フェデリコ・フェリーニ カサノバ Il Casanova di Federico Fellini (1976)

Il Casanova di Federico Fellini
Fellini's Casanova
Donald Sutherland as Giacomo Girolamo Casanova
フェリーニのカサノバ(1976年)

Fellini’s Casanova
歴史上では群れを支配する男の代表として、”英雄色を好む”の例えがあるように、13世紀にモンゴル帝国を築いたチンギス・ハーン(ジンギス・カン、成吉思汗、jinkiz khān)がその征服過程において何億もの女性をも征服したといわれますが、現代ではThe Rat Pack(ラット・パック)の群れを率いた夜の帝王、Frank Sinatra(フランク・シナトラ)と架空の人物としては小説にイギリス秘密情報部の諜報員として描かれたスーパー・プレイボーイのコードネーム007(seven)のスパイで、James Bond(ジェームズ・ボンド)が揚げられます。
そして、18世紀ヨーロッパで歴史上有名な好色男というと「Giacomo Casanova(ジャコモ・カサノバ又はジャコモ・カザノヴァ)です。 カサノバの悲痛なまでの女性遍歴の一生と当時の宮廷生活を描いたカサノバ自身による「Histoire de Ma Vie(回想録全12巻)が1826年に出版されたのを元に、Federico Fellini(フェデリコ・フェリーニ)が脚本を書いて監督したイタリア映画です。 エロティックというよりはせつなくて泣ける映画で、オスカーではコスチューム部門で受賞しました。 ヴェニチアの謝肉祭や中世の衣裳に髪型、大道具のパイプオルガンや音楽、建築物やインテリア、小道具の真鍮のカップからデカパイに至るまで細部に眼を凝らせば何度観ても見足りない映画です。 ちなみに「フェリーニのカサノバ」は日本では映画上でのジャンルはドラマとなっています。 そして米国でにジャンル分けは伝記及びドラマとなっていますが、イタリアではグロテスクのジャンルだそうです。 映画のポスターはクレジットされていませんが有名なデザイナーのBill Gold(ビル・ゴールド)が手掛けました。他に時計じかけのオレンジ欲望という名の電車ベビードールなどの他にクリント・イーストウッドの作品をいくつも手掛けています。

カナダ出身の性格俳優「Donald Sutherland(ドナルド・サザーランド)」が主役のカサノバを演じています。 そしてフェリーニといえば音楽は1954年の「La Strada(道)」や1953年の「I vitelloni(青春群像)」などから哀愁たっぷりのNino Rota(ニーノ・ロータ)です。

video「フェリーニのカサノバ」のトレーラーが観られるLe Casanova De Fellini Trailer (El casanova di Fellini (1976, Film) — CinéSéries) 10秒広告の後
Il Casanova di Federico Fellini SCenes – YouTube

映画全体の印象は、超巨大セットとメイクのグロテスクなこと。 以前見た白塗りで踊る舞踏家の土方巽(Tatumi HIJIKATA)や大野一雄(Kazuo OHNO)がオーバーラップしてしまいました。 「フェリーニのカサノバ」はカラー映画ですが、ピエロなのか歌舞伎なのか、白塗りの顔が異常さを強調し、豪華な中世の舞台装置はまさに歌舞伎のようです。 私の記憶が正しければ、大嵐のなかのヴェネツィアのPiombi(ピオンピ監獄)脱走で、闇夜にカサノバが乗ったゴンドラを揺らす波は布(ビニール)で表現されているようでモノクロ調に見えました。 顔にかかる嵐の雨がなければ、完全に舞台装置。
余りの気の毒さに思わす涙してしまうほど、女性奉仕に取り付かれたカサノヴァの悲壮な形相に加えて、なんとも異様な映像ですがセックス映画ではありません。 歴史的、哲学的、かつ博愛的な内容なのです。
白塗りメイクは1968年のフェデリコ・フェリーニ監督も参加したオムニバス映画Histoires extraordinaires(世にも怪奇な物語)で登場しました。 怪奇を表すために日本のお化け映画を参照したと思われます。 うらめしや~!

