オーシャンズ12 Ocean’s Twelve (2004)

Ocean’s Twelve
Ocean's 12 DVD
Twelve is the new eleven!
オーシャンズ12 (2004年)

映画界のダニー・オーシャン!
スティーヴン・ソダーバーグのもとに仲間が大集合!
Steven Soderbergh(スティーヴン・ソダーバーグ)監督のOcean’s Eleven(オーシャンズ11)(2001年)の続編で、George Clooney(ジョージ・クルーニー)が演ずるプロフェッショナルな金庫破りDanny Ocean(ダニー・オーシャン)と彼の仲間の物語です。
「オーシャンズ12」のオリジナルである2001年の「オーシャンズ11」は、これ又、1960年に公開されたLewis Milestone(ルイス・マイルストン)監督の犯罪アクション映画「Ocean’s Eleven(オーシャンと11人の仲間)」のリメイクです。 マイルストン監督の作品では1932年の「Rain(雨)」、1946年の「The Strange Love of Martha Ivers(呪いの血)」、1948年の「Arch of Triumph(凱旋門)」が印象深いです。

video「オーシャンズ12」のWarner Bros.オフィシャル・サイトでは現在予告編は観られませんが、ロシアの映画サイトで予告編にエルマー・バーンスタインの黄金の腕が流れるトレーラーが観られるOcean’s Twelve 2004 Trailer – CineMagia.ro
アメリカでは、12月初めに封切られましたが、日本での2005年の1月の公開にさきがけ、George Clooney(ジョージ・クルーニー)、Brad Pitt(ブラッド・ピット)、 「クローサー」のJulia Roberts(ジュリア・ロバーツ)にアカデミー賞を受賞したばかりのCatherine Zeta-Jones(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ又はキャサリン・ジータ・ジョーンズ)の4人が来日して前作では実現しなかったジャパン・プレミアに出席します。 2002年の「Chicago(シカゴ)」でアカデミーの助演女優賞を獲得したイギリス女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズは「ジュエルに気をつけろ!」などに出演したMichael Douglas(マイケル・ダグラス)と2000年に結婚して子供が二人いるのにとてもセクシーです。
ちなみに2004年の「オーシャンズ12」では撮影後の編集助手だったRyan Piers Williams(ライアン・ピアーズ・ウィリアムズ)が2010年の「The Dry Land(ドライ・ランド)」を監督します。 ライアンは2007年から交際していた人気TVドラマ「Ugly Betty(アグリー・ベティ)」のAmerica Ferrera(アメリカ・フェレーラ)が映画「ドライ・ランド」に出演した後に婚約したとか。

「オーシャンズ11」の出演メンバーが勢揃い、昔かっこよかったElliott Gould(エリオット・グールド)が今回もオーシャンの仲間の一人のReuben Tishkoff(ルーベン)を演じますが、常連としては双子のモロイ兄弟の兄のほうのVirgil Malloy(バージル)を演じたのはCasey Affleck(ケイシー・アフレック)です。(2010年に「The Killer Inside Me」で二面性の警官を怪演します)
☆「おモラシすんなよ!」と爆薬をしかけて土壷(どつぼ)にはまり、マイケル・ジャクソン風に「ポゥー!」とタマを押さえてベガスを停電させる爆破係りのバシャー・ターをDon Cheadle(ドン・チードル)が演じていますがこれがクレジット無しというのが分かりません。 チードルは「ルワンダ」みたいなシリアスな役より「青いドレスの女」や「アイアンマン 2」みたいなコミカルな役が上手い俳優です。 こちらもなぜかクレジットなしですが「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」でスクルージー爺さんを演じた大物俳優のAlbert Finney(アルバート・フィニー)が過去50年間大泥棒だったがユーロ警察のイザベラ曰く逮捕歴なしで現在消息不明と云われるフランス人のGaspar LeMarque(ギャスパー・ルマーク)役で後ろ姿で登場します。(だから、クレジットはなし?、いいえ、ラストでは真正面も) 大活躍したのはルマルクに匹敵する大物と云われるThe Night Fox(ナイト・フォックス)ことルマークの弟子で貴族のフランソワ・トゥルアー男爵(別名モレッティ)はフレッド・アスティア似でダンス上手のフランス人俳優のVincent Cassel(ヴァンサン・カッセル)が演じています。 映画で戴冠式エッグを展示する美術館ホールのランダムに動くレーザー・センサー光線をかわす華麗なるダンスは圧巻。 BGMはフレンチ(モロッコ系)ヒップホップのNikkfurie de La Cautionのインスト曲で”Thé a la menthe(ミントティー)”
ちなみにCG特殊効果が強烈だった2002年の「Irréversible(アレックス)」でモニカ・ベルッチと共演したヴァンサン・カッセルは1999年に結婚して2013年に離婚した後カッセルとは30歳年下のベビーバンプの仏モデルと再婚。
☆ ローマに飛んで来たテスがハリウッドスターに似てるって、「実在の他人になるなんてこと、出来ないわ」と言いながらも妊娠八ヶ月のジュリア・ロバートに化けて到着したホテルのロビーにいたつるっ禿げのBW(Die Hard)が自身の役で登場し、余計なお世話で偽物と見破ります。(ジュリアとジュリアが携帯電話で会話するなど現実と虚構が入り混じるややこしい設定ですが、突然挨拶に来られて驚いたのはジュリア・ロバート、じゃなくタマゴに近づくために有名人を演じさせられるテスです。そこでアカデミー賞の話が出るとは…、ちなみにBWがオーシャンを演じていたらどうだったかな) ソダーバーグ監督も泥棒役で出演する他にびっくりするビッグ・スターのカメオ出演がお楽しみです!

