エデン・アーベ Nature Boy by Eden Ahbez

エデン・アーベ
ジャズのスタンダードとなっている美しい曲の”Nature Boy(ネイチャー・ボーイ)”を作曲したのはブルックリン出身のエデン・アーベです。 “There was a boy, a very strange, enchanted boy…” カリフォルニアのポップカルチャーの異端児のようなちょっと変わったソングライターで、昔はエデン・アーベツとも表記されていました。 一般には「ネイチャーボーイ」の作曲者としてのみ知られるエデン・アーベはいわゆる一発屋なのですがそれが並大抵の人物ではなかったのですね。 この世のものとは思えないあの美しい曲の作曲及び作詞者の写真を見た時はちょっと驚きました。 ヒッピー? そうです、カリフォルニア! それもハリウッド!
ビートニク以前にビート詩人でありヒッピー・ジェネレーション以前にヒッピー精神を持ったエデン・アーベは内なる静寂を求め、放浪の旅を通して人生哲学を身に付けたのだそうです。 Jack Kerouac(ジャック・ケルアック)のようなビートニク風の詩人であり、家を持たないその生活はまさに元祖ヒッピーともいえます。 ブルックリンのユダヤ家庭に生まれたエデン・アーベは早くして両親を亡くし孤児として育ったのですが、ユダヤ人がロン毛、ヒゲ、裸足というJesus Christ(イエス・キリスト)風になったという伝説的な人物です。 40年代にブルックリンからカリフォルニアに移りヒッピーのような生活を始め、名前もAlexander Aberle(アレクサンダー・アバリー)からEden Ahbez(楽園・アーベ)に変えました。

ちょっと”眉唾”ものですが、ハリウッドの街角に立ち東洋の神秘主義を説いたり、生活費は週3ドルというベジタリアンでベッジー必携のジューサーと自転車以外には所持品はなかったとか、結婚して家族もあったのですが共に寝袋で公園に寝泊りする生活だったそうです。
まさに自身が作った曲「ネイチャー・ボーイ」のタイトルのごとく、自然児を地でいったエデン・アーベでしたが、1995年に交通事故で亡くなりました。 その後、1990年代にはSpace Age Pop Music(exoticaやpsychedeliaなどのイージーリスニング)の熱狂的なファンによってエデン・アーベがリバイバルしたそうです。

Nat King Cole Sings Nature Boy
エデン・アーベが作曲した曲で一般に広く知られているのは1947年にNat King Cole(ナット・キング・コール)が歌って大ヒットとなった「ネイチャー・ボーイ」の1曲だけのようです。 「ネイチャー・ボーイ」がイディッシュ(ユダヤ)のメロディだと知った商才にたけたナット・キング・コールは公演のレパートリーに加えたいと考え、エデン・アーベからその手書きの原曲の草稿を手に入れて歌ったそうです。 一夜にしてその曲の素晴らしさが広まりとうとうキャピタルレコードでレコーディングすることになったのです。 それで行方不明のエデン・アーベを探し廻ったところ、撮影所のあるハリウッド山の映画の都を象徴するHOLLYWOODの看板の”L”字のところで野宿しているのが見つかったという逸話があります。
1949年にエデン・アーベの第二作目の「Land of Love」をナット・キング・コールが吹き込んだ後、アーべは1960年に自分のLP「Eden’s Island」を吹き込むまで再び姿をくらましました。 1966年頃にBrian Wilson(ブライアン・ウィルソン)がThe Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)とアルバム”Pet Sounds”をリリースする頃には一緒だったそうで、そのアルバムはエデン・アーベのExotica(エキゾティカ)に影響を受けとか。
※Space Age Pop(スペースエイジ・ポップス)というとExotica(エキゾティカ)やCocktail Musicなどのラウンジミュージックを含む不明な音楽のジャンルです。とりあえずロックですが完璧にジャズとはいえず、時にはちょっと難解なあるいは過激な曲もありポップスとは又程遠いようです。いわば一風変わった宿無しジャンルでしょうか。
「エキゾティカ」とはスペースエイジ・ポップスのジャンルに入る一種のワールド・ミュージックですが、軽音楽のジャンルの一つでイージーリスニングのクラブ・ミュージックを指すようです。 小編成のオーケストラにエスニックな楽器やスペース・エイジポップスの効果音などを加えることが多いようです。 50年代、60年代に流行って90年代にリバイバルしました。 主な音楽ソースはトロピカルで太平洋からカリブ、南米などブラジルやアフリカのサウンドです。 ワールドといっても枠にはまらずエスニック・サウンドを軽いポップス調にした白人向け避暑ツアー的音楽のようです。 イビザのクラブシーンなんてそうかも。 日本でも戦後にリゾートポップスが流行りました。 1948年に岡晴夫の”憧れのハワイ 航路”!

