Ryan Phillippe as Simon Cable in The I Inside
Ryan Phillippe
金髪に青い目の美少年は昔々から妖精物語の王子様の典型です。 カールした金髪がまるでイタリアルネッサンスの絵画や彫刻を思わせるような美形のライアン・フィリップ(ライアン・フィリピ)を私が初めて見たのはRoger Kumble(ロジャー・カンブル)が1999年に監督した「Cruel Intentions(クルー エル・インテンションズ)」でした。 この時ライアン・フィリップは25歳くらいで、第一印象はなんて可愛い青年でしょうと思いましたが、映画ではなんていやらしいんでしょうと思うくらいにセクシーな役でした。
テレビのお昼のメロドラマ番組でゲイの青年を演じて話題となったライアン・フィリップですから当初はセクシーが売りのようでしたが、Taekwondo(テコンドー)の有段者だとかでかなりマッチョですからアクションもいけます。 端役でしたが1995年にDenzel Washington(デンゼル・ワシントン)とGene Hackman(ジーン・ハックマン)が出演した潜水艦を舞台にした海軍ドラマの「Crimson Tide(クリムゾン・タイド)」で通信班の若手グラッタム二等兵役で映画デビューしました。 マツエクのようなぱっちりまつ毛のライアンは周りの年季が入った脇役陣の中に囲まれ一番可愛い乗組員でした。 「クリムゾン・タイド」を監督したのは1986年の「Top Gun(トップガン)」などを監督したイギリス人のTony Scott(トニー・スコット)で2005年に「In Her Shoes(イン・ハー・シューズ)」を共同制作したRidley Scott(リドリー・スコット)の弟だそうです。(2012年8月にロス市内の橋から飛び降りて亡くなり遺書には理由は記されていなかったが抗うつ剤と睡眠導入剤が検出されたとか)
ライアン・フィリップは1997年にホラー映画の「I Know What You Did Last Summer(ラストサマー)」では「Garfield: The Movie(ガーフィールド)」の獣医役で知られる若手女優のJennifer Love Hewitt(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)やSarah Michelle Gellar(サラ・ミシェル・ゲラー)と共演した他、華やかなStudio 54(ディスコ界)に憧れる19歳の青年を演じ、カットされたが1998年の「54(54 フィフティ★フォー)では2004年の「Garfield: The Movie(ガーフィールド)」で主演したBreckin Meyer(ブレッキン・メイヤー)とゲイ・キス・シーンを演じSalma Hayek(サルマ・ハエック)等と共演するなど青春映画で活躍することとなります。 「ラストサマー」の次にサラ・ミシェル・ゲラーと「クルーエル・インテンションズ」で再び共演したライアン・フィリップの人気はセクシーな若手俳優として不動のものとなった感があります。 その後もアカデミー賞受賞作品の「Crash(クラッシュ)」で若い警官を演じるなど、毎年のように話題作に出演してきました。
ライアン・フィリップは「クルーエル・インテンションズ」で共演したReese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)と2007年頃まで結婚していたそうです。 リース・ウィザースプーンと別れたライアン・フィリップは青春映画からは脱皮し、演技に磨きをかけてシリアスなドラマに取り組んでいます。 ちなみにライアン・フィリップと日本語で表記されますが発音ではフィリピとなるそうです。
Sexy Ryan Phillippe Photos – Youtube
Ryan Phillippe in “Due South: The Gift of the Wheelman”