「オーシャンズ12」のあらすじ
大仕事を目論んだダニエル(通称ダニー)なのに仮釈放中に別の州に行っただけだから数ヶ月の刑務所入りで済んだ「オーシャンズ11」の続編でダニー・オーシャンの再婚した妻テスが仲間に加わったがちと”トーンダウン”した感のある「オーシャンズ12」はオーシャンズとフランスの泥棒貴族のタマゴをめぐる泥棒合戦です。
イントロは3年半前のローマ、手首に刺青のラスティ(ブラビ)の映像で始まります。(12でもブラビは良く食べています) ベッドにはラスティがローマで知り合ったユーロポール上級捜査官(刑事)のイザベル(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)がいて「左足の踵が磨り減ってたから、ラスティがフランクと組んだブルガリ強盗事件の犯人を確定できそう。それに髪の毛も1本鑑識に」と話す。 その手がかりのブーツの特徴はまさにラスティ! それで、「こりゃ、まずいぜ」と風呂場の窓から即刻逃げ出すラスティ。

ここからが本編、オープニング・クレジットで流れる曲はOrnella Vanoni(オルネラ・ヴァノーニ)の1970年の歌で”L’Appuntamento(逢いびき)”(ラスティとイザベルがルマークと会うラストでも流れます)。 冒頭は3週間半前のコネティカット、ダニー・オーシャンが高校のバスケのコーチのミゲルという偽名で年金用の銀行口座を開くついでに貸金庫から金庫破りの話しを銀行員にするシーンに続き、再婚した妻テスへの3周年記念用のプレゼントを探しているところにテスから電話。 二人の家に3年前にオーシャンズに約170億円を奪われたカジノのオーナーのベネディクト(アンディ・ガルシア)の一行が来たと暗号(地下室でガス漏れ)で知らせる。 恐ろしくもカジノの金庫強奪から3年後のベネディクトの復讐が始まる。 「やあ、テス、彼(ダニー)はどこだ? 1億6千万ドルに3年分の利子を付けて、一人につき1億9千万ドル、私の金を全額返して貰おう、2週間でだ。 オーシャンズ・イレヴンを探しているのは私だけじゃないよ」と次々と脅しに行く極悪非道(?)のテリー・ベネディクト。 ラッパーになったバシャーも半人前のライナスもネイル・フェチのフランクも、ソール爺も電気技師のリビングストンもルーベンも。 ちなみにテリー・ベネディクトを演じるアンディ・ガルシアは1989年の「ブラック・レイン」でバイクの松田優作に長ドスで殺されたチャーリー刑事を演じ、1996年の「Night Falls on Manhattan(NY検事局)」では汚職警官の父親を調査する羽目になる検事を演じました。
さて、ホテルのオーナーになっているラスティに電話が入り車を爆破してみせて脅す。 「手放すのは辛いよな。 一週間やる」 この一連のシーンでラスティのホテルでトラブっているロン毛の若い客を演じるのは2004年の「In Good Company(イン・グッド・カンパニー)」でScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)と共演して「オーシャンズ11」にもカメオ出演したTopher Grace(トファー・グレイス)なんです。(日本では2007年の「スパイダーマン3」でのヴェノムか2010年の「プレデターズ」の殺人鬼エドウィンぐらいしか知られてない?「顔のないスパイ」のベン・ギアリーはどう?)