1995年にリリースされたサーフィンミュージックのコンピレーション・アルバムの「Pulp Surfin’」ではエレキのゴッドファーザーと呼ばれたLink Wray(リンク・レイ)の”Rumble”の他に前述のブライアン・ウィルソンとバンドメンバーのAndy Paley(アンディ ・ ペイリー)のコラボで”In My Moondreams”とエデン・アーベの”Full Moon”が一緒に収録されています。 「Pulp Surfin’」のCD画像はまさに1994年の映画「Pulp Fiction(パルプ・フィクション)」のUma Thurman(ユマ・サーマン)をもじっているのでしょうか。
アーべは他の6人ほどのミュージシャンに全ての権利を分け与えたので自分は何もなくなってしまったそうですが、ナット・キング・コールの死後にコール夫人がその著作権をアーベに返してくれたそうです。
※ちなみにFull Moonはソーシャル・ミュージック・プラットフォームのLast.fmで一番人気のエデン・アーベの曲です。

アーべのネイチャー・ボーイはHerman Yablokoff(ハーマン・ヤブラコフ)のYiddish(イディッシュ=ユダヤ)の歌でSchweig Mein Hertz (Be Still My Heart)を元に、友人が話してくれた彷徨う少年のファンタジーを歌にしたといわれています。 和解しましたが、エデン・アーベの「ネイチャー・ボーイ」は当時レコード会社(ラジオ局?)との著作権問題も生じたそうです。
※ハーマン・ヤブラコフはベラルーシ(白ロシア)から渡米してきたユダヤ人の音楽家でラジオ番組の音楽を担当し既に名が知れていました。

「ネイチャー・ボーイ」がナットキングコールでヒットすると、続々とFrank Sinatra(フランク・シナトラ)やDick Haymes(ディック・ヘイムス)やSarah Vaughan(サラ・ヴォーン)などが吹き込んでそれぞれがチャート入りしていますが、新しいところではBobby Darin(ボビー・ダーリン)という女性コーラスをバックにボビーが”Sha-la-la-la-lu…♪” という裏声も入れた独特のバージョンを1961年に「Things & Other Things」というLPに吹き込みました。
※私の手持ちのシングルEP盤ではこの曲はなんと「Come September(九月になれば)」のB面に収録されています。
他にも1930年代から活躍したダンスバンドのMantovani & his orchestra(マントヴァーニ楽団)も演奏しています。
※ディック・ヘイムズはケティ・レスターで大ヒットした「ラヴレター」のオリジナルを1945年に歌った歌手ですが「Stella By Starlight」というアルバムに”Nature Boy”を収録しています。
Listen若きフランク・シナトラのネイチャー・ボーイが聴けるwfmuラジオのプレイリストPlaylist for Scott Williams – September 30, 2002(Listen to this show (RealAudio)をクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を最後の方、2:57:30に移動)
他には、指パッチンでスウィングして歌う低音のバラード歌手のJohnny Hartman(ジョニー・ハートマン)の”Nature Boy”がありますがアルバム「For Trane」に収録されています。

