クリント・イーストウッドのジャズ関連作品集 Clint Eastwood – Filmography

Music for the Movies of Clint Eastwood
上記の画像はTVシリーズのRawhide(ローハイド)やマカロニ・ウエスタンから恐怖のメロディやマディソン郡の橋までクリント・イーストウッドに関連する映画音楽を集めた2001年販売のアルバム「Music for the Movies of Clint Eastwood」です。 アルバムには「Space Cowboys(スペース カウボーイ)」で使用された”ESPACIO”や、「A Perfect World(パーフェクト ワールド)」で犯行の間に電蓄から流れる曲は”Big Fran’s Baby”はイーストウッドの友人のLennie Niehaus(レニー・ニーハウス)がプロデュースしたクリント・イーストウッドの作曲といわれる曲も収録しています。 1966年にクリント・イーストウッドが主演したウルトラ・ヒットの「The Good, the Bad and the Ugly Theme(Il buono, il brutto, il cattivo/続・夕陽のガンマン/地獄の決斗)」は監督が1965年の「Per qualche dollaro in più(夕陽のガンマン)」に続きマカロニ・ウエスタンの巨匠と呼ばれたSergio Leone(セルジオ・レオーネ)で音楽はコンビを組んだEnnio Morricone(エンニオ・モリコーネ)でしたがHugo Montenegro(ヒューゴ・モンテネグロ)の演奏がBillboard Top 10 Singles (1968)で上位にランクされました。 映画の冒頭で精悍な顔つきのLee Van Cleef(リー・ヴァン・クリーフ)が演じるダグラス・モーティマー(大佐)がお尋ね者を撃つ時に馬の鞍からハラリと垂れ広がるお道具(武器)収納袋がかっこいい。 リー・ヴァン・クリーフの帽子撃ちもモンコよりかっこいい。 Addio Colonello
上記のアルバムには、”Rollin’ rollin’ rollin’…Yah!, Rawhide, Yah! rawhide!…”でお馴染みのRawhide(by Frankie Laine)
Claudia’s Theme From ‘Unforgiven’ – YouTube
Dirty Harry by Lalo Schifrin
Misty From ‘Play Misty For Me’ – Erroll Garner
Clint Eastwood, An American Filmmaker Suite, Part 1 – Part 10 など全23曲を収録しています。
♪ アルバムの試聴はMusic for the Movies of Clint Eastwood – Soundtrack.net

カウボーイハット(ウエスタンハット)のイーストウッドがロディ・イーツを演じてEric Fleming(エリック・フレミング)がギル・フェーバーさんを演じたTVシリーズの西部劇「Rawhide(ローハイド)」で有名になったクリント・イーストウッドは大のジャズ好きで、監督になってからジャズを取り入れた作品を多数制作しています。
そのクリント・イーストウッド監督のジャズに関連した作品を集めてみました。

☆1969年 Paint Your Wagon(ペンチャーワゴン)
西部劇ミュージカルの映画版でリー・マービンが歌って踊り、クリント・イーストウッドも歌う! 歌は吹き替えだったそうですがジーン・セバーグも出演しました。
Paint Your Wagon DVDPaint Your Wagon (Ws Sub)
ペンチャー・ワゴン(ワイド版VHS) PAINT YOUR WAGON (ASIN: B000064W5S)もあります。
video「ペンチャー・ワゴン」のトレーラーはPaint Your Wagon Trailer – VideoDetective

「ペンチャーワゴン」のオリジナルサウンドトラック
Paint Your Wagon OSTPaint Your Wagon (1969 Film)
サントラの試聴はPAINT YOUR WAGON – AllMusic.com
映画音楽はNelson Riddle(ネルソン・リドル)で、映画ではイーストウッドが”I Still See Elisa”、”(I was born Born Under a) Wandering Star(又はWand’rin’ Star/ワンダリング・スター)”をLee Marvin(リー・マービン又はリー・マーヴィン)が歌いました。 これはアメリカで人気の漫画TV ShowのThe Simpsons(シンプソンズ) Season 9 “All Singing, All Dancing“でパロディになったそうです。 ハードボイルドな役が多いリー・マーヴィンですが「Donovan’s Reef(ドノバン珊瑚礁)」でもコミカルなギルフーリー役を演じました。
リー・マービンといえばテレビ・シリーズの「M Squad (シカゴ特捜隊M)」や「The Man Who Shot Liberty Valance(リバティ・バランスを射った男)」などに出演しましたが、1985年にはChuck Norris(チャック・ノリス)主演の「Delta Force(デルタ・フォース)」にも出演しています。(チャックとはあのチャック・ノリス・ファクトやチャック・ノリス・ジョーク(Chuck Norris Jokes & Facts)で有名な特異キャラ俳優でAaron Norris(アーロン・ノリス)監督の兄)
☆Audio-Visual Triviaのネルソン・リドル関連記事は「オーシャンズ12
ロリータ

