ローズマリー・クルーニー Rosemary Clooney

Rosemary Clooney (1928 – 2002)
ラテンナンバーの”Cara Miaとか”Oh Mein Papa”のようにイタリア語やスペイン語など世界の言語のタイトルがついた曲を聞いた私はローズマリー・クルーニーはてっきりラテン系だろうと思ってしまいましたが、両親はアイルランド系でケンタッキー出身だそうですからコテコテの白人でした。 ローズマリー・クルーニーのアルバムでは良きアレンジャーでもあったNelson Riddle(ネルソン・リドル)やPeez Prado(ペレス・プラード)との共演盤やBing Crosby(ビング・クロスビー)とのデュエット盤が有名です。 映画界の姐御がJane Russell(ジェーン・ラッセル)ならポップス界の姐御はローズマリー・クルーニーでしょうか。 ともに威風堂々たるエンターテイナー魂を持つ女性アーティストです。 ローズマリー・クルーニーは50年代にDean Martin & Jerry Lewis(ディーン・マーチンとジェリー・ルイス)が組んだ”Martin and Lewis(底抜けコンビ“のテレビショー”Colgate Comedy Hour”にゲスト出演して切々と”Half as Much”を歌ったり、お茶目に”Botch-A-Me”などを歌いました。(ディノがラトパックに参加する前のこと) そして、ローズマリー・クルーニーはGeorge Clooney(ジョージ・クルーニー)の叔母さんです。(父親の妹) そのジョージ・クルーニーとは2000年のO Brother, Where Art Thou?(オー・ブラザー!)やOcean’s Twelve(オーシャンズ12)シリーズなど多数の映画に出演した俳優のことです。(ジョージ・クルーニーもラテン系だと思った)
☆ローズマリー・クルーニーの写真や歌詞が見られる素晴らしいオフィシャルサイト (ファン・サイトかも。 Enjyoy Rosie’s Photos)
The Rosemary Clooney Palladium (click Lyrics on the menu)
Rosemary Clooney sings Half as Much & Botch-A-Me on Martin and Lewis Show – YouTube
Rosemary Clooney & Dean Martin (Parody song medley) – YouTube

Come on-a my house-a!
ローズマリー・クルーニーは1951年に陽気に歌ったCome On-A My House(家においでよ/カモナマイハウス)で一躍有名になりました。 ビルボードで連続8週トップをキープしたそうです。 ローズマリー・クルーニーの歌で浮上したこの斬新な曲はアメリカ民謡をもとにして、短編「Sweetheart Sweetheart Sweetheart」を書いたアメリカの戯曲作家であるWilliam Saroyan(ウイリアム・サローヤン)と彼の従兄弟のRoss Bagdasarian(Sr. ロス・バグダサリアン)とによって1939年に作られたそうです。 ロス・バグダサリアンとは後にTVアニメシリーズとなった1958年の人形劇のAlvin and the Chipmunks(アルビンとチップマンクス)のキャラクターを生み出した人物なのです。 ”Come On-A My House”はそのメロディーもさることながら、なんといってもその歌詞がすごいのです。 「あたしのおうちにいらっしゃい、あなたになんでもかんでもあげましょう」という歌詞、これがイミシンだとして発表当時は放送禁止を食らったという話もあります。 しかし私のように英語の分らない日本人にはどうってことはなく、そのジャカジャカジャカジャカという伴奏が賑やかで楽しい曲だと人気がありました。 ”Come On A My House”の本来の歌では親戚、友人、ご近所さんを呼んで大盤振る舞いをするというアメリカの生活習慣を描いた歌詞だそうです。 つまり”何でもあげる”という言葉のダブル・ミーニングが功をなしたということでしょう。 大ヒットになった曲なのにローズマリー・クルーニーはこの曲が嫌いだったそうですが、録音当時にこの曲を吹き込むかクビかのどちらかを選べと通告されて仕方なく歌ったそうですから。 だから私がずいぶんと威勢の良い歌声だなと思ったのは間違いで怒り心頭に達した歌声だったのかもしれません。 もっとも森山加代子が1961年に歌わされた”じんじろげ”や”パイノパイノパイ”に比べれば上等です。(イタリアポップスをカバーした”Botch-A-Me”はちょっとねエ) この”家においでよ”はパロディ化されたりして何人かの歌手がカバーしたり、1961年にはロス・バグダサリアン(David Seville)自身の「The Alvin Show(わんぱく三人組)」でも使用されましたが、日本では1952年にEri Chiemi(江利チエミ)が”カモナ・マイ・ハウス”と歌ってヒットさせ、近年では俗曲師のUmekichi(檜山うめ吉)が歌っています。 ちなみに同じく1952年にローズマリー・クルーニーが録音したのは伝説的カントリー歌手のHank Williams(ハンク・ウィリアムス)が歌ってビルボードでカントリーのシングル第2位に輝いた”Half as Much(半分位は)”でした。
Rosemary Clooney – Come On A My House – YouTube

