曲をやれるか」と訊ねたそうです。(”Whisky A Go Go”は60年代からビートルズをはじめ有名人が集うクラブ) 三つ返事でOKし、At the Hop、Louie LouieそしてShe’s so Fineの3曲を1973年の映画「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」のために吹き込んだんだそうです。 エコー装置とか無いパワーアンプを使った体育館シーンなので映像と重ねるとイケルてるけど、サウンドトラックでは冴えないんだとは本人達の弁です。
Whisky-a-Go-GoのオフィシャルサイトはWhiskyagogo.com(ENTERをクリック)
“At the Hop”のオリジナルであるDanny & The Juniors(ダニー&ザ・ジュニアーズ)の方は1957年にテレビに出演後の12月のビルボードでアット・ザ・ホップが7週連続ナンバーワンを記録しました。 ジャズポップスの白人4人組のThe Four Freshmen(フォア・フレッシュメン)や重低音のJimmy “Ricky” Ricks(ジミー・リックス)がメンバーのThe Ravens(ザ・レイヴンス又はザ・レイブンス)などの黒人バンドに影響を受け、黒人音楽とR & Bを取り入れた白人バンドです。(ジミー・リックスはソロでリリースした”ジミー・リックス”や”ジミー・リックス”がすごい) 他にShe’s So FineとLouie Louieが収録されています。
アット・ザ・ホップが聴けるFlashCadillac.com(左メニューのAmerican Graffiti, the Movieをクリック)
☆Danny & The JuniorsのAt the Hopの原語歌詞はAt the Hop Lyrics – International Lyrics Playground

The Big Bopper(aka J.P.Richardson)
☆50年代後半にはテキサスのトップDJだったThe Big Bopper(ビッグ・ボッパー)のChantilly Lace(シャンティリー・レース、シャンティ、仏語ではシャンティイー)は1958年のTop40連続22週チャートインの異例の快挙を成し遂げました。 ビッグ・ボッパーはJohnny Preston(ジョニー・プレストン)でヒットしたインディアン版ロメオとジュリエットを唄った”Running Bear(悲しきインディアン)”をJiles Perry Richardson( J・P・リチャードソン)名義で1959年に作りバックコーラスも務めたとして知られています。 コミックソングが流行った1958年といえばテレビ西部劇の「Rawhide(ローハイド)」で斥候役のピートさんを演じたカントリー歌手のSheb Wooley(シェブ・ウーリー)の”The Purple People Eater(ロックを踊る宇宙人)”やDavid Seville and the Chipmunks(デヴィッド・セヴィルとチップマンクス)の早回し曲”The Witch Doctor(ロックを踊る火星人)”なんてのもビルボードでトップになりました。(ロックを踊る火星人は1997年のSF映画「コンタクト」で使用されていますが、ちなみに映画内でしばしば悲鳴に使用される音響素材の”ウィルヘルムの叫び”はシェブ・ウーリーではないかといわれています) さて、ボッパーの”シャンティリー・レース”では最初に目覚ましアラームが鳴り、「Hello, baby Yeah, this is the Big Bopper speakin’ Ha ha ha ha ha…」と続く歌詞がコミックソング風で大変ユニークな曲です。 ビッグ・ボッパー自身はヒット曲がやはり1958年の”Big Bopper’s Wedding”などと少ないものの、同じくコミカルなJohnny Preston(ジョニー・プレストン)の1959年の大ヒット”Running Bear(悲しきインディアン)”などを作曲しています。
1959年の2月、シャンティリー レースのヒットに伴い、ビッグ・ボッパーはBuddy Holly(バディ・ホリー)等とツアーに出ましたが、寒波で動かないバスの変わりにチャーターした小型飛行機の墜落事故でバンド共々全員死亡しました。
Chuck Berry(チャック・ベリー)、Jackie Wilson(ジャッキー・ウィルソン)、Alan Freed(アラン・フリード)などが出演した1959年のロックンロール映画「Go, Johnny, Go!(ゴー・ジョニー・ゴー)」で共演したばかりのJimmy Clanton(ジミー・クラントン)やLa Bamba(ラ・バンバ)のRitchie Valens( リッチー・ヴァレンス)も失いショックを受けたEddie Cochran(エディ・コクラン)は音楽活動を中止してしまうのですが、そのコクランも又、1960年の21歳の時、英国ツアーの帰途に自動車事故で死亡してしまいました。 自動車事故といえば “Corinna, Corinna(コリーナ、コリーナ)でも知られる”Ray Peterson(レイ・ピーターソン)がホットロッド・レースで事故死した青年を歌った1960年の”Tell Laura I Love Her(ローラに好きだと言ってくれ)”がヒットしました。
ビッグ・ボッパーの死後の1972年に火の玉ロック歌手のJerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス)もシャンティリー レースをヒットさせました。
The Big BopperのChantilly Laceの原語歌詞はChantilly Lace Lyrics – International Lyrics Playground
ちなみにシャンティリー・レースとはランジェリーやウエディングに用いるゴージャスな透かしレースのことで50年代にはシャンティリーレース素材のフラミンゴ・スカート(段々スカート)が流行りました。 シャンティリー・レースは大変高価なので私が買えるのはせいぜいハンカチか飾りカラーくらいです。

