シャーク・テイル Shark Tale (2004)

Shark Tale (2004) VHS (ASIN: B0006JMLT8)
Shark Tale VHS
海の底でも浮世のしがらみ!
シャーク・テイル(2004年)

Disney & Pixarの「Finding Nemo(ディズニー&ピクサーのファインディング・ニモ)」の大ヒットに続かんと、打倒ディズニー!の意気で優秀なスタッフが集まったDreamWorks(ドリーム・ワークス)が製作し「シュレック」のVicky Jenson(ヴィッキー・ジェンソン)と「ガリバー旅行記」のRob Letterman(ロブ・レターマン)やBibo Bergeron(ビーボ・バージェロン)などが共に監督した「お魚」CGアニメです。 海底系アニメには「ファインディング・ニモ」の他にも 「The Little Mermaid(リトル・マーメイド/人魚姫)」や「The SpongeBob SquarePants Movie(スポンジ・ボブ/スクエアパンツ)」などあり全てお子様向けでしたが、この「 シャーク・テイル」は人喰いならぬベッジー(菜食主義)の息子を持ったヤクザなサメやセクシー美女(美魚)との恋や高利貸しが登場する一風変わったアニメで大人も(が)楽しめます。

このアニメで声優として出演しているのは海底のお魚世界で最下位というチビの雑魚(ざこ)、じゃなかった、ホンソメワケベラのオスカーを担当したWill Smith(ウイル・スミス)、そのオスカーが仕事場のボスでサメ同様に高利貸しでもあるフグ(ハリセンボン)のサイクスに借金返済の期限をきられて困っていた時におばあちゃんの形見を育てたピンクパールを質草にと差し出すほど惚れている可愛いマリン・エンゼルフィッシュ(キンチャクダイ)に「Deceiver(ライアー)」のRenée Zellweger(レニー・ゼルウィガー又はレネィ・ゼルウィガー)、ライオン・フィッシュ(ミノカサゴ)のファム・ファタルに「Lara Croft: Tomb Raider(トゥームレイダー)」のAngelina Jolie(アンジェリナ・ジョリー)、ホオジロザメのマフィアのボスを担当したRobert De Niro(ロバート・デ・ニーロ)、ボスの息子だけど兄のフランキーとは違ってベジタリアンのレニーには「Kung Fu Panda(カンフー・パンダ)」のJack Black(ジャック・ブラック)、ボスの友人である老テンジクザメのDon Feinberg(ドン・フェインバーグ)の声は2011年に亡くなった「Columbo(刑事コロンボ)」で有名なPeter Falk(ピーター・フォーク)、それになんと! 海底ではサメの次に位置するおしゃべりなフグのサイクスの声を担当しているのは「The Aviator(アビエイター)」を監督したMartin Scorsese(マーチン・スコセッシ)で、ロバート・デ・ニーロが監督及び主演した1993年の「A Bronx Tale(ブロンクス物語/愛につつまれた街)」や1974年の「The Godfather: Part II (ゴッドファーザー)」のパロディともいわれていますから、大人しか「シャーク・テイル」で使用されたジョークは分からないかもしれません。 ちなみにマーチン・スコセッシは1976年の「タクシードライバー」からスコセッシ監督が初めて光学式 FXを使用し、1962年のオリジナル「恐怖の岬」で復讐される弁護士サム・ボーデンを演じたグレゴリー・ペックが復讐するマックス・キャディ側の弁護士を演じキャディを演じたロバート・ミッチャムがエルガート警部を演じた1991年の「Cape Fear(ケープ・フィアー)」(デニーロとジュリエット・ルイスとのディープキスは衝撃)など何作もロバート・デ・ニーロの主演映画を監督しています。 Martin Brest(マーティン・ブレスト)監督の痛快コメディ「ミッドナイト・ラン」からは想像も出来ない恐ろしい「ケープ・フィアー」でデニーロは復讐相手の愛人を誘惑してレクター博士みたいに頬を食いちぎった恐怖の犯罪者を不気味に演じました。 これとは全く違う嗜眠性脳炎の難病患者を演じた1990年の「Awakenings レナードの朝」もすごい、デニーロはすごい。 「ゴッド」も「シャーク」も映画の内容はどちらもイタリア・マフィアのお話で二人ともイタリア系です。
声優にそっくりな「マフィア・シャークとお魚キャラ」が、「タイムズスクエア風のファンタスティックな海底都市でヒップ・ホップ!」 と聴くだけでも面白そう! 人間の世界そっくりなこの海底都市の映像はとても奇麗でコマごとに静止してじっくり観たいほどです。 Bee Geesの You Should Be Dancingに乗って「Saturday Night Fever(サタデー・ナイト・フィーバー)」のJohn Travolta(ジョン・トラヴォルタ)そっくりに踊るオスカーのディスコ・シーンやクジラのカーワッシュも愉快。