Hey Mambo! Mambo Italiano! Go-go-go!
1954年にヒットしたのはジャンプブルースのBob Merrill(ボブ・メリル)がイタリアのフォークソングをマンボにアレンジして書いたMambo Italiano(マンボ・イタリアーノ)でした。 あまり上品とはいえませんが、”A girl went back to Napoli Because she missed the scenery The native dances and the charming songs But wait a minute, something’s wrong…”と歌われてアメリカのチャートでトップになっただけでなくイギリスでもチャートインしたヒット曲となりました。 この曲も例の”Come On A My House”と同様に1950年代から1960年代にかけてアメリカのポップス界で絶大なる影響力を持っていた”Sing Along with Mitch(ミッチと歌おう)”のヒゲの指揮者のMitch Miller(ミッチ・ミラー)のプロデュースだったそうです。 1950年にPatti Page(パティ・ペイジ)の大ヒットとなった”カントリー曲をポップスにアレンジした”The Tennessee Waltz”などをプロデュースしたミッチ・ミラーは1950年からコロンビアのレコーディング・プロデューサーだったことからローズマリー・クルーニーに1954年の”This Ole House”を含めて軽いポップスを歌わせたことは音楽業界の犯罪だ!とまで云われたそうです。 ですが、こういった大衆受けする選曲によりともかく名声を得たのですからミッチー爺は強ち責められるべきでもないのかもしれません。(惜しくもミッチお爺さんは2010年に亡くなりました) ”Mambo Italiano”がヒットしたその当時、1950年代初め頃はアメリカでPerez Prado(ペレス・プラード)が持ち込んだ新しいリズムのマンボが大流行で猫も杓子もマンボを取り入れたのです。

世界を駆け巡ったローズマリー・クルーニーのヒット曲”Mambo Italiano”は2003年の映画のMambo Italiano(マンボ・イタリアーノ)で使用された他、1988年のMarried to the Mob(愛されちゃって、マフィア)、1990年のMermaids(恋する人魚たち)、1994年のA Man of No Importance(マン・オブ・ノー・インポータンス)、1996年のBig Night(シェフとギャルソン、リストランテの夜)、1999年のMickey Blue Eyes(恋するための3つのルール)などで使用されています。
Rosemary Clooney – Mambo Italiano – YouTube
“Mambo Italiano”はアメリカではイタリア系のDean Martin(ディーン・マーティン)が”A boy went back to Napoli, because he missed the scenery…”と男性バージョンで60年代に吹き込みましたが、ローズマリー・クルーニーが歌った”Sway”などと共にどちらがオリジナル(先)か不明説があるようです。 ちなみにローズマリー・クルーニーが歌うラテン曲の”Sway (Mucho Mambo) “は2010年の「Repo Men(レポゼッション・メン)」で使用されています。(グロ恐ろしい映画では臓器移植費用のローン支払い不履行者は合法殺人者のレポメンが臓器を回収すると床をのたうちまわってマンボを踊って死ぬから、でもマンボは一人じゃ踊れない Repossession Mambo)
そして、”Mambo Italiano”はヨーロッパでも人気となり、フランス語でDario Moreno(ダリオ・モレノ)、イタリア女優のSophia Loren(ソフィア・ローレン)が英語で、イギリスのポップス歌手のAlma Cogan(アルマ・コーガン)はもちろん英語でが歌いました。 ローズマリー・クルーニーがオリジナルの”Mambo Italiano”も”Come On A My House”と同様に他者の追従を許さぬものがあります。
“Mambo Italiano”を作詞作曲したボブ・メリルはGeorgia Gibbs(ジョージア・ギブス)が歌った”If I Knew You Were Comin’ I’d’ve Baked a Cake”、”Honeycomb”、Patti Page(パティ・ペイジ)が歌った”How Much Is That Doggie In The Window?”などの,ヒット曲や、Yvette Mimieux(イヴェット・ミミュー)が出演した「不思議な世界の物語」の音楽はLeigh Harline(リー・ハーライン)ですが”Dancing Princess”などをたくさんの曲を作ったそうです。
1981年の「Diva(わたしのディーバ)」や1986年の37°2 le matin(ベティ・ブルー)や1994年のLa Cité de la peur(カンヌ映画祭殺人事件)に出演したアルジェリア系フランス人の歌手で踊れる俳優でもあるGérard Darmon(ジェラール・ダルモン)がGooglie Mooglie Muppetsショーで”Mambo Italiano”をセクシーに歌ったそうです。(シングルは”Mambo Italiano”、アルバムは”Dancing”)
Gerard Darmon – Mambo Italiano – YouTube