1994年の12月に放映されたカナダのTVシリーズ「Due South(Direction: Sud 騎馬警官)」のシリーズ1の第12話”The Gift of the Wheelman(天国から来たおやじ)が日本で2001年にNHK衛星第2で放映されたそうです。 ライアン・フィリップがゲスト出演していますが、ライアンが演じたDel Porter(デル・ポーター)は警官ではなくシーンズにムートンジャケットの青年です。 「騎馬警官」はCrash(クラッシュ)を監督したカナダ人のTV製作者であるPaul Haggis(ポール・ハギス)の番組だそうです。 ライアン・フィリップが出演した”天国から来たおやじ”は「騎馬警官」のシリーズのなかでも最も感動的なエピソードだそうですからぜひ観たいと思っています。(Due South: Season 1 (4pc) (Dig) (1994)にThe Gift of the Wheelmanを含む24エピソードが収録されているらしいです) 同年2001年には「Anti-Trust(サベイランス 監視)」でアイドル的存在だったRachael Leigh Cook(レイチェル・リー・クック)と共演しています。
Ryan Phillippe in Due South – YouTube
※ちなみに赤い制服の”騎馬警察”とはRoyal Canadian Mounted Police(王室カナダ騎馬警察)、つまりカナダの国家警察のことだそうです。
Ryan Phillippe in The I Inside (2004)
このページトップの画像はライアン・フィリップが主演した2004年の「Re:プレイ(リプレイ)」というイギリスとアメリカの合作映画のDVDです。 サイモンが交通事故で搬送された病院で隣のベッドの心臓病患者トラビットを演じたStephen Lang(スティーヴン・ラング)は2016年に「Don’t Breathe」で若者が押し入った家の住人であり得ない能力を持つ盲目の老人を演じます。
2003年に「Tom, Dick And Harry(トムとディックとハリー)」も書いたイギリスの劇作家のMichael Cooney(マイケル・クーニー)の作品で1995年の「Point of Death」という舞台劇をドイツ人のRoland Suso Richter(ローランド・ズゾ・リヒター)監督が映画化したミステリーです。(原題の意味は死の核心かご臨終か?)
「リプレイ」のあらすじ
Easy. Diazepam, 5 milligrams. Easy now, Mr. Cable. You’re going to be fine. You’re just having a nightmare.
冒頭は自動車事故で2分間CPA(心肺停止状態つまり死)になった若者サイモンが電気ショック療法が効いたのかニューマン医師の声を聞いて突然昏睡状態から目覚めた。 このシーンはラストでも繰り返される。 サイモンの父親似のニューマン医師はポケットからロリポップ・キャンデーを取り出してすすめながら言った。「10分前に心臓は止まったから君は死んだのだ。」 そして再び2002年に病院に搬送されて死はまぬがれたが担当の医師から過去2年間の記憶を失ってしまったと聞かされた30歳のサイモン・ケーブルをライアン・フィリップが熱演しますが、サイモンを脅して結婚した妻のアンナと女性救急隊員を演じ分けたPiper Perabo(パイパー・ペラーボ)がすごい。(2006年の「プレステージ」では水中事故死するマジシャンの妻役を熱演) 病院のベッドで現実と妄想(幻覚)の狭間を彷徨いようやく思い出したのはサイモンは昨夜兄に会いに行く途中の自動車事故のことだったこと。 しかし、病院に現れた妻を名乗る女から兄は墜落事故(いや、自動車の)死しているがそれはサイモンがやったことだとも告げられ当惑する。 女王さまタイプの黒髪のアンナは妻なのか従順な?いや、残忍な金髪の救急隊員なのか、病的に上品な金髪女クレアはサイモンの妻なのか? いや、Sarah Polley(サラ・ポーリー)が演じる兄のフィアンセのクレア、いやいや、サイモンとクレアは恋愛関係にあるようだ。 Somebody Help Me!