アメリカでは2004年10月に公開されましたが、日本公開は2005年3月、春休みになる頃だけど子供達が観てもいいの?
「シャーク・テイル」のオフィシャル・サイトは現在はアクセス不可ですが、予告編が観られるのはShark Tale Trailer – IMDb
シャーク・テイルのスチール集(写真)はShark Tale Photos – IMDb (All Posters)

In The Fish-eat-fish world, Eat The Shrimp! Drink Coral Cola!
シャーク・テイルのあらすじ
以下のあらすじはかなり細部まで書かれているのでこれからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。食うか食われるかのお魚世界「リーフ・シティ」、先ずは楽天家のレニーが冒頭に登場。 レニーはボスサメ(鮫)のDon Lino(ドン・リノ)の息子のくせにお肉(魚)を食べない菜食主義者(魚)で人畜無害のティーンエイジャーです。 タイタニックと思しき海底の沈没船を隠れ家とするマフィアのボスはロバート・デ・ニーロそっくりにホクロがあるサメで、そろそろ若い息子たちにも仕事をさせようと考えています。 子供は兄のフランキーと弟のレニー。 サメらしく殺し屋気質の兄に比べてレニーときたら……

shrimp「ホラ、この小エビを食え!」とカクテルグラスから1尾取り上げてパパサメがレニーに強要。 「僕はダイエットしてるからシュリンプはダメなんだ、カロリー高いからね。」と言い訳していたレニーも最後にはキレてパパに反撃、小エビを逃がしてやる。 ゴミを食べるパパに息子ネズミが「パパ、だまってて!」と怒った「Ratatouille(レミーのおいしいレストラン)」がちょっと似ています。 「シャーク・テイル」ではこのシュリンプのエピソードも秀逸。

一方、オスカーは金を返そうとサイクスに会うつもりでレース場に行ったのにその大金を幸運日だからと大胆にも一発勝負でタツノオトシゴ競争に全額賭けてしまったのです。 その競”竜”場で出会ったのが色っぽいドラゴン・フィッシュのローラ。 ”Gold Digger”に合わせて豪華なヒレを振ってきらびやかに踊り、大金を賭けたオスカーを誘惑します。 ウィンク。 でも事情を察知すると、「勘違いしないで、あなたは可愛いけどただの雑魚よ。」 ガーン。

レースではなんとオスカーが賭けた7番竜はゴール寸前でダウン。 負けたオスカーがサイクスと用心棒のクラゲコンビに人(魚)里離れた寂しい地に拉致され、ゲームに興じるジャマイカ・クラゲの猛毒(電気)で処刑という目に合わされている頃、レニーは兄のフランキーにサメらしくなる特訓を受けている。 その標的がなんと縛られたオスカー。 大きな口を開けて迫るレニーがオスカーにささやいた。 「合図するまで動いちゃだめだよ。」と襲っているふりをしたが縛られているオスカーは動けない。 それを見たフランキーが「俺がやる!」とばかりにオスカーに突撃、バグッと、と思いきや、突如降りてきた大錨に当って倒れてしまった。 レニーが錨の鎖を切って取り去っても無駄だった。 獰猛なフランキーは事故死(交通事故じゃなくてイカリ事故)。 そこに戻ってきたのはサメを見てオスカーを置き去りにして逃げた悪党のジャマイカ・クラゲのコンビ、死んだサメの側にいたオスカーを見ると「お前がこのサメをやったのか?」 クジラ・ワッシュでクジラの舌を洗う仕事をしているオスカーは、海のボスであるサメの下に位置するフグより、その配下のクラゲよりそのまた下のクジラよりずっとずっと下!と言われて、レニーの自慢のパパはだたの鯨のベロ洗いと笑われて、なんとかこの世界でのし上がろうという野望を抱いてきたオスカーです。 富と名声を手に入れたい! よって、この偶然のフランキーの事故死に乗じてサメを恐れる仲間のヒーローになれるとばかりにオスカーが殺し屋(Shark Slayer)を名乗ってしまったのですが、当然パパサメの逆鱗にふれて事態が悪い方向に。 ちなみに”Sharkslayer(意味はサメの巣穴かサメ殺し屋か?)”はオリジナルのタイトルだったそうです。
危険なジャマイカのクラゲについてはAudio-Visual Trivia 内の「Fool’s Gold(フールズ・ゴールド カリブ海に沈んだ恋の宝石)」

