素晴らしき哉、人生! It’s A Wonderful Life (1946)

It's A Wonderful Life
素晴らしき哉、人生!(1946年)

Frank Capra(フランク・キャプラ )監督が19世紀の米国人作家であるPhilip Van Doren Stern(フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン)が1943年に発表した「The Greatest Gift(偉大なる贈り物、又は、いちばんのおくりもの)」を映画化したヒューマン・ドラマで、アカデミー賞にノミネートされ、第4回(1947年)Golden Globe Best Motion Picture Director(ゴールデン・グローブの監督賞)を受賞しました。 初めてパラレル・ワールドを描いた映画だと言われています。 シチリア島出身のフランク・キャプラ監督といえば、1934年に「It Happened One Night(或る夜の出来事)」でアカデミーの監督賞を獲得していますが、身体障害者(躄)など本物の街の乞食たちが登場した1933年の「Lady for a Day(一日だけの淑女)」を監督自らリメイクした1961年の「Pocketful of Miracles(ポケット一杯の幸福)」(ASIN: B004X3Z38Y)をはじめ、1936年にゲイリー・クーパーが主演した「Mr. Deeds Goes to Town(オペラハット)」(ASIN: B004E2YUV0)やジェームズ・スチュワートの主演では1939年の「Mr. Smith Goes to Washington(スミス都へ行く)」(ASIN: B004O5RFLO)など心温まる普通の作品が多いなか、異色作といえば、1967年に65歳で亡くなったJoseph Kesselring(ジョセフ・ケッセルリング)が1939年に書いた芝居を元に狂った老姉妹の猟奇的な犯罪を描いた話を映画化しています。 Cary Grant,(ケイリー・グラント)が主演し不気味なPeter Lorre(ピーター・ローレ)の他にBoris Karloff(ボリス・カーロフ)みたいなRaymond Massey(レイモンド・マッセイ)も登場する怖くてギャグ満載の1944年の「Arsenic and Old Lace(毒薬と老嬢)」が私は好きです。(ブラックだけど、孤独な高齢者に安楽死を!)

そして日本ではあまり知られていませんが、フランク・キャプラは第二次世界大戦終戦間近の1945年8月9日に公開されたという米国民に向けて敵国日本に対する軽蔑と憎悪感を煽るためのプロパガンダ戦争ドキュメンタリー「Know Your Enemy – Japan(「汝の敵日本を知れ」、後半は「アメリカの敵、日本」)」をプロデュースし、クレジット無しで監督した一人です。 音楽はDimitri Tiomkin(ディミトリ・ティオムキン)が手掛け、ナレーターは「The Naked City(裸の町)」のHoward Duff(ハワード・ダフ)や「The Outlaw(ならず者)」のWalter Huston(ウォルター・ヒューストン)などが担当しました。 映画の冒頭が新聞の記事で日本刀での斬首写真というのは衝撃的ですが、真珠湾奇襲を例えて日本を理解できなかったとし、敵を知る必要性を説いている。 純血ではなく諸民族との混血である日本人とはいかなる民族なのか。 世界制覇を目的とした八紘一宇、平均160センチ弱の神の子である兵士は米を食べて忍耐強く至福は死であり戦場における残虐行為は許されるとし、天皇の歴史や残虐性が潜んでいる神道(八百万の神)の他、降伏せずに死を選ぶ理由として靖国神社にも触れている。 キリシタン迫害から200年に及ぶ鎖国の後に来る近代化、天皇への奉仕が天命と言う兵士に受け継がれるハラキリ文化の武士道も紹介されるが、西洋に学んだ軍備やデモクラシー……これが400万もの訓練された兵士を持つ滝国日本の姿である、世界征服か全員玉砕かに賭ける国、狂犬を殺す如く打ち倒す必要があると締めくくられ、硫黄島や沖縄での米陸軍や海軍や空軍の活躍と威力を誇ると、まさにぎゅうぎゅう詰めの一時間足らずのフィルムでした。 ちなみに第二次世界大戦中の米国では保安(スパイ)対策として移民した日本人や日系人は他の国の移民たちと違って収容所で拘束させられた辛い経験があったと日系三世の俳優であるジョージ・タケイが語ったそうです。

