イーディ・ゴーメ Eydie Gorme

Eydie Gorme (1928年 – 2013年)
日本では恋はボサノバで知られるEydie Gormé(イーディ・ゴーメ) は1940年代からビッグバンドで歌い始めて、1950年代にはバリトン・サックス奏者のGerry Mulligan(ジェリー・マリガン)のようにTommy Tucker Orchestra(トミー・タッカー楽団)に在籍しました。

Eydie Gorme – Blame It On The Bossa Nova (1963) Sample (low-quality)

1963年にリリースされたイーディ・ゴーメの「恋はボサノヴァ(恋はボサノバ)」は全米チャート最高7位を記録して大ヒットとなり、日本でも人気となりました。 この曲はBarry Mann/Cynthia Weil(バリー・マン&シンシア・ウェイル又はワイル)のソングライター・カップルの作品です。

ボサノバが流行った当時には皆がダンスホールでボサノバを踊りました。 サンバやマンボと違って輪になったり集団でのラインダンス風だとパートナーがいなくても踊れる最初のダンスでした。(ツイスト同様に一応二人で組むこともあり) 初心者にはイーディ・ゴーメの”恋はボサノバ”、その後はSergio Mendes(セルジオ・メンデス)の景気の良い”Mas Que Nada(マシュ・ケ・ナダ )”あたりが最高!人気だったようです。 ステップがマンボやジルバと異なっているとしたら片足ずつ軽く跳ね上げる点でしょうか。
イーディ・ゴーメは日本ではボサノバ歌手として有名になりましたが、なんと!ラテン系でなくてトルコ系のアメリカ人だそうです。(父はイタリア系で母はトルコ系だがセファルディなのでユダヤ教なんだとか) 何十年も前の昭和時代には確かイージー・ゴーメと呼ばれていたような記憶があります。(厳密にはスペルが”D”ですからラヂオと同じくイーヂーでしょうか)

ListenWFMUラジオのプレイリストPlaylist for Mike Lupica – February 2, 2003で「You can Listen to this show (RealAudio)」をクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を02:13:00に合わせるとアルバム「Blame it on the Bossa Nova」のDesafinadoが聴けます。
イーディ・ゴーメのBlame It on the Bossa Novaの歌詞はEydie Gorme – Blame It on the Bossa Nova Lyrics – STLyrics.com

Steve Lawrence and Eydie Gorme – The Greatest Hits Vol.2
ページトップのCD画像は” I Just Want to Stay Here and Love You”や”As Long as He Needs Me “など16曲を収録したイーディ・ゴーメとスティーヴ・ローレンスのオシドリ・カップルのアルバム「The Greatest Hits Volume 2」です。
イーディ・ゴーメはSteve Lawrence(Laurence)(スティーヴ・ローレンス)の奥様としても知られています。 そのスティーヴ・ローレンスは1959年のPretty Blue Eyes(恋のブルー・アイズ)や1960年のFootsteps(悲しき足音)などのヒット曲で人気があった現役の歌手なのです。 2001年の映画「Ocean’s Eleven(オーシャンズ11)」には、自身の役でイーディ・ゴーメとスティーヴ・ローレンスがご夫婦そろって出演しています。 イーディ・ゴーメは84歳で2013年に亡くなったので55年間のコンビはお終いとなりましたが、1935年生まれのスティーヴ・ローレンスは健在です。 ちなみに二人の息子うちデヴィッドは作曲家となり、「Bewiched(奥様は魔女)」でアダム君を演じていた子役と同名のDavid Lawrenceです。
イーディ・ゴーメ夫妻の写真集が見られるEydie Gorme and Steve Lawrence Photos – steveandeydie.com