ネイチャー・ボーイの映画
まさに”エデン=楽園”のように美しい曲「ネイチャー・ボーイ」は1948年にJoseph Losey(ジョセフ・ロージー)監督のアメリカ映画「The Boy with Green Hair(緑色の髪の少年)」のテーマ曲として使用されました。(冒頭で流れる曲はコーラス・バージョン) 「緑色の髪の少年」の出演者はブルーベルベットのDean Stockwell(ディーン・ストックウェル)、そして口笛のイントロのテーマ曲がヒットした1956年の「The Proud Ones(誇り高き男)」やRobert Wise(ロバート・ワイズ)が監督した1949年の「The Set-Up(罠)」やFritz Lang(フリッツ・ラング)が監督した1952年の「Clash By Night(熱い夜の疼き)」に出演したRobert Ryan(ロバート・ライアン)、そしてSpencer Tracy(スペンサー・トレイシー)が主演した1951年のノワール「The People Against O’Hara」のPat O’Brien(パット・オブライエン)、TVシリーズの「The Many Loves of Dobie Gillis(ドビーの青春)」のDwayne Hickman(ドウェイン・ヒックマン)などです。 最近では1999年にアンソニー・ミンゲラ監督のThe Talented Mr. Ripley(リプリー)でMiles Davis(マイルス・デイヴィス)の演奏バージョンがサントラにも収録されています。 そして2001年のミュージカル映画の「Moulin Rouge(ムーランルージュ)」では冒頭とエンディングにDavid Bowie(デヴィッド・ボウイ)が”ネイチャー・ボーイ”を歌っています。
Miles Davis with Charles Mingus – Nature Boy
David Bowie – Nature Boy (Moulin Rouge) – YouTube

Nature Boy in “Untamed Heart”
Tony Bill(トニー・ビル)が監督した2004年のAlfie(アルフィー)に出演したMarisa Tomei(マリサ・トメイ)と、1995年にKevin Bacon(ケヴィン・ベーコン)が死刑囚を演じた「Murder In The First(告発)」に出演したChristian Slater(クリスチャン・スレイター)が悲恋の恋人を演じた超泣ける1993年の映画「Untamed Heart(忘れられない人)」があります。 二人が聞く重要なカギとなっている音楽が”Nature Boy(ネイチャーボーイ)”で、特にラストシーンで心臓病で逝った恋人を偲んでヒロインがレコードで聴いたピアノ演奏の”Nature Boy”が涙を誘います。 映画音楽はCliff Eidelman(クリフ・エデルマン)ですがBrook Bentonの”This Time Of The Year”、Suzanne Vega(スザンヌ・ヴェガ)の”Tom’s Diner”などと共にナット・キング・コールとRoger Williams(ロジャー ウィリアムス)の”Nature Boy”が使用されています。(サントラには収録されていません) ロジャー ウィリアムスはJuilliard(ジュリアード音楽学校)でTeddy Wilson(テディ・ウィルソン)などにジャズピアノを師事、まさにハラハラと落ち葉が舞うがごとくの1955年の”Autumn Leaves”がビルボードのチャート入りを果たしたピアニストです。

2000年にはタイトルもまさに”Nature Boy”というテレビ向け映画でCallum Keith Rennie(カラム・キース・レニー)がエデン・アーベの役を演じNat King Cole(ナット・キング・コール)の映像もあったようです。 カラム・キース・レニーは日本では1997年に海外テレビドラマのLa Femme Nikita(ニキータ)の第9話「Gray(盗まれた秘密)」と「Choice(許されぬ恋)」にGray Wellman(グレイ・ウェルマン)役でゲスト出演したことがある他、2000年にMemento(メメント」のDodd役でも知られています。