Sonny Till & The Orioles
☆1948年デビューのDoo Wop(ドゥワップ)の先駆けともいえるコーラスグループであるSonny Till & The Orioles(オリオールズ)のCrying In The Chapel(涙のチャペル)は1953年のR & Bチャート5週連続1位になったヒット曲です。 オリジナルは1953年に父親が書いた宗教的なカントリー・ソングを当時高校生だったDarrell Glenn(ダリル・グレン)が吹き込みましたが、1953年にJune Valli(ジューン・ヴァリ)がカバーし、1965年にエルヴィス・プレスリーも吹き込んだのでこちらのバージョンが有名となりました。
☆The Orioles(オリオールズ)やThe Cloversなどのドゥー・ワップ・アーティストたちの写真や歌入りインタビューが聴けるR & B Vocal Group Interviews(The Oriolesのインタビューでは1953年に大ヒットしたCrying In The Chapel(涙のチャペル)が聴けます。 必聴!)

The Platters
☆オリオールズの後を継ぐドゥワップ・コーラスのThe Platters(プラターズ)は1955年のOnly You、1956年にマネージャでもあったBuck Ram作詞作曲のThe Great Pretenderは初めてのナンバーワン・ヒット、そして1959年のSmoke Gets in Your Eyes(煙が目にしみる、旧タイトルは”眼に入った煙”)や1960年のHarbor Lights(港の灯り)などと立て続けにヒットを飛ばしました。 Tony Williams(トニー・ウィリアムス)がリード歌手だった時代が黄金期です。
オリジナルメンバーのプラターズについて書かれたジャズとコーラス
The PlattersのSmoke Gets in Your Eyesの原語歌詞はSmoke Gets in Your Eyes Lyrics – International Lyrics Playground
Roy Orbisonも1956年に歌い、1987年にはロックにオペラを融合させた”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”でも有名なロックバンドQueen(クイーン)のFreddie Mercury(フレディ・マーキュリー)もカバーして1992年の映画「Night and the City(ナイト・アンド・ザ・シティ)」でラストに流れたGreat Pretender(俺は見栄っ張り)の歌詞はGreat Pretender Lyrics – International Lyrics Playground
プラタ-ズの煙が眼にしみるなどが収録されたCDには「20th Century Masters: The Best Of The Platters (Millennium Collection)」や、市長が出来る「オンリー・ユー~プラタ-ズ・ベスト・セレクション」などいくつかリリースされています。 LPタイトルが「RED SAILS IN THE SUNSETS」(PICKWICK)がRed Sails In The Sunset – Platters, The LPがあります。
The Platters – Twilight Time (live) 1958 – YouTube

Diamonds
☆1953年に結成した4人組のドゥワップ・グループのDiamonds(ダイヤモンズ)はR & Bのカバー曲を得意とし、1956年~1961年に16曲のシングル/ヒットを出しました。 オリジナルがGladiolas(後のMaurice Williams and The Zodiacs)であるダイヤモンズの1957年のヒット曲のLittle Darlin’(リトルダーリン)は惜しくもチャート8週連続2位に留まりました。
ダイヤモンズのLittle Darlin’の原語歌詞はLittle Darlin’ Lyrics – International Lyrics Playground