☆ゴンドラとはイタリアは水の都「ベニス(イタリア語ではベネチア)」で使用される独特の交通手段ですが、船頭の唄で恋人達がロマンスを語る映画のシーンは数々ありました。

a mechanical doll played by Adele Angela Lojodice「女性のために生まれてきたんだ!」と、女性との関係をまるで義務の如くこなすカサノバ。 お相手は年齢・容姿問わず、博愛精神を持ってどんな女性とも関係を持つ。 Sylvester Stallone(シルヴェスター・スタローン)が主演したボクサー映画の「Rocky(ロッキー)」みたいに生卵を飲んでは苦行のごとく励みまくる。 ものすごい形相!
女性遍歴を重ねても重ねても満足できず、最後の最後には生身に飽いて メカ・セックス! とばかり、最後のお相手はドイツのを訪れた時に出会ったゼンマイ仕掛けの自動人形への究極の愛ににたどり着きます。 人形とカサノバの踊るシーンは映画のクライマックスともいえるでしょう。 踊る自動人形(Mechanical doll)はAdele Angela Lojodice(アデル・アンジェラ・ロヨディス)という女優が演じました。 実際中世には某公爵が酔狂で製作させたとかいうダッチワイフ的な人形があったそうです。 俗説ではかって南極探検隊にお供したというゴム人形(Femme d’air)もこんなにゴージャスだったらお世話になった隊員もいたことでしょう。 ちなみに人形(自動人形)に恋をした男の話は古くは19世紀からあり、オペラの「Les Contes d’Hoffmann(ホフマン物語)」にある「Der Sandmann(砂男)」やそれから派生した古典バレーの「Coppélia, ou la Fille aux yeux d’émail(コッペリア)」などがありました。 コッペリアとはコッペリウス博士が製作した人形で街の若者フランツが人形とは知らずに恋をするポーランドを舞台にした物語です。 博士の家に入り込んだフランツを酔わせて寝ている間に魂を抜き取りコッペリアに命を吹き込もうとします。 一緒に入り込んだフランツの恋人スワニルダがコッペリアのふりをして博士をキリキリ舞させるという物語です。
Fellini’s Casanova- The Dancing Doll – YouTube
メカセックスの写真が見られるドイツのロボットのサイト内のPuppen und Automaten – kantel.de
☆もっと詳しく知りたい方はイメージ検索で「Fellini Casanova Doll」とキーワードを入れると自動人形の画像が見つかります。
フェリーニのカサノバの写真が見られるIl Casanova di Federico Fellini – FILM.TV.IT

The Jaquet-Droz Automata and Bisque mechanical dolls with glass eyes
自動人形といえば18世紀のスイスにPierre Jaquet-Droz(ピエール・ジャケ・ドロー)という時計職人が精巧な細工の時計の他に、Automaton(オートマトン)と呼ばれる西洋絡繰り人形(自動人形=オートマタ)を製作しましたがその中のオルガン弾きの婦人(王妃?)はオルゴールではなくて実際に指で音楽を奏でたそうです。
The Jaquet-Droz automata – YouTube
ところで、マイセンの人形は全部が陶器製なんでしょうか。 私は陶器の顔にガラスの目玉のアンティックな動くフランス人形が大好きです。 その昔、NHKで番組の合間に内臓のオルゴールの音と共にこの自動人形が映されたことがあります。 コンパクトを持って白粉をはたいたり、楽器を演奏したりする精巧な人形にうっとりとして見入っていました。 おそらく博物館にでも陳列されている19世紀初頭の人形だったのでしょう。
Antique Bisque mechanical doll – YouTube

色と食をこよなく愛するイタリア人「ジャコモ・カサノバ」のお好きな食べ物は、セクシーな連想を起こすぷっくらした牡蠣、ジューシーなゲームヘン(小型地鶏)、出来たてカマンベールチーズ等などですが、カサノヴァの人生最後のご所望はイタリア人ならではの「Maccheroni(マカロニ)」でした! イタリアのパスタといえばマカロニとスパゲティが代表的ですが、某映画でビスケットをマカロニ(マカローネ?)と言ってたのが気になっていましが。 これはアーモンド粉で作ったイタリア伝統の菓子のマコロンだったようです。 「マカロニ食べたい! 毎日食べたい!」
アナタなら最後の晩餐としては何を望みますか? 男性ならステーキ、女性だと「ケーキ」がトップらしいです。 後は寿司、天ぷら、うなぎでしょうか。
さて、この世の終わりに乾杯! では、飲み物はウオッカの「Casanova’s Secret」 これはイタリア産で、オレンジとハーブのリキュールの甘いデザートドリンク「Casanova」! Ugh!!!
ヨーロッパでは若者に人気とかの瓶詰めも販売されているそうです。 アニス・リキュールやニワトコ・リカーやライム・ジュースなどのカクテルでThe Casanova Cocktailはどう?