「素晴らしき哉、人生!」の主演は生まれ故郷の小さな町を離れることなく暮らした誠実な主人公のジョージ役をJames Stewart(ジェームズ・スチュワート)が演じ、その妻メアリーにはDonna Reed(ドナ・リード)です。 私には1958年からテレビで放映された「Donna Reed Show(うちのママは世界一)」が懐かしいですが、1954年の「The Last Time I Saw Paris(雨の朝巴里に死す)」や1955年の「The Benny Goodman Story(ベニイ・グッドマン物語)」などが知られています。 ちなみにジョージに恋心を抱くメアリーの恋敵といえば奔放なバイオレットですが、演じたのは実生活でも奔放で二度目の夫となる監督のNicholas Ray(ニコラス・レイ)と4年間結婚で離婚後、8年後に4度目の夫となるニコラス・レイの息子(最初の妻の連れ子)のアンソニー・レイと結婚したというGloria Grahame(グロリア・グレアム)でした。(ニコラスとの離婚はアンソニーとグロリアの関係から)

「素晴らしき哉、人生!」は公開当時の不振と後の評判の良さとにかなりの差がありますが、今ではアメリカでは毎年クリスマスの日に必ずテレビ放送されクリスマス映画の定番の一つとなっていて、アメリカ人から最も愛されている映画となっています。 それに、なんと!「未知との遭遇」や「E.T.」で知られるSteven Spielberg(スティーブン・スピルバーグ監督)が一番好きな映画なんだそうです。 そんなことから、1997年にクリスマスイヴに起きたジャンボジェット乗っ取り事件の「乱気流/タービュランス」では機内で上映されている映画は「素晴らしき哉、人生!」です。 レイ・リオッタが演じるサイコパスの連続殺人鬼が血みどろの殺戮を繰り広げているのに。

「素晴らしき哉、人生!」のあらすじ
クリスマス・カードに描かれたタイトルクレジットが終わると雪が降りしきる背景に「ベッドフォード・フォールズ」と書かれた看板に続き電飾で飾られた通りが見えます。 モノクロの絵はがきのような雪降る映像で「Martini’s(マルチーニの店)」のネオンがかかった酒場が見える。 「ジョージを助けたまえ。」「大切な友ベイリーさんをお助け下さい。」などの祈りの声があちこちから聞こえてくる。
そして、天上(天国)では「地上からジョージのために祈る声がする」「彼は今夜を乗り切れるかどうか。」という言葉が星の瞬きとともに発せられる。 そこで元時計職人でまだ翼なしのクラレンスが使者として絶望したジョージを助けるために送られることになる。 何度も失敗したボンヤリさんだが純粋な信仰心を持っているクラレンスは200年以上も翼なしで体裁が悪いからこの使命を果たしたら翼を貰えると期待する。 こうして「トム・ソーヤ」の本を抱えたクラレンスが地上に降りてくるのだが、おっと、その前に肝心なジョージのことを知らなければならない。 割れた氷中に落ちた弟を助けたジョージの子供時代、ジョージとメアリーが”Buffalo Gal”をハモって歌いメアリーの好きな屋敷に願い事をして石を投げた青春時代に高潔な父の急逝で大学行きを止めて町に必要な住宅貸付組合の会社を引き継ぐことになる。 メアリーと結婚してハネムーンに行こうとしたら大恐慌のあおりを受けて銀行が封鎖されて会社が大騒動のシーン、ジョージの銀行に預金者が押しかけた時、カウンターの上を不吉なことの象徴ともいえるカラスが飛び回るのですが、これはフランク・キャプラ 監督の実際のペットのJimmyだそうでよくキャプラ 監督の映画に登場します。(カラスの他にリスまで)
乗っ取りを企む悪徳金融業者のポッターと対抗して旅行用の金で群衆をなだめて廃業を切り抜けたジョージは雨のなか、「新婚さんの部屋」というプレートがかかったメアリーが用意した家に帰る。 暖炉には丸焼きチキン、蓄音機にレコード、テーブルには可愛いディナーセット、そして素敵な奥さん。 ふたりが新婚ディナーを食べる新居というのは雨漏りするボロ家、以前に二人が願い事をして家の窓ガラスを割った時に、メアリーが「将来二人で一緒に住めますように」と願いをかけた「あの家(The Granville House)」なんです。 そのオンボロ屋敷を少しでも新婚さんの居いらしくしてやろうと大雨の中を懸命になって支度をしてくれたのが、Ward Bond(ウォード・ボンド)が演じる警官バートとFrank Faylen(フランク・フェイレン)が演じるタクシーの運転手ニールでした。(そのニールを演じたのは「ドビーの青春」で食品店経営のパパ役でした) ポーチではアーニーとバートの合唱で”Hawaiian Wedding Song(ハワイアン・ウエディング・ソング)”
I Love You Truly (It’s A Wonderful Life) – YouTube