The Clovers
☆40年代から人気の黒人5人のドゥーワップ・グループ”The Clovers(クローバーズ)”のLove Potion No. 9(恋の特効薬)は1959年にJerry LeiberとMike Stoller(ジェリー・ライバーとマイク・ストーラー)のコンビが書いたR & Bというよりポップスですが、1965年にThe Searchers(サーチャーズ)がカバーして大ヒットとなり、1971年にはコミック・グループのコースターズのバージョンもチャートインしました。 クローバーズのヒット曲で一番有名なのは1952年のOne Mint Julepですが、翌年の1953年のKing Curtis(キング・カーティス)とアトランティック・レコードのAhmet Ertegun(アーメット・アーティガン)との共作であるLovey Dovey(”恋に夢中”の意味)もヒットして、こちらもコースターズが1960年にカバーしています。
Lovey Dovey – The Clovers (1953) – YouTube

後に”Mr. Lonely”で有名なBobby Vinton(ボビー・ヴィントン)でヒットしたバラードのBlue VelvetやBobby Vee(ボビー・ヴィー)のDevil Or Angelはクローバーズがオリジナルです。 ボビー・ヴィーは<オールディーズ> Billboard Top 10 Singles (1961)の1月に”Rubber Ball”がヒットしました。
☆The CloversのLove Potion No. 9の原語歌詞はLove Potion No. 9 Lyrics – International Lyrics Playground

<オールディーズ>日本では “Sealed with a kiss(涙のくちづけ)”がヒットしたボビー・ヴィントンについて書かれたミスターロンリー!!! ボビーヴィントンファンのホームペイジ

Buddy Holly
☆1973年の青春映画「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」のサントラには、ビートルズにも影響を与えたBuddy Holly(バディー・ホリー)のMaybe Baby(メイビー・ベイービー)やThat’ll Be The Day(ザットル・ビー・ザ・デイ/いつの日か)が収録されています。 エルヴィス・プレスリーに触発されて歌いだしたバディー・ホリーですが、1957年のPeggy Sue(ペギー・スー)の大ヒットでプレスリーに追いついたのです。 しかし、バディー・ホリーは人気上昇の真最中に、公演ツアーの移動で乗った飛行機事故により22歳の若さで他界してしまいました。 たった5年ほどのロックバンド活動でした。
バディ・ホリーが死亡したこの日は「アメリカの死」又は「音楽が死んだ日」とされたように、ジョージ・ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ」でも”バディ・ホリーが死んでロックンロールは終わった”と言っています。 そのバディ・ホリーが最後にDic Jacob(ディック・ジェイコブ)楽団とデッカ・レコードで録音したのが1958年の”Moondreams(ムーンドリームス)”だそうです。
メイビー・ベイービー、ザットル・ビー・ザ・デイ、ペギー・スーなどが聴けるBuddy Holly in Real Audio
video1978年の未公開映画「The Buddy Holly Story」のトレーラーはThe Buddy Holly Story – Turner Classic Movies

Chuck Berry (1926-2017)
☆ロックンロール界においてChuck Berry(チャック・ベリー)の右に出るギタリストはいない! 革命的な黒人ロックンローラーといわれるチャック・ベリーのデビュー曲”Maybellene(メイベリーン)”が1955年のR & B全米チャート11週連続ナンバーワンとなりました。 Duck Walk(ダック・ウォーク)とギターのイントロが有名な1958年のヒットJohnny B. Goode(ジョニー・B・グッド)など約10年で30曲以上のヒット曲を生み出しています。 ちなみにチャック・ベリーが1955年に書いて1958年に録音されたという”Johnny B. Goode”という曲は貧しい田舎の男の子がギターに精進してスターとなる出世歌なのですが初期の未発表の録音では”country boy(田舎っぺ)”という歌詞のくだりを”colored boy(黒人)”と歌ったところレコード会社の方はそれでは差別的で発売出来ないと言ったそうで歌詞が変更となったとか。
フランスの修道女(シスター)であるThe Singing Nunが歌ってエルヴィスを超えたヒットとなった”Dominique(ドミニク)”と同じ年、ビーチ・ボーイズの大ヒット曲Surfin’ USA(サーフィン・USA)のオリジンがチャック・ベリーの1958年全米2位のSweet Little Sixteen(スウィート・リトル・シックスティーン)である他、ビートルズ、ローリング・ストーンズそしてアニマルズなどがチャック・ベリーの曲をカバーしています。 「アメリカン・グラフィティ」のサウンドトラックには1959年5月全米トップ40内にランクインしたAlmost Grown(オールモスト・グロウン)も収録されています。
☆ロックンロールを創造したと云われ、ノリノリのダック・ウォーク(Duck Walking)を披露し、ギター・テクニックが最高だったチャック・ベリーは2017年90歳で亡くなりました。