幾度となく襲いかかる死神のような医師に毒(鎮静剤か)を盛られたと思い込むサイモンが2000年と2002年の時空を超越するかのように病院の長い廊下を長い螺旋改題を駆け抜ける。 今は2000年なのか2002年なのか。 サイモンは2年前に一緒に搬送されてきた患者を証人とした。 サイモンとクレア、兄と兄の結婚相手。 シグソーパズルを一片ずつはめ込むかのように記憶の糸をたぐり寄せていくサイモンです。 兄の家(父の残した二人の家か)で自分のしたことを見ているサイモン。 すると突然背後から注射器を手にした医師に教われて反撃した、と思ったら場所は病院内で証人となる患者を手術鋏で殺害していた。 何てことを! ともかく逃げないと! 病院の螺旋階段を、長い廊下を駆け抜けると血のりのついた病人服は奇麗になっていて、殺したはずの患者も生きているではないか。 と思った途端にその患者は血反吐をはきカーテンには血しぶきが飛び散る。 サイモンは過去に戻って兄の命を取り戻そうと兄の家にワープする。 クレアと兄とサイモン、話はこじれて車で去って行ったクレア。 兄を追ったサイモンと兄はもみ合って兄は屋根裏から墜落した。 この兄を車に乗せるところまでは同じ。 分かれ道で迷うサイモン、左に行けばあの展望台の崖だが運命を変える今回はもちろん逆へ行く。 これで兄は死なずに済むと思った途端、兄の血まみれの手がサイモンに触れた。 驚いたサイモンは前方から走ってきた車と正面衝突。 この車は先ほど出て行ったクレアが戻って来るところだったのだ。(ネタバレ、つまりこの2000年の事故でサイモンとピーターとクレアは死んだが、サイモンは死の前の状況が納得出来るものではなかったので死んでも死にきれない状態) この観客を操る映画「リプレイ」ではいったい誰が本当に死んだのだろうか。(ラストシーンでサイモンの死亡時間は20:02、これが2002年となる。なんてちょっと強引) ラストのリプレイでサイモンが兄に手土産として手渡したワインは兄が棚に置きましたが既に5本目くらいだったようです。 サイモンは兄とクレアが死を免れるまでリプレイを続けるのか。 死霊、ゾー! 2004年にAshton Kutcher(アシュトン・カッチャー又はアシュトン・クッチャー)が主演した「Butterfly Effect(バタフライ効果)」みたいに、予想不可能、後悔して過去を変えようとしても。。。嗚呼!
This is the 29th of July. The year is 2002. And your wife whose name is Anna is wiating outside. You died, Mr. Cable.
妄想または幻覚のような2002年の病院での映像は青みがかった暗い色調ですが過去(事実)は奇麗なトゥルーカラー(本来の色調)になっています。(サイモンが入院している病院というのが何だか気味の悪い精神病棟みたい) ちなみにニューマン医師を演じているのは1992年の「The Crying Game(クライング・ゲーム)」でアイルランド共和軍の残党メンバーを演じたStephen Rea(スティーヴン・レイ)ですが、新しいところでは2007年の「The Reaping(リーピング) 」でHilary Swank(ヒラリー・スワンク)が演じるヒロインの元夫のコスティガン神父役です。
「リプレイ」はタイムトラベルかとも思っていたら、終盤ではGuy Pearce(ガイ・ピアース)が主演した2000年の「Memento(メメント)」というよりも「Emmanuelle(エマニエル夫人)」のシルヴィア・クリステルが主演した「Alice ou la derniere fugue(Alice or the Last Escapade/アリスもしくは最後の遁走)」を思い出しました。 気絶から覚めて過去を探って奔走するが実はもう死ぬ間際だったというストーリーで、Ellen Barkin(エレン・バーキン)が主演した「Siesta(シエスタ)」かも。
リプレイではなく過去を変えようとリセットするゲーム感覚の映画には1998年の「Lola rennt(ラン・ローラ・ラン)」があり、交通事故で脳死と身体的生存のグレーゾン状態を描いた2005年の「Just Like Heaven(恋人はゴースト)」がありますが、「リプレイ」と同時期の観客を惑わす映画には2001年の「Mulholland Dr.(マルホランド・ドライブ) 」や「Swordfish(ソードフィッシュ)」などがあります。 実際、米カルフォルニア州では脳死は死を意味しますが2022年に女優のAnne Heche(アン・ヘッシュ)が交通事故から脳死となったそうです。
☆「リプレイ」の音楽はテレビのホラードラマが多いNicholas Pike(ニコラス・パイク)ですがサントラはリリースされていないようです。
Ryan Phillippe in Flags of our Fathers, and Letters from Iwo Jima
2006年にはClint Eastwood(クリント・イーストウッド)が監督して音楽も手掛け、息子のScott Eastwood(スコット・イーストウッド)もランスフォード役で出演した硫黄島(いおうじま)の二部作の第一弾、擂鉢山に星条旗を掲げた海兵隊員を描いた「Flags of our Fathers(父親たちの星条旗)」では太平洋戦争(大東亜戦争)で壮絶を極めた硫黄島(現在は小笠原諸島のいおうとう)でのアメリカ軍の36日間の戦いで生き残って英雄とされた6人のうちの一人のJohn “Doc” Bradley(ジョン・ドク・ブラッドリー)をライアン・フィリップが演じて最高の演技を見せたと好評でした。 「衛生兵!」と呼ばれれば自分が負傷していても急行し多くの命を救った実在の海軍衛生兵(Corpsman)で死体の散髪をしたといわれます。
さて、米軍が日本に攻め入るには東京に4時間で到着できるため是非とも征服したい硫黄島に海軍空母から戦闘機及び砲艦から後方砲撃支援を受けて上陸するやいなや、静けさを破って待ち構えていた日本軍の砲弾の嵐、敵の掩蔽壕に手榴弾を投げ込み一斉射撃、火炎放射。 穴に潜んでいる日本兵をくまなく炙り出す。 投降などしない日本兵はバーナーで焼き殺された。 衛生兵! 衛生兵!