☆1971年 Play Misty For Me
“Play Misty For Me”がキーワードとなっているクリント・イーストウッド初監督及び人気ディスク・ジョッキー役で主演したAlfred Hitchcock(ヒッチコック)ばりのサイコスリラー「恐怖のメロディー」のサウンドトラックはリリースされていませんが、映画ではクリント・イーストウッドが演じるDJのファンのイブリンが電話でリクエストする曲目としてジャズピアニストのErroll Garner(エロール・ガーナー)作曲のMisty(ミスティ)が使用されました。 この他に終盤にDJとJames Mceachin(ジェームス・マッキーチン)が演じるラジオDJの相棒であるアルとのカップルでモントレイ・ジャズ・フェスティバルを楽しむシーンではジャズ狂のクリント・イーストウッドらしく、トロンボーン奏者のGene Connors(ジーン・コナーズ)が演奏するPreacher’s Bluesに続き、2012年1月に90歳で亡くなったJohnny Otis(ジョニー・オーティス)のWillie and the Hand Jive、そしてCannonball Adderley(キャノンボール・アダレイ)のCountry Preacherなどのがかなり長いライヴ映像観られます。
冒頭にクリント・イーストウッドが演じたDJが眺めているシーンで海辺の俯瞰映像がなにげにエロール・ガーナーのアルバム「Concert By The Sea」とかぶります。 DJが住まいとしているモントレイ半島にある海辺の家はインテリアも自然がいっぱいで素晴らしいのですが、このラストシーンでは断崖岬にあるDJの恋人の家なのでロケーションが別でしょうか。 変質者のイブリンを演じたJessica Walter(ジェシカ・ウォルター)の常軌を逸したストーカーの演技と何度も流れる”ミスティ”は最高でしたが、ミステリー映画でラストを飾るはずの警部が不覚にもあっさりとイブリンに殺されていまうのが消化不良を起こさせます。 これまでイヴリンは台所の肉切り包丁を使って斬りつけてきましたが、警部に限っては裁ちバサミでした。 なぜかというと警部が到着した時はDJが自分より愛する憎き恋人の目玉をくり抜く前に愛しいと撫でた髪を切り取っていたからです。 それと、ドロドロした愛憎のミステリーに一服の清涼剤を与えたつもりかと思いましたが、DJと恋人との長丁場の全裸ラヴシーンが全体にそぐわず奇異な映画でした。(DJの白いブリーフ姿も変) ラストにはDJの恋人の新しいルームメイトとしてアナベルという名前が出てきますが、これは Edgar Allen Poe(エドガー・アラン・ポー)が最後に書いた詩といわれる1849年の「Annabel Lee(アナベル・リー)」のことで前の晩の電話でイブリンが口にしていたのです。(アナベルがいつも心に思うのは僕への愛と僕の愛)
It was many and many a year ago,
In a kingdom by the sea,
That a maiden there lived whom you may know
By the name of ANNABEL LEE;
And this maiden she lived with no other thought
Than to love and be loved by me.
ところで、よこしまな愛のために我が身を犠牲にするほど狂った女性ファンに捕われる映画には1990年の「Misery(ミザリー)」がありますが、この映画で餌食となったのは「恐怖のメロディ」のようにDJではなくジェームズ・カーンが演じた作家でした。 怖いですね、怖いですね、狂信的なファンにはご用心! 人生そのものが破壊されます。 ”Play it for me, anyway…”
ミスティについてはAudio-Visual Trivia内のエロール・ガーナー Erroll Garner
「恐怖のメロディー」の日本語字幕DVD
Play Misty For Me恐怖のメロディ (ユニバーサル・セレクション第5弾) 【初回生産限定】
「恐怖のメロディー」の2006年発売DVD(ASIN: B000HT2MY6)も現在は入手困難になっています。
video「恐怖のメロディー」のトレーラーはPlay Misty For Me Trailer – VideoDetective