Rosie’s Life
およそため息や囁きとは無縁の、スキャットやアドリブとも無縁の、ですが声量たっぷりな歌唱方で世界中のポップスファンをを魅了したローズマリー・クルーニーでしたが、1950年代後期からのロックンロールの台頭を機に家庭に専念するようになりました。 そのローズマリー・クルーニーのプライベート生活はどうかというと、1953年にプエルト・リコ出身の俳優であるJosé Ferrer(ホセ・ファーラー)と結婚して5人も子供がいたそうですが、1953年から1961年と1964年から1967年の2回結婚しています。 政治的に親交の深かったRobert F. Kennedy(故ケネディ大統領)の1963年の暗殺以降から1970年代には依存性が高い鎮静剤を常用するようになり、薬物依存で入院生活を送ったそうです。 このことは後に俳優のジョージ・クルーニーが腰痛で鎮痛剤を処方されても使用しなかったことにつながりました。 ボロボロになっていく伯母さんを見ていたわけですからその薬物の恐ろしさを身をもって体験していたわけです。 ハスキーヴォイスのローズマリー・クルーニーは愛煙家だったこともあり肺ガンに侵されて手術後の2002年に74歳にして亡くなりました。

Rosemary Clooney’s Albums
The Essential Rosemary Clooney
ページトップの画像はシングル・バージョンのCome On-A My House(家においでよ)といった初期のコミカルなポップスに加えて、しっとりとしかも情熱的に歌い上げる究極のバラード曲のHey There(ヘイ・ゼア)やTenderly(テンダリー)をはじめ、78回転バージョンのMambo Italiano(マンボ・イタリアーノ) などローズマリー・クルーニーの代表的な16曲を集めた人気の輸入CDの「The Essential Rosemary Clooney」でローズマリー・クルーニー音楽の推移を聴くことができますが現在は入手困難です。 国内盤の「エッセンシャル・ローズマリー・クルーニー」(ASIN: B0002T22WS)もリリースされていますが入手困難です。
♪ 「Essential Rosemary Clooney」の試聴はEssential Rosemary Clooney [Original Recording Remastered] – Amazon.com
「家においでよ」に続いてリリースした可愛い子ぶりっ子の面白いけどちょっといやらしいおねだり小唄の”Ba-Ba Baciami Piccina”とはイタリア語で「チュッ、チュッ、キスして!可愛い人」 といった意味らしいですが”Botch-A-Me “も同じ?
ちなみに日本では馴染みがないですがHey There(ヘイ・ゼア)とはHiya! のようにくだけた挨拶で「こんにちは」とか「やあ」という意味だそうです。
Mangos
ローズマリー・クルーニーが”Come On-A My House”のように”マンゴ、パパイア、飲んで食べて!”と美味しそうなものを羅列した1950年代中頃のヒット曲”Mangos”は「Best of Rosemary Clooney」などのベスト盤にも収録されています。
Rosemary Clooney – Mangos – YouTube

The Rosemary Clooney Show: Songs from the Classic Television Show
The Rosemary Clooney Show: Songs from the Classic Television Show
The Rosemary Clooney Showローズマリー・クルーニーの1954年のヒット曲である”Mambo Italiano(マンボイタリアーノ)”の他、代表曲の”Come On-A My House(家においでよ)”、”Tenderly”、”Hey There”、”Blues in the Night”など26曲が収録されている2004年リリースのベスト盤です。 ”The Essential Rosemary Clooney”には収録されていない曲にはMoonlight in Vermont、My Blue Heaven 、There Will Never Be Another You 、Foggy Day 、Dream、Taking a Chance on Love 、Blues in the Night 、(Up a) Lazy River 、I’ll Be Seeing Youなど。
全曲試聴はRosemary Clooney Show: Songs From The Classic Television Show – Amazon.com
※”Blues in the night”を収録しているアルバムには輸入ベスト盤の「Best of Rosemary Clooney」や「Jazz Singer」(ASIN: B0012GMWY8)もあります。