身を隠す場もない砂浜で山頂から撃ち下ろしてくる砲撃に死の銃撃戦を強いられた米軍はロケット砲が仇となり敵に位置を知られることに。 守りの堅い日本軍に何度もの後退を強しいられる米軍。 5000人分以上のヘルメットが浜に山積み。
二週間かかって日本軍が死守する硫黄島南方の要塞である擂鉢山(スリバチヤマ)に国旗を掲揚する写真は祖国で勝利を予感させるセンセーショナルな報道で国民に資金不足を訴えるにピッタシでした。 この戦場で撮られた一枚の数週間後には6人のうちハーロン、マイク、フランクリンなど半分が死亡、残ったのは衛生兵のドクと人種差別を受けるアメリカ先住民族(アリゾナのピマ族)のチーフことIra Hamilton Hayes(アイラ・ヘイズ)と伝令係のレイニー。 この映画で硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる6名の海兵隊員。 写真に写ってない一人は本物(最初)の旗を掲揚したハンクか? ハーロンが写っていた写真はやらせか? 海兵隊バンザイ!の事実はどうだったのか。 何?お偉いさんからの要請を受けた大尉の指令は旗を取って来い、あれ(最初の)じゃなくてこれに換えろ。 すり替わった第二の旗には誰も気づかなかった。 さて、海兵隊の司令官を招いたショーでモニュメントの張りぼて擂鉢山にドクとアイラとレイニーが旗を立てろと言われたドクは「いなかったハンクはどうする?」 こんな茶番にチェコ移民のマイク・ストランク曹長(Barry Pepper)を讃えるアイラがキレたが結局軍服に着替えてパーフォーマンスを遂行、戦時国債のキャンペーンツアーに参加する。 ちなみに1961年の「The Outsider(硫黄島の英雄)」では主人公のアイラをTony Curtis(トニー・カーティス)が演じました。
日本兵に斬殺されたイギーのことが最後まで気がかりだったドクはイギーの母親には事実を曲げて最期を伝えた。 戦争のことも旗のことも語らず死んでいったドクの遺品を整理した息子は誰もが話したがらない壮絶で過酷な戦場の真実を探り出します。
ちなみにハンク・ハンセン役で出演していたPaul Walker(ポール・ウォーカー)は2013年40歳にして自動車事故で急逝しました。 監督のクリント・イーストウッドは映画の同名タイトル曲を作曲し演奏には息子のKyle Eastwood(カイル)も参加したそうですが、遠く故郷を離れて戦場に赴く兵士の士気を挫こうと日本軍が放送したメッセージのBGMはDinah Shore(ダイナ・ショア)が歌うセンチメンタルな”I’ll Walk Alone”でした。 硫黄島の英雄を迎えて国債を募るシーンではThe Andrews Sisters(アンドリュース・シスターズ)らしき女性コーラスで1943年の”Vict’ry Polka”や”Any bonds today?”も歌われます。 「本当の英雄は島で死んだ兵士たちです。」とはレイニーのスピーチ。 Any bonds today? 国債を買おう! 国民の義務だ! 晩餐会のデザートは擂鉢山の国旗掲揚を模ったアイスクリーム、ストローベリー・ソース添え。
同年にはイーストウッドが監督する第二弾で同時に撮影された「Letters from Iwo Jima(硫黄島からの手紙)」が製作されています。 擂鉢山に星条旗が掲げられるのを見た日本軍側からの硫黄島を描いた「硫黄島からの手紙」では渡辺謙がかって米国にいたことがある栗林忠道中将(指揮官)を、中村獅童が鬼の伊藤中尉(海軍士官)を、また伊原剛志がオリンピックの馬術で金メダルを獲得した西中佐、嵐の二宮和也がパン屋の西郷を演じるなど殆どが日本人俳優のキャストです。 映画でいくつもの地雷を身体に括り付け死体に隠れて戦車を爆破しょうとした狂気ともいえる伊藤中尉のエピソードは、日本女性を妻に持つ戦争ものノンフィクション作家のJohn Toland(ジョン・トーランド)が1971年に発表した「The Rising Sun(大日本帝国の興亡)」に書かれている実話を取り入れたそうです。
