ジーン・ピットニー Gene Pitney

リバティ・バランスを射った男 <ジーン・ピットニー>(1941-2006)
「リバティ・バランスを射った男」は州独立のために闘おうと東部からカクタス・ローズ(サボテンのバラ)の咲く砂漠の町シンボーンにやってきた弁護士で後の上院議員をJames Stewart(ジェームズ・スチュワート)、John Wayne(ジョン・ウェイン)が銃の上手い牧場主として共演した西部劇ですが、映画の題名になった名うての荒くれ者であるLiberty Valance(リバティ・バランス)をLee Marvin(リー・マーヴィン)が演じています。ちなみに「The Good, the Bad and the Ugly(続夕陽のガンマン)」で悪役エンジェル・アイを演じたLee Van Cleef(リー・ヴァン・クリフ)がバランスの子分リースを、そして新聞社の酔いどれ編集長ピーボディを髭面のEdmond O’Brien(エドモンド・オブライエン)が演じました。
☆ジーン・ピットニーが作詞家のHal David(ハル・デヴィッド)と共同で書いたと言われ1962年にリリースした”The Man Who Shot Liberty Valance”ですが、プロデュースしたBurt Bacharach(バート・バカラック)が作詞家のHal David(ハル・デヴィッド)とのソングライター・コンビで作ったとも言われます。いずれにせよ映画のために作った曲なのにJohn Ford(ジョン・フォード)監督の気に入らずサントラでは使用されなかったそうです。 映画のストーリーを踏まえたこの曲の歌詞ではリバティ・バランスを撃ったのは”from out of the east a stranger came, a law book in his hand, a man the kind of a man the West would need to tame a troubled land”と東部から来た法律家を指していますが、実際には自分が愛する女性ハリーの懇願を受けて物陰から助っ人し弁護士に花を持たせた無骨な西武の男でした。(だぁれだっ?)
☆ちょっとエキゾチックでちょっと泣き節のファルセット歌手のGene Pitney(ジーン・ピットニー)は、アメリカでは”Town Without Pity(非情の町)”と”The Man Who Shot Liberty Valance(リバティ・バランスを射った男)”が代表曲とされていますが、日本では「Mr. Moon, Mr. Cupid And I(ぼくと月とキューピッド)」でデビューし、「Louisiana Mama(ルイジアナ・ママ)」の大ヒットで知られています。 ジーン・ピットニーは60年代の「ティーンアイドル」である一方、作曲者としても1961年のRicky Nelson(リッキー・ネルソン)の全米No.1に輝いた「Hello Mary Lou(ハロー・メリールー)」などでヒットを記録しています。 ちなみにこのヒットのすぐ後にRick Nelsonに改名したリッキーは20年間の結婚後に離婚しましたがその後に交際のあったガールフレンドと共に45歳の時の飛行機事故で急逝しました。
♪ Gene Pitney – Louisiana Mama 1961
♪ Ricky Nelson – Hello Mary Lou 1961

Sting(スティング)の曲をThe Police(ポリスが)歌って1984年のグラミー賞に輝いた「Every Breath You Take」はジーン・ピットニーの”Every Breath I Take”を基にしているそうです。 人気テレビシリーズのALLY McBEAL(アリー・myラブ)でスティングとRobert Downey Jr.(ロバート・ダウニー・ジュニア)のデュエットが観られるのはAudio-Visual Trivia内の「The Singing Detective(歌う大捜査線)」内のSting & Robert Downey Jr. sing for Ally’s birthday on Ally McBeal (For Once In My Life) – YouTube

Gene Pitney Sings Town Without Pity
The Strange Love of Martha Ivers(呪いの血)」でデビューしたKirk Douglas(カーク・ダグラス)主演の1961年の法廷劇「非情の町(Town Without Pity)」のテーマ曲はGene Pitney(ジーン・ピットニー)が歌って大ヒットしました。 ジーン・ピットニーは「非情の町」の後、アメリカンポップスの作曲者であり編曲者のBurt Bacharach(バート・バカラック)が1962年にプロデュースした「(The Man Who Shot) Liberty Valance(リバティ・バランスを射った男)」で大スターとなり、オールディーズといえばPaul Anka(ポール・アンカ)やNeil Sedaka(ニール・セダカ)と共に思い出される歌手の一人です。
私は当時UAユナイテッド・アーチスツのJET – 1037 「Air Mail Special Delivery(恋のエア・メイル)」のB面に「Town Without Pity(非情の町)」が収録されているEPシングル盤を購入しました。

Listenジーン・ピットニーの”Mecca”や”Born To Lose”の他4曲がRealAudioで聴けるwfmuラジオのプレイリストMusic to Spazz By with Dave the Spazz On WFMU 91.1 fm, 90.1 fm, Thursdays 8pm – 11pm(twist it you motha!!! をクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を2:03:02へ移動、Elvis Presleyのレアな”Fort Lauderdale Chamber Of Commerce”(フォート・ロダデールに来たら)やJames Brownの”Prisoner of Love”やJohnny Cash(ジョニー・キャッシュ)の”Commited to Parkview”も聴けます)
Town Without Pity – Gene Pitney
I’m Gonna Be Strong – Gene Pitney