Federico Fellini
イタリア映画の巨匠と呼ばれるフェデリコ・フェリーニの作品は数多くありますが、一般に広く知られるようになったのはAnthony Quinn(アンソニー・クイン)が主演した1954年の「La Strada(道)」でテーマ曲がもっとも哀愁を感じさせた映画でした。 1957年の「Le notti di Cabiria(カビリアの夜)に続いて話題作の1959年の「La Dolce Vita(甘い生活)」、そして1962年の「Boccaccio ’70(ボッカチオ’70)」と1963年の「Otto e mezzo(8½)」、「カサノバ」の後の1970年にピエロを描いたI Clowns(フェリーニの道化師)を経て、1980年の「La Città delle Donne(女の都)」あたり1980年代まで常に話題になった映画を監督していました。 ローマの「甘い生活」は冒頭にゴシップ専門記者を演じるマルチェロ(マストロヤンニ)が乗るヘリで運ばれるイエス像に手を振る屋上で日光浴中のビキニ美女たちから場面変わって高級クラブで富豪の娘マッダレーナ(アヌーク・エーメ)と出会い、マルチェロの愛人エンマの自殺未遂、アメリカ人女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とトレヴィの泉での戯れ、田舎から出て来たマルチェロの父親が好みのキャバレーの踊り子の脚長ファニー(マガリ・ノエル)とあわや情事、満たされているはずの理想の友人スタイナー(アラン・キュニー)の自殺など、マルチェロが身を置く退廃的な生活に反比例するかのような純粋な少女パオラ(Valeria Ciangottini)との出会いまでたくさんのエピソードが嵌め込まれて、私が「甘い生活」を劇場で観た時は普通の映画にはない何とも形容し難い衝撃を受けました。
ちなみに「カビリアの夜」ではオーストリアのFranz Lehár(フランツ・レハール)が作曲したオペレッタ(喜歌劇)の「Die lustige Witwe(メリー・ウィドー)」で第三幕に歌われるワルツ曲である”Die lustige Witwe(唇は黙して、又は唇は語らずとも)”が哀れな娼婦の心を代弁しているかのようだ。(愛は 語らずも まことは 失われず 人生の果てまでも バイオリンの音が響く こう言ってるかのよう)

Donald Sutherland
ドナルド・サザーランドは1971年に当時交際中のJane Fonda(ジェーン・フォンダ)がアカデミー主演女優賞を獲得したAlan J. Pakula(アランJ・パクラ)監督の「Klute(コールガール)」に出演以降も、「カサノバ」以外に1981年にRichard Marquand(リチャード・マーカンド)監督の「Eye of the Needle(針の眼)」、1994年に「Disclosure(ディスクロージャー)」、2003年に「Cold Mountain(コールド マウンテン)」、2005年に「Pride & Prejudice(プライドと偏見)」など何十本もの話題映画に出演し、2008年にはとうとう好々爺となって「Fool’s Gold(フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石)」で娘に甘い金持ちパパを演じています。 赤狩り時代にハリウッド・テンのひとりとして投獄された脚本家のDalton Trumbo(ダルトン・トランボ)が第二次大戦中は”反政府文学”として発禁処分をくらった1939年の小説を自ら監督した作品で、1971年にサザーランドがキリスト役を演じた「Johnny Got His Gun(ジョニーは戦場へ行った)」は砲弾に倒れ脳の一部以外の機能を失った若い志願兵が軍部の研究材料として名も無き肉塊として生かされる残酷物語で人間の尊厳を扱い重いテーマの異色映画でした。

Il Casanova di Federico Fellini (1976) DVD
フェリーニの「カサノバ」は通りいっぺんに観て終わりではありません。何度も繰り返し観て細部まで鑑賞したい映画です。 が、いかんせん、入手困難、ヴィンテージ価格!
下記の画像は2005年発売のフェデリコ・フェリーニ85周年記念DVD「カサノバ」と「La Citta delle donne(女の都)」の2枚組み(日本語字幕版)ですが、同じく2005年発売のリージョン2輸入版で「Fellini’s Casanova(Casanova)」(ASIN: B003AKJN0A)というタイトルの廉価版DVDやリージョンフリーの「Casanova」もあります。(言語はフランス語とイタリア語で字幕が英語)
Federico Fellini selectionフェデリコ・フェリーニ セレクション
カサノバと一緒に収録されているのは ニーノ・ロータ亡き後のフェデリコ・フェリーニが監督した1980年の「La Citta delle donne(女の都)」で、マルチェロ・マストロヤンニの主演で年老いてもスケベなプレーボーイの夢想を描いた笑えるエロティックファンタジー映画です。
2005年に発売された2枚組みDVDは入手困難になり、2008年に単品DVDの「フェデリコ・フェリーニ セレクション カサノバ(ASIN: B00117D562)が発売されましたがこれもヴィンテージ価格で入手困難。 アメリカのAmazon.comでは字幕がドイツ語ですがリージョン2のPAL形式のDVDのFellini’s Casanova [Region 2] (1977)が20ドル代で見つかります。
☆朗報! 2016年になって日本語字幕の「カサノバ HDニューマスター版 [DVD]」( ASIN: B01IQMSH4)が販売されています。
☆”世紀の大嘘つき”とも云われたフェデリコ・フェリーニが語る”本当の話”は1997年に発行された翻訳単行本の「Fellini On Fellini(フェリーニ オン フェリーニ)」(ISBN-10: 0306806738)で読むことができます。