こうして、ベネディクト様に脅された誇り高きメンバーは急遽同窓会、俺たちはオーシャンズイレヴン、つまりダニーの子分じゃない!と納得はしないけど、「ダニー・オーシャンと11人の仲間」はベネディクトに利息を付けて返金するか? 手を下せないようにと自首して20年の刑を食らうよりはと次の大仕事に取りかかる。 もう歳だからと抜けた高齢のソール・ブルーム(カール・ライナー)以外、国内はやばいから欧州まで飛んでオランダのアムステルダムへ。(ラスティがローマで出会ったイザベラもいる) アムステルダムに何が? 成功すればヨーロッパの大きな仕事を世話するというマツイ(ロビー・コルトレーン)に会うが、このシーンでの言葉遊びがライナス並みに理解できない。 なぜかセキュリティの暗証番号を知っているマツイからの仕事は外出恐怖症(見せ掛け)という超変人のファン・デル・バウダ(ジェローン・クラッベ)なる超金持ち古物商がターゲット。 ファン・デル・バウデは歴史上で一番古い株券(250万ユーロの価値)の持ち主だそうだがセキュリティは万全で侵入不可能。 Ahab With a Piggyback 白鯨のエイハブ船長みたいに銛を打つ、窓から。(位置が合わずボーガンで狙うバシャでも無理) だから、ジャッキで家ごと持ち上げるって?!(父親が泥棒だったイザベルから以前ラスティが聞いたマックス・シューマンの手口”Schumann Special”) もちろん映画のように大仕掛けではないが私が子供の頃、びっくりしたことに敷地にあった我が家(平屋)を持ち上げて移動しその位置に祖母の家を建てたことがあった。だから、杭を打つぐらいどうってこたない。
さて、映画に戻ると、だけど家の金庫を開けたら小さな狐の置物があった。(今回の件ではベネディクトにダニー一家を脅すように条件を付けた雇い主) 金庫を開けて再生を押すと先客のナイトフォックスからの音声が流れ、オーシャンズは二度目の挑戦者だったらしいと判明。
さて、世界一の大泥棒はダニー・オーシャンか、ヨーロッパで名を知られた大泥棒ギャスパー・ルマークをしのぐという彼の弟子ナイトフォックスことフランソワ・トゥルアーか。 レプリカでいいから私も一つ欲しいほど素晴らしい芸術品で細工した金色(黄色)の卵の中にはダイヤモンドとエナメルで飾られた金馬車が入っているという、ロシアのFabergé Imperial Easter Egg(ファベルジェエッグ)の1897年制作の有名なCoronation(戴冠式のたまご)の強奪をめぐって、もしダニーが勝てばフォックスがベネディクトの金を肩代わりしてくれるとさ。 ホログラムの卵じゃ嫌。 だが、ナイト・フォックス打倒を謳う凄腕捜査官のイザベルの邪魔が問題。 この作戦のために右利きのテスが仲間になってテスを窮地に陥れる左利きで母音を長く伸ばす南部訛りを喋る腹ぼて女優ジュリア・ロバーツに化けるが先に留置場入りしているダニー他仲間に合流することに。 前作では貴重品を運ぶ台車に入った軽業師のイエンが今度はマドリッド行きのバッグに入ります。
だからといって!イザベルの捜査許可証の偽造を指摘し、ライナスにベネディクト事件を認めれば美術館事件の容疑者は全員釈放で本国送還と持ちかけた連邦保安局(FBI?)のセクションチーフ(モリー)がライナスのママ(パパ共々詐欺師)だなんて強引だなあと思ったが成りすましかぁ。 しかも卵がナイトフォックスの護衛付きとはいえバックパック(リュック)だなんて。 オーシャンズと一緒にライナスも同じバッグで列車に乗り込んだよ。 死んだはずのイザベルの父親がナイトフォックスと勝負するダニーとライナスを指南した人物(ナイトフォックスの師匠)だとは。 オーシャンズの打ち上げパーティーにライナスと同伴した捜査官、いや大泥棒の娘イザベル、職場に戻ったってどうせ文書偽造罪だからって泥棒の仲間入りたぁ、お釈迦様でも気が付くめえ。 なんとも込み入った設定で目まぐるしく掴みにくいストーリーの”12”でした。