☆1988年 Bird
Charlie “Bird” Parker(チャーリー・パーカー)の伝記映画(回顧録的な人生ドラマ)の「Bird(バード)」はそのタイトルをビバップを代表するアルトサックス奏者のチャーリー・パーカーのニックネームから採られています。
☆およそ大ヒットとは見込めない映画「バード」を監督するためにイーストウッドは映画会社と取引しました。 人気シリーズだった「ダーティハリー」4作品の続々編となる1988年の「The Dead Pool(ダーティハリー5)」に出演することでした。この作品には後の大スター、リーアム・ニーソンとジム・キャリーが出演しています。
「Bird(バード)」について詳しくはAudio-Visual Trivia内のCharlie Parker

☆1989年 Thelonious Monk: Straight, No Chaser
1995年の「Se7en(セブン)」にチャーリー・パーカーの”Now’s the Time”と共にサントラに使用された”Straight, No Chaser”ですが、ジャズ好きのクリント・イーストウッドはジャズピアニストのThelonious Monk(セロニアス・モンク)のドキュメント映画「Thelonious Monk: Straight, No Chaser(セロニアス・モンク ストレート・ノー・チェイサー)」をプロデュースしました。 ちなみにバーボンのストレートをチェイサー無しで飲まされたのは「北北西に進路を取れ」でケイリー・グラントが演じた主人公ロジャー・ソーンヒルでした。
セロニアス・モンクの代表曲「ストレート・ノー・チェイサー」を冠した映画「Thelonious Monk: Straight, No Chaser」でのモンクの写真が見られるThelonious Monk – JERU(試聴もあり)
ストレート・ノー・チェイサーのDVD
Straight No Chaser DVDStraight No Chaser
「ストレート・ノー・チェイサー」のVHSビデオ同様にDVDも現在入手困難。

ストレート・ノー・チェイサーのサウンドトラック2002年盤CD
Straight No Chaser SoundtrackStraight, No Chaser: Thelonious Monk
♪ Thelonious Monk – ‘Round Midnight

☆1990年 Mo Better Blues
ちびのスパイク・リーがジャイアント役を演じ監督した「Mo’Better Blues(モ・ベター・ブルース)」はジャズに造詣が深いクリント・イーストウッドが製作総指揮しました。 「モ’・ベター・ブルース」はデンゼル・ワシントンが主演するジャズトランペッターの生活を描いた作品で、Wesley Snipes(ウェズリー・スナイプス)もテナーマンとして演奏します。 ともかく闘わないデンゼルが見られました。
2006年発売のDVD
Mo Better Bluesモ’・ベター・ブルース
「モ・ベター・ブルース」のモ’・ベター・ブルース (ユニバーサル・セレクション2008年第7弾)DVD]や、VHSもあり。
video「モ・ベター・ブルース」のトレーラーはMo’Better Blues Trailer – Videodetective

「モ・ベター・ブルース」のサウンドトラックCD
Mo'Better BluesMusic From Mo’ Better Blues (1990 Film)
評価の高いサントラの試聴は「Music from Mo’ Better Blues – mora.jp

☆1992年 Unforgiven
「許されざる者」はクリント・イーストウッドが監督及び製作そして主演もした償金稼ぎの老ガンマンを描いた西部劇でイーストウッドが初めてアカデミー監督賞を受賞しました。 もちろん1960年にAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)が日焼けしてインデァン娘を演じたJohn Huston(ジョン・ヒューストン)監督の「The Unforgiven(許されざる者)」ではありません。 Morgan Freeman(モーガン・フリーマン)も出演している「許されざる者」はイーストウッド監督の師匠ともいえるSergio Leone(セルジオ・レオーネ)とDon Siegel(ドン・シーゲル)に捧げられたそうです。 女子供まで撃ち殺し残忍と定評のあったガンマンがなぜか結婚して農民暮らしを10年余り、3年前に妻が天然痘で死亡後二人の子供を育てて貧窮している男マニーをイーストウッドが演じます。 娼婦にひどい仕打ちをしたカウボーイに保安官は馬を没収するだけでお咎めなし。(ちっちゃいと笑ったばっかりに顔だけでなく耳や乳まで切られるとは)これに納得しない娼婦たちに1000ドルの賞金をかけられていると聞いた近視で人殺しは未経験のキッドに誘われて友人のネッド(モーガン・フリーマン)と共に旅に出る。 自分には殺せないからと途中で賞金をあきらめて一人戻る黒人のネッドを保安官(ジーン・ハックマン)が捕らえて鞭で打ちのめして死に至らしめた。 そこでマニーは酒場の前で晒しものにされたネッドの仇討ちを果たす。
☆1971年のダーティーハリーの話題のジャズ調オリジナルサントラの音楽はLalo Schifrin(ラロ・シフリン)でしたが、2004年リリースの「ダーティ・ハリー」CDは「Dirty Harry
「許されざる者」のDVD
Unforgiven許されざる者
video「許されざる者」のトレーラーはUnforgiven Trailer – Videodetective