Blue Rose
Blue Rose
Blue Roseアルバムタイトルの「Blue Rose」は奇跡の花と云われる青い薔薇ですが私は「ガラスの動物園」のローラを思い出します。 このアルバムには1961年の映画Paris Blues(パリの旅愁)のテーマ曲として使用された”Mood Indigo”を1956年にデューク・エリントン楽団とLPアルバム「Blue Rose」に吹き込みました。
収録されている曲は他にアルバムタイトル曲のBlue Rose、Duke Ellington(デューク・エリントン)の代表曲の”Sophisticated Lady”、そしてエリントンバンドでは盲目のR&B男性ボーカリストのAl Hibbler(アル・ヒブラー)と共に専属歌手の一人だった女性ボーカリストのIvy Anderson(アイヴィー・アンダーソン)の代表曲の”It Don’t Mean a Thing (If It Ain’t Got That Swing) “や”I Got It Bad (And That Ain’t Good)”とBilly Strayhorn(ビリー・ストレイホーン)単独の作曲の”Passion Flower”や”I’m Checking Out (Goombye)”などを心を込めて歌った13曲を収録しています。
「Blue Rose」はデューク・エリントンのコラボレーターとして名高い編曲者でピアニストのビリー・ストレイホーンが編曲及び選曲など尽力を尽くして出来上がったアルバムだそうです。 このLPがCD化された1999年の盤です。 ”家においでよ”とか”マンボ・イタリアーノ”など軽いポップスをヒットさせた当時のローズマリー・クルーニーのジャズ歌手としての力量を発揮した1枚といえるでしょう。 LPの収録曲に加えて”If You Were in My Place (What Would You Do?)”と”Just a Sittin’ and a Rockin”がボーナストラックとして追加されたCDです。 演奏メンバーはアレンジとピアノがビリー・ストレイホーン、ピアノがデューク・エリントン、トランペットがClark Terry(クラーク・テリー)、テナーサックスがPaul Gonsalves(ポール・ゴンザルベス)など、ドラムがSam Woodyard(サム・ウッドヤード)、ベースがJimmy Woode(ジミー・ウッド)、アルトサックスはJohnny Hodges(ジョニー・ホッジス)、アルトサックスとクラリネットがRussell Procope(ラッセル・プロコープ)です。 確信はありませんが、このLP録音当時ローズマリー・クルーニーは妊娠中だったとかで演奏と別取りと聴いたことがあります。
Rosemary Clooney & Duke Ellington – Mood Indigo – YouTube

A Touch of Tabasco
セカンドヒットがマンボのリズムの”Mambo Italiano”だったローズマリー・クルーニーはマンボの王様ことペレス・プラードとのコラボでCorazón de Melon, de melon melon melon melon melon..corazón…と”Corazon de Melon(メロンの心)”をヒットさせました。(コラソン・デ・メロン・デ・メロン・メロン・メロン・メロン♪) このメロンという言葉は網のかかったメロンを想像させますが、英語のタイトルは”Watermelon Heart”というようにどうやら南米の西瓜のことのようです。(二つ切りにするとハートが…
)  ローズマリー・クルーニーとは相性ピッタリのPerez Prado and his Orchestra(ペレス・プラード楽団)とラテン曲も含めたLPアルバム「タバスコの香り」が1960年に日本でリリースされました。 オリジナルのLPはCD化されてリマスター盤が2007年にリリースされています。 ”メロンの心”は”Sway(スウェイ)”と共にローズマリー・クルーニーのアルバム「The Girl Singer」などにも収録されています。
A Touch of Tabascoタバスコの香り
試聴ができるアルバムの収録曲は1. Corazon de Melon(メロンの心)
2. Like a Woman(ライク・ア・ウーマン)
3. I Only Have Eyes for You(瞳はあなたゆえに)
4. Magic Is the Moonlight(マジック・イズ・ザ・ムーンライト)
5. In a Little Spanish Town(小さなスペインの町で)
6. Sway(Quien Sera キエン・セラ )
7. Mack the Knife(マック・ザ・ナイフ)
8. Bali Ha’i (バリ・ハイ)
9. You Do Something to Me(ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー)
10. Cu-Cu-Rru-Cu-Cu Paloma(ク・ク・ル・ク・ク・パローマ)
11. I Got Plenty O’ Nuttin’(くたびれもうけ)
12. Adios(アディオス)の全12曲です。
Rosemary Clooney with Perez Prado – Corazon de Melon – YouTube
Rosemary Clooney – Corazon de Melon & Sway – YouTube