リーフシティに戻ったオスカーの生活はどん底から一転、最上階のペントハウスで優雅な暮らしとなります。 サイクスはオスカーのマネージャー(護衛)となりこれまでは鼻にも引っかけなかった金目当てのローラはガールフレンドとなりました。 家出したレニーはオスカーと友達となって洗鯨場で働くこととなりましたが、働くためにイルカに化けた時のサメのレニーの名前は”Sebastian(セバスチャン)”だとか。
一方、フランキーを殺されて復讐を誓ったパパザメはアンジーを人質(魚質)に取りオスカーに協議を強要します。 金の亡者とわかってオスカーがふったから逆上したローラはアンジーを誘拐してサメボスの元に連れていったのです。 オスカーが乗り込むとなんとアンジーはまな板の鯉、じゃなくて皿の上のエンゼル。 話の具合如何ではアンジーはパパサメに食われてしまうのです。 レニーの機転で皿のアンジーは助かりましたが追われたオスカーはとうとうサメ殺しは自分でないことを仲間の前で白状しました。
最悪となった事態がめでたく収束した後、オスカーがマネージャーをまかされた洗車場ならぬ洗”鯨”場にはサメたちも顧客となりましたとさ。 カーワッシュ!カーワッシュ!

Shark Tale DVD
ページトップの画像は”Shark Tale”の輸入版のVHSビデオ(英語)です。
こちらの画像は2005年発売の「シャーク・テイル」の日本語/英語字幕版DVDですが現在は入手困難になっているのでリンクは2009年版になっています。
Shark Tale DVDシャーク・テイル スペシャル・エディション


Shark Tale Soundtrack
Car Wash! Car Wash!
「シャーク・テイル」の音楽を担当したのは2005年のアニメ「Madagascar(マダガスカル)」でもサントラを手がけたドイツ出身のHans Zimmer(ハンス・ジマー)ですが、Elton John(エルトン・ジョン)のPVが好評な’N Sync(イン・シンク)のJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)、そして70年代のChristina Aguilera & Missy Elliott(クリスティーナ・アギレラとミッシー・ エリオット)の”Car Wash(カー・ウォッシュ)”、Ludacris(リュダクリス)の”Gold Digger”などラップやヒップホップやディスコ・ミュージックがいっぱいのサウンドトラックです。 サントラには収録されていませんが懐かしいBoots Randolph(ブーツ・ランドルフ)の”Yakety Sax”やTheme from Jaws(ジョーズのテーマ)も使用されました。
shark Tail Soundtrackシャーク・テイル~モーション・ピクチャー・サウンドトラック
サントラの試聴は「Shark Tale Soundtrack – Amazon.com
“Y’all small tuna fish, I’m one big catch…”と歌われる歌詞はCar Wash (featuring Missy Elliott) Lyrics – Genius.com
Shark Tale – Car Wash – YouTube

2001年に公開されたドリーム・ワークスのアニメでJohn Cale(ジョン・ケール)の”Hallelujah”が使用された「Shrek(シュレック)」では「Austin Powers(オースティン・パワーズ )」のMike Myers(マイク・マイヤーズ)やEddie Murphy(エディ・マーフィ)、そして「イン・ハー・シューズ 」のCameron Diaz(キャメロン・ディアス)などが声を担当しています。 2004年にTom Waits(トム・ウエイツ)の”Little Drop of Poison”や、60年代のテレビシリーズの「Rawhide(ローハイド)」や「Hawaii Five-O(ハワイ5-O)」のテーマが使用された続編の「Shrek 2(シュレック2)」でしたが、Nancy Wilson(ナンシー・ウィルソン)の”I’ve Never Been to Me(愛はかげろうのように)”がサントラに使用された2007年にはJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)も声を担当した「Shrek the Third(シュレック3)」が公開されて人気シリーズとなります。 2010年には「Shrek Forever After(シュレック フォーエバー)」が公開されます。

「シャーク・テイル」は2005年1月25日に発表の第77回アカデミー賞のBEST ANIMATED FEATURE FILM (長編アニメ映画賞)にノミネートされました。

声を担当したウィル・スミスはデビューしてすぐにグラミー賞最優秀パフォーマンス賞を受賞したというラップ歌手兼俳優で、2001年のMuhammad Ali(モハメド・アリ)の伝記映画「Ali(アリ)」で主演してアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされています。 「シャークテイル」の後は2004年にIsaac Asimov(アイザック・アシモフ)の原作を元にしたSF映画「I, Robot(アイ,ロボット)」に主演し、その後にも2007年に日本公開のSF映画「I Am Legend(アイ・アム・レジェンド)」があります。 2008年の「Hancock(ハンコック)」ではウィルが演じる主人公が記憶喪失で退院するときに病院で”Sign your John Hancock”と言われてJohn Hancock(ジョン・ハンコック)とサインしたジョークが取り入れられています。(J.ハンコックは米政治家で黒人女性作家を擁護して署名した)