「許されざる者」のサウンドトラックは1993年のA Perfect World(パーフェクト・ワールド)、「真夜中のサバナ」や「マディソン郡の橋」など殆どのイーストウッド映画の音楽を担当しているイーストウッド監督とは戦友のジャズ・ミュージシャンのLennie Niehaus(レニー・ニーハウス)ですが、サウンドトラックのに収録されたマカロニウエスタン調の”Claudia’s Theme(クローディアのテーマ)”はイーストウッド監督による作曲だそうですが現在は入手困難となっています。 ☆レーベルがサウンドトラック・リスナーズ・コミュニケーションズの国内盤のサントラは「許されざる者」(ASIN: B000064EMF)で”クローディアのテーマ”など日本語の24曲目リストが見られます。
Unforgiven SoundtrackUnforgiven: Original Motion Picture Soundtrack


☆1995年 The Bridges of Madison County
イーストウッド監督及び主演の「マディソン郡の橋」では「Prime」や「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープと共演したロマンティックな大人の純愛物語ですが、原作を先に読んだのでいまいちイメージが合いませんでした。(往年の二枚目ロバート・レッドフォードだったらヒロインは人生をリセットして甘く切ないロマンス映画になったかも) それにしても恋人同士が灰で結ばれるアイオワにあった橋の焼失に続きフランチェスカの家も放火されたってのは何なんでしょう。 肉体関係の不倫よりプラトニックな関係が深いのは女性側の話、男性ならただの友達でいられるだろうか。
映画のポスターは「ストレート・ノー・チェイサー」や「バード」などイーストウッド映画をたくさん手掛けて有名なデザイナーのBill Gold(ビル・ゴールド)でDVDカバーやCDカバーの画像にも使用されています。
「マディソン郡の橋」のDVD
The Bridges of Madison Countyマディソン郡の橋 The Bridges of Madison County
video「マディソン郡の橋」のトレーラーはThe Bridges of Madison County Trailer – Videodetective

「マディソン郡の橋」ではテーマ曲をレニー・ニーハウスと共同作曲している他、サウンドトラックにはテナーサックス奏者のジョン・コルトレーンとのコラボで知られる低音の魅力のJohnny Hartman(ジョニー・ハートマン)やDinah Washington(ダイナ・ワシントン)の曲が収録されています。
Bridges of Madison County SoundtrackThe Bridges Of Madison County: Music From The Motion Picture [SOUNDTRACK] [FROM US]
イーストウッド監督作曲のDoe Eyes [Love Theme from The Bridges of Madison]は試聴の1番、Blue Gardeniaは女性ジャズ歌手のダイナ・ワシントン、Easy Livingがジョニー・ハートマンです。

1997年 Midnight In The Garden Of Good & Evil
☆クリント・イーストウッドが監督及び製作した「真夜中のサバナ」には「交渉人」のKevin Spacey(ケビン・スペイシー)や「アルフィー」のJude Law(ジュード・ロウ)が出演していますが、クリント・イーストウッドの娘である女優のAlison Eastwood(アリソン・イーストウッド)も出演して話題となりました。
2006年発売の「真夜中のサバナ 特別版」の字幕付きDVD
The Garden Of Good And Evil真夜中のサバナ 特別版
観ごたえのある映画「真夜中のサバナ」のトレーラーはThe Garden Of Good And Evil Trailer – VideoDetective
アリソン・イーストウッドの兄のKyle Eastwood(カイル・イーストウッド)は「マディソン郡の橋」など数本の映画にも出演しましたが、クリント・イーストウッドそっくりで父親のジャズ好きの影響を受けてベース奏者で活躍しています。 カイルの身長は193cmとなんと184cmの現在のパパよりずっと背が高いのです。(もっともパパだって若い頃はカイルと同じくらい) 私には監督のお子さん達より、2010年に亡くなったアルトサックス奏者で、空の首輪を持って亡き犬を散歩させていたJames Moody(ジェームス・ムーディ)の役どころが印象的。