Eden’s Island
エデン・アーベの主なオリジナルLPアルバムはexotica(エキゾティカ又はエキゾティック・サウンド)とビートニク風な詩の朗読を収録した1060年のEden’s Island(エデンの楽園)と、死後にリリースされたEden’s Islandと同じような「Echoes from Nature Boy」ですが1995年にCD化されました。
ページトップの画像は”Nature Boy”は収録されていませんが、オリジナルが1960年のリリースの輸入盤で幽玄の美ともいわれるインストゥルメンタル(イージーリスニング)のアルバムです。
「Eden’s Island」の試聴はEden’s Island – AllMusic.com
ジャズ界からはPaul Moer(ポール・モアー)をフィーチャーし、エデン・アーベのビートニク風の詩の朗読も収録しています。
※ジャズピアニストであり作曲家でもある”ポール・モアー”は50年代にBenny Carter(ベニー・カーター)、Stan Getz(スタン・ゲッツ)、Shorty Rogers(ショーティー・ロジャース)など一緒に演奏したミュージシャンで、65年頃からRosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)のツアーに参加していたそうです。 Paul Moer Trio(ポール・モアー・トリオ)としては幻の名盤といわれる「The Contemporary Jazz Classics of the Paul Moer Trio」があります。
☆アルバム「Eden’s Island」の曲目
1. Eden’s Island(エデンの楽園)
2. The Wanderer(放浪者)
3. Myna Bird(ミナ・バード)
4. Eden’s Cove(エデンの洞窟)
5. Tradewind(トレイドウィンド)
6. Full Moon(フル・ムーン)
7. Mongoose(マングース)
8. Market Place(マーケット・プレイス)
9. Banana Boy(バナナ・ボーイ)
10. The Old Boat(オールド・ボート)
11. Island Girl(アイランド・ガール)
12. La Mar(ラ・マー)
13. The Wanderer(放浪者)(Alternate Take)
14. Surf Rider(サーフ・ライダー)

The Singing Prophet
1950年代初期に初のエデン ・ アー ベ関連のアルバムとしては、低音の魅力のHerb Jeffries(ハーブ・ジェフリーズ)がエデン・アーベの曲を吹き込んだ美しくミステリックなモノ録音のコラボLPで「The singing prophet(歌う預言者?)」があります。 A面が「The Legend of Nature Boy」組曲でB面はハーブ・ジェフリーズのオリジナル曲です。曲の合間には例のごとくエデン・アーベの朗読が入ります。
アルバム「Eden’s Island」からエデン・アーベのIsland GirlがSpace Age Pop Music – Program 12とLa MarがSpace Age Pop Music – Program 4、そしてAl Hirt(アル・ハート)のNature BoyがProgram 14で聴けたサイト「SPACE AGE POP MUSIC」のプレイリストは消滅しました。
ハーブ・ジェフリーズは1940年代にSidney Bechet(シドニー・ベシェ)楽団やDuke Ellington(デューク・エリントン)楽団などで歌っていたハンサムで美しい声のブロンズ肌のジャズ歌手です。
1951年に「Pickup」のファムファタルを演じたBeverly MIchaels(ビヴァリー・マイケルズ)が主演した1953年のフィルムノワール「Wicked Woman(悪女という意味)」のテーマ曲”Wicked Woman”をジェフリーズが歌いました。(悪女が殺害を企む相手は自分の夫ではなくメキシコに行くためにそそのかしている酒場の主人のアルコール依存症の妻であるから1946年の名作「The Postman Always Rings Twice (郵便配達は二度ベルを鳴らす)」とは逆ですが、「Wicked Woman」の冒頭のシーンで全編通して着ている白いスーツ姿のビヴァリー・マイケルズが演じる流れ者のビリーがバスから降りた時と、ラストにバスに乗り込む時にハーブ・ジェフリーズが歌うテーマソングが流れます。 なんと「Miracle on 34th Street(三十四丁目の奇蹟)で酔っ払いサンタクロースを演じたPercy Helton(パーシー・ヘルトン)がこのビリーという悪女にゾッコンとなりいいように毟られますがビリーの悪事に感づき逆に脅してデートを迫りますがこのことがビリーのアカプルコの夢を壊し、ビリーはニューヨークへの片道切符を手にするのです。次なるカモを求めて)