どのみち硫黄島で死ぬんだ。 こんなもんばっか喰ってたら米軍と戦う前に死んじゃうよ。 この要塞を一日でも長く死守すれば日本は一日長く安泰なのだ。 2万人の日本軍精鋭兵士に対して全てにおいて圧倒的に有利な総勢7万人の米軍に勝つには精神力!しかない。 天皇陛下、万歳! 米軍の空爆開始、艦隊襲来、米軍上陸、日本軍の攻撃開始。 擂鉢山陥落、玉砕要請却下、責任を取って手榴弾で美徳の自決、靖国で会おう。 天皇陛下、万歳!
しかし擂鉢山から逃れた二名の兵隊(招集されたパン屋の西郷一等兵と、上官の命令に背いて犬を射殺せず憲兵隊を除隊となった清水洋一陸軍上等兵)が伊藤中尉に首を刎ねられる寸前に制止した栗林忠道中将は擂鉢山にたなびく星条旗を見た。 南を制覇した米軍は北を攻めてくる。 硫黄島への援軍派遣は不可能と支援しない大本営。(では全滅、玉砕か)
中略
武士魂を持つ栗林中将の「ここはまだ日本か?」という問いにパン屋が海を見やって答える。「はい、日本であります!」 これを聞いて首を刎ねられ損ねた(断頭を依頼した兵士が撃たれて)栗林閣下はかってアメリカで寄贈された腰に挿した白い象牙銃把のコルト(Colt M1911A1)で自決。 この後、栗林の亡骸に近づく米兵たちに対して閣下の魂の尊厳を守ろうとしたか埋葬用のシャベルを振り回して孤軍奮闘するパン屋がいじらしい。(映画の最初の方ではボケツ掘ってたが、次第に閣下を喰ってしまった感があるパン屋)
☆ちなみに「父親たちの星条旗」で衛生兵だったドクの息子のJames Bradley(ジェームズ)役で出演したThomas McCarthy(トム・マッカーシー)は2007年にRichard Jenkins(リチャード・ジェンキンス)が主演する映画「The Visitor(扉をたたく人)」を監督して好評を得ています。
Breach (2007)
アメリカを売った男 [DVD]
「父親たちの星条旗」の翌年の2007年にはライアン・フィリップが実在のRobert Hanssen(FBI捜査官ロバート・ハンセン)のスパイ疑惑を映画化したBilly Ray(ビリー・レイ)監督のBreach(アメリカを売った男)に出演し日本では2008年の3月に公開されています。 「アメリカを売った男」でライアン・フィリップは上司の捜査に疑問を持ちながら任務を果たす「クラッシュ」の警官のように、ボスと対決する任務を受けた若いFBI 捜査官のエリック・オニールを演じます。
上記の国内版の「アメリカを売った男」のDVDは日本語字幕と吹き替え版になっていますがDVDカバー画像に書かれているのが”Agent Double”なので「Breach(アメリカを売った男)」と別な映画かと思ってしまいましたよ! アメリカのAmazon.comでは英語版の「Breach (Widescreen Edition) (2007)」や「Breach (Combo HD DVD and Standard DVD) [HD DVD] (2007)」として発売されています。
☆Breach Trailer- YouTube
Breach Soundtrack
「アメリカを売った男」のサウンドトラックにはMychael Dannaマイケル・ダンナが作曲した美しいなかにも荒涼とした雰囲気をかもし出した曲が使用されています。 シンフォニーとシンセが融合した音楽が評判のカナダの作曲家であるマイケル・ダンナは1987年にAtom Egoyan(アトム・エゴヤン)監督の映画「Family Viewing(ファミリー・ビューイング)」で映画音楽デビューして、エゴヤン監督の2002年の「Ararat(アララトの聖母)」や「Where the Truth Lies(秘密のかけら)」の他にも、2005年にはCapote(カポーティ)でサントラを担当しています。
映画で使用されたというアンドリュース・シスターズが歌う”Near You”は1947年のFrancis Craig(フランシス・クレイグ)作曲Kermit Goell(カーミット・ゴエル)作詞でフランシス・クレイグ自身が録音しましたがアンドリュース・シスターズが歌ってチャートインした曲だそうです。 ”Near You”はサントラに収録されていません。