Il Casanova di Federico Fellini Soundtrack
ニーノ・ロータ音楽の「フェリーニのカサノバ」サウンドトラック
Il Casanova Di Fellini by  Nino Rotaカサノバ (Il Casanova Di Federico Fellini)
上記の画像は1999年発売の「Il Casanova Di Fellini (1976 Film)」です。 CAM Original Soundtracksレーベル限定盤で日本語帯付輸入盤の「カサノバ (Il Casanova Di Federico Fellini)」(ASIN: B0071W0A2S)及び「Score」(ASIN: B000ARCJQG)とも入手困難となっています。

Fellini/Rota
Fellini, Rota: Music From the Classic Films of Federico Fellini
2005年発売のCity of Prague Philharmonic Orchestra(プラハ市フィルハーモニック管弦楽団)によるフェリーニ映画のニーノ・ロータ音楽集です。
Fellini, Rota: Music From the Classic Films of Federico FelliniFellini, Rota: Music From the Classic Films of Federico Fellini
1999年発売のフェリーニ映画のニーノ・ロータ音楽集の「Fellini Rota」の国内盤は「フェリーニ&ロータ」ですが現在は入手不可。
収録曲目は白い酋長、青春群像、道、崖、カビリアの夜、甘い生活、ボッカチオ70、8[1//2]、魂のジュリエッタ、世にも怪奇な物語、サテリコン、フェリーニの道化師、フェリーニのローマ、アマルコルド、カサノバ、オーケストラ・リハーサルなどです。 1853年の「I vitelloni(青春群像)」には1958年の「Venezia, la luna e tu(ベニスと月とあなた)」で浮気なゴンドラ船頭役で主演した喜劇役者のAlberto Soldi(アルベルト・ソルディ)が成人しても姉の懐を当てにするのらくら男のアルベルトを演じています。
♪ 試聴はNino Rota – Il Casanova Di Federico Fellini (CD) (Remastered) – Bol.com

「カサノバ」日本語版書籍
カサノバ著「回想録」には文庫本のカザノヴァ回想録 (第1巻) (河出文庫) (ISBN-10: 4309465315)からシリーズの一つで、仮面舞踏会の話などが書かれた「カザノヴァ回想録(6) – ヨーロッパ放浪」(ISBN-10: 4309465366)などがあります。

他にもあるカサノバ映画
色事師のカサノヴァは男性の憧れですが、ずっと古くは、戦前の1927年にAlexandre Volkoff(アレクサンドル・ヴォルコフ)監督のフランスのコメディ映画「Casanova d’Alexandre Volkoff 」(Casanova)があります。 女性遍歴に偏った「フェリーニのカサノヴァ」よりもっと原本に近い解釈だともいわれます。 画像はCasanova – Silent Era
この後の1987年に「Dr. Kildare「ドクター・キルデア)」のRichard Chamberlain(リチャード・チェンバレン)がジャコモ・カサノヴァを演じたテレビのコメディドラマ「Casanova」がありました。 Michel Legrand(ミシェル・ルグラン)が音楽を担当し、デュルフェ公爵夫人をFaye Dunaway(フェイ・ダナウエイ)、若きカサノバが誘惑されるマッダレーナ夫人を演じたSylvia Kristel(シルヴィア・クリステル)が演じています。 1964年にはMarcello Mastroianni(マルチェロ・マストロヤンニ)主演のイタリアコメディ「Casanova ’70(カサノヴァ’70)」もありましたが、下記に記述した2005年の「Casanova(カサノバ)」では今は亡きHeath Ledger(ヒース・レジャー)がカサノバを熱演しています。 映画音楽はフランスのAlexandre Desplat(アレクサンドル・デプラ)が手がけサントラにはCarnivale、Bourée (Rebel) 、The Plume’s nom is Casanova!、Dancing at the Doge’s Ballなどが使用されています。