The Gift (aka Recado Bossa Nova)
原曲はRecado Bossa Nova(リカルド・ボサ・ノヴァ、もしくはリカード・ボサノヴァ)という曲ですがイーディ・ゴーメがアレンジして歌った”The Gift(ギフト)”も大ヒットしました。 この曲はブラジルのDjalma Ferreira(ジャルマ・フェレイラ)作曲作詞で英訳した歌詞はPaul Francis Webster(ポール・フランシス・ウェブスター)だそうです。 ちなみにRecadoはポルトガル語でメッセージのことだそうです。
☆ No strings have pearls in a velvet glove …と歌われる”The Gift”の原語歌詞はThe Gift(Recado Bossa Nova) Lyrics

イーディ・ゴーメのアルバム
オリジナルは1963年リリースのイーディ・ゴーメの「恋はボサノヴァ!」は人気があり一時品切れになります。
Blame It on the Bossa Novaブレイム・イット・オン・ザ・ボサ・ノヴァ – 恋のボサノヴァ
この他にも2004年発売の輸入盤「Blame It on the Bossa Nova」もあります。
♪ 試聴はOne Note Samba、The Gift、Desafinadoも聴けるBlame It on the Bossa Nova – Bear-family.com
上記のアルバムは国内盤で試聴がありませんが、他の国内盤にはイーディ・ゴーメが”ラヴ・レターズ”や”フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン”などジャズのスタンダードをしっとりと歌い上げる紙ジャケット仕様の「イーディー・イン・ラヴ」もあり。(♪ 試聴はEydie In Love レコチョク)や、”イースター・パレード”や”セプテンバー・ソング”など季節にちなんだ歌を集めた紙ジャケット仕様の「ラヴ・イズ・ア・シーズン」(ASIN ‏: B001HXY992) (♪ 試聴はLove Is A Season レコチョク)などがあります。

Eydie Gorme & Trio Los Panchos
☆ スペイン語を話す両親の元で育ったイーディ・ゴーメはラテン分野でも大活躍しました。
(トリオ・ロス・パンチョス)とのラテンナンバーのアルバム「Amor/More Amor」も評判です
Amor/More AmorAmor/More Amor
♪ 試聴は類似したアルバムのEydie Gorme y los Panchos -Qobuz
トリオ・ロス・パンチョスをフィーチャーしたロマンチックな”Sabor a Mí(意味は”私の味”)”という曲は2021年に90歳のクリント・イーストウッドが監督及び主演した「Cry Macho(クライ・マッチョ)」で使用されています。

Panchos Y Eydie Gorme
”その名はフジヤマ”で日本賛美をしてくれたTrio Los Panchos(トリオロスパンチョス)は来日して大変人気でしたが、1961年に日本の”雛祭り”をアレンジした”Pobres Huerfanitos(直訳すると悲しき孤児たち、又は哀れなみなしごたち)”も歌っています。(和風に琴を取り入れた”Pobres Huerfanitos”の歌詞は見つかりません) トリオ・ロス・パンチョスはイーディ・ゴーメとは1989年の「Panchos Y Eydie Gorme」(ASIN: B000002DGH)など同名タイトルのアルバムをいくつかリリースしてます。や「Baladas De Amor」(ASIN: B0002IVS9M)などたくさん録音しています。(試聴なし)

イーディ・ゴーメと共に2001年の映画「オーシャンズ11」に出演したビッグ・バンドのリーダーのQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)がボサノバのアルバム「Big Band Bossa Nova」(試聴は)を1962年にリリースしました。 “ビッグバンド/リカードボサノバ”は常に時代を先取りするクインシー・ジョーンズのファンキー・ボッサでメンバー編成は編曲指揮がクインシー・ジョーンズ、トランペットがClark Terry(クラーク・テリー)、 アルトサックスがPhil Woods(フィル・ウッズ)、フルートがRoland Kirk(ローランド・カーク)、ボサノバ通のギタリストというJim Hall(ジム・ホール)をフィーチャーしています。 1970年の映画「Austin Powers: International Man of Mystery(オースティン・パワーズ)」のテーマ曲ともなった”Soul Bossa Nova(ソウル・ボサノバ)”が有名です。
♪ Quincy Jones – Soul Bossa Nova (Big Band Bossa Nova)