借家住まいの人々が自分の家を持てる住宅貸付組合のベイリー・パーク、町を牛耳るポッターはそのジョージを年俸2万ドルで雇いたいと申し出るがけんもほろろに断る。

ジョージが必死で働き、子供が次々と四人生まれ、戦争も始まった。 子供時代の耳の障害から徴兵は免れたが祖国のために奮闘、そんな第2次大戦も終わった頃、町じゅうの人々がクリスマスを祝って楽しんでいる雪の降るクリスマスイヴ、金融検査官が来ているというのに会社の大金が紛失する大事件が起こります。 銀行に預金しようとしてビリー叔父さんが置き忘れた会社の金8000ドル(豪邸が建つほどの額)をポッターが持ち去ったとも知らず血眼で探し回る二人。 あの金がないと会社は倒産、刑務所行き。
クリスマスの準備に忙しい家に戻って悪態付き放題の大暴れで家族に当たり散らしたジョージだったが、病気で寝ていた末娘のズズの願い、「大好きな薔薇の花びらをなおして。」には優しく対応したのです。 そして家族のことを考えて意を決したジョージはポッターに借金を申し込みに行くのです。 ところが過去に根を持つポッターは「担保は生命保険だけ、死んだ方がましだな。会社の金を横領したのか、州の検察官がいるうちに株主として逮捕させる。」と電話をかけようとする。 いたたまれずに雪降りしきるなか友人のマルチーニの酒場「Martini’s」に行き神に祈る。 川にかかった橋までやってきたジョージ、生命保険証書を懐に飛び込もうと決心したとたんに水音がして冷たい川の中で誰かが「助けて!」と叫んでいる。 我を忘れて上着を脱いだジョージも飛び込んだ。 番小屋に係員に助けられたジョージと先に飛び込んだ男、マーク・トウェーンの新作「トム・ソーヤ」を持っていた。 これがジョージの子供時代からずっと見ていた堕天使のClarence Oddbody(クラレンス)。 羽のない天使”天2”、つまりまだ翼をもらえないAS2(Angel, Second Class)二級天使。
ジョージを助けるのが使命のジョージのガーディアン・エンジェル(守護天使)はジョージが言った「生まれなかった方がましかも。」に名案が浮かびました。 天使のクラレンスを演じているのが1940年代の名傍役、Henry Travers(ヘンリー・トラヴァース)です。

クラレンスは今や自殺願望のジョージに恐ろしい世界を体験させます。 ちょっとチャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」みたいです。
Angel AS2: Clarence Oddbody – YouTube
もしこの世にジョージが存在しなかったら…
You see, George, you really have had a “Wonderful Life.”
吹き荒れていた吹雪が止み、ジョージの耳が聞こえるようになり、殴られた唇から流れる血が止まり、住んでいた町の名前はベッドフォード・フォールズではなくポッターズヴィル。 マルチーニの酒場と思ったらニックの店だった。 顔見知りはいるが別人のよう。 つまり「ジョージが生まれていなかったら、世の中はこうなっている」という未来を天使が見せているのだ。 今は何の身分を証明するものは持っていない、可愛いズズの薔薇の花びらだって。 驚いて家に帰ろうと歩いていくとそこは「ポッターズヴィル」と看板が立っている歓楽街。 ここにあった「住宅貸付組合は?」と町の人に聞くととっくに潰れたと言い、タクシー運転手のアーニーに「シカモア320番地」へ乗せてもらうが20年間空き家だという。 結婚式の日にポーチでアーニーと一緒に歌ってくれた警官のバートもジョージを知らない様子。 ベイリーパークは墓場、そこには子供の頃氷の穴に落ちて水死した弟のハリーの墓があった。 一人の人生は大勢の人々に影響を与える。 そんな素晴らしい人生を捨てようとしたジョージ。 オールドミスのメアリーを追って警官に発砲されて逃げてきたのが橋の上、クラレンスに助けを求めて「妻子の元に返れるならどうなってもいい、もう一度往きたい。神よ、どうか私に生きるチャンスを」 と祈っていると先ほどのパトカーがやって来た。 しかも「ショージ、町中探したよ。車を木にぶつけたままで、唇から血が出てるぞ」 これを聞いたジョージ、ポケットを探るとズズの花びらが。 身投げしようとした橋の上で、天使の見せた幻影から覚めて我に返った時のジョージの歓喜の叫び、「メリー・クリスマス!」は家路に走って帰る間じゅう続くのでした。 「生きてさえいられるなら刑務所行きだってどうってことはない!」 ボロ屋にまっしぐらに戻ったジョージは以前はむかついていた階段の取れかけた手すりのタマネギ(擬宝珠)にさえキスをする。 外から帰ってきたメアリーは「素晴らしいことが起こったの」とジョージをクリスマスツリーの前に立たせる。 ビリー叔父さんがバスケット一杯のお金をテーブルに積み上げる。 町中の人がジョージのためにと寄付をしてくれたのだ。 娘のピアノ伴奏で賛美歌の98番「天にはさかえ」から「オールド・ラング・ザイン(蛍の光)」へ。 家族や町の人々の温かさに改めて人生の幸福を噛み締めたジョージでした。
そして、ジョージがプレゼントの中から見つけた「トム・ソーヤの冒険」の本、メアリーが「これは何?」と聞くとジョージは友達からだと言った時、クリスマスツリーが揺れて飾りの鐘が一斉に鳴ったのを聞いてズズが言います。 「天使が翼を貰ったのよ」