アラン・ドロンのカサノバ “Le retour de Casanova(カサノバ最後の恋)”VHSビデオ
Le retour de Casanovaカサノヴァ最後の恋(日本語字幕版VHS)
1993年にAlain Delon(アラン・ドロン)主演のフランス映画で「Le Retour de Casanova(カサノバ最後の恋)」がありました。

クールなアランドロンがお好きなファンには見せたくない「カサノヴァ最後の恋」、「アラン・ドロンのカサノバ」DVDには輸入版の「Le Retour de Casanova」 [DVD] [Import] (1992)で老眼鏡で老いたドロンのカサノバ画像が観られます。

Casanova (2005)
Casanova (2005)
Heath Ledger as Casanova, directed by Lasse Hallström

2005年の12月にアメリカで2001年の「Original Sin(ポワゾン)」を監督したMichael Cristofer(マイケル・クリストファー)が原案を書いてスウェーデンのLasse Hallström(ラッセ・ハルストレム)監督したアメリカ映画の「Casanova(カサノバ)」が公開されています。 16世紀のベニスを舞台にヒース・レジャーのジャコモ・カサノバは百花繚乱の世界で大活躍します。 ちなみに、一説によるとベネチア(英語読みでベニス)の男性はカサノバの子孫を自称して女性に身を捧げるんだそうです。 カサノバを演じたヒース・レジャーは死後にアカデミー助演男優賞を受賞しましたが、「The Dark Knight(ダークナイト)」の異常にユニークな悪役のJoker(ジョーカー)を演じてこれからという時、モデルのLily Cole(リリー・コール)などと共演した2009年の「The Imaginarium of Doctor Parnassus(Dr.パルナサスの鏡)」の撮影中に処方薬乱用(急性薬物中毒)で急逝してしまいましたのでこの映画が遺作となります。 Johnny Depp(ジョニー・デップ)がヒース・レジャーの代役の一人を務めました。
上記の画像は現在は入手困難な輸入版DVD(ASIN: B00005JOPD)ですが、国内版では2009年発売の日本語字幕版のDVD(ASIN: B001HZEYKY)とVHSが販売されています。

主人公のカサノバには今は亡きオーストラリア出身のHeath Ledger(ヒース・レジャー)です。(2001年のMonster’s Ball(チョコレート)や2005年の「Brokeback Mountain(ブロークバック・マウンテン)」ではバックでしたが)
2004年の「アルフィー」でジュード・ロウのハートを射止めた新人のSienna Miller(シエナ・ミラー)が架空のキャラクターとして加えられたフランチェスカ役で、そしてラッセ・ハルストレム監督の妻であるLena Olin(レナ・オリン)がアンドレア役を演じます。 この映画ではダンディでセクシーな「ダメージ」のJeremy Irons(ジェレミー・アイアンズ)がカサノヴァを敵対視するプッチ司祭役で頑張っていますが、そのうち(いや、早いとこ)ジェレミー・アイアンズにカサノヴァを演じて貰いたいです。
ラッセ・ハルストレム監督のカサノバ映画の音楽はフランスの若手作曲家で、2003年に「Girl With a Pearl Earring(真珠の耳飾りの少女)」の音楽も担当したAlexandre Desplat(アレクサンドル・デスプラ)です。
ラッセ・ハルストレムは1993年の「What’s Eating Gilbert Grape(ギルバート・グレイプ)」や2000年にJuliette Binoche(ジュリエット・ビノシュ)が主演した「Chocolat(ショコラ)」の監督として知られています。

フェデリコ・フェリーニ カサノバ Il Casanova di Federico Fellini (1976)」への3件のフィードバック

  1. 『カサノヴァ最後の恋』~恋ひとすじに、過去への郷愁~

    アラン・ドロン製作総指揮の『カサノヴァ最後の恋』は、ロミー・シュナイダーとアラン・ドロンが共演した1958年の『恋ひとすじに』と同じく、アルトゥール・シ…

  2. 『太陽はひとりぼっち』で12.4にTB・コメントさせていただいたトム(Tom5k)です。ご無沙汰しております。ときどき拝見し、勉強させていただいておりますが、いつも、すごい情報量ですね。
    わたくしのは、アラン・ドロンのカサノヴァで、かつ勝手な感想ばかりですが、TBさせていただきました。

  3. koukinobaaba より:

    トム(Tom5k)さん、よく皆さんに「すごい情報量」といわれるのですが、書いていると止まらなくなるのでだらだらと長いというのが実情です。余りファイルが大きいと分割するのですが加筆して又長くなる次第です。懲りずに又来てね!

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