Chuck Berry’s doing “duck walk” – Johnny B Goode – YouTube

Booker T. & the MG’s
☆Booker T. & the MG’s(ブッカー・Tとメンフィス・グループズ)は1960年代にレコード会社のハウスバンドとして活躍した珍しい白人と黒人の混合ソウルバンドです。 ハモンドオルガンが特徴のブッカー・TとMGsは1962年の偶然のヒット曲”Green Onions(グリーン・オニオンズ)”で有名です。
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ブッカー・T
グリーン・オニオンズがサントラで使用されたデミ・ムーアの素顔のままで
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Booker T & The MG’s – Green Onions – YouTube

Fats Domino
☆Fats Domino(ファッツ・ドミノ)の1955年のAin’t That A Shame(エイント・ザット・ア・シェイム)はR&Bチャート11週連続1位を記録して、ファッツ・ドミノの代表曲といわれる1956年のBlueberry Hillと並ぶヒット曲です。 Boogie-Woogie(ブギウギ・スタイル)のピアノに合わせたゆったりとした歌声が魅力のニューオーリンズ系R&Bの代表的黒人歌手で、1950年~1964年までに60曲以上のR&Bチャート・インで、全部では250曲はあろうかというヒットメーカーです。 黒人ロックンローラーのなかでピカイチのレコード売上記録保持者として浮き沈みの無い安定した地位を得ました。
Fats DominoのAin’t That A Shameの原語歌詞はlyricsdepot.com

Joey Dee and The Starlighters
☆Joey Dee and The Starlighters(ジョイ・ディーとスターライターズ)の1961年のPeppermint Twist(ペパーミント・ツイスト)は大ヒットでした。 ジョイ・ディーはニューヨークの西45番街にあるデスコ(ツイストのメッカ)Peppermint Lounge(ペパミント・ラウンジ)の専属バンドでした。 その他のヒット曲はWhat Kind of Love、Ya Ya、Mashed PotatoesそしてShoutです。
Joey Dee and The Starlightersが歌った不滅のPeppermint Twistの原語歌詞はInternational Lyrics Playground

Del Shannon
☆<オールディーズ> 裏声が特徴のDel Shannon(デル・シャノン)の1961年のデビュー曲Runaway(悲しき街角)がチャートナンバーワンになり、次々と日本ではタイトルが街角がつくヒット・シリーズを生みました。 デル・シャノンのロックバンドのメンバーであるマックス・クルックが弾くハモンド・オルガンは珍しい音色でしたね。 その後、1982年の”Sea of Love”でカムバックしています。(オリジナルはフィル・フィリップスの”Sea of Love“)
デル・シャノンについて書かれた60’s & 70’s Rock Music – Del Shannon(日本語)
Del Shannon – Runaway (1961) – YouTube

※デル・シャノンのRunaway(悲しき街角)をThe Ventures(ヴェンチャーズ)が珍しくヴォーカルのカバー・バージョンはHawaii Five-0: DVDに収録されているそうでが日本で入手できるアルバム「Driving Guitar」や「Live in Japan 1993」にも収録されています。

The Beach Boys
☆コーラス&演奏のサーフサウンド・グループであるThe Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)は1962年のヒット曲「Surfin’ Safari(サーフィン・サファリ)」に続いてあの有名な1963年のサーフィン・USAをヒットさせました。 「アメリカン・グラフィティ」ではAll Summer Longはエンディングの曲です。
☆リードギターのCarl Dean Wilson(カール・ディーン・ウィルソン)はブライアンとデニスと共に兄弟で、ビーチボーイズのオリジナルメンバーでしたが、ファルセットのヴォーカル担当の兄のブライアンが鬱病となり、弟のカールが中心となりました。 ちなみにギター担当のデニス・ウィルソンはCount Basie(カウント・ベーシー)楽団に在籍したトロンボーン奏者のDennis Wilsonと同姓同名です。
映画「カクテル」の”Kokomo”についてはAudio-Visual Triviaのママス&パパス
The Beach boys legend – YouTube