It’s a Wonderful Life: The Rest of the Story
☆さてさて、2013年になって続編の「イッツ・ア・ワンダフル・ライフ:ザ・レスト・オブ・ザ・ストーリー」が製作されるなんて噂が聞こえてきましたが、パラマウント・ピクチャーズの映画化権を取得できるのでしょうか。

「素晴らしき哉、人生!」のトレーラーはIt’s A Wonderful Life Trailer – Videodetective
It’s A Wonderful Life opening – YouTube
It’s A Wonderful Life ending – YouTube

「素晴らしき哉、人生!」の終盤のシーンでジョージは町の人々からのその山のようなプレゼントやカンパ金の中に天使のクラレンスが残していった本、アメリカの国民的作家であるMark Twain(マーク・トゥエイン)の「Adventures of Tom Sawyer(トム・ソーヤの冒険)」を見つけます。
その本の内表紙にはこう書いてありました。
Dear George:
Remember no man is failure
who has friends.
Thanks for the wings!
 Love
  Clarence
親愛なるジョージへ
友だちのいる敗者なんていないってことを忘れないで
天使の羽を有難う!
 愛をこめて
  クラレンスより

ジョージがカンパの山から見つけた「トム・ソーヤの冒険」は天使のクラレンスが読んでいた本でした。 人間を中心とする自由主義的な宗教観を持つ「マーク・トゥエイン」の書いた本を神様に仕える天使が読んでいるなんて…ね。 つまり、「人間は人間にしか助けられない」という作家の本を読んでいる天使が人間を助けたワケですから皮肉なお話しです。
実生活で事業の失敗など波乱万丈な人生を送った旅行記作家でもあるマーク・トゥエインは世界一の毒舌家といわれます。 著書「マーク・トゥエイン150の言葉」の目次の最初は「人生について」で、諸行無常の人生観を持つマーク・トゥエインの辛口ユーモアを読むことが出来ます。 ま、世の中そんなに暗いことばかりじゃないけれど。

それから、そのクリスマスの晩のカンパのラスト・シーンで、天使のクラレンスも入って出演者全員で歌う”Auld Lang Syne(蛍の光)”大合唱がありました。 1966年の「Alfie(アルフィー)」のMichael Caine(マイケル・ケイン)が主演した1971年の「Get Carter(狙撃者)」でも子供たちのマーチが奏でる曲として”When the Saints Go Marching In(聖者の行進)”に続いてこの”蛍の光”が挿入されています。 この古いスコットランド民謡は、スコットランドの詩人であるRobert Burns(ロバート・バーンズ)が書いた歌詞によって国歌に も匹敵するものだそうで、新しい年に向けて歌うそうです。
Auld Lang Syne
Should auld acquaintance be forgot,
and days o’ lang syne?
For auld lang syne, my dear, for auld lang syne;…
※Auld Lang Syne(オールド・ラング・ザイン 蛍の光)の日本語の歌詞は蛍の光(小学唱歌集) Wikipedia

It’s A Wonderful Life DVD
「素晴らしき哉、人生!」の2001年や2005年発売の日本語字幕版や500円DVDは入手困難になりましたのでリンクは2013年版になっています。
素晴らしき哉、人生! [DVD]
☆2013年発売のブルーレイ「素晴らしき哉、人生! ジェームズ・スチュワート ドナ・リード CID-5011 」(ASIN: B00K7O1Q2U)や1995年発売の日本語字幕版のVHS(ASIN: B00005G1A3)もあります。