クリント・イーストウッド監督がプロデユースした「真夜中のサバナ」のサウンドトラックはJohnny Mercer(ジョニー・マーサー)のソング集ですから、Cassandra Wilson(カサンドラ・ウィルソン)が歌っている”Days of Wine and Roses”もHenry Mancini(ヘンリー・マンシーニ)作曲でジョニー・マーサーの歌詞です。
The Garden Of Good And EvilMidnight In The Garden Of Good And Evil: Music From And Inspired By The Motion Picture [SOUNDTRACK] [FROM US] [IMPORT]
クリント・イーストウッドのAc-Cent-Tchu-Ate the Positiveの試聴はMidnight In Garden Of Good & Evil Midnight In The Garden Of Good And Evil Soundtrack CD – Amazon.com(9番)
共演者のケビン・スペイシーも同じくハロルド・アーレン作曲、ジョニー・マーサー作詞の”That Old Black Magic”をノリノリで歌っているのだそうですがどのシーンか思い出せません。 映画「真夜中のサバナ」では、ボビーダーリンに顔つきだけでなく仕草も似ていると思った”ケビン・スペイシー”でしたがその後2004年に監督及び主演でボビー・ダーリン伝記映画の「Beyond the sea(ビヨンド the シー 夢見るように歌えば)」を製作します。
ちなみに「真夜中のサバナ」と同時期にイーストウッドが監督及び主演した「Absolute Power(目撃)」のエンディングで流れたジャズ曲はイーストウッド作曲の”Kate’s Theme”でした。(ケイトは映画の中で疎遠になっていた娘の名) ちなみに「目撃」には婚外子を含むと8人いるというイーストウッドの子供のうち二人の娘達も出演しています。一人はご存知1972年生まれのアリソン・イーストウッドで画学生を演じています。 もう一人は1964年生まれで母親が違うKimber Eastwood(キンバー・リン)で、ホワイトハウス内見学ツアーのガイド役でした。

☆ 1998年 Monterey Jazz Festival
Monterey Jazz Festival(モントレー・ジャズ・フェスティバル)のドキュメンタリーをクリント・イーストウッド監督が制作し、ジャズメンに混じってイーストウッド自身の役で出演しています。 「恐怖のメロディ」にも登場したアメリカ西海岸(カリフォルニアのMonterey)のジャズの祭典の「MJF(モントレー・ジャズ・フェスティバル又はモンテレー・ジャズ・フェスティバル)」は1958年に始まり、クリント・イーストウッドはその役員だそうです。 私は日本語表記で混同してしまいましたが、当然ながら1967年からスイスの湖畔のMontreuxで開催されている「モントルー・ジャズ・フェスティバル又はモントレー・ジャズ・フェスティバル」とは違うのです。
「モントレー・ジャズ・フェスティバル」の輸入版DVDですがリージョン1なのでご注意。
Monterey Jazz FestivalMonterey Jazz Festival(ASIN: 0790737388)
現在はビンテージ価格で入手困難となりました。

「モントレー・ジャズ・フェスティバル」のサウンドトラック
Monterey Jazz Festival3枚組ボックスセットの「Monterey Jazz Festival: 40 Legendary Years [BOX SET] [COMPILATION] [LIVE] [FROM US] 」は現在入手困難となりました。


☆2003年 Mystic River
Dennis Lehane(デニス・ルヘイン)が2001年に発表したミステリー小説を映画化した「ミスティック・リバー」では監督及び製作の他、サウンドトラックの”Mystic River”を作曲しています。 三人の少年、その内の一人が警官を装った二人のペドフィリアに誘拐され四日間の地獄を味わったが一人を殺して逃げ戻った。 そして三人の少年たちはトラウマから人生に影をのこしたデイヴ、刑事になったショーン、こそ泥から町の裏の顔(ヤクザ)となったジミーがそれぞれの道を歩んだ。 ジミーが仲間の”ただのレイ”の裏切りで刑務所送りとなったことを根に持っていて、ジミーの娘ケイティがその憎いレイの息子と恋仲となったことから交際を禁止するが、若い二人は家出して結婚する約束をする。 そんな時、ケイティが殴打された後、ただのレイ(ケイティの恋人のブレンダンの亡き父親)の銃で撃たれるという斬殺死体で見つかった。 エンディングで犯人がジミーが疑って射殺したデイヴではなかったことが判明するという悲劇です。
「ミスティック・リバー」のDVD(カバー画像はポスターのビル・ゴールド)
Mystic Riverミスティック・リバー