Memories of You
ドイツのBear Familyレーベルから1998年にリリースされた輸入のベスト盤Box setは価格の桁を間違えたわけではなく再リリースされないからなのか驚くべきヴィンテージ価格です。 1946年から1968年のローズマリー・クルーニーの歴史的な集大成で7枚のディスクに全180曲を収録してあります。 第一巻はCome On-a My House、第二巻はMemories of Youの二巻からなり、未発表の曲や、76ページものハードカバー伝記本やら写真などが付いている豪華版だそうです。 熱狂的なローズマリー・クルーニーのファンには垂涎の的なんでしょう。
全164曲を収録した7枚ディスクには、アルバムのタイトルとなっているBenny Goodman(ベニー・グッドマン)楽団をバックに歌う”Memories of You”はディスク 1にとディスク 3に収録されています。 ”Come On’a My House”はディスク 1とディスク 4とディスク 7に収録され、”Mambo Italiano”はディスク 1とディスク 4に収録され、”White Christmas”がディスク 6に収録されている他ヒット曲の全てが網羅されています。 有名スタンダード曲のカバーは少な目で多くはレアな曲か別テイクバージョンのようで、子供向けの童謡曲もたくさん収録してあります。 Delta Rhythm Boys(デルタ・リズム・ボーイズ)でおなじみのDry Bones(ドライ・ボーンズ)がディスク 7に収録されていますがローズマリー・クルーニーはTommy Dorsey Orchestra(トミー・ドーシー)楽団をバックに歌っています。 ベニー・グッドマンやトミー・ドーシーの他の共演楽団はデューク・エリントン楽団などで、歌手ではBing Crosby(ビング・クロスビー)はもちろんんこと、Louis Armstrong(ルイ・アームストロング)や歌うカウボーイのGene Autry(ジーン・オートリー)などです。
Memories of YouMemories of You
試聴はRosemary Clooney Memories Of You – AllMusic.com

You’ll Never Know
上記のアルバムにない曲としては、ローズマリー・クルーニーはHarry James(ハリー・ジェームス)の大ヒット曲の”You’ll Never Know(知らないでしょう)”を歌っているのですが滅多に収録されていません。 ”You’ll Never Know”は「16 Most Requested Songs」は1991年のベスト盤、もしくは「16 Biggest Hits」で聴くことができます。
短いですがセンチメンタルな”You’ll Never Know”の試聴は16 Most Requested Songs – AllMusic.com
「16 Biggest Hits」の試聴はRosemary Clooney 16 Biggest Hits – Amazon.com

Nelson Riddle
上記にアルバムがないローズマリー・クルーニーと共演した楽団といえばキャピタルレコードでNat King Cole(ナット・キング・コール)やFrank Sinatra(フランク・シナトラ)のアレンジャーとして有名なNelson Riddle(ネルソン・リドル)があげられます。 ネルソン・リドルは1950年代半ばにTV番組の”The Rosemary Clooney Show”で演奏及びアレンジを受け持っていました。 ローズマリー・クルーニーがスウィングする1961年の「Rosie Solves the Swingin’ Riddle!」や1965年の「Love」などがあります。 これら素晴らしいコラボの国内盤は「ローズマリー・クルーニーとネルソン・リドル」とラヴ(紙ジャケット仕様)というCDが2008年にリリースされています。