Ocean’s Twelve (2004) DVD
ページトップの画像は2007年発売の日本語字幕版DVDですが、他にも2005年発売の2枚組「オーシャンズ 12 特別版 (初回限定 BOX仕様 ASIN: B0002YL512)があります。

Ocean’s Twelve (2004) Soundtrack by David Holmes
下記の画像は国内盤のサントラですがリンクはファンキーやサイケな曲を収録した2004年版「オーシャンズ12」の輸入盤サウンドトラックCDです。 映画「オーシャンズ 12」の音楽を手がけたのは「オーシャンズ 11」と同じく北アイルランド出身のエレクトロニック音楽家であるデヴィッド・ホルムス(デイビット・ホルムズ)です。 現在は2005年発売国内盤「オリジナル・サウンドトラック オーシャンズ12」(ASIN: B00069BN24)と共に入手困難となりました。
ocean's 12 soundtrackOcean’s Twelve Soundtrack (ASIN: B00067WJ60)
最後のボーナストラックにDavid Holmesが作曲したタイトルなしの曲(Untitled Hidden Track)が収録されているサントラの試聴はOcean’s Twelve – AllMusic.com

Ocean’s Thirteen 2007
数字の「13」は不吉?いえいえ、ラッキーナンバーです。 日本では2007年8月に公開の「オーシャンズ」三部作の最後(続々編)「オーシャンズ13」には、12番目のTess Ocean(テス・オーシャン)を演じたJulia Roberts(ジュリア・ロバーツ)とIsabel Lahiri(イザベル)を演じたCatherine Zeta-Jones(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は登場しません。 カンケイない! その代わりの呼び物として1987年の「The Big Easy(ビッグ・イージー)」ではDennis Quaid(デニス・クエイド)と、1988年の「Sea of Love(シー・オブ・ラブ)」でAl Pacino(アル・パチーノ)と激しいラブシーンを演じたEllen Barkin(エレン・バーキン)が出演します。(前作にもカメオ出演?) ミダスホテル経営に専心する富豪のルーベン・ティシュコフを騙してホテルを乗っ取り心臓発作を起こさせる裏切りのホテル王のウイリー・バンク(アル・パチーノ)の右腕と呼ばれるアビゲイル・スポンダーです。 かって握手をしたというシナトラなんて糞食らえとルーベンを邪魔者呼ばわりして何もかも奪うなんて! ミダスをバンクにしてしまった! ルーベンの仇、ルールを破ったウィリー・バンクをヤル気のオーシャンズ。 展開がスピーディで会話も複雑。 ダニーとラスティが清掃員を装って標的の客(5つ星ホテルの格付け調査員)が泊まるバンクホテルの1706合室にバイオハザード(有害微生物)を撒き散らすシーンでDuke Ellington(デューク・エリントン)が作曲したCaravan(キャラバン)が流れます。「オーシャンズ11」では Arthur Lyman(アーサー・ライマン)のバージョンがでしたが”Peggy”で知られるイタリアのPuccio Roelens(プッチオ・ローレンス)のスペース・エイジ・ポップかエキゾチカ風な演奏です。 さて、その調査員の隣の部屋に待機していたソール爺が毒ガスを発生させて悪臭を換気口から流して部屋から出し、中華料理店「リン・スー」に導きひどい焼売を食べさせる。 全てホテルの従業員を買収済みの行動。 そのかわりにソール爺が格付け審査員に成り済ます。 そうこうするうちにルーベンの意識が戻って地震を起こすために地下を掘るバシャーからの手紙を読んで回復する。 ホテルに地震を起こさせるため大型削岩機を使用するトンネル計画を続行するために故障したドリル購入の資金が尽きたオーシャンズはまたもやダイヤを狙うナイトフォックスとも裏取引する宿敵テリー・ベネディクトに借金に行く。 なんと倍返しだと! おまけに、バンクが所有ホテルの5つ星を獲得する記念に250万ドルのダイアモンドを買うのだがそれも盗めと強要する。