「ミスティック・リバー」のサウンドトラックCDに収録されているイーストウッド監督作曲の”Mystic River”は試聴の1番です。
Mystic RiverMystic River (Original Motion Picture Soundtrack)
「ミスティック・リバー」で殺害されたジミーの娘を演じていたEmmy Rossum(エミー・ロッサム)は2004年の「オペラ座の怪人」でヒロインを演じています。

☆2003年 The Piano Blues
「ピアノ・ブルース」はジャズピアノに魅せられたMartin Scorsese(マーチン・スコセッシ)監督等と共にクリント・イーストウッドも関わったドキュメンタリーで、イーストウッドが自身の役で出演しています。
「ピアノ・ブルース」のDVD
The Piano Blues DVD「ピアノ・ブルース」(ASIN: B0006ZXEU2)のDVDは入手困難です。
出演者はピアニストのDave Brubeck(デイヴ・ブルーベック)や、ソウル歌手のRay Charles(レイ・チャールズ)など大勢のジャズマンが出演します。 貴重な映像としては伝説的な名ピアニストといわれたArt Tatum(アート・ティタム)が観られます。
ジェリー・マリガンと一緒のデイヴ・ブルーベックの写真が見られるGerry Mulligan Collection(音声クリップもあり)
アメリカでは2003年に公開され、ブルース連作のうちこの作品だけ、日本ではブルース100周年記念の映画連作プロジェクト「THE BLUES MOVIE PROJECT ~ A Musical Journey」の7作のひとつとして2004年8月15日にWowWowでのみ放映されました。

「ピアノ・ブルース」の輸入盤サウンドトラックCD
Piano Blues Soundtrack現在は入手困難となった「Martin Scorsese Presents the Blues: Piano Blues [SOUNDTRACK] [FROM US] [IMPORT]」(ASIN: B0000A0AZ8)
国内盤の「ピアノ・ブルース」(ASIN: B0000QX2K4)も入手困難です。
☆Audio-Visual Trivia内のレイ・チャールズの伝記映画は「レイ

2004年 Million Dollar Baby
クリント・イーストウッドが監督及び主演した「ミリオンダラー・ベイビー」はゴールデングローブの監督賞などを受賞した話題作です。
Million Dollar Babyミリオンダラー・ベイビー DVD
☆Audio-Visual Trivia内の「ミリオンダラー・ベイビー

映画のエンディングで流れたクリント・イーストウッド監督作曲の”Blue Morgan”が収録されている「ミリオンダラー・ベイビー」のサウンドトラックは試聴が出来る国内盤にリンクを変更してあります。
Million Dollar Baby Soundtrackオリジナル・サウンドトラック「ミリオンダラー・ベイビー」


Rawhide出演映画のチラシが見られるクリント・イーストウッド特集 燃える映画軍団

☆イーストウッド監督について詳しくはAudio-Visual Trivia内のクリント・イーストウッド

クリント・イーストウッドのジャズ関連作品集 Clint Eastwood – Filmography」への4件のフィードバック

  1. Koront Westwood より:

    True Crime も出してくれ~ェ
    曲は Why should I care

  2. koukinobaaba より:

    「Koront Westwood」さんのご要望はごもっともですが、一応クリント・イーストウッドの記事の方にTrue Crime及び”Why should I care”について書いてあります。もっと詳しくこの「クリント・イーストウッドのジャズ関連作品集」の記事にも書きたいと思います。
    http://www.audio-visual-trivia.com/2005/02/clint_eastwood.html

  3. ヒロヤス より:

    「真夜中のサヴァナ」がイーストウッド監督とは知りませんでした! サントラがJohnny Mecer集なのは、Mercerがサヴァナ出身だからでしょう。Moon Riverもサヴァナ郊外の川をイメージして作ったそうです。ジョージア州の古都であるこの街は南方戦争で焦土と化したところとして有名ですね。たしかJames Moody (ts) もサヴァナ出身じゃなかったかな、、、、

  4. koukinobaaba より:

    「ヒロヤス」さん、色々と情報を有難うございます。お恥ずかしいことに私などは”サヴァナ”がどこかも知りませんでした。キライな人がいないようでなんですが、ジョニー・マーサーもジェームス・ムーディも好きです。

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