Loud, Fast & Out Of Control (CD)
☆現在はヴィンテージ価格(一万円以上)となったフィフティーズのロックンロール総集編とも呼ぶべき輸入版のCD4枚組アルバム「Loud, Fast & Out Of Control: The Wild Sounds Of ’50S Rock」でザ・ヴィスカウンツのハーレム・ノクターンもディスク4の26番目(最後)に収録しています。 必聴! 全曲試聴ができるLoud, Fast & Out Of Control – AllMusic.com
ドゥーワップの総集編にはコーズのシュブーンやマーセルズのブルームーンなど懐かしいポップスを含み1994年にリリースされこれまたヴィンテージ価格になった4枚組ボックスセットのコンピレーションアルバム「The Doo Wop Box [Box set] [Compilation] [Import] [ASIN: B00000333M]」があり、1950年代から1960年代初期のロックンロールを含むR&B(リズム&ブルース)とドゥワップのボーカル100曲を収録しています。 試聴はThe Doo Wop Box – AllMusic.com

オールディーズのポスター画像が見られるOldies Posters – AllPosters.com

50’s Rock’n’Roll Films
近年1950年代や1960年代のロカビリーやロックンロールやオールディズを使用した映画がたくさん公開されています。
Forrest Gump
音楽をAlan Silvestri(アラン・シルヴェストリ)が担当した1994年の「Forrest Gump(フォレスト・ガンプ)」ではElvis PresleyのHound DogやWilson PickettのLand Of 1000 Dancesなどの他、Sugar ShackやThe Beach BoysやThe Doors、それにThe Mamas and the PapasのCalifornia Dreamin、カントリーではHank WilliamsのLovesick BluesやWillie NelsonのOn The Road Againなどと盛りだくさん。
Stand by Me
音楽が「Mermaids(恋する人魚たち)」のJack Nitzsche(ジャック・ニッチェ)が担当したサントラでは1986年の「Stand by Me(スタンド・バイ・ミー)」ではテーマ曲となったBen E. KingのStand By MeをはじめJerry Lee LewisのGreat Balls of Fire、Buddy HollyのEveryday、The ChordettesのLollipop、The CoastersのYakety Yakなど50年代や60年代のポップスが使用されています。
The Delinquents
日本未公開でしたが「Footloose(フットルース)」のMiles Goodman(マイルズ・グッドマン)が音楽を担当してKylie Ann Minogue(カイリー・ミノーグ)が主演した1989年の「The Delinquents(恋に走って)」ではGene VincentのBe-Bop-A-Lula、Eddie CochranのTwenty Flight RocksとThree Steps To Heaven、The PlattersのOnly You、Little RichardのLucilleとSlippin’ and Slidin、Percy MayfieldのPlease Send Me Someone To Loveなどの他、Dinah ShoreのChantez Chantezなどが使用されました。
American Graffiti
1973年の「American Graffiti(アメリカン・グラフィティ)」ではFlash Cadillac and The Continental KidsのAt the HopやLouie Louie、The Big BopperのChantilly Lace、The FlamingosのI Only Have Eyes for You(2001年の映画「The Others(アザース)」でニコール・キッドマンが口ずさんだ)、Buddy KnoxのParty Doll、Joey Dee & The StarlitersのPeppermint Twist、The PlattersのOnly YouやThe Great PretenderやSmoke Gets in Your Eyes、The DiamondsのLittle DarlinやThe Stroll、Chuck BerryのAlmost GrownやJohnny B. Goode、Fats DominoのAin’t That a Shame、The Cloversの「Love Potion No. 9、Johnny BurnetteのYou’re Sixteen、Buddy HollyのMaybe BabyやThat’ll Be the Day、Bill Haley & His CometsのRock Around the Clock、The Beach BoysのAll Summer LongやSurfin’ Safari、Del ShannonのRunaway、Booker T. & the M.G.sのGreen Onions、Sonny Till & The OriolesのCrying in the Chapel、この他にもThe Five SatinsやThe Silhouettesなどオールディズのオンパレードです。
まだまだありますが、Patrick Williams(パトリック・ウィリアムズ)が音楽を担当した1990年の「Cry-Baby(クライ・ベイビー)」でもロカビリー風やオールディズ風な曲が使用されている他、2005年のWalk the Line(ウォーク・ザ・ライン/君につづく道)でも主人公のJohnny Cash(ジョニー・キャッシュ)が歌うヒット曲の数々をはじめJerry Lee LewisのLewis Boogie、Charlie Feathers(チャーリー・フェザース)のDefrost Your Heartや女性カントリー歌手でロカビリアンのWanda Jackson(ワンダ・ジャクソン)のFujiyama Mamaなどとロカビリー曲も使用されています。 こう羅列してみると男性歌手やグループが主流のオールディズですが私が初めて購入したドーナツ盤が女性ポップス歌手のConnie Francis(コニー・フランシス)が歌った1959年の”Lipstick On Your Collar(カラーに口紅)”とBrenda Lee(ブレンダ・リー)が歌った”I’m Sorry(ごめんなさい)”でしたが異色だったのは黒人ジャズ歌手のKetty Lester(ケティ・レスター)が歌った”Love Letters(ラヴ・レター)”でした。