Rosemary Clooney in the Films
White Christmas 1954年
ホワイト・クリスマス スペシャル・エディション
ローズマリー・クルーニーが出演した映画といえばハンガリア出身のMichael Curtiz(マイケル・カーティス)が監督したクリスマス映画の定番となったミュージカル・コメディの「ホワイト・クリスマス」でしょう。 映画のなかでは主演のBing Crosby(ビング・クロスビー)とローズマリー・クルーニーがテーマ曲をデュエットしたり出演者たちと合唱したりとIrving Berlin(アービング・バーリン)の曲がふんだんに使用されています。
☆映画について詳しくはAudio-Visual Trivia内のホワイト・クリスマス White Christmas
クリスマスといえば1954年の映画「ワイト・クリスマス」では”I’m dreaming of a white Christmas…”と歌ったWhite Christmasの他にも、”Chestnuts Roasting on an Open Fire…”と歌ったChristmas Song(ザ・クリスマス・ソング)もクリスマス定番曲となっています。

Red Garters 1954年
Red Garters VHS“Mambo Italiano”でセンセーショナルなヒットを飛ばしたローズマリー・クルーニーが「ホワイトクリスマス」と同じ年の1954年に出演した西部劇のGeorge Marshall(ジョージ・マーシャル)が監督したミュージカル映画の「レッド・ガータース」ですが日本未公開でした。 ローズマリー・クルーニーは酒場の経営者で歌手のCalaveras Kate(カラベラス・ケイト)という役で、そのケイトが気がある町の有力者役には1958年にCat on a Hot Tin Roof(熱いトタン屋根の猫)に主人公の兄のCooper ‘Gooper’ Pollitt(グーパー)役で出演した性格俳優のJack Carson(ジャック・カーソン)で、二人の恋はなかなか実らずやけになったケイトは結婚するためにハンサムな牧童(ガイ・ミッチェル)を利用して有力者に嫉妬させようと企むストーリーなんだそうです。
牧童を演じたのは子役からポップス歌手になり1950年代に”Singing the blues”や”Heartaches By The Number”がヒットしたクロアチア系のGuy Mitchell(ガイ・ミッチェル)です。 1956年に私も好きな”Singing the Blues”という大ヒットを放ったガイ・ミッチェルでしたが、なんと名前のミッチェルはローズマリー・クルーニーに”家においでよ”と”マンボ・イタリアーノ”を吹き込ませたコロンビア・レコードのミッチ・ミラーから付けられたそうです。(では、Guy は? それはナイスガイだからだそうです)
日本未公開でDVDもなく以前は1998年リリースの英語版の輸入VHSが見つかりましたが現在は在庫なし。
Red Garters Soundtrack
Red Garters/Irving Berlin’s White Christmas
Red Garters-White Christmasローズマリー・クルーニーとガイ・ミッチェルの歌を収録したサウンドトラックとホワイトクリスマスが一緒になった2001年の輸入ベスト盤アルバムがリリースされているそうです。
試聴は「Red Garters/Irving Berlin’s White Christmas – CD Universe」 ちなみに「Irving Bering’s White Christmas」というLPレコードもColumbiaからリリースされたそうです。( CL6338)

In Concert Series (Full) [DVD] [Import] (2006)
In Concert Series (Full) [DVD] [Import]
In Concert Series DVD“Foggy Day”、”Imagination”、”Come Rain or Come Shine”などローズマリー・クルーニーの有名な11曲を収録した50分ライヴDVDらしいですが、2006年にリリースされたリージョン1の英語版なので一般のプレーヤーでは再生不可だそうです。 一説にはこのDVDはコンサート・ライヴではなくNelson Riddle(ネルソン・リドル)が出演した妊娠時期のローズマリー・クルーニーのTV番組の抜粋だとか。 選曲には一貫性がないそうですが昔の映像ならかえって歓迎!だが未見につき確証なし。 妊娠中といってもローズマリー・クルーニーは1955年から1960年にかけて子供が5人も生まれたのでどの時期かは特定できませんが、もし情報が正しければこの5年間の映像であることは間違いないでしょう。