“There’s just one place for me, near you…”と歌われるアンドリュース・シスターズの”Near You”が試聴できるアルバムは「20th Century Masters: The Best of the Andrews Sisters (Millennium Collection)」です。
Ryan Phillippe in Stop-Loss (2007)
毎年のように話題作品に出演しているライアン・フィリップがBrandon King(ブランドン・キング)役で主演する反イラク戦争映画は日本未公開ですが、Kimberly Peirce(キンペリー・ピアス)が監督した2007年の「Stop-Loss(ストップ・ロス/戦火の逃亡者)」です。 この映画にはRicky Martin(リッキー・マーティン)の”She Bangs” PVにも出演したモデル出身のマッチョな若手俳優のChanning Tatum(チャニング・テイタム)の他に、ライアン・フィリップがリース・ウィザースプーンと離婚した原因とも噂されているオーストラリア女優のAbbie Cornish(アビー・コーニッシュ)が共演しているのは映画の話題作りかも。 このカップルは2010年2月には破局、その後2009年の「Chloe(クロエ)」や2011年の「Red Riding Hood(赤ずきん)」や2012年に「Les Misérables(レ・ミゼラブル)」でコゼットを演じるAmanda Seyfried(アマンダ・セイフライド又はアマンダ・サイフリッド)と交際したことがあるとか。
「Stop-Loss」はライアン・フィリップが出演した「クルーエル・インテンションズ」と同年の1999年に性同一性障害をテーマにした「Boys Don’t Cry(ボーイズ・ドント・クライ)」を監督した女流映画監督のKimberly Peirce(キンバリー・ピアース)が監督している戦争をテーマにした映画で、納得のいかないStop-Lossという制度を取り上げてイラク戦争の暗面にスポットライトを当てた作品です。 ライアン・フィリップはイラクに赴任したアメリカ軍の2等軍曹を演じています。 悲惨なイラク戦争を体験したので兵役が終わったら退役するつもりだったこの軍曹にアメリカ大統領からのStop-Loss(ストップ・ロス)が下されます。 アメリカの軍規でのこのストップ・ロス拒否に対する禁固刑を免れるためには海外逃亡しかありません。
アメリカではプロパガンダ映画といわれて不入りだそうですが2008年3月に公開され、日本では劇場未公開に終わります。(うむ、ライアン・フィリップの美貌は無視でかなり地味な映画でした)
ストップ・ロスとはStop-loss policyというアメリカの軍隊制度で、兵隊の不足を補うために選択の余地無く命じられる兵役勤務の延長のことで、やっと地獄から生還したと喜んだ矢先に再び戦地に戻らねばならないという不条理な制度のようです。 ベトナム戦争後に作られ、ペルシャ湾戦争辺りから執行されたそうですが、2007年から、2008年の3月にも反対グループによる”Stop the Stop-Loss”キャンペーンが行われているそうです。 とはいえ1950年に38度線をめぐって勃発した朝鮮戦争時代にも兵役に任務が延期されたことがあったとか。
「Stop-Loss」の予告編のビデオクリップを連続して観られるStop-Loss Trailers – New York Times Movies
Stop – Loss (2008) Trailer – YouTube
☆ライアン・フィリップが演じたブランドン・キングのスチール写真が見られるPhotos of Brandon King (Ryan Phillippe) – IMDb
Stop-Loss DVD
ストップ・ロス/戦火の逃亡者 スペシャル・コレクターズ・エディション
Stop-Loss Soundtrack
Stop-Loss Soundtrack (2007)