The World of Nat King Cole
エデン・アーベ作曲のネイチャー・ボーイによりナット・キング・コールはジャズとポップスの中道を行くパイオニアとして大成功しましたが、一方、白人に媚びたステージマナーと歌唱法だとして黒人間では不評を買ったそうです。(差別されていた黒人の間でも色々と差別があったそうです) ネイチャー・ボーイの他に日本で有名なIt’s Only A Paper Moon、Route 66、Too Young、L-O-V-Eなどのナット・キング・コールの代表曲28曲を収録したアルバムは全てCapitol (キャピタルレコード)の録音でナット・キング・コール年代記ともいえます。1965年のナット・キング・コールの死後40周年を記念して2005年に発売されました。
Nature Boy in The World of Nat King ColeThe World of Nat King Cole
☆上記の曲の他にもJosephine BakerのJ’ai Deux Amours(二つの愛)をカバーした”Two Love Have I”などがありますが、”Pretend you’re happy when you’re blue…”と歌われたロマンティックな”Pretend”の歌詞は格別です。
Nat King Cole – Nature Boy with lyrics – YouTube

Moulin Rouge
2001年のミュージカル映画「Moulin Rouge(ムーランルージュ)」のサウンドトラックでは、エデン・アーベのNature Boy(ネイチャー・ボーイ)をDavid Bowie(デビッドボーイ)がオープニングとクロージングに違うバージョンで歌っています。
珍しくはキャバレーシーンで見られたNirvana(ニルヴァーナ)のKurt Cobain(カート・コベイン又はカート・コバーン)が書いた”Smells Like Teen Spirit”ですが、映画での使用は出来てもサントラに収録することはできなかったようです。 映画で娼婦を演じたNicole Kidman(ニコール・キッドマン)がシンガーソングライターのRandy Crawford(ランディ・クロフォード)が1980年に歌った”One Day I’ll Fly Away(ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ)”などを歌う他、共演のEwan McGregor(ユアン・マクレガー)やChristina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ)やPink(ピンク)などが歌う”Lady Marmalade(レディ・マーマレイド)”などがThe Beatles、 Whitney Houston、U2など70年代のミュージシャンの曲をカバーしています。
Moulin Rouge/ムーラン・ルージュムーラン・ルージュ
試聴はMoulin Rouge Soundtrack – Amazon.com

ネイチャー・ボーイを演奏しているアーティスト
有名ジャズメンがエデン・アーベの美しい旋律のネイチャー・ボーイをこぞって演奏しています。
① ビバップからフュージョン(クロスオーバー)までジャズ・トランペットの巨匠と呼ばれるMiles Davis(マイルス・デイビス)が演奏する”Nature Boy”が収録されているアルバムは「Blue Moods」です。
② マイルス・デイヴィス・クインテットに参加していたテナー・サックス奏者のJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)の”Nature Boy”が収録されているのは3枚組アルバムの「Retrospective: Impulse」で、ディスク:3の4番に収録されています。
③ 私の大好きな40年代以降活躍したジャズのテナーサックス奏者であるIke Quebec(アイク・ケベック)が演奏しているアルバム「Heavy Soul」では8番に収録されています。
※1959年にBlue Note Recordsと再契約してジャズ界にカムバックした40年代スイングジャズのアイク・ケベックの1961年のLP盤を2005年にCD化したものでアイクのエモーショナルなサックス演奏が聴けます。
④ MJQの演奏する”Nature Boy”が収録されているアルバム「The Best Of Modern Jazz Quartet」では5番に収録されています。
⑤ J.J. Johnson(JJジョンソン)とJoe Pass(ジョー・パス)の共演盤「The J.J. Johnson Memorial Album」では15番に収録されています。
⑥ Charlie Parker(チャーリー・パーカー)、Dizzy Gillespie(ガレスピー)、Bud Powell(バド・パウエル)とMax Roach(マックス・ローチ)が参加しているベース奏者のCharles Mingus(チャーリー・ミンガス)のDebut Records(デビュー・レコード)の12枚CDセットで演奏時間が14時間という素晴らしいアルバムは「The Complete Debut Recordings」
“Nature Boy”の試聴はComplete Debut Recordings – CD Universe(ディスク:8の10番)