Billboard Top Rock Rock & Roll Roll Hits: 1955
ページトップの画像は1955年のビルボードのトップヒット曲を収録した輸入盤で、Rhinoレーベルから1990年に発売されたCDです。 ロックンロールの代表曲ともなったビル・ヘイリーの”Rock Around The Clock”をはじめチャック・ベリーの”Maybelleneやプラターズの”Only You (And You Alone)”など全10曲を収録していますが日本では知られていない曲もあります。 ビルボード・シリーズにはこの他に”Diana”や” Little Darlin'”を収録した「Billboard Top Hits: 1957」(ASIN: B0000032IO)から、”Running Bear(悲しきインディアン)”や”Walk, Don’t Run(急がば廻れ)”を収録した「Billboard Top Hits: 1960」(ASIN: B0000032IU)や”Runaway(悲しき街角)”や”Stand by Me”を収録した「Billboard Top Hits: 1961」(ASIN: B0000032IW)など各年のヒット曲を集めた盤が発売されています。
「Billboard Top Rock Rock & Roll Roll Hits: 1955」の試聴はBillboard Top Rock Rock & Roll Roll Hits: 1955 – AllMusic

Best of Oldies
ボビー・ヴィントンの”ミスター・ロンリー”、パーシー・フェイス・オーケストラが演奏する”夏の日の恋” 、ブラザース・フォアのコーラスで”グリーンフィールズ”、ドリス・デイの”ケ・セラ・セラ”、ガイ・ミッチェルの”ブルースを歌おう”、フランキー・レインの”ローハイド”、ヴィレッジ・ストンパーズの”ワシントン広場の夜は更けて”など16曲の懐かしいオールディーズを収録した1997年にリリースされた「ベスト・オブ・オールディーズ」が試聴できます。(ASIN: B00005G93J)

The All Time Popular Hit Parade
1988年に「THE ALL TIME POPULAR HIT PARADE」という”ポップス、ロック、ソウルのオムニバスのカセット(もしくはCDか)15本(枚)セット”がリリースされたのだそうです。 レコード会社はCBSソニー、RCA、アリスタなどですが現在はオークション以外には見当たりません。 、ボビー・ヴィントン、リトル・リチャード、カール・パーキンス、リッチー・バレンス、ジーン・ピットニー、デル・シャノン、プラターズ、ダイアモンズ、ビル・ヘイリーと彼のコメッツ、ダニー&ジュニアーズをはじめフレンチポップスやカンツォーネまで収録されているそうです。

100 Years of Rock Visualized
☆ ロックンロールといっても、ロカビリーからハードロック、またはブルースと色々なジャンルがありますがその発祥から今現在に至るまでのロックミュージックのルーツを理解できるサイトがあるそうです。 それぞれをクリックするとジャンルごとの曲が聴けます。
From Gospel to Grunge, 100 Years of Rock Visualized – ConcertHotels.com

50年代と60年代のオールディーズとロックンロール Rock’n’Roll」への4件のフィードバック

  1. fc より:

    こんばんわあああああああああ
    へんこうできてるのかな・・・・・・・
    ううむ・・・
    そいじゃヽ( ̄▽ ̄ )

  2. koukinobaaba より:

    FCさん、いらっしゃいませ。 お忙しいのにわざわざ有難うございます!

  3. Aquira Kusume より:

    上の、American Graffitiでの、The Silhouettesというのは、グループ名ではなくて、
    The Raysの歌った曲名ではないでしょうか。♪ two silhouettes on the shade〜という
    歌詞が印象的な。

  4. koukinobaaba より:

    ややこしいところにご注目下さいました。
    The Silhouettesはオリジナルは1957年の”Get A Job”が1958年にビルボードにチャートインしたR&B/ドゥーワップの黒人4人グループらしいです。同時期の1957年にThe Raysという黒人4人グループが歌った”Silhouettes”もビルボードの上位に輝いたミリオンセラーの曲だそうです。

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