It’s A Wonderful Life Soundtrack
Nick at Nite: It’s a Wonderful Life, The Record
☆サントラはMP3アルバムの「It’s A Wonderful Life (The Original Motion Picture Soundtrack)」(ASIN: B004SAXIKM)や1997年盤のサントラもあります。(ASIN: B00002EQ1Q)
♪ 試聴はIt’s A Wonderful Life (The Original Motion Picture Soundtrack) レコチョク
☆「素晴らしき哉、人生」で音楽を担当していたのは「リオ・ブラボー」や「アラモ」で使用された”皆殺しの歌”や”Rawhide(ローハイド)”などの作曲で有名なディミトリ・ティオムキンです。 残念ながらサウンドトラックには、天国で流れた”Twinkle, Twinkle, Little Star”や最後の”Auld Lang Syne”などは収録されていませんが、ジェームズ・スチュワート&ドナ・リードのが歌う愉快な”Buffalo Gal”は収録されています。
ディミトリ・ティオムキンは当初ベートーヴェンの”Ode to Joy(第九)“を予定してたらしいです。 それをキャプラ監督が”Auld Lang Syne(蛍の光)”に差し替えたのだそうで、このことが二人の仲を裂き、二度と一緒に仕事をすることはなかったと云われています。
第九か、蛍の光か。 それが問題だ!
Songs of Guy Lombardo – Auld Lang Syne – YouTube

特殊効果
大量の雪を必要としたこの「素晴らしき哉、人生!」で新しいタイプの合成雪を開発したThe RKO Effects Departmentは”The Motion Picture Academy”の特殊効果特別賞を受賞しています。 従来は音がうるさいポップコーンを白く塗った雪を使用していたのですが、消火器用の科学泡剤・石鹸・水などから作られた合成雪を高圧ポンプで吹き出して音もなく降る雪を演出し、6000ガロン(1ガロンは約3.8リッター)もの合成雪が使用されたそうです。 ちなみに2000年のパラレルワールド映画「The Family Man(天使のくれた時間)」でも雪が印象的で、真っ黒なドン・チードルが演じたキャッシュ・マネーがクラレンスの役どころでした。

Philip Van Doren Stern
19世紀の終わりにペンシルバニアに生まれたフィリップ・ヴァン・ドレン・スターンは「クリスマス・キャロル」風の夢を見て1943年に「素晴らしき哉、人生!」の元となったファンタジーの短編小説「The Greatest Gift」を書きました。 本国では南北戦争やリンカーンに纏わる実話小説の方が知られているそうです。 人生に失敗し自殺しようとしていた男を天使が導くという空想話「The Greatest Gift」はフランク・キャプラ 監督の手により誰もが知るクリスマス映画の古典となったのです。 シナリオそのものもベストセラーとなり「素晴らしき哉、人生!」に纏わる書籍やお料理本まで出版されたのだそうです。 ところが当初、作者であるフィリップ・ヴァン・ドレン・スターンは自作の本を売ることが出来ず、結局自前でで200部を出版して友人にクリスマス・プレゼントとして贈ったそうです。 それを大変気に入った友人の一人がハリウッド関係者だったのでプロデューサーに話が持っていかれたそうです。 こうして1947年にValentine Davies(ヴァレンタイン・ディヴィス)が書いてGeorge Seaton(ジョージ・シートン)が監督した「Miracle on 43rd Street(三十四丁目の奇蹟)」と共にクリスマスには欠かせない定番映画となった次第です。

Audio-Visual Trivia内のジミー・スチュワートの出演映画
ジェームズ・スチュワートは1953年のSeventh Heaven(第七天国)や1953年のThe Glenn Miller Story(グレン・ミラー物語)など50年近い俳優生活の間に80本以上の話題作に次々と出演してきました。
地上最大のショウ
街角 桃色の店
めまい
媚薬

「Audio-Visual Trivia」内のクリスマス関連映画
ディケンズの「クリスマス・キャロル」はA Christmas Carol
1940年の「街角 桃色の店」はThe Shop Around The Corner
1947年の「三十四丁目の奇蹟」はMiracle on 34th Street
1954年の「ホワイト・クリスマス」はWhite Christmas
1964年の「サンタ対火星人の宇宙大戦争」はSanta Claus Conquers the Martians
1968年のクリスマス・ツリーはL’arbre de Noel
2004年の「恋のクリスマス大作戦」はSurviving Christmas
2004年の「ポーラー・エクスプレス」はThe Polar Express
2006年の「クリスマス大決戦!」はSanta Clause 3: The Escape Clause
2007年の「ブラザーサンタ」はFred Claus
2008年のヴィンス・ヴォーンのXmas映画は「Four Christmases