サントラではThe Marshall Tucker Band(マーシャル・タッカー・バンド)の”Can’t You See”以外の全曲の音楽を担当しているのはJohn Powell(ジョン・パウエル)で、冒頭シーンで米軍の国葬のような荘厳なシンフォニーが聴けますが、主人公の故郷帰還のシーンなどでは”Leaving Town”や”Squad Book”などのブルースギターの曲やシンセも使用されています。 ジョン・パウエルはロスアンジェルスを本拠に映画音楽に取り組んでいるイギリス出身の若き音楽家で、知られるようになったのは1997年の「Face/Off(フェイス/オフ)」辺りからでしょう。 その後も2002年にはThe Bourne Identity(ボーン・アイデンティティー)やその続編で2004年のThe Bourne Supremacy(ボーン・スプレマシー)やAlfie(アルフィー)、2005年にはBe Cool(ビー・クール)などのサスペンス映画の音楽を担当しています。 その一方、Antz(アンツ)、Shrek(シュレク)、RoBoTs(ロボッツ)、Happy Feet(ハッピー フィート)といったアニメの音楽も手掛けています。
「ストップ・ロス」サントラの試聴はStop-Loss Soundtrack – CD Universe
「Stop-Loss」のサウンドトラックではジョン・パウエルが指揮に加えギターとピアノを演奏している他、ギターがGeorge Doering(ジョージ・ドーリング)とMichael Ripoli(マイケル・リポル)、ピアノがDoug Petty(ダグ・ペティ)、ドラムがJimi Englund、トランペットはアメリカン・アイドルの優勝者ではく「Wall-e(ウォーリー)」のサントラにも参加したJon Peter Lewis(ジョン・ピーター・ルイス)だそうです。
1970年代には何曲ものヒットを出したThe Marshall Tucker Band(マーシャル・タッカー・バンド)は1971年に結成されたカントリー調のサザン・ロックバンドでヴォーカルのDoug Gray(ダグ・グレイ)は現在も活躍中です。
Another “Ryan Phillippe” DVD
アメリカのAmazon.comではライアン・フィリップが出演した映画のなかで1997年の「I Know What You Did Last Summer(ラストサマー)」、殺人の謎が”Little Boy Blue & Other Rhymes(マザーグース)”の本が手掛かりとなる1998年の「Little Boy Blue(ザ・タブー 暴かれた衝撃)」(ラストはライアン・フィリップが救急車で運ばれる)、「Ally McBeal(アリー・myラブ)」でジャクソン弁護士を演じたTaye Diggs(テイ・ディグス)やBenicio Del Toro(ベニチオ・デル・トロ)と共演した2000年の「The Way of the Gun(誘拐犯)」、ライアン・フィリップが天才プログラマーを演じたIT企業ものの2001年の「Antitrust(サベイランス 監視)」などのDVDが見つかります。
Ryan Phillippe – The Way of the Gun (Trailer) – YouTube
The Bang Bang Club (2010)
2008年の「27 Dresses(幸せになるための27のドレス)」で破廉恥な妹を演じたMalin Åkerman(マリン・アッカーマン)と無精ひげのライアン・フィリップ他全部で4人の戦場カメラマンが1990年代の南アのアパルトヘイト終結を捕らえた実録ものの映画は興味深いかも。
The Bang Bang Club Trailer – YouTube
TV Series Damages Season 5 (Jul. 11, 2012)
2007年から放映されて話題になっているTVシリーズの「Damages(ダメージ)」がありますが、2012年のシリーズ5にライアン・フィリップがChanning McClaren(チャニング・マクラーレン)役として超熟女のGlenn Close(グレンクローズ)とレギュラー出演します。
はじめてテレビドラマにゲスト出演した「騎馬警官」の時と今でも変わらずにハンサムなライアン・フィリップは2012年には20歳のモデルだというDemi Lovato(デミ・ロヴァート)と交際中だとか。