この「オーシャンズ13」でライナスが気乗りしなかったエイドリアン・ブロディばりの大きな付け鼻で中華富豪ウエン(イエン)の通訳者レニー・ペパレッジに化けたライナス(ディモン)がアビゲイル(バーキン)を誑かすシーンは笑えます。 アビゲイルをギルロイ(ボーン・アイデンティティーなどの脚本やフィクサーを監督したトニー・ギルロイ)という名の媚薬(フェロモン)で誘ってズボンを脱がされあわやという時に、彼女が怪しんだ客の調査を依頼していたFBIのロバート・コールドウエル捜査官が乗り込んできて偽のダイヤを身に付けたライナス・コールドウエルの鼻をグイッともぎ取り連行するのです。(コールドウエルはコールドウエルの?) このロバートFBI捜査官は先にシャッフル改造の容疑でリビングストンをバンクの眼の前で逮捕したのでバンクは新台に全部交換させる。(オーシャンズの目論見通り) ルーベンを連れてラスティがカジノに戻る。 それにしても大物詐欺師とはいえライナスのパパとママがFBIの大物に化けられることが不思議。
オーシャンズを称賛したがためにナイトフォックスのライバル心を煽った罪滅ぼしとしてダニーの依頼に応えて”クジラ”と呼ばれる大口ギャンブラー18人を手配するデニー・シールズが登場します。 ちなみにいっつも喧嘩していっつも一緒の双子のモロイ兄弟のバージル・モロイ(ケイシー・アフレック)はカジノのダイス(サイコロ)に細工するためにメキシコのプラスティック工場で現地人と労働改善運動のストライキにも関わります。 さて、セキュリティ万全なガラスの中のダイヤをどうやって偽物と取り替えるか。 なぜかバンクのグランド・オープンの呼び物は和太鼓と相撲という和ティスト。 ルーレットの玉もダイスも交換してイカサマダイスのイカサマ賭博がご開帳!大揺れの伝説の夜が始まる!ルーレットに一千万ドル!警備システムに影響を与えるマグネトロン(超短波磁電管)は誰が? そして、最後にウィリー(バンク会長)が見たものは!本物のダイヤを金庫ごともぎ取り吊り下げて飛び去るヘリ。 バンクほぞを噛む、ベネディクト様もナイトフォックスも再び敗北を味わった。 エンディングの曲はFrank Sinatra(シナトラ)と握手した会長への花向けか、”This Town”

IMDbで記述されているサントラの曲として、ライナスがアビゲイルを誘惑するため使用した媚薬が漂う時に流れる曲は”Lara’s Theme(ドクトル・ジバゴのララのテーマ)”や、Henri René楽団の演奏で”Hansel And Pretzel(オリジナルは童話のヘンゼルとグレーテルでピクルスみたいな大きな鼻の魔女が登場する殺人ミステリー)”とFrancis Lai(フランシス・レイ)が作曲した1966年の映画のテーマ曲”Un homme et une femme(男と女)”がドイツのJames Last(ジェームス・ラスト)楽団の演奏でなどは収録されていません。 「オーシャンズ13」のサウンドトラック(ASIN: B00JBJWHES)には前述の”Caravann”の他にエレクトロ・ポップスのDavid Holmes(デビッド・ホルムズ)が演奏する怪しげな”The Nose”などなど60年代のダンサブルな音楽が多いアルバムです。
市長は ラストでは、60年にダニー・オーシャンを演じたフランク・シナトラと握手したというバンクに見事復讐できた夜に流れたのはNancy Sinatra(ナンシー・シナトラ)のThese Boots Are Made For Walkin’(にくい貴方)などの作曲者として有名なカントリーのLee Hazlewood(リー・ヘイズルウッド)が作曲した”This Town”、1968年のアルバム「Greatest Hits」(ASIN ‏ : B000002KCX)に収録したFrank Sinatra(フランク・シナトラ)の歌です。 豪勢なラストはオーシャンズが酷い目に合わせた方々への贈り物、例えば本物のホテル格付員にはライナスが置いていった一枚のコインでスロットが大当たり!