ウエスト・コーストの白人アルトサックス奏者でアドリブの天才といわれるArt Pepper(アート・ペッパー)が16枚組みアルバム「Complete Galaxy Recordings」のディスク:9でNature Boyを演奏しています。(オリジナルは1989年リリース)

※ついでというには素晴らし過ぎですが、1998年にドイツのBmg/VogueからリリースされたというBarney Wilen(バルネ・ウィラン)の「Tilt」(ASIN: B000008A1E)ですが、試聴はCDの「ティルト+6」(ASIN: B00L9EL456)やMP3アルバムはTilt (Bonus Track Version)
テナーサックス奏者のバルネ・ウィランは「死刑台のエレベーター」などのサウンドトラックで有名になったフランスのサックス奏者です。
Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)の「Very Tall Band」 →試聴が「Very Tall Band – Amazon.com」 (6番Preview)

人気はテナーサックス奏者のZoot Sims(ズート・シムズ)のアルバム「The Bossanova Session」にも”Nature Boy”が収録されています。
☆いずれも素晴らしい演奏ですが、あなたはどのネイチャー・ボーイがお好き?

エデン・アーベ Nature Boy by Eden Ahbez」への4件のフィードバック

  1. これまた今まで知らなかった話題を取り上げていただき、ありがとうございました。この辺りのことはからっきし知らないんで、koukinobaabaさんのエントリーがとてもためになっています。ジャズはお得意中のお得意のジャンルですね!

  2. koukinobaaba より:

    わたしは記事を書いているなかで、この世の素晴らしい人々の存在を知るという楽しみを実感しています。私が知っていることはごく僅かですが、インターネットのおかげで情報を共有出来る時代に生きていることはなんとラッキー!なんでしょう。
    ところでRSSの件ですがどうも私の方のindex.rdf が「XML パースエラー」らしいのです。私もエキサイトで追加出来ませんでした。
    自分で直せるかどうか確信はないですが後ほどテンプレートを開いてやってみます。

  3. uniko@ニャンくん より:

    koukinobabaさま、お久しぶりです。
    いつもながら、細かく丁寧な解説、素晴らしいです。「ネイチャー・ボーイ」の作曲家について知らなかったこと、教わりました。
    この曲、ホント、不思議なメロディー構成なんですね。エキゾチックで、一度聞いたら絶対忘れない。いつまでも好まれる所以でしょうか?
    この曲と言えば、やはりキングコールのバージョンを思い出します。
    ちなみに、キングコールが吹き込む以前に、最初にシナトラの方にオファーがあったそうです(本人がTVで仰ってました・・・)。シナトラはヘンな宗教野郎め、と勘違いして断ったらしいのですが、後で「断って大後悔した」と白状してました(笑)
    それと、全然違う話題ですが・・・
    このたび、ブログを移転しましたのでお知らせにきました。
    下記アドレスへリンク変更お願いします。
    http://lovelovetigers.seesaa.net/

  4. koukinobaaba より:

    「シナトラ」オファー説は初めて聞きました。本人が言っていたなら本当でしょうが、私が知るところではナット・キング・コールの方から歌いたいと申し出たとありましたのでそのように記事にしてあります。後日もうちょっと調べてみます。有難うございます。
    移転は何かと煩わしいものですね。私にとっては重労働でした。アドレスはちゃんと変更してあります。

コメントは受け付けていません。