Rosemary Clooney on Soundtracks
ローズマリー・クルーニー本人が映画に出演することは数が多くはなかったのですが、映画のサウンドトラックでローズマリー・クルーニーの曲が使用された例はたくさんあります。
上記以外のローズマリー・クルーニー自身が主演した映画では1953年のThe Stars Are Singing(楽しき我が家)では”Come On-A My House”をはじめ”Haven’t Got a Worry”、”I Do! I Do! I Do!”、”Lovely Weather For Ducks”を歌っているそうです。 Stanley Donen(スタンリー・ドーネン)が監督してローズマリー・クルーニーと結婚したホセ・ファーラーと共演した1954年のDeep in My Heart(我が心に君深く)でMr. and Mrs.”を歌い、そのホセ・ファーラーが監督した1961年のReturn to Peyton Place(青春の旅情)では音楽を手掛けたFranz Waxman(フランツ・ワックスマン)作曲のテーマ曲”The Wonderful Season of Love”を歌いました。
Rosemary Clooney – Wonderful Season of Love (“Return to Peyton Place” Theme) – YouTube
サントラで使用されたローズマリー・クルーニーの曲としては、Gary Oldman(ゲイリー・オールドマン)が出演して鉄道マニア夫を描いた1987年の「Track 29(トラック29)」ではChattanooga Choo Choo”、”Young at Heart”、”When the Red, Red, Robin Comes Bob, Bob, Bobbin’ Alongが使用され、日本未公開ですが1994年の「Radioland Murders(笑撃生放送!ラジオ殺人事件)」では”That Old Feeling”が使用されています。 そしてClint Eastwood(クリント・イーストウッド)もローズマリー・クルーニーはお好みらしく1997年に監督した「The Garden Of Good And Evil(真夜中のサバナ)」ではイーストウッド自身がプロデユースしたサウンドトラックにローズマリー・クルーニーが歌う”Fools Rush In”が収録されています。 この”Fools Rush In”は1999年にリリースされた「Songs from the Girl Singer: A Musical Autobiography」という2枚組アルバムにも収録されています。(B00002CF43) まだまだ! 1999年のプロレス映画の「Beyond the Mat(ビヨンド・ザ・マット)」で”I’ll Be Seeing You”、そして甥っ子のジョージ・クルーニーが監督した2002年の「Confessions of a Dangerous Mind(コンフェッション)」では”There’s No Business Like Show Business”が使用されました。 最近でも2002年にNicolas Cage(ニコラス・ケイジ)が監督した「Sonny(ソニー)」では”Half as Much”、2006年にKeanu Reeves(キアヌ・リーヴス)が主演した「The Lake House(イルマーレ)」では”There Will Never Be Another You”と”I Wish You Love”が使用されたように今後もローズマリー・クルーニーの歌声はスクリーンで流れつづけることでしょう。

Missed Rosie’s’ Video Clips
以前はyouTubeで1961年にATVのJo Stafford Showの特番”County Fair”でJo Stafford(ジョー・スタッフォード)やMel Torme(メル・トーメ)や77 Sunset Strip(サンセット77)のEdd “Kookie” Byrnes(エド・バーンズ)まで出演した映像が観られたのです。(On a TV Jo Stafford Show of 1961, Jo is joined by Rosemary Clooney, Edd ‘Kookie’ Byrnes, Lionel Blair and composer of ‘County Fair’, Mel Torme. Jack Parnell’s Orchestra and vocal group The Polka Dots complete the star-studded lineup for this spectacular performance)

♪ Rosemary Clooney – Hey There (US August 1954, Essential Rosemary Clooney)
(Album “Essential Rosemary Clooney” includes Come On-A My House, In the Cool, Cool, Cool of the Evening, Hey There, Half as Much, Botch-A-Me (Ba-Ba Baciami Piccina), Lady Is a Tramp, You Started Something, You Make Me Feel So Young, Blue Rose, Love, You Didn’t Do Right By Me, Blame It on My Youth, Mambo Italiano, This Ole House, Mangos, and From This Moment On)

ローズマリー・クルーニー Rosemary Clooney」への2件のフィードバック

  1. 昨日はゆっくりyoutubeを観ながら、聴きながら読ませていただきました。
    ジョージとの関係は知ってましたが、こういう記事がないとなかなかローズマリーさんの事もあやふやなまんまで・・。
    昔のエンターテイナーはいいですねぇ。ディーノとのハグしながらのデュエットなんて、いまだにこんなスタイル日本じゃないですもんね。
    ただ、当時のブレスケアはどうだったんだろうと、それが気になりました。^^

  2. koukinobaaba より:

    十瑠さんのおっしゃるビデオはローズマリー・クルーニーが1960年ごろの妊娠時期の映像でしょうね。ディーン・マーチンと同じ曲を何曲も吹き込んでいるいるから仲良しだったようです。
    水泳も息つぎが大事ですが、歌のブレスの方はブレスポイントの調整(トレーニング)とかマイクが発達してきた時代ですから息つぎの音を拾わない方法もあるんでしょうかね。

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