ところで、ジョージ・クルーニーが出演だけでなく監督もする映画の第三弾、ロマコメの「Leatherheads(かけひきは、恋のはじまり)」は2008年の11月に日本で公開です。
ちなみに人工衛星を使ってスーダン情勢を監視するプロジェクトの共同設立者であるジョージ・クルーニーですが2011年1月に独立を問う住民投票が行われるスーダン現地でマラリアにかかっていたそうです。

Steven Soderbergh
スティーヴン・ソダーバーグ監督の映画を私が初めて観たのが1989年の「Sex, Lies, and Videotape(セックスと嘘とビデオテープ)」でしたが、Tobey Maguire(トビー・マグワイア)とReese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)が共演した1998年の「Pleasantville(カラー・オブ・ハート)」が印象的でした。 「オーシャンズ11」と「オーシャンズ13」の後も2008年にベニチオ・デル・トロのゲバラで「チェ 28歳の革命」と「チェ 39歳 別れの手紙」など次々と話題作を手掛けましたが、2013年にはソダーバーグ最後の監督と噂される抗うつ剤の副作用をテーマにした「Side Effects(サイド・エフェクト)」を監督します。 元男性ストリッパーのChanning Tatum(チャニング・テイタム)と「The Girl with the Dragon Tattoo(ドラゴン・タトゥーの女)」のRooney Mara(ルーニー・マーラ)が演じるカップルに加えて医師としてJude Law(ジュード・ロウ)とキャサリン・ゼタ=ジョーンズが出演しています。

Ocean’s Eleven 2001
1960年の「オーシャンと11人の仲間」のリメイクとはいえその面影の無い2001年の「オーシャンズ11」は州刑務所内の受刑者、妻に逃げられヤキが回って捕まった通称ダニーこと嘘つきで泥棒のダニエル・オーシャンが仮釈放の面接シーンで始まります。 「仮釈放が決まったらどんな仕事をしますか?」
信用詐欺を繰り返すダニーですから、仮釈放されたら再犯の恐れはあるやなしや。 ジョージ・クルーニーが演じる金庫破りの名人ダニーは保護観察期間中にも関わらず出所後すぐにバーニー・マック(2008年肺炎にで逝去)が演じるフランク・カットン(今はラモーン)がディーラーを務めるアトランティックシティの賭博場に向かいます。 この後ブラッド・ピットが演じるラスティ・ライアンが指南するハリウッドのポーカー賭博場に現れたダニー・オーシャン、もう詐欺です。 「Meet Joe Black(ジョー・ブラックをよろしく)」でのピーナツバターをスプーンで舐めるシーンが可愛いくて好評だったブラッド・ピットは数年後のこの映画では瓶詰めやらアイスやらをやたら舐めまくります。 その仕草はもう可愛いくはないが、武器商人のライマン・ゼルガに変装した詐欺師のソール爺を看取る医師に変装したカツラのブラビは笑える。(笑えないのはソール爺を演じたカール・ライナーが2020年98歳で逝去、息子で「スタンドバイミー」のロブ・ライナー監督がコメントを発表) 「A River Runs Through It(リバー・ランズ・スルー・イット)」の後、ブラビの一押しは1994年にトリスタン(ブラビ)の一大叙事詩「Legends of the Fall(果てしなき想い)」じゃないかと思いますがどうでしょうか。
さて、本題は12人の仲間が必要な大規模なカジノの金庫破りの計画相談です。 ヴェガスの三大ホテル(べラージオ、ミラージュ、MGMグランド)のカジノのオーナーであるテリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)の金庫を狙う仲間を集めようとするダニーとラスティ。 その計画資金をゲットするのはソダバーグ監督が大ファンだというエリオット・グールドが演じる大胆不敵な資産家のReuben Tishkoff(ルーベン・ティシュコフ)です。 エリオット・グールドといえば30年前の1973年の「The Long Goodbye(ロング・グッドバイ)」ではフィリップ・マーロウを演じてかっこ良かったのよ。 グールドは1978年の「The Silent Partner(サイレント・パートナー)」ではChristopher Plummer(クリストファー・プラマー)が演じる銀行強盗サンタの犯行を逆手に取ったがために脅迫される銀行員役でした。