The Best of Gene Pitney
ページトップの画像は現在は入手困難となっていますが1995年リリースの輸入ベスト盤で”Town Without Pity”や”Mecca”のほかはレアな全10曲を収録してあります。
試聴はAnthology 1961-1968 – CD Universe

Greatest Hits
1999年に発売された試聴ができる国内盤の「グレイテスト・ヒッツ」には一番ポピュラーなジーン・ピットニーのヒット曲集で”非情の町”の他、日本で流行った曲がほとんど全部収録されています。
Gene Pitney Greatest Hitsグレイテスト・ヒッツ

Anthology 1961-1968
“非情の町”が収録されているジーン・ピットニーの60年代の歌を集めたアルバム
Gene Pitney A Town Without PityAnthology 1961-1968
試聴はAnthology 1961-1968 – CD Universe

25 All-Time Greatest Hits
同じく”非情の町”が収録されているジーン・ピットニーのヒット曲集
Gene Pitney - 25 All-Time Greatest Hits25 All-Time Greatest Hits
試聴は25 All-Time Greatest Hits – CD Universe

Town Without Pity Single
1975年がオリジナルだそうですが1992年リリースのイギリスCollectablesレーベルの輸入シングルCDはヴィンテージ価格!
私が持っている恋のエア・メイルと非情の町が収録されたユナイテッド・アーチスト盤は中古価格が1000円くらいですが、シングル盤の「Town Without Pity」(ASIN: B00008EV5A)はヴィンテージの7000円代が現在は入手不可。

☆「when you’re young and so and love as we…」とジーン・ピットニーが切なく歌う「非情の町」の歌詞はTown Without Pity Lyrics – Collection of Inspirational Love Quotes

The Man Who Shot Liberty Valance
「非情の町」の後のもう一つの大ヒット曲(こちらの方が有名)の「The Man Who Shot Liberty Valance(リバティ・バランスを射った男)」は1962年のJohn Ford(ジョン・フォード)監督のモノクロ西部劇のテーマ曲用に作られたのですが、ワケありで映画のサントラでは使用されませんでした。 バート・バカラックがプロデュースした「リバティ・バランスを射った男」はバート・バカラック作曲でHal David(ハル・デヴィッド)が作詞しました。 ハル・デヴィッドはマイケル・ケイン主演の「アルフィー」でも作詞しています。
“リバティ・バランス”」とは悪名高き雇われガンマンの名前だそうですが、「リバティ・バランスを射った男」には「めまい」のJames Stewart(ジェームズ・スチュワート)、John Wayne(ジョン・ウェイン)、 Lee Marvin(リー・マーヴィン)、「The Hitch-Hiker(ヒッチ・ハイカー)」のEdmond O’Brien(エドモンド・オブライエン)等が出演した西部劇です。 無法者のリバティ・バランスを演じたLee Marvin(リー・マーヴィン)はこの後の1967年にFrank Devol(フランク・デ・ヴォール)が音楽を担当した「The Dirty Dozen(特攻大作戦)」に出演しています。 誰が”リバティ・バランス”を撃ったかは映画を観るまで秘密になっています。 ジーン・ピットニーではありませんよ。

2006年4月5日、残念ながらジーンピットニーは英国ツアー中のホテルで突然亡くなりました。 英語の訃報記事はBBC News(Videoをクリックすると亡くなる直前の3月のインタビューが観られます)

☆ Audio-Visual Trivia内のジーン・ピットニー関連記事は映画 「非情の町

ジーン・ピットニー Gene Pitney」への4件のフィードバック

  1. 田園調布のプレスリー より:

    「リバティ・バランスを射った男」で得をした俳優はリー・マーヴィンだったような気がしますがいかがでしょうか。「シカゴ特捜隊M」と言うTVの主演でしたね。
    ジョン・フォード一家のベラ・マイルズはJ・スチュアートとは「連邦警察」でご一緒のおなじみコンビ。
    whoの入る位置などで丁度学校で習っている最中で興味深く観ました。
    歌の方は「非情の町」同様whenで始まり大変解り易かった。文部省推薦になぜならなかったの(笑)。ピットニーの歌は一つ一つの単語が明快ではっきりしているので覚え易かった。

  2. koukinibaaba より:

    ご存知でしたか?文部省の音楽の教科書にはビートルズだって載っているんです。今にオールポップスになるのではないかと懸念されるむきもあるようですが。でもピットニーはありませんね。私はビートルズは1枚も持っていませんがピットニーは非情の町など何枚か購入しました。
    「シカゴ特捜隊M」などの犯罪ものTVシリーズについてピーター・ガン」や「マイク・ハマー」などのアーカイブで取り上げたこともあります。

  3. DCP より:

    知りませんでした。文部省の音楽の教科書にビートルズが載ってるとは。ファンには申し訳ないが1枚すら持っていません。どう言う基準で載せたのか少し興味はありますが・・・。

  4. koukinobaaba より:

    30年ほど前から音楽の教科書にイエスタデイやレット・イット・ビーが載っているだけではありません。いまやビートルズ(特にジョン・レノン)は世界史及び日本史にも若者文化を代表するロック・ミュージシャンとして、又重要な歴史上人物としての記述があるそうです。

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