Recado Bossa Nova(リカード・ボサノヴァ)といえば、Roy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)やMilt Jackson(ミルト・ジャクソン)などのジャズメンが好んで演奏していますが、なんといってもファンキーなハード・バップの代表テナー・サックス奏者のHank Mobley(ハンク・モブレイ)! 1965年の試聴できるアルバム「Dippin’」(ASIN: B01I5BU9P6)のメンバー編成はハンク・モブレイ(tenor sax)、Lee Morgan(リー・モーガン trumpet)、Harold Mabern Jr.(ハロルド・メイバーン・ジュニア piano)、 Larry Ridley(ラリー・リドレー bass)、 Billy Higgins(ビリー・ヒギンス drums) すごい!

イーディ・ゴーメ Eydie Gorme」への8件のフィードバック

  1. koukinobaabaさん、更新を待ってましたよー!!!!!
    ボサ・ノヴァも夏になると良く聴くんですが、。イーディ・ゴーメは、知らなかったですーー。うつくしぃー女性ですね。要チェック人物です!!メモして、CDショップに行ってみますー。

  2. koukinobaaba より:

    chandelierさん、有難うございます! 待っていて下さる方がいらっしゃるなんて・・・光栄の至りです。 まだ仕事が詰まっていて今日は臨時に休みでした。 来月半ばになればいっぱいアップしますよ。 本当にありがと~~~♪

  3. yosio より:

    イーディ・ゴーメの情報ありがとうございます。
    Swings the Blues は聞いたことないので、手に入れます。
    Giftは何度聞いても飽きませんね。
    Central Oklahomaのサイト、おもしろいです。
    50’s/60’s Cruisin’ Songsなんて、最高。

  4. koukinobaaba より:

    こんな”誕生日”はもうない!というほど楽しい日でしたよ。 有難うございます。
    ゴーメの情報は大変少ないので私自身満足していませんが、見つけ次第補足するつもりです。 リカルド・ボサ・ノヴァは沢山のバージョンがありますが”ギフト”は”ゴーメ”のものですよね。
    又ちょっとアップする暇が無い状態に戻ります。 PCオンチの私がすることじゃないのですが手が足りない時は仕事が廻って来るのでなんとかポチポチと入れ込んでいます。

  5. 匿名 より:

    イーディ・ゴーメは、ボサノバ歌手ではなく、ボレロ歌手として見るべきではないか、諸君。

  6. koukinobaaba より:

    匿名さん、ご意見ありがとうございます。
    ボサノバもボレロもラテンですから、といってラテン歌手とも呼べないほどイーディ・ゴーメのレパートリーはジャズからポップスまでジャンルを超えて広範囲に渡っています。 イーディ・ゴーメが日本で一般的に知られているのがボサノバの歌手ということでしょう。
    ボサノバは50年代後期からブラジルで流行りだした音楽ですから歴史的には日が浅いジャンルであり、その波に乗って当時のイーディ・ゴーメが躍り出たのです。
    ボサノバよりキューバやメキシコでのボレロの方が古いですが、(スペインで18世紀末、ラヴェルは1930年頃)イーディ・ゴーメをボレロ歌手、あるいはラテン歌手とみるとトリオロスパンチョスとの作品が代表的ではないかと思います。
    じっさいに検索キーワードで「ボサノバ歌手 イーディ・ゴーメ」の方が「ボレロ歌手 イーディ・ゴーメ」よりヒットする確立が多いのです。

  7. SVP より:

    ゴーメを知ったのはタバコのCMだったというミーハーで恥ずかしいのですが、2009年の今聞いても美しいです。私が買ったCDは歌詞カードが付いていなくて困ってました。The Giftを聞きたくて探しつづけてここにたどり着きました。いろいろ勉強になり、ありがとうございます。また来ます。

  8. koukinobaaba より:

    SVPさん、コメントをありがとうございます。私もSVPさんと同じようにネットサーフィンで情報を集めてブログに書いているだけです。何か良い情報を掴んだらいつでもご提供下さい。

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