さてスポンサーのお次にゲットするのは犯行時の停電担当となる爆弾屋のバシャー(チードル)、銀行強盗でヘマをやってしょっぴかれる寸前に刑事に化けたラスティがかっさらう。
まずはカジノのイカサマ・ディーラーのフランク、次にゲットする侵入担当の仲間は中国人の曲芸師イェン(シャオボー・クィン)、出演するナイトクラブの曲芸のシーンでArthur Lyman(アーサー・ライマン)の”Caravan(キャラヴァン)”が流れます。 さて次は10人目、豪華マンション住まいで金魚までいるから金は要らない高齢の詐欺師ソール・ブルーム(カール・ライナー)を説得するドッグレース場やラスティが手首の手錠と繋いだゼルダのブリーフケースをホテルに届けるシーンでQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の”Blues In The Night”が流れます。 最後の11人目、もう一人はシカゴの電車内でお仕事中のスリのライナスをボビー・コールドウェル(ライナスの父親)からの紹介だとダニー・オーシャンが仲間に入れる。 「The Talented Mr. Ripley(リプリー)」をひきずったMatt Damon(マット・デイモン)が「The Bourne Supremacy(ジェイソン・ボーン)」へと飛躍する過渡期に親父を越えようとオーシャンの仕事を引き受けるスリのライナスを演じています。
ラスヴェガスの夜景、俯瞰で目映いネオンの海、流れる曲はElvis Presley(エルヴィス)の”A Little Less Conversation(おしゃべりはやめて)”

この他、セキュリティを突破するためハイテク配線の達人であるリビングストン(エディ・ジェイミソン)、運転と車改造を得意とするモルモン教徒のバージル兄弟(ケイシー・アフレックとスコット・カーン)、プロのカード・ディーラーのフランク・カットン(バーニー・マック)がヴェガスに集結! 感情移入して勝手に泥棒の仲間入りしたつもりの私なんぞ、まだ序の口の段階でセキュリティ係のリビングストンが手のひらに描いた道順が汗で滲んでしまった時は冷やっとしました。 ライナスから恐ろしいベネディクトの女のことを聞いた時ラスティが見たのはヴェガスの画廊に勤めるダニー・オーシャンの元妻のテス(ジュリア・ロバート)だった。(ベネデクトとじゃ背が釣り合わん) 盗んでもテスは仲間と山分けできないとラスティはダニーに警告する。 ダニーが出所寸前に離婚届けを送って来た妻のテスのことをベネディクトと結婚したのかと疑ってもいる。 未練タラタラ。 計画通りに行けば金も女も手に入るはずとダニー。

糞まみれのバシャーがひねり出した計画、広島原爆並み核爆発を起こす電磁パルスの巨大ピンチでヴェガスを30秒間停電にする。(バシャーはタマを押さえてスィッチオン!) これでダニーとライナスはセキュリティの赤外線を突破できた。 中国人軽業師の超小柄なイエンと大金1億6000万ドル以上が入っている巨大金庫にたどり着いた二人は無事にお仕事完了。 大金の半分を金庫に残し爆薬をしかけたダニーたちと8000万を無事通過させるか全てをパーにするかの選択を余儀なくさせられるベネディクト。 支配人からS.W.A.T.(スワット)が到着したと伝えられ要求を飲むベネディクトはスワットの正体を知って臍を噛む。 ダニーの現金強奪の真実を知ってテスは涙する。

ダニーがもくろむべガスのカジノ強奪の理由は?大金か?別れた妻のテス(ジュリア・ロバーツ)の奪回か! ダニーの男のロマン、いやロマンスを賭けた一大イベントなるか? トプカピのような赤外線のセキュリティを突破できるか!カジノを停電にできるか!<br>ラストでダニー親分の一番欲しいものをゲットできたオーシャンの仲間がホテル・ベラージオの大噴水を眺めるシーンは感涙に咽ぶハズ。 出所する親分をラスティがお迎えに上がった。 車の中では嘘つきと泥棒が寄りを戻して…

ラスティがヤマを説明するためルーベンスをボックス席に誘うドッグレース場や大事なお荷物(鋼鉄のブリーフケース)が到着するシーンで流れるBGMがクィンシー・ジョーンズ演奏の”Blues in the Night”です。 たいていの挿入曲がセリフ代わりのワンフレーズですがこれはフルで聴けます。 ☆Blues in the Nightについては内の「Blues In The Night

オリジナル「オーシャンと11人の仲間」の出演者であるHenry Silva(ヘンリー・ シルヴァ)を始めAngie Dickinson(アンジー・ディキンソン)やボサノヴァ歌手のイーディ・ゴーメと夫君のSteve Lawrence(スティーヴ・ローレンス)がホテルで開催されている世界ヘビー級タイトルマッチ(ボクシング)の観客としてカメオ出演していると小耳に挟んだのでチェックしたが見つけられなかった。

2001年の前作「オーシャンズ11」のDVD(2010年発売)
Ocean's Eleven
- DVDオーシャンズ11 特別版


Ocean’s Eleven Soundtrack
オリジナル’60「オーシャンと11人の仲間」の音楽はNelson Riddle(ネルソン・リドル)でしたが、リメイクの「オーシャンズ11」もまたレトロなサウンドトラックで、北アイルランド出身のDavid Holmes(デヴィッド・ホルムス)自作自演の”Rodney Yates”、”Gritty Shaker”、”69 Police”、”Stealing The Pinch”などが使用されていますが”Rodney Yates”以外はサントラに収録されています。 バシャーが道路側に三角コーンを勝手に設置してマンホールに消えていくシーンで流れるのは”Gritty Shaker”
Ocean's Eleven '01 SoundtrackOcean’s Eleven Soundtrack
「オーシャンズ11」サントラの試聴はOcean’s Eleven Soundtrack – AllMusic.com
試聴の一番上のTheme For Young Loversはジョージ・クルーニーなどのセリフ入りの他、エキゾチック・サウンドのThe Arthur Lyman(アーサー・ライマン)の”Caravan”や、アグレッシブ!Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)の”Blues In The Night”などが収録されています。
♪ The Arthur Lyman – Caravan

☆砂漠の歓楽都市として名高い当時のラスベガスの雰囲気を最も良く描いた映画と云われるオリジナル60’「オーシャンと11人の仲間」についてはAudio-Visual Trivia内の「Rat Pak(ラット・パック)」

Oceans 8 (2018)
「オーシャンズ」がタイトルにつけば興行成績ナンバーワン! 2018年に死んだというダニー・オーシャン亡き後、今回「Ocean’s Eight(オーシャンズ8)」はガラッと異色、出所時に立派に更生すると誓う女オーシャンは女強盗団を新結成するダニーの妹のデビー!デンジャラスなSandra Bullock(サンドラ・ブロック)を筆頭に美容整形したようにお美しいお姉様方。(アバター効果?) お仲間はケイト・ブランシェット姉御の他にヘレナ・ボナム・カーターやラッパーのリアーナ、それにダイアを身に着けるモデルとしてアン・ハサウェイなどが出演する超豪華な「オーシャンズ・エイト」! 狙うはセレブが集うメトロポリタンのMet Gala(ファッションショー)! 赤外線で守られたお堀の向こうに並んだ大量の宝飾品はどうやってゲットしたか? 前3作に続き中国人のアクロバッターShaobo Qin(シャオボー・チン、もしくはシン)が大活躍!
♪ 懐かしい”Petite Fleur”や”That Doggie In The Window”やCharles Aznavour(シャルル・アズナヴール)の”Parce que tu crois”などの古い曲やCurtis Mayfield(カーティス・メイフィールド)の”Superfly”からバッハの”Fugue In D Minor”まで収録されたサントラではHo-WopシンガーのEamon Doyle(エイモン・ドイル)が歌う”You and Only You”に惹かれる。 もちろんオリジナル”オーシャンズ”のメンバーに敬意を評してSammy Davis Jr.(サミー・デイヴィス・ジュニア)の”